Sapere Vedere ~見る技術~β版

アナログなやり方ですが、自分の目と良識を頼りに見る方法です。

「読む」「書く」「聞く」「話す」は習うのに、どうして「見る」は習わないの?


「ワトソン、君は見ていたけど、観察していなかったのだ。」


ちゃんと見て、しっかり言葉で表現できて、そこから得られる情報を自由に取り出せるようになる。


「見る」こともリテラシーの大事な技能の一つです。



このブログでは「見る」という作業を漠然と当てずっぽうに行うのではなく、観察したことを整理整頓して分析し、必要に応じてリサーチを行うなど、建設的な「見る技術」を提案していきます。帰納と演繹を行ったり来たりしながら、視覚情報の世界に漕ぎ出していきましょう!お問合せ・お仕事の依頼はmana_mana_chan@hotmail.comまで



このブログの【目次 】 (随時更新)


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構図について考えたり、まとめたりしていると

普段なら画題の面白さに目が行くところが

構図が特に面白い絵が目につくようになります(画題がたいして面白くなくても)。

 

そこで妙に気になったのが、デ・ホーホというフェルメールの同時代同地域人の画家。

フェルメールの構図も面白いですが、この人の絵も面白い。

 

この絵は他のところで紹介したのですが、ここでも次回、解説しようと思います。

それまで、こういう絵もあるんだな、と楽しく眺めていてください。

 

では、また。

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昨日のトランプ大統領娘婿ジャレド・クシュナーの記事、一部追加、細かい訂正をしておきました。

大筋には影響ないですが、微妙に充実させてみました。

 

先日、「センスに頼らない絵の見方」というシリーズで第二回目の講義をやってみました。

 

一回目は、「見たものを言葉にしてみる」でした。

 

二回目は、「構図の見方を知ろう」でした。

 

三回目は「色の見方」をやりたいと思っています。

 

一体、どういうことなんだ?と思う人も多いと思います。

画家の話とか、描かれている主題(モチーフとかテーマとか)を解読しろよ!!と思うかもしれません。

 

しかし、この講義、いわゆる美術史の方から

「すごくオーソドックスな授業」と言っていただいたものなんです。

 

【絵の見方を学ぶ手順:言葉、構図、色そして意味】

 

歴史だとか、画家についてだとかは、実はこの3回のテーマをクリアして初めて楽しめるもの。

むしろ、この3回分の内容をこなさずに絵を見ると、勘違いしてしまったり

まったく意味が分からないのに無理やり納得しないといけなかったり

アレしたりするんです。

 

1回目の「言葉にする」というのは、専門用語ではディスクリプションといいます。

視覚情報を言語情報に置き換える作業です。

観察できる=言葉に出来る、ということです。

 

例えば、この作品。

ブロンズィーノの若者の肖像

 

若い男性がポーズつけてる。

目がなんか変。

指を本に栞みたいに挟んでいる。左手の小指に指輪・・・

こんな事を言葉にしていくのが、ざっくりいってディスクリプションです。

 

2回目の「構図の見方」は、形態分析といいます。formal analysisともいいます。

比率だとか、割合だとか、幾何学のような内容です。

その内容を、言語で表現する作業です。

絵柄はいわゆる自然で強いデフォルメは感じられないもの。

構図は、ぱっきりとひし形に収まっています。

このひし形の構図は腰から上の肖像画にはよく用いられます。

 

後ろの柱や壁の境目は、ちょうど画面を横に四分割したラインを活用しています。

肩から手首にかけてのラインは、画面を縦に四分割した下から四分の1のところに

画面上の中央から三角形にひいた線上に沿っていますね。

左右均等に何かしらを配分した構図。

 

3回目は、色です。色については、色の素材に関する知識が前提として必要。

その上で、色の研究史を踏まえたり、民俗学的な色の意味なんかを知っておくと楽しい。

結論から言えば、わりと人の目はポンコツでざっくりということ。

 

この絵の場合、配色について考えてみましょう。

色は、カーキ、マスタード、ネイビー、モーブの4色コーディネートですね。

マスタード(黄色)カーキ(緑)、モーブ(紫)など、これらの関係は

以下の図で示せます。テトラードという色相環の上で四角になるところの関係の色は

うまく組み合わさるというルール。秋冬物の洋服みたいな色合いです。

 

色合いとしては、明度が低め(黒っぽい)で、彩度も低めの

いわゆる中間色。彩度や明度をそろえると、統一感が出ますね。

この色味に合うようなオレンジ色の唇の美男子の絵ですね。

 

というように、この3回分が、いわゆる基礎の基礎。

絵を描くにも、見るにも、どちらにも役立つ優れもの。

しかも、絵だけでなく、広告や漫画、いろんな視覚情報を味わう上で汎用性が高い知識です。

 

逆に、これが分からないと、巨匠がどうして凄いのか、何が凄いのか

全く分からない。専門家が凄いというから凄い、というくらいの凄さしか分からない。

だからといって、この三回分の内容は、別に大して難しくないんで心配いりません。

普通で当たり前の事なんです。

 

【解釈を試みる】

 

1回目の「言葉にしてみる」という観察方法はとても有効ではあるんですが

副作用がないこともない。

その例をご紹介したいと思います。

 

この「絵を見て言葉にしてみる」という観察力アップに絶大な方法は、

近年、アメリカのお医者さんの教育に用いられています。本当なんですよ!

患者さんの外観を観察するのに非常に有効だそうです。

 

そして、お医者さんたちの中には、それを少し広げて

絵の解釈も、医者としての観察眼でいけるんじゃないかと思う人がいたんです。

 

そして、この絵のある特徴に気づいてしまった。

 

「この絵のモデルは斜視じゃないだろうか」と。

 

そういう意見を強く主張する方が出てきたりしたんですが

美術史家によって、ぴしゃりと退けられました。

退けた理由はなんでしょうか?

 

 

観察だけしかしないなら、彼が斜視に描かれていることは間違いない。

 

しかし、だからといってモデルの目が斜視だったという証拠にはならない。

医学的な正確さ(解剖学的な正確さ)を目的で描かれた絵もあるかもしれませんが

これがそうだとは限らないわけです。

 

往々にして、絵画は解剖学的な正確さは、構図や狙った効果のためなら犠牲にするものでもあります。

 

モデル斜視説を退けた理由とは、

ブロンズィーノの人物のほとんどが、こういう目なんです、という事実。

しかも、この時代、そういう風に目を描くのが流行っていたんです。

別に目の疾患が増えたわけじゃなくて、神秘的な表現として流行っていたんです。

 

http://www.journals.uchicago.edu/doi/full/10.1086/685631 by Karen Hope Goodchild

 

ミケランジェロのダヴィデもそうであるといわれます(私はどうもそれがうまく確認できませんが)。

ルネサンス期の絵の多くはこんな目です。

これは私見ですが、この四分の三のポーズ(斜め横)の目線は

正面を向くと強すぎるし(どこから見ても見られてる印象になるモナリザ効果)

少し横を向くと目を反らし過ぎた印象を与えるので

それらを相殺する目的もあったのではないでしょうか?

 

 

 

ということで、「描写・構図・色」という基礎はとても大事ですが

これができたら万能!ということではなくて

基礎はあくまで基礎であって、その先に進むために大事な基盤であるということを

是非忘れないでいてほしいと思います。

 

描写・構図・色、の次に初めて「歴史」「主題の意味」「シンボリズム」なんていう

楽しい世界が広がっているんです。とても楽しいですよ。

 

 

 

 

 

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有名な絵画の構図やポーズは、時代を超えて繰り返し繰り返しパクられたり

オマージュだったり、インスパイアされたりするものです。

 

ヴィーナスの誕生だとか、横たわるヴィーナスとか、ムンクの叫びだとか。

 

【トランプがオバマを踏襲】

 

今回、この写真を見たとき、アレを思い出しました。

この写真↓はトランプが周近平とディナーした直後、シリア爆撃の直後の写真だそうです。

(そうスパイサー報道官がツイートしてます、CNNより)

http://edition.cnn.com/2017/04/07/politics/white-house-photo-syria-briefing/index.html

 

この写真が思い起こさせるのが、このブログでもしつこく扱った”Situation room photo"です。

上のリンクのCNNの記事も、この写真があの写真とそっくりだと指摘しています。

そう、そうやってすぐに関連づけられるっていうのも、有名な構図の特徴です。

 

これ↓が、その写真。

 

ビン・ラディンを討ち取ったときのオバマ前大統領とその側近たちです。

http://ameblo.jp/love-mesopotamia/entry-11719386822.html

 

同じ構図ですねー!同じだー!なつかしい。

 

どちらも右上から左下への対角線を中心とした構図です。

ベースに縦横三分割の構図を使っています。

そして、それを基準に対角線を引いている。

 

こういう構図です。

 

前回のオバマの写真では、ヒラリーが口に手をあてているポーズの解釈をめぐって論争が起きましたが、今回のトランプの写真では、クシュナー (Jared Kushner上段左から二番目の若くてイケメン)だけが目線を右に反らしているのがポイントだろうと言われています。

 

【集合写真は難しい!】

 

大勢を効果的に配置するのって簡単じゃないんです。すごく難しい。

集合写真みたいになったり、すごく不自然になりやすい。

だから上手くいった構図は、「この構図、使える!」てなもんで、再利用されるんでしょうね。

 

↓不自然 (ミーレフェルト) 全員カメラ目線。

↓自然 (レンブラント)

 

 

これはルノワールの絵。

ちょうど左下から右上に人々を配置する構図。

オバマの写真も、トランプの写真も、基本はこれと同じ配置です。

【ジャレド・クシュナーをもう一度見てみよう】

 

 

ルノワールに、ますます似た構図な気がしますね・・・

ルノワールの上の絵はよく見ると平行四辺形になっています。

トランプバージョンにも、平行四辺形が隠れているのでしょうか?

(少し話が戻りますが、オバマの写真にも、この平行線が走っていることにも注目です。)

 

 

よく見ると、トランプバージョンは、左上から右下への構図も同時に備えています・・・

クシュナーの目線を辿ってみると、この構図が見えてきます。

 

 

 

さてさて、これは何を意味するんでしょうね?

クシュナーだけ違う目線。

クシュナーが一番目立つ。

クシュナーがこのメンバーの中で、頭の位置が一番高い。

クシュナーは、オバマと同じ位置に置かれている。

重要人物である印象を強く受けますね。

 

【参考まで】

ムーラン・ド・ラ・ギャレットも同じです(左右逆ですが)。

 

  

これはベースが三分割ではなく、四分割なのも違い。

 

 

これはドラクロワ。ルノワールはドラクロワを勉強していて、オマージュも描いているくらいだから

この絵も見ているでしょうね。

この絵は、ベースが長方形の短辺を回転させた線(ラバットメント)を基準にしています。

 

右上か左上から対角線をおろすやり方。

この構図はメジャーな手法なんです。

ドガとか、カイユボットとか、よく使っています。

 

絵柄が全く違う画家が、似た構図を使っているのを見つけるのも面白いものですよー!

ルノワールとトランプの写真が同じ構図っていうのも乙なもんです。

 

 

 

 

 

 

 

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