要塞都市東京脱出計画⑤

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「ただいまぁ・・・まぁ、誰もいないのはわかってるけど、とりあえず言わなきゃね。」と寂しさを紛らわすつもりで逆に助長している一言を口にした後、なんとなくテレビをつけた。北海道の特集をやっていたのだが「ん?いいのか?他道府県の番組を放映して・・・」と思っていると、突然画面が乱れ、堀江の顔が浮かび上がった。その下には「不適切な映像が流れたことをお詫びいたします。」と書いてあり、すぐにニュース番組に変わった。番組のタイトルは「偉大なる堀江知事に送る今日のニュース」・・・

「なんと馬鹿げたタイトルだ!腐ってる・・・何十年か前の北○鮮みたいじゃねーか!・・・はぁ・・・北海道に住めたらなぁ・・・」

なんて考えていると、俺の腹が鳴った。「そういえば飯がまだだったな。今日は適当に親子丼でも作るかな。」と脳内で悩むことなく適当にメニューを決めて調理に取り掛かった。

「いただきます」日本人特有の台詞を音波として発した後、俺は生きるために必要な生理的欲求のうちの1つを満たすため、しばらく親子丼を体内に取り込む作業に精を注いだ。親子丼の量が半分くらいまで減ってきたところで、再び鍵のことについて考えた。「うーん・・・この鍵の形はどこかの家の鍵と言うよりは小さい金庫のようなものの鍵みたいだが・・・10万を封筒に入れて箪笥に入れていた親が金庫にしまうものなど考え付かないのだが・・・とりあえずこの家のどこかにあるんだろう、無かったらわからん、諦める。」


後半はほとんど味わうことなく食べ終わってしまっていたので、すこし後悔しつつ「ごちそうさま」とこれまた日本人特有の台詞を放ち、俺は食器を流しに持っていき、水につけた。後で洗おう。


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要塞都市東京脱出計画④

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「ぴぴぴぴ、ぴぴぴぴ、ぴぴぴぴ!カチッ・・・」目覚ましが鳴ったので俺は右手を伸ばして目覚ましの頭のボタンを押した。スヌーズが掛かっているので5分後にまたなるだろう。

「タラッタ タッタ ターラララー タラッタ ターラ ター ピ、・・・」今度は携帯のアラーム音に設定してあったハレ晴レユカイの着メロが鳴ったので、ボタンを押してとめた。同じく5分後にまたなるだろう。

  

5分後

「ぴぴぴぴ、ぴぴぴぴ、ぴぴぴぴ!カチッ・・・」

「タラッタ タッタ ターラララー タラッタ ターラ ター ピ、・・・」

「うーん・・・ん?あぅん!?朝か・・・。なんかいやな夢を見た気がする。はぁ。」


俺は何故だか起きるのが億劫だと感じた、が「こんなことしてる場合じゃなかった。」とそそくさと着替えた。ちなみに俺の通っている中学は普段は指定のジャージで登校することが許されていて、体育や部活の際に着替える必要が無く楽だったのだが、まぁ部活を引退した受験生の俺にとってそんなことは特に関係の無いことなんだが、とにかく朝食をぱぱっと済ませて俺は徒歩でJR一駅分ぐらいの距離を歩いて学校へと向かったのだった。

 授業中もずっと鍵のことについて考えていたので、理科の時間にツリガネムシの写真を見せられて名前を問われた時、ついうっかりツリカギムシと答えてしまったくらいである。とにかくその日は、全然授業に集中できなかった・・・。家に帰った後、とりあえず私服に着替えて俺は秋葉原での学生OKのバイト先を探した。普通に考えて中3ではバイトはさせてもらえないが、見た目がふけていたのと非常に電気系統に詳しかったことが幸いし、何とか電気屋の店員としてバイトを始めることが出来そうだった。年齢承認はパソコンでうまい具合に保険証のコピーを偽造してごまかした。案外適当なもんだ。

「じゃあ、シフトは週5日、火曜日と日曜日以外で時間は18時から22時の4時間、この時間帯だと時給は700円だよ、いいかい?」

「はい、よろしくお願いします。えっと、今日は月曜日ですから明後日からですね?」

「あ、いや、明後日からやるために、仕事内容等について明日確認するから、明日は19時に来てくれるかな?1時間くらいで終わると思うけど、一応予定は空けておいてね。」

「はい。わかりました。では、明日の19時ですね。それでは、今日は失礼致します。どうぞよろしくお願い致します。」

そう言って店長に挨拶した後、俺は帰路についた。

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要塞都市東京脱出計画③

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 「ただいまぁ。って誰もいるわけ無いよな・・・」

俺は大きなため息をつくと、取り敢えず部屋の電気をつけてソファに腰掛けた。ちなみに俺が住んでいるのは秋葉原にあるマンションの3LDKの部屋で、賃貸ではなく俺が1歳の時に両親が購入したものらしい。したがって、すばらしき立地条件から俺は電気系統に非常に詳しく、学校のコンピューターのセキュリティーをはずして先生のコンピューターにハッキングして、大目玉を食らったほどである。

 

  一息ついたところで俺は部屋の奥にある箪笥へと向かっていった。そして、一番上の引き出しに手をかけた。

 「バチッ!」

 「うわっ!あぁ、びびったぁ・・・。静電気ウザッ!」俺はやり場の無い怒りを空中に音波として発散し、気をとり直して引き出しを開けた。

 「これか・・・」そこにはお札で膨らんだ茶封筒が入っていた。その茶封筒を手に取り、持ち上げると、床に何かが落ちる金属音がした。「ん?小銭も入ってたのか?」そう思ってあたりを探したが、見つからなかった。「気のせいか・・・」とまたソファに座って今後のことでも考えようと、もと来たほうへ戻ろうと歩き始めた。

 「痛ってぇ!うわぁあぁ・・・。」

 急に足の裏に激痛が走り俺は思わず屈みこんだ。と、小さな鍵が目に飛び込んできた。「これか!さっきの金属音は」と足の裏をさすりながら鍵をまじまじと見つめ、「でも、何の鍵だ?ってか、親が箪笥の1番上を強調してたのって、まさかこれのことか?だとしたらなぜ?なぜ鍵があるって直接伝えなかったんだ?鍵があることを面会の立会人に知られるとまずかったのか?だとすると・・・そんなまさかな、そんな極秘なものが俺の家にあるのか?しかも、それを俺に預けるって、いったい・・・。」なんて事を考えた、考えても考えても疑問ばかりが浮かんでくる。「とりあえず今日はもう寝るか、明日も学校だしな」俺はそそくさとベットに布団を引くと、自作の目覚まし時計をセットし、携帯電話を充電器に接続して、アラームをかけた。目覚ましが2種類ないと起きれないくらい爆睡するからである。「明日はこの鍵の使い道が何か考えながら、とりあえずバイト先を探して・・・あとは・・・」
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