高雄蓮池潭のでっかい神様・玄天上帝 | ガイドブックにない台湾を求めて~台湾漫遊日記

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今日お話ししたいのは、「玄天上帝」と仰る神様。

媽祖さまほど日本では認知度がありませんので御存知の方もそう多くは無いかも知れません。

でも、高雄・左營にある「蓮池潭」に行かれた方はかなりいらっしゃると思います。


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この蓮池潭の写真のほぼ真ん中に写っているでっかい神像が見えますか?

この神様こそが玄天上帝。遠くから見ても「でけぇ~!!」って思いますよね。

私も初めて訪れた時は「とりあえずあそこまで行こう!」と向かった覚えがあります。


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で~んと鎮座ましますこの玄天上帝、この神像内にも廟がありますが、この像はすぐ前にある廟「元帝廟」に属するものです。


ガイドブックにない台湾を求めて~台湾漫遊日記 元帝廟は元々「北極大帝廟」と呼ばれ、康熙53年に現在の場所に創建されましたが、源祠を辿ると鄭成功が台湾からオランダを追い出した明末・永暦20年(1666年)にまで遡るそうです。

北極殿,北極大帝廟とは皆この玄天上帝を祀る廟、この神様は北天門を守る責務をお持ちなのです。


ガイドブックにない台湾を求めて~台湾漫遊日記 歴史は大変長く、古代の星崇拝や動物崇拝が源流です。

北極という名前から何となく北極星と関係があると察して頂けましたか?

実は青龍,朱雀,白虎,玄武の四象のうち、「玄武」が道教の神様となったものがこの「玄天上帝」。


玄武は亀に蛇が巻き付いた絵で現されます。

星が崇拝された頃、北方七宿の形を繋げると亀に蛇が巻き付いた形になったそう。


ガイドブックにない台湾を求めて~台湾漫遊日記 「玄」=黒を表し、黒は北方を表す色です。

北方七宿、つまり北斗七星に象徴される「玄武」が人格化され、神に格上げされたお方が中国の神様「玄天上帝」。

でも台湾においては少し面白い別の伝承があります。


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夜の玄天上帝像に迫りながらお話しします。

玄天上帝は神様になる前は「屠夫」つまり屠畜を生業としており、晩年殺生を悔いて山に修行に行ったそうです。

観音菩薩が玄天上帝の心を試したところ、彼は決心の表明として自らの腹を割り、胃と腸を取り出し、川の水で洗ったそうです。


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その姿に天の神が感動し、彼は神様となりました。

しかし、彼の胃と腸は人間界に残されたまま胃が亀の怪物、腸が蛇の怪物となって悪さをしていました。

神様となった玄天上帝はこの人間界の2つの妖怪を自ら成敗しました。


ガイドブックにない台湾を求めて~台湾漫遊日記ですから現在、台湾にある全ての玄天上帝像の足は亀と蛇を踏みつけているのです。

玄武の伝説とは少し違った台湾の玄天上帝の伝説。

とても面白いと思いませんか?

この蓮池潭の玄天上帝像も例に漏れず、ほら亀と蛇を踏んづけています。


ガイドブックにない台湾を求めて~台湾漫遊日記 ここを訪れた皆様、この像のたもとにワニガメが飼われているのをご覧になられましたか?

夜でしたから何せ写真が悪い…。

「え?コレ、生きてるの?!」と皆様口々に仰るほど、まるで岩のように藻を生やし、水面から鼻を突き出し、背中には賽銭を載せてじっと動かない仙人のようなこのワニガメ。

何故ここにわざわざ亀が居るのか解って頂けましたか?


ガイドブックにない台湾を求めて~台湾漫遊日記 そして玄天上帝像のお腹の中に入ってみると、左手に蛇の像が奉納されています。

こちらはリアル蛇にする訳にはいかなかったのでしょうか。

華西街夜市の蛇捌きショーをやる店に飼われてるような巨大白蛇が居てくれたら嬉しかったのですが^^


ガイドブックにない台湾を求めて~台湾漫遊日記 巨大神像のお腹の中にもまた玄天上帝様が祀られています。

玄天上帝の象徴色は黒なので、描かれたものは黒い服を着ていますが、台湾で見る神像は大体ハデハデな色が多いです。

国民性によって変わったんでしょうか、何となく微笑ましく感じます。


ガイドブックにない台湾を求めて~台湾漫遊日記 この蓮池潭の巨大神像はまさしく世界最大の玄天上帝像。

昼間見るのもいいですが、この夜間ライトアップバージョンが幻想的で良いです。

玄天上帝廟である北極殿は台湾各地にあります。

彼の誕生日である農暦3月3日には盛大なお祭があります。

玄天上帝廟は香港では「北帝廟」と呼ばれます。

香港でもあちこちで見ることが出来ますよ。


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最後におまけ、夜の龍虎塔。綺麗ですね。
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慈濟宮の中から眺める龍虎塔。

煌びやかでいいですね。

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