■カウンセリングサービスの浅野寿和です。いつもありがとうございます。
そろそろお子さんたちは夏休みでしょうか。夏休みっていい言葉の響きですよね。特に子供の頃は、ホントいいイメージしかない。しかし、オトナになると、特にお子さんをお持ちのお母さんは「・・・子供が1日中家にいる時期だ」と、別のイメージを持たれるかもしれないですね。それぐらい立場によって同じ言葉のイメージも変わっちゃうことは当たり前のように起きることなのかもしれません。
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さて、今日のコラムは、先日僕が名古屋で開催していた「心理学ワークショップ」の打ち上げでの話を少し膨らませて書いてみようかと思います。
※今回のテキストは不倫や浮気がいい悪い、という視点で書かせていただいているわけではありません。その心の動きについて書いているとご理解くださいませ。
■先日開催していたワークショップ打ち上げの最後。店内のTVに流れる「世界のケン・ワタナベ」さんの不倫に関する報道。
この話で最後の最後、受講生さんと話が盛り上がりました。
いや、不倫自体がどうのこうの、いい悪いの、という話で盛り上がった、ということではないのですよ。
なぜ彼はあのように「自分が言えることではない」といった回答をしたのか?という部分が話のテーマだったのです。
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そのTV報道では、リポーターさんが「奥様のことは愛していらっしゃいますか?」といった、彼に質問される光景がありました。
すると「それも自分が言えることではない」といった回答をされていた。
これは個人的な感想ですが、男としての視点で見ると「なるほど」と思う回答なんです。きっとそこには男性なりの謝意や、今、表現できるであろう誠実さを込めたような、そんな選択だったのだろうと思うんです。
しかし、この回答にどうやらそこにいらしゃった女性の皆さんはご納得されていない部分があったようなんですね、もちろんすべての女性がそうではないのでしょうが。
■僕自身、カウンセラーとして様々な男女関係のお話を伺います。中には浮気や不倫にまつわるお話もたくさん伺います。
その中で、浮気や不倫が発覚した男性が、パートナーである彼女や奥さんに謝る、という状況もあろうかと思いますよ。
その時男性が、「本当に申し訳ない」と話すことはある意味必要なことかもしれませんね。
ただその次、です。
「どうして浮気(不倫)したの」「私のことどう思っているの」
そう質問されたとき、「もう何も言えない」と思う男性って少なくないのかな、と僕は感じたわけですよ。
むしろ、これは「男性としては詰むな」と思うわけです。
なぜなら、言い方はアレですけど「やらかしているのは自分」だから、ですね。そこに強い罪悪感があるんです。
自分がパートナーを傷つけるような行動に出た上で、パートナーのことが好き・・・という。
ある意味理屈が通らない、そうお感じになる男性は少なくないのかな、とも思うのですね。
その内面で、パートナーのことを大切に思う気持ちがあったとしても、それは今更だよ、と感じてしまう。
だから口をつぐむのかもしれません。「何も言わない」「自分が悪いんです」と言い訳しないことに、謝意を込める人もいるかもしれません。
まぁ下手に、なぜこういったことになってしまったのか?その事情ばかり説明しても、ただの言い訳、自分のことしか考えていない人だな、と思われかねず、あまり効果的ではない状況かもしれませんけれどね。
■ただ、僕が興味を持ったのはそこではないんですよ。
浮気をした本人さんの罪悪感より、そのパートナーさんの気持ちの方です。
もしパートナーさんの立場にたったとして、あの「まだパートナーさんのことを愛していらっしゃいますか?」という質問に、「何も言えない」という返答をしている光景を見たとき、どう思うだろうな、と。
そこが気になったんですよね。
まぁ、ここにはいろんな方の意見があろうかと思いますが、僕のカウンセリング経験の中から導き出せることを書くとするならば
「確かに浮気や不倫をした相手のことは許せない。けれど、私の愛に反応しない相手によって更に傷つき、自分に失望する」
そう思われる方が多いような気がしますね。特に女性の皆さんのお話を伺うと、そう感じます。むしろ、私の愛に気づいてもらえないって、更に自分がペシャンコになってしまうかも、なんて僕は思うんです。
そしてここに男女の心理の違いを僕は感じたわけですよね。
男性は「何が良い悪い」で物事判断している方が多めでしょう。だから、何かしら男女関係でトラブルが起きて、自分が傷つくような状況になったとき、善悪判断で物事を考える方が多いのかもしれません。
例えば、男女関係の中でケンカが起きたとしたら、そこでも「だから、何がいい悪いって話だよ」のような、理屈で物事を考え、伝えてくるでしょうね。物事の筋が通っていないと、それがある意味気に入らないし、違和感なのです。
その視点で見ると、今回のTV報道にあった「何も言えない」という発言は、なんとなく理解できてきます。
しかし女性の皆さんは、どうもその『感情』によって状況を捉えていく方が多いようです。
だから、理屈を超えた、今ある気持ち、で、物事を解釈される方が多いようです。
ケンカをしたとしても、私がどう感じているか、相手がどう感じているか、そこに重きを起きやすい、といいますか。
そしてその女性の感覚、男性はあまりわからないようなのです。
それは男性が劣っているという話ではなく、そういう心の違いがあるんだ、ということなんでしょうけどね。そもそも男性は感情を感じるということ、苦手にしている方が多いですから。
だから、「パートナーさんのことを今も愛していらっしゃいますか」という質問に、「何も言えない」は「私への愛がない」と女性に解釈されかねないなぁ・・・と僕は感じたんですよね。
男性の言いたいことはすごく分かるんです。だからその反応が間違いだとは僕は言いたくないんですよ。
ただ・・・パートナーさんの気持ちを考えると、ちょっとだけ言葉が足りないのかもしれないな、と感じたわけです。
パートナーである女性に、愛があるから傷つくわけで。
もし仮に全くそこに愛がなければ、「あっそう・・・」で終わる話かもしれません。あ、プライドの問題は別にして、ですよ。
もちろん相手を傷つけたなら謝罪は必要なんでしょう。しかし、そこにあるパートナーさんの気持ちに、ちょっとぐらい意識が向いていれば、もうちょっと展開は変わるのかもな、ということが、今日お伝えしたいことなのです。
相手の気持ちを置いてけぼりにしない。ちゃんと気づくこと。
相手の気持ちに気づいた上での謝罪や感謝と、そうではなく「私の思い」としての謝罪や感謝は、同じ言葉を発していても、相手に伝わるものが変わると僕は思うんですよね。
ただ、なかなか自分の中に痛みや罪悪感、失敗感などがあると、自分にばかり意識が向いて、人の気持ちを感じることが難しくなってしまうもの。
また、オトナになった私たちは「いかに傷つかずに生きるか」を学んでいます。ある意味それが「一人で生きていく術」でもあり、その中で結果を出しながら自信をつけるのですが、その反面、いつしか相手の気持を推し量り、相手の気持ちを感じることが苦手になっていることも少なくないようですね。
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確かに男性なら「何も言えない」「言う立場にない」と表現することに誠意を込めたいと思うかもしれませんね、と。そう言えるだけ、たしかに男性視点では責任を取っているように感じますよ。
ただ、たしかに何かモノが言える立場にないにしろ「今後のことは相手次第です、自分が悪いんで」といった表現は、どこか誤解を生んじゃうかもしれない。
全く自分は悪くないという反省ゼロな態度は目も当てられないけれど、だからといって「ごめん」しか表現しなければ、相手は辛いのに「頑張って許さなきゃいけない」ことにもなりかねないですしね。
そこでトラブルが起きる男女関係は非常に多いと僕は思います。
今、自分が本当はどう思っているか、そして、なぜ相手は傷ついているのかに気づくことは、~表現するタイミングの問題はあるにしても~大切なことですよね、と。
本当にパートナーのことを思う気持ちがあるなら、特に。でもまぁ、罪悪感が強いとそれが言えないんですよね。伝えても何の役にも立たない、むしろ相手は傷つくと思うから。それが罪悪感の厄介なところなんですよね。
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そんなことを考えていたらふと思い出しました。
子供の頃、夏休みに僕がいたずらしてそれが親にバレて
「怒らないからちゃんと本当のことを言いなさい」
・・・そこで、素直に話したら、めちゃめちゃ怒られた経験を。
そんな不安が僕達にはあるのかもしれませんね?
今回は以上です。最後までご覧いただきありがとうございました。
【この記事を書いた人】
心理カウンセラー 浅野寿和(あさの・ひさお)
・カウンセリングサービス所属・「名古屋・東京・大阪地区担当」
「恋愛と男性心理」「あなたの自信を培う(恋愛・婚活など)」「パートナーシップや家族の問題解決」「より深いパートナーシップを紡ぐ」のジャンルで高い評価をいただく。どこか屈託のない語り口と、明快な分析、なぜか笑いが耐えないカウンセリングが好評で、高いお客様のリピート率を誇る。
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