初のGWデート(買い物編)

「そういえば、家に氷ある?」


唐突に、恋人が訊いてきた。

一昨日の19時前、「ちゃんぽん亭総本家」 というお店で食事をしていたときのこと。



“ちゃんぽん”というと、一般的には長崎ちゃんぽんを思い浮かべる人が多いと思う。

彼もまたその1人で、しきりに「こんなちゃんぽん、初めて食べた。うまいわぁ」と言っていた。


ここのちゃんぽんは、“近江ちゃんぽん”と呼ばれ、和風スープのラーメンの上に野菜炒めを載せたようなもの。

アタシは小さいころから、家で食べるのもこちらのタイプばかりだったで、逆に長崎ちゃんぽんというものがわからなかった。


父は九州人なのに、不思議(笑)



素直な女になるために……-近江ちゃんぽん

これがちゃんぽん亭総本家の「近江ちゃんぽん」。



「普通のちゃんぽんって、どんなんなん?」


彼に訊いてみると、


「一般的なちゃんぽんっていうのは、スープから違ってて、もっと白いねん。具材もちくわとかかまぼことか……そんなんやったかな」


とのこと。

調べてみると、確かに白濁スープにちくわやはんぺん、イカなどの海鮮類も載っている。

アタシの中の“ちゃんぽん”のイメージとはまったく異なっていてびっくりした。



素直な女になるために……-長崎ちゃんぽん

こちらが、一般的な「長崎ちゃんぽん」。

具だくさん、野菜が多い、ってぐらいしか共通項がないですね。




「ていうか、ここにできもんができてさ……」


彼は、自分の顔の頬骨のあたりを押さえた。

確かに、赤くふくらんでいる。


「たぶん、野菜不足やねん。だから、何か野菜をたくさん取れるものないかなーって思ってたら、この店があったから、ここにしようと思って」

「へー、偉いやん(笑)」

「偉いかぁ?(笑)」

「いやぁ、ちゃんと考えてるなと思って」


好き嫌いが多く、基本的に、子どもが好きそうなものばかり好んで食べる彼。

「そんなんばっかり食べてたら早く死ぬで」と言うと、「好きじゃないものを我慢して食べて長生きするより、好きなものをいっぱい食べて早く死ぬほうが幸せやし」と、のたまっていたこともあったというのに、ここ数年ほど、少し変わってきた気がする。


ま、男も30過ぎれば、いろいろ変わるのかしらね(笑)



それと、男の人には珍しいと思うのだけど、彼は割と、顔に何かできものやあざができることを気にするタイプだったりする。

甘いものも好きだし、匂いフェチ だし、家でアロマやってるというし、アタシの髪型の変化にもよく気がつく し、服装もよく見てる し……もしかして、今流行りの“乙男(オトメン)”!?


……いやいや、料理も裁縫もできひんし、子どもも嫌いやし、少女漫画やかわいい小物なんかにもまったく興味を示さんし、それはちゃうかにひひ




と、話が大きく逸れたけれども、とにかくそんな理由で「ちゃんぽん」を食べていたときに、彼が家に氷があるかどうかの確認をしてきたのだった。


「氷? つくらんとないわ」

「つくるとどのぐらいかかる? 1時間はかからん?」

「いや、1時間以上かかるよ。必要なら買ってく?」

「あー、そやな、買っていってもいいか。……いや、ちょっと飲もうかなと思ってな。最近はまってる黒糖梅酒を」



この冬ぐらいから、彼は黒糖梅酒にはまっている。

実家でも、妹がこれにはまっていて、両親と3人で、よく晩酌をしているらしい。


うちは、両親はあまりお酒に強くないのだけれど(父は九州人のくせに弱いのです)、妹は、つい1年ほど前に飲める年齢になったばかりだというのに、すでに酒豪の頭角を現しているのだ。

こちらもお酒にはめっぽう強い彼が、「一度飲み比べしてみたいわ」と言うほど(笑)



そんな、お酒に強い2人がはまっているという黒糖梅酒がこちら。


チョーヤ とろける 黒糖梅酒 14° 720ml/チョーヤ梅酒 (株)
¥価格不明
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「とろりんちょ」のCMでおなじみのあれです。



食事を終えてから、近くのスーパーに寄った。

買い物カゴを手に取ると、「あ、俺持つわ」と、アタシの手からそれを奪う彼。


こんな些細なことにキュンとしてしまう。


そういえば、スーパーの食料品売り場でこうして一緒に買い物をするのって、実は初めてだなぁ、と思ってみたり。

8年以上付き合っていても、未だ、普通のカップルが経験しているであろうことを全然経験していないアタシたち。

彼はおそらく、そんなこと気にも留めていないのだろうけれど、免疫がないアタシはいちいちドキドキさせられてしまう。


(ズルいなぁ……)


悔しいような、でも愛しいような、複雑な気持ちで彼の背中を追った。



黒糖梅酒の小サイズ(300ml)を1つ、それから「メンズポッキー」を1箱、最後にロックアイス1袋を彼が持つカゴに入れ、レジへと向かう。


チョーヤ 黒糖梅酒 300ml/チョーヤ梅酒(株)
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グリコ メンズ ポッキー チョコレート ほどよい苦み 69g/江崎グリコ(株)
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食事代を出してもらったので、ここはアタシが払うと言うと、彼は少し迷った顔をしたものの、「んー、じゃあ、お願いしようかな」と、会計を預けてくれた。

なんだかそれが、妙にうれしかった。




この日、彼は2つ目の仕事の日だった。

昨日も書いた けれど、いつものような当直ではなく、日勤。


つまり、いつもは朝から翌朝まで24時間勤務(残業でそれ以上になることも)なのだけれど、朝から入って夕方で終わるのだとか。

その代わり、2日続けて入ってほしいと言われたとのことだった。


ちょうど世間はゴールデンウィークだし、アタシも5連休。

久々に泊まりにきてあげられるという思いもあり、OKしてくれたらしい。


実は、ゴールデンウィーク中にこうして会えるのは、初めてのことだった。

彼の勤務中(当直中)に会いに行ったことは何度かあるけれど、ちゃんとオフの状態で会ったことはなかったのだ。


世間が休みのときほど、彼の本業が忙しくなる。

8年前、付き合い始めたときからそれは当たり前のことだったし、会える日がくるなんて思ってもいなかった。


ところが、3年半ほど前に、彼が2つ目の仕事を始めて以来、本業よりもそちらの都合を優先するようになり(本業は親が経営者だから融通が利くということもあり)、それまでの“常識”がそうでなくなって、少しずつ、普通のカップルが経験するようなことを経験できるようになってきたのだった。




部屋に入ると、一番に、氷と梅酒を冷やした。

その間にシャワーを浴びることにする。


いつもと違って、まだ時間も早い。

ゆっくりできることが、そして彼にゆっくりしてもらえることが、この上なくうれしかった。




つづく……



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ツルスベ旅行 ~箕面編~ (下)

1月27日(水)


「人の声がするね」


恋人の腕の中でつぶやいた。

“軽い運動”をしたあと 、浴衣を着直して眠り……すでに朝になっていた。


アタシがトイレに起きた物音で彼も起きたらしい。

腕枕をしてきたのだった。



「ホンマやな」

「やっぱり人、泊まってるんやね」


あまりホテル内で人と出会わないので、空き部屋が多いのかなと、前日に話していたのだ。

まぁ、平日だし、観光地でもないし、交通の便もいいほうではないし、そんなものなのかなと。

もみじの季節は満室になるらしいけれど。



「じゃあ、昨日の夜の声、完全に聞こえてたやろな」

「もう、やーだぁ。でも夜は人の声聞こえんかったやん」

「それはもうみんな寝てたんちゃうん。そやのにあんな声出して、みんな大迷惑してたと思うで」

「えー、だって……」


それはあなたが触るからじゃない、と思う。


「でもさ、きっとあの人たち、昨日の夜は宴会で、みんな部屋に戻ってきたの夜中やって!」

「いやいやいや、自分に都合よく考えたらアカンわ(笑) さっきの声、50代から60代ぐらいの人やったやろ。そのぐらいの年齢になると、夜寝るの早いですから! だからこんな朝早くからもう活動してるわけやん」

「んー、そっか……」

「残念でした(笑)」


最近、よく彼はこういうことを言う。

アタシが嫌がるのがおもしろいらしい……。


遊ばれてるようで悔しい。


「そしたら俺らも風呂行こか。朝の露天風呂もきもちいで」

「うん、そやね」


ベッドから這い出して、準備をすることにした。


「あ、電話しなアカンちゃうん?」


どうやら彼、仕事が完全に終わりきっていなかったらしく、ウチを出るとき「今日の夜と明日の朝に、家に電話入れなアカン」と言っていたのだ。


「あー、もう大丈夫になってん」

「そうなんや」

「うん。昨日の電話で解決した。なんとかうまいこといったみたい」


前の晩、食事から戻ってきてから二度目の温泉へ行くあいだ、彼は家に電話(親が経営者のため)をしていた。

相手はお母様だったようで、いつもアタシに対して話す口調と若干違っていたのがなんだかかわいかった。


「時間? わからん。――うん、夜は食べてくる。――いや、夜中にはならん。――はいはーい」


そんな感じで、アタシが近くにいるからか、ちょっとぶっきらぼうに電話を切ったり(笑)

男はみんな多少なりともマザコンだというけれど、このぶっきらぼうさからもそれがうかがえて、隣でニヤけてしまったのだった。



部屋を出ると、他の部屋の客が何組か出入りしていた。

またしても彼が、


「あの人たちも、絶対昨日のあなたの声、聞こえてたわ(笑)」


と言い出す。

部屋の中ならまだしも、廊下で言うなんて!


「もう、そんなこと言わんといて……」


声をひそめて彼に懇願する。

彼はニヤリと満足気な笑みを浮かべながら、スタスタと先を歩いていった。




そして、この旅、3度目の温泉温泉

現地からケータイで更新した のはこのときです。

せっかくなので、ケータイからアップした2枚の画像を除いて、あと2枚、露天温泉風呂の画像を載せておきます。



素直な女になるために……-箕面温泉露天風呂1


素直な女になるために……-箕面温泉露天風呂2


(どちらもクリックすると大きくなります)


向こうに見える街並みが、夜になると夜景に変わるんですよねー。

ホント綺麗でした。





朝風呂から戻ると、今度は朝食。

一般的なバイキングだったけれど、なかなかおいしくて、好き嫌いの多い彼も満足そうだった。


……というか、彼は一度、会社の旅行で来たことがある場所だから、どんなものか知ってるのかあせる

その後、部屋に戻って歯磨き。

アタシはてっきり、もう帰る準備をして、ドクターフィッシュをしにいくものだと思っていたのだけど……。



「なぁ、ちょっと横になろか」


チェックアウトは11時。

まだ2時間近くある……けれど……。


「小さいころ、食べてすぐ寝たらさ、牛になるとか言われんかった?」

「んー、言われた気もする……けど、寝るんじゃなくて、運動やったらいいんちゃう?」


彼は、ベッドに腰をかけたままのアタシを背後から抱きしめ、耳を軽く噛んだ。

そのまま、首筋に舌を這わす。


「最後にすべすべの肌を味わい尽くしたい」


帯をほどき、キス……。



「……ん、カーテン、どうする? 閉める? それとも開けたままにしとく?」

「え、どやろ。これだけ明るかったら閉めてもあんまり変わらんかな?」

「いや、そうでもないと思うで。1回、閉めてみよか?」


彼は立って窓のほうへ歩いていく。

カーテンが閉まると、なるほど、結構暗くなった。


「おぉ、なるね、暗く」

「そやろ。どっちがいい? 明るい中でしたいって言うんなら開けるし」

「えー。じゃあ……やっぱり閉めとく」

「え、あ、そう。じゃあ……」


戻ってくる彼。

ちょっと残念そうに見えたのは気のせいだろうか。


だって、明るいと恥ずかしいもんショック!

最近の彼、いろいろと変わったことをしようとするからよけいに……。



そう、年末のあの日 以来、彼のアタシに対する接し方が少し変わったけれど、行為においてもそうだった。

何かを言わせようとしたり、したことのない体位を試したり。

とにかく、彼の中で何かが変化したのだと思う。


この日も、アタシをひとしきり攻めたあと、「めっちゃすごいことになってるで」と、耳元でささやいたり。

それに対してアタシがうなずくと、「自分でわかるの?」なんて、興味津々な様子で訊いてきたり。


今までの8年が、セーブしていただけなのだろうか。

あの日以来、そういう面においてパワーアップした気がする。



そうそう、このときは驚きのハプニングもあった。

アタシが彼を攻めていると、ドアがノックされたのだ。

びっくりして、口を離すと、


「はーい、いまーす」


と、彼が返事をした。

清掃の方が、空いた部屋から掃除に回っているらしい。


こんなところ踏み込まれたらたまったものじゃない。

アタシはしばらくドキドキが止まらなかった。


「まだチェックアウトまで1時間あるっちゅうねん」


彼は平気そうな顔で文句を言っていたけれど。




結局、10時半ごろまでいちゃいちゃしていて、チェックアウトは11時ギリギリになった。


その後、アタシたちは隣接するスパーガーデンへ向かった。

ドクターフィッシュはここですることができるらしい。


いわゆる健康施設らしく、マッサージや温泉、プールにジム、イベントホールや宴会場もある大きなところだった。

お客さんも結構多い。


ホテル宿泊者は、ドクターフィッシュの無料券を見せると入場料が不要らしい。

アタシたちはさっそく、ドクターフィッシュを体験することにした。



いやぁ、足を浸けると寄ってくる、寄ってくる!!



素直な女になるために……-ドクターフィッシュ1

(クリックすると大きくなります)


太い脚をさらしてスミマセン……。

電気マッサージを受けているようなくすぐったさがありました。

彼も大興奮!




素直な女になるために……-ドクターフィッシュ2


(クリックすると大きくなります)


指の間やかかと、足首にも結構寄ってきました。




15分後、足を上げると、再び待っていた衝撃!!


「うわっ、すげー!」


タオルで足を拭きながら、彼が叫んだ。


「そんなにすごい?」


アタシも触ってみる。


「おぉ! つるつる~!!」

「やろ!? 俺さ、バスケやってたから、何やっても足の裏って硬かったんやけど……これ、すごいわ。自分の足じゃないみたい」

「ホント、すごいね、これ~。めっちゃ感動やわ」

「最後にして一番衝撃受けたな。まぁ、温泉は確かにすべすべになるけど、効果がだいたい予測つくやん。でもこれは想像以上やってびっくりした」


前日、彼に「やろうよ!」と言ってよかったなと思った。

アタシがそう言ったから、しかたなく来ているんじゃないかと、少し不安もあったのだけど、彼は喜んでくれている。

それがうれしかった。



足を拭いていると、通りかかったおばさんに、「これ、どうなの? やっぱりいいの?」と、話しかけられた。

やっぱ大阪だわ(笑)


「すごいですよ~! めっちゃつるつるになりました!」


アタシが答えると、「ホントぉ。あたしもいつもここ来るたびに興味はあったんやけど、どうなんやろと思ってねー」と、おばさん。


「すごくよかったですよ!」

「それなら今度1回やってみよかな。この汚い足を出すのがちょっとあれなんやけど(笑)」

「いえいえ、大丈夫ですよー」


会話するアタシたちを、彼がなぜかおもしろそうに見ていた。



せっかくなので、マッサージもしてもらおうかということになった。

ところが、受付に行くと、1時間半待ちとのこと。


「そんなに待ってまでは別にいいわ」と、彼。

でも少し残念そうだったので、


「じゃあさ、帰ったらアタシがマッサージしてあげるから、今日はそれで我慢して!」


と言った。


「マジで!? やった!!」


そんなことで喜んでくれる彼がかわいくて愛しかった。





彼の運転で、帰途につく。

せっかくの旅行なのに、観光もせずにもう帰ってくるのかと思われるかもしれないけれど、それがアタシたち流だった。


遠方へ旅行に行っているならともかく、車で1時間弱の場所。

彼は観光にはあまり興味がない人だし、アタシも、少しでも早く帰って、彼を休ませてあげたい気持ちのほうが大きかった。


朝も早かったし、これから高速道路を運転してもらうし、翌日も仕事だし……。

おまけに、アタシのウチからも2時間かけて帰らなきゃいけないわけだから、その前に体力を温存してもらいたかった。


なのに……。



「昼からどうする?」


運転席の彼が訊いてきた。


「どこか行きたいところがあれば行くし、何もなければまたDVDでも借りて部屋で観る?」

「え……大丈夫なん?」

「何が?」

「朝も早かったし、運転して疲れてるやろ? 休んだほうがよくない?」

「あぁ。まぁ、DVD観ながら寝るかもしれんけど」


彼はそう言って笑う。

「それに、この程度の運転、いつも2時間ぐらい運転してることに比べれば近いもんや」

「でも……高速やしさ、神経使うって言うやん」

「いや、むしろ高速のほうが楽やで。信号もないし、急なカーブもないし。ただ、そのぶん、睡魔との闘いやね。あまり変化がないから、ボーっとしてくるねん」

「そっか。――今も眠い?」

「今? 今は大丈夫やけど……まぁでも、部屋に着いたら即行寝てしまうかもしれんな(笑)」

「じゃあやっぱり、DVD借りて部屋でゆっくりしよ」


ホントは、DVDを借りても、彼はほとんど観ずに寝ちゃうんだろうなと思ったのだけれど、せっかく提案してくれているのに却下するのはあまりに失礼なので、借りることにした。


「昼ごはんはどうする? 何か食べたいものある?」

「えー、うーん……。なんでもいい……


後半、ばつが悪くてうつむくと、彼が苦笑した。


「相変わらず他人任せやなぁ(笑) ま、訊く前からそう言うとわかってたけど(笑)」

「だってぇ……」


言い返せない。


「じゃあ、またくら(くら寿司)行く? ビデオ屋も近いし」

「え、でも……食べれんの?」


海鮮系がまったくダメな彼。

昨年末に一度行ったときは、たまごやらハンバーグやら豚カルビやらコーンやら、子どもが好きそうな変わりネタばかり食べていたけれど……。


「俺はまたしても変わりネタばっかり食べるから! あそこ、変わりネタも豊富やし好きやねん。でも実家近くにないからさ、こっち来たときしか行けへんし」

そういうことならいいか、と思った。





「くら寿司」で食事をし、DVDを借りて帰宅。

DVDは、彼のリクエストで「名探偵コナン」だった(笑)


しかし、やはり途中から熟睡してしまった彼。

あとでストーリーの概要を説明してあげた。


それからしばし甘~い時間ラブラブを過ごし、約束のマッサージ。


「もっと強く! もっと激しく!」


なんて、どこかの変なビデオのようなことを彼が冗談で言うものだから、笑えて余計に力が入らなかった(笑)



18時ごろからちょっと歩いてお出かけ。

目的は近くのショッピングセンターだった。

26、27日とお客様感謝祭が行われているらしく、アタシにも招待状が届いていたのだ。


ちょうど買いたいものもあったので、その招待状を見ながら、「あとで(彼が帰ってから)行こうかなー」とつぶやくと、「それやったら俺も付き合うで。荷物持ちぐらいはできるし」と言ってくれたのだった。


ショッピングセンター内は、おそろしいほど人であふれかえっていた。

どこもかしこも人だらけで、歩くのがやっとなほど。

平日だというのに、みんな来るんだなぁ、と思ってしまった。

だって、主婦ならともかく、老若男女問わずの人出だったのだ。


食料品売り場は、各レジの列が売り場内にまで延びていて、並ぶと30分はかかりそうだったのであきらめる。

トイレットペーパーやボディソープの詰め替え用など、衛生消耗品を数点買って、退散した。



夕食は、彼が一度チャレンジしてみたいというホルモン焼き!

内臓系は苦手だというのに、何を思ったか、食べてみたいというのだ。

ウチのすぐそばに「情熱ホルモン」があり、通るたびにいい匂いがして、惹かれていたのだという。

トイレットペーパーなどを持ったまま入るのもあれなので、マンション前の空きスペースに停めてある彼の車の中に放り込む。


「忘れんようにせんと」

「忘れたら、俺がそのまま家に持って帰るで。おかんが喜ぶわ。『ええ子や~ん!』って言うで(笑)」


(“ええ子[=いい子]”って、アタシのこと!? アタシの存在、言ってあるんだ。ていうか、昨日と今日はアタシと一緒だってこと、お母様はご存じなんだ)


8年も付き合っていれば当然なのかもしれないけれど、妙にドキドキしてしまった。

「いや、そういうこと言う人じゃないけどな。俺ら家族全員B型やし、基本、人のことに干渉せんから。『ありがと』で終わりやな」

「へー、そうなんや。いいねぇ」

「うん、楽やで。みんな好き勝手やってるし」


彼の生き方を見てると、本当にそうなんだろうなと納得できる。

少しうらやましく思った。



店はいっぱいだった。

空いたら電話で呼んでくれるというので、彼の電話番号を伝え、一度外に出る。


コンビニで雑誌を読んだりするも、なかなかだったので、いったんウチに戻ることにした。

彼の車の中に放り込んだトイレットペーパー等を持って、部屋に入る。



さらにずいぶんと待たされ、彼が心配になった。

前日夜の電話で、お母様に「夜中にはならん」と言っていたのに、もうすぐ20時。

これから食事をして、DVDを返却し、すぐに帰ったとしても、24時近くにはなるに違いない。


アタシが買い物なんかに行かなければ……。

悔やんでももう遅い。

とにかく今は、待つしかない。



20時すぎ、ようやく彼のケータイが鳴った。


待ってましたとばかりに、いざ、「情熱ホルモン」へ。




素直な女になるために……-情熱ホルモン

(クリックすると大きくなります)


ジュージュー焼けてます。

これは「ホルモン」だったかな?



「内臓系は苦手だ」と言っていた彼。

「でも、おそらく食わず嫌いなんだ」とも言っていた。


ところが、食べやすいはずのテッチャンですら、


「んー、苦手な感じ……。焼き肉屋さんでは食べられるんやけどなぁ。ゴメンやけどあと食べて」


とのこと。


しかし、いくつか、食べられるものもあったようで、本人としては相当喜んでいた。

何せ、食べたことのないものにチャレンジするというのは、彼にとっては革命的なことなので。

「俺もいくつかはホルモンが食べられるっていう収穫があった!」だとさ(笑)


ホルモンはもちろん、キムチもとてもおいしかったなー。



会計のときに、棒付きの飴をそれぞれもらった。

それを食べながら、一度帰宅する。


「時間、大丈夫? めっちゃ遅くなってしまったよね……」

「思った以上に待たされたからな。まぁでも大丈夫やで」


並んでベッドに腰掛けながら、彼は、アタシの頭をポンポンとなでた。


「昨日、今日はホンマありがとうね。すごく楽しかった」

「俺も楽しかったよ。すべすべになったしな」

「うん。これがいつまで続くのかって感じやけどね」

「まぁ、今晩風呂入って、さらに明日入ったぐらいで効果は消えるんちゃう?」

「そっか。なんか寂しいね」

「ま、近いんやし、また行けばいいよ」


場所は違うけれど、この“また”というのが1カ月もしないうちにやってくるとは、このとき思いもしていなかった。


「えっと、これはどっちに捨てたらいいんや?」


彼が、飴の棒を持って尋ねた。


「それは紙やし、こっちのゴミ箱でいいよ。――ていうか、もうなくなったん!?」

「なくなったよ。俺、飴とか食べるの昔から人より早いねん」


それにしても……。

アタシはまだ、元の大きさの半分にもなっていなかった。

それを彼に見せると、今度は逆に驚かれる。


「それは遅すぎやろ!(笑)」

「アタシは逆で、人より遅いねん。いつもみんなに言われる。お昼休みに保険のおばちゃんが飴配ってはって、あと15分あるから食べきれるやろうって思って食べるんやけど、アカンねん」

「うん、想像できるわ(笑)」

「唾液の量が少ないのかも。だから融けへんのかな」

「あー、それはあるかもしれんな。俺、たぶん多いもん。それと、あれやな。……やっぱやめとこ」


一度何かを言いかけてやめる彼。


「え、何? 気になるやん。言って!」

「ん、いや、俺はいつも、ベッドの上で頑張って舐めてるからな、と思って」

「何それー!」


相変わらずの下ネタです(笑)


「だからやめとこって言ったのに」

「えー、そしたらアタシは頑張ってないから遅いの?」

「んー、まぁ、頑張ってもらってるけど、まだ足りんってことちゃう?(笑) 飴舐めるのが早いとキスがうまいとも言うし」

「そうなん? アタシ、あれなら聞いたことある。さくらんぼのさ、茎の部分あるやん。あれを口の中で結べたらキスがうまいって。中学のとき、みんなでよくやってたわ」

「へー、それは知らんわ。でも確かになんとなくわかるな。で、できたん?」


彼がニヤニヤと問いかけた。


「え? それはまぁ……。ていうか、練習すればみんなできるもんやねん。だからキスとか関係ないと思う……」

「ふーん」


アタシの腰に手を回す彼。

妙にドキドキしてしまう。


「ゴメンね、遅くて」

「気にせんと、ゆっくりでいいで」

「うん、ありがと」


彼が胸に顔をうずめた。

鼓動が聞こえてしまいそうで、焦る。


しばらく無言でそうしていた。



「アカン、こんなことしてたら帰るのが嫌になる」


彼が身体を起こした。

その言葉に、楽しい時間もいよいよ終わりかと、切なくなる。


ちょうど、アタシの飴もなくなった。


「そしたら、帰りたくないけど帰るか……。まぁ、今度、30日来るけどな」

「うん」


30日は、2つ目の職場の新年会が京都であるらしく、お酒を飲むため帰れないので、宿代わりにやってくることになっていた。



最後にハグ&キス。

幸せな時間の終焉はあっけない。


そして、彼は帰っていった。

彼との2度目の旅行が終了した。





――気がつけば、もう2カ月以上前の話となってしまいました。   

いやぁ、パソコン氏のご入院 により、2週間パソコンを触れないというハプニングに見舞われましたものでねぇ……(←言い訳!?)。


続く奈良編も、またぼちぼち書きたいと思います。

KinKi Kidsのコンサートの話もまだ途中だったな……あせる


今日は20時から、世界フィギュアの女子フリーを観なきゃですね!!

記念すべき第100回を、日本がジュニア、シニアともにアベック優勝、しかも日本初の快挙ですからねぇ。


しかし、いろいろなところの情報を見ていると、キム・ヨナ選手、ショートプログラム(SP)同様の精彩を欠いた演技で、転倒やミスもあったというのに、どうしてフリー1位?

どうしてほぼノーミスだった浅田真央選手を上回るわけ?

こんなジャッジ、許されるの?

ここに、バンクーバーオリンピックであれほどの点差がついた理由がうかがえる気がしました。


昨日のショートプログラムだってボロボロだったし、逆によくあんな点数をもらえたなと思いました。

あのジャッジ、他の選手に対して失礼極まりないと思います。


ていうか、キム・ヨナ選手本人は、本当にそれでいいわけ?

あんなボロボロの演技で銀メダルをもらって、トップアスリートとしてのプライドはないわけ?

「オリンピックじゃなくてよかった」ってインタビューで答えてたけど、そういう問題?

日本人選手のよきライバルだと思って好意的に見ていただけに、今日、すごく彼女を残念に思いました。


少なくとも、フィギュアというものは魅せるスポーツ。

自分だけでなく、観客の力も大きいといいます。


これは、アタシが好きな舞台でも一緒で、また、大好きな堂本光一君もよく言っていることですが、観てくれる人がいるから、1回1回手を抜かずに頑張ることができるんですよね。

観てくれる人に感動してもらいたい。

その純粋な気持ちが、根底にあるわけです。


でも、キム・ヨナ選手は、オリンピック後、戦意喪失だったといいます。また、引退も表明しています。

オリンピックで金メダルを取ることだけが、彼女の目的だったんだ、観てくれる人より自分のためなんだ、と感じました。


そこへきてあの演技……。


彼女には、原点に立ち返ってほしいものです。
そして、あの採点方式が一刻も早く改善されることを、長年のフィギュアファンとして切に願います。


長々と失礼しました。




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ツルスベ旅行 ~箕面編~ (中)

温泉でツルスベになった肌をなで合い、ひとしきり愛し合った アタシたちは、しばらくベッドの上で話をした。

いつもは終わったあと、すぐに寝ちゃう恋人だけど、さすがにまだ夕方だからか起きている。


「このあとどうする? 1回、外行ってみる? 前の有馬とは違って駅前やし、ご飯食べるところは結構あると思うねん」


彼がそう言った。

以前、有馬温泉へ行ったとき は、残念ながら雨で、外を散策することができなかった。

でもこの日はとてもいい天気。


「そやね、行こっか」


リベンジを果たすことにした。



脱ぎ棄てた2人分の浴衣をたたんでベッドの上に置き、身支度を整える。

彼はさっさと服を着て、寝癖直しにドライヤーをあてに行った。

外に出ることを見越して、温泉でメイクは落とさなかったので、アタシもさほど準備に時間はかからなかった。


ブーツを履いていると、彼が、


「そういえば、こんなんもあるらしいで」


と、チェックイン時にホテルのフロントで渡された各種サービス券を見ながら言った。


「え、なになに?」


チャックを閉め、ソファに座る彼に近寄る。


「ドクターフィッシュやって。隣のスパーガーデンで、宿泊者は無料でできるらしい」

「え~、いいやん! やろうよ、せっかくやし!!」

「興味あんの?」

「だってよくテレビとかでもやってるしさー」

「あ、そうなんや。じゃあ、明日行ってみるか?」

「うん、行くー!! ていうか、タダなら行かんと損やし!」

「そういう考え、もう完全に関西のおばちゃんやん(笑)」

「いいの!」


他に入っていたサービス券は、朝食券とコーヒー券だった。

朝食券はともかくコーヒー券のほうは、また夜にでも使おうと話し合った。





エレベータで下に降り、外に出ると、大阪の街が見渡せた。

浴場はホテル最上階だったので、それよりはかなり下にいるはずなのだけれど、ホテル自体がかなり高台に建っているため、こちらも絶景だった。

「夜になったらもっと綺麗やろね~」と言いながら、あとにする。


展望エレベータでさらに下に降りると、お土産物屋さんなどが並んでいて、ちょっとした温泉街になっていた。

箕面温泉は、箕面滝やもみじが有名らしく、それを目的に来る観光客が多いらしい。

でも、箕面滝はホテルから40分ほど歩くようで、彼はそういうのを嫌がるので、度外視だった。



「やっぱり外に出ると寒いね……」

「そやな。まぁ1月やしなぁ。でも例年に比べればだいぶあったかいで」

「えー、でも今日、めっちゃ寒くない?」

「そうか? 俺はそうでもないけど」


箕面駅方面へと並んで歩くこの時間が、とてつもなく幸せだった。

プチ遠恋&休みが合わないゆえ、外でデートをすることがあまりないため、とても貴重な時間に思えた。


「なんでそんなに寒いの?」

「えー、なんで寒くないの?」

「まぁ、俺は基本、寒さには比較的強いから。暑いのは苦手やけど」


(風邪はよくひくけどね)


そう思ったけれど、言わないでおいた。


「あー、手が冷たいから寒いのかなぁ」

「手?」


彼がアタシの手に触れた。


「うわっ、ホンマや、冷た! 何これ。なんでこんなんなるの?」

「わからん。ていうか、なんでこんなにあったかいの?」


彼の手はとても温かかった。


「そりゃ、心が温かいからに決まってるやん(笑)」

「えーーーー(笑)」


そのまま、手をつないでくれる。


「そっちの手(つないでいないほうの右手)は、自分でどうにかして」

「うん、わかった。袖の中に入れとく。ありがと」


アタシがそう言うと、彼はフッと笑った。



屋外で手をつなぐのは初めてだった。

しかも、駅前&夕方で、中高生や主婦を中心に人通りも多く、ドキドキしてしまう。

そんな自分に、自分で呆れてしまった。



ホテルから箕面駅までは5分ほど。

ホテルが高台に建つため、視覚的には距離がありそうに思えるのに、実際に歩くととても近い。


箕面という街は大阪の衛星都市、ベッドタウンらしく、高級住宅が建ち並んでいる。

よって、駅前は比較的賑やかだった。


そうそう、現在公演中の堂本光一君主演舞台「endless SHOCK」の前身「SHOW劇 SHOCK」(2001年12月~2002年1月、2002年6月)でヒロイン役だった、元宝塚男役スターの樹里咲穂さん、それから彼女と同期の元トップ娘役・純名里沙(旧・純名りさ)さんも、箕面市出身なんですよねー。



そんな賑やかな駅前を、何を食べようかと話しながら歩いていると、彼があるお店で立ち止まった。


「塩とんかつかー。うまそやなぁ。知ってる、塩とんかつ? とんかつを塩で食うねん」

「へー、塩で? 知らんわー」

「俺も1回しか食ったことないんやけど、めっちゃうまいで。なるほどなー、箕面に店があるとは聞いたことあったけど、ここやったんか」

「有名なん?」

「テレビとか雑誌とか、結構出てるねんで」

「へー、すごい」


こういうときの彼は、もうこれにしか目が向いていない。

その前にいくつか候補にあげていたお店もあったのだけれど、おそらくこれに決まりだな、と思った。


「ここにする?」

「うーん、そやなぁ……。なんかこれ見たらこれが食いたくなってきた。でも、お腹すいてる? かつとか、入る?」

「大丈夫よ。今日はお昼食べてないし」


午前中で仕事を終えてすぐに出てきたので、お昼は何も食べていなかった。


「んじゃ、ここでもいい?」

「うん、いいよー。アタシも塩とんかつ食べてみたい」

「うまいでー。……あ、でも18時からか。今何時?」


アタシはケータイを取り出して時刻を確認した。

まだ17時半。

開店まで30分ある。

そこで、すぐ近くのミスタードーナツで時間を潰すことにした。


「D-ポップ」1つと「ミスドプレミアム ホットカフェオレ」を2つ注文する。

ミスド自体、あまり利用しないということもあるのだけれど、2人とも、頼んだことがないものだった。


カフェオレは、彼の中でかなりのヒットだったらしく、絶賛しまくりだった。

玉木宏君がCMをしているものだったようで、テーブルには、玉木君が凛々しい顔でカップを持っているプレートが置かれていた。


1口サイズのドーナツを3つずつ選んで食べながら、温泉旅行の2日前まで彼が行っていた白馬(長野県白馬村)へのスノボツアーの話を聞かせてもらう。

来る途中の車の中でもその話題が中心だったのだけれど、やっぱり好きなことを語る男性というのは生き生きとしていて、すごくいい。


「ほら、これ」


彼がケータイの画面をこちらに向けた。

雪山に、スノーボーダーが1人、写っている。


「友達が撮ってくれて」

「おぉ、すごーい!!」


ゴーグルなどで顔もすべて覆われているので、誰なのか判別できないけれど、彼らしい。


「これが、前に買ったって言ってたウェア」

「ホンマや、紫と黒のチェックや」


大晦日に彼とスポーツショップへ行ったのは 、このウェアを買うための下見だった。

入荷数が多くなく店頭にはないだろうから、サイズだけ確認してネットで買うと言っていた。

そして年明けに会ったとき 、買ったと話していたのだった。

「結構、綺麗な色やろ」

「うん、綺麗~! なんかカッコいい!!」

「ハッ、何言っとんねん……」


明らかに照れてる彼がかわいかった。



カフェオレはおかわりが自由らしく、店員のお姉さんが「おかわりいかがですかー」と、注ぎに回ってきてくれるので、彼はもちろん、せっかくなのでアタシもいただいた。


飲み終わると、ちょうどいい時間。
店を出て、さっきの塩とんかつのお店に戻ることにした。



「とんかつ豊か」という名前のお店で、店内はとてもオシャレだった。

とんかつ屋さんというよりは、カフェという感じ。

でも、ぐるなびのとんかつ店ランキング日本一に輝くなど、やっぱりとんかつ屋さんらしい。

かつはもちろん、塩にもこだわりがあるらしく、「幻の塩」と呼ばれる御坊(和歌山)の釜炊き塩「塩屋の天塩」というものなのだとか。


和歌山にゆかりがあるのか、メニューには「紀州梅古酒」が大きく載っていて、とりあえずそれを1つだけ頼んでみることにした。




素直な女になるために……-紀州梅古酒

(クリックすると大きくなります)


毎度ですが、向こうにちょびっと写っているのが彼です(笑)



飲みやすく、とてもおいしい。

というか、お酒に疎いアタシには、普通の梅酒との違いはわからなかったけれど、彼が「飲みやすくておいしい」と言っていたので、おそらくそうなのだろうと(笑)



そして、メインの塩とんかつ。

アタシはヒレ(写真手前)、彼はロース(写真奥)を頼んだ。



素直な女になるために……-塩とんかつ

(クリックすると大きくなります)



塩で食べるとんかつはもちろん、キャベツの上にかける自家製ドレッシング「柚子だれ」もとてもおいしくて、行列になるのがうなずけるお店だった。


梅干しはやはりはちみつ漬けの紀州梅。

アタシはこの肉厚な紀州梅がすごく好きで、今も冷蔵庫に入っている。

彼も、梅干しやお漬物は嫌いでいつも残しているのに、これはちゃんと食べていた。



大満足で店をあとにし、コンビニで飲み物とポテロングを調達。

再び手をつないでホテルに戻った。


「今日ホンマ寒いってー。マイナスなんちゃう?」

「それはない。あのなぁ、マイナスっていうのは普通にしゃべってて息が白くなるぐらいやから(苦笑)」


そんなふうに鼻で笑われながら。




展望エレベータは、昇りは1人100円要るらしく、支払って昇った。


時刻はすでに19時すぎ。

降りるときとは違い、あたりはもう真っ暗。


そう、そこに広がっていたのは絶景だった!!




素直な女になるために……-箕面の夜景

(クリックすると大きくなります)



アタシが頑張ってケータイで写真を撮っている横で、彼は、「写真には写らんでー」と、冷めたご意見。

まぁ、確かに目で見た夜景とは比較にならないぐらい劣るけれど、一応記念にね!


「いいねん。ホントに見た景色のすごさは、自分の記憶の中にあるから」

「まぁなぁ、それしかしゃあないわな」


(アタシだけちゃうよ、あなたの記憶にも同じ景色が残るから“いい”んだよ)


心の中で、彼にそう言った。



部屋に戻ると二度目の温泉へ!


一度目は昼間だったけれど、今度は夜景が見渡せるはずということで、わくわくしながら向かった。

また、一度目のときは露天風呂には行かなかったけれど、今度は行ってみようと思っていた。



大浴場に入ると、思わず「おぉ!」と声をあげてしまった。

さすが1000万ドルの夜景!!


最初は何人か先客がいたのだけれど、途中からは1人になったので、一度ケータイを取りに脱衣場へ戻り、再び中に入ってパチリカメラ



素直な女になるために……-大浴場からの夜景

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注:右のほうに写っている白っぽい影は、大浴場入口が窓ガラスに反射しているだけです。



露天風呂からの夜景は、あまり綺麗に撮れず……。

ま、これも自分の目に焼き付けたということで。


しかしながら、夜景を見ながらの露天風呂は、かなり気分がよかった。

ここを選んでくれた彼に、心から感謝だった。



浴場から戻ると、次はホテル1階のラウンジへ行き、例のコーヒー券を使ってコーヒーを飲んだ。

ここからの夜景もとても綺麗で、彼に苦笑されつつも写真を撮る。



素直な女になるために……-ラウンジからの夜景

(クリックすると大きくなります)



位置的に大浴場の下になるようで、高さはかなり違うけれど、見える建物が一緒だった。


「ホンマ綺麗やねー」

「綺麗やな。――社員旅行でここに来てから、これを見せてあげたいなって、一緒に見たいなって思ってたねん」

「うん、ありがと。一緒に見られてうれしい。つれてきてくれてホンマありがとう」


アタシがお礼を述べると、彼はほほ笑んだ。


「近いし、いつでも来れるし、また来よう」

「うん」


実現するのかどうかはわからないけれど、そう約束した。




少し外に出て、惜しむようにしばらく景色を眺めてから、部屋に戻った。

すでに時刻は21時半。


しばらくソファでくつろぐことにする。

テレビを観ながらコンビニで買った飲み物を飲み、ポテロングを食べた。


「なぁ、またかよって感じやけど、いい?」


そう言うと、彼はポテロングの先をくわえて、アタシのほうを向いた。

意味を解し、ドキドキする。


二度目のポッキーゲーム ……。

いや、ゲームなのか!?



とにかく、もう片方の先を唇で挟んだ。

真ん中あたりまで食べ進めると、彼の唇に触れた。


しばし、キス。



キスなんて、彼とは何百回、何千回としているはずなのに、シチュエーションが違うだけでこれほどドキドキするのが不思議だった。

彼ももしかしたら同じ気持ちで、だからまたしようとしたのかもしれない。



髪をなでられた。

そのままその手が下りてきて、肩を抱かれる。


なんだか、部屋の中にいる時間のほとんどを、こうしてくっついて過ごしている気がする。

もちろん、普段から室内デートばかりなので、そうではあるのだけれど、少し外に出ては戻ってきてくっついて、また外に出て戻ってきたらくっつく……と、そういうのがなんとなく新鮮だった。



「今日は酒乱やな(笑)」


アタシがスミノフを飲むのを見て、彼がそう言った。

コンビニで買ってきた飲み物は、主に彼が飲む用としてスミノフ、アタシが飲む用としてアイスティだった。


「確かに、とんかつ屋さんでも梅酒飲んだもんね……。あれ、でも、アタシどっちもそんなに量飲んでない気がする」

「そやで、全然飲んでないで。ほとんど飲んだの俺や(笑)」

「え、じゃあアタシ、酒乱ちゃうやん」

「そやなぁ(笑)」


どうやらからかっただけらしい。

彼は可笑しそうにクスクスと笑っていた。


「でもね、あっためてもらったのと、お酒飲んだのと、温泉に浸かったのとで、身体だいぶあったまった気がする」

「でも脚はまた冷たいんちゃうん?」


彼は、浴衣の隙間から手を差し入れて、脚に触れてきた。


「あ、でもいつもよりはマシやな。冷たいのは冷たいけど」

「そやろ!」


得意気になるアタシ。


「ていうか、2回温泉に入ると、さらにすべすべやな。きもちい」

「温泉の二度塗りやね(笑)」

「そやな(笑) なぁ、ここに脚、載せて。あっためてあげる」


彼は、自分のひざをポンポンと叩いた。

言われるがまま、抱きつくような形で、彼から遠いほうの脚を載せる。

浴衣の裾は完全にはだけてしまった。


「あっためてあげると言いながら、俺が触りたいだけなんやけどな(笑)」

「でもあったかい。ありがとう」

「いーえー」


彼の手が肌の上を滑るのが心地よかった。

おかげで、ずいぶんと温まったように感じられた。


「……アカン」

「ん?」

「こんなことしてたら、このままここで襲ってしまいそうやわ。ちょっと歯磨きしてこよ」


つまり、もう寝るということなのか? と思った。


彼と交代で歯磨きをし、戻ると、やはり彼は、寝る準備をしていた。

早々とベッドに寝転がる彼を見て、アタシもその隣に身体を滑り込ませる。


「10時(22時)すぎ……。こんな時間にベッドに入るなんて、なんか変な感じ」


アタシが言うと、彼は、


「まだ寝んけどな。ちょっと軽く運動をしてから」


と笑った。


「大丈夫、そっち場所ある?」

「うん、大丈夫、充分あるよ」

「ならいいけど。何せ狭いからなぁ。落ちんといてや」

「そんなん落ちひんよぉ」


「ベッドから落ちるなんて、まずないやろ」、とアタシが笑うと、「でも俺……」と、彼が何かを言いかけた。


「ん? どしたん?」


先を促す。


「いや、うん……こんなこと言うと気ぃ悪いかもしれんけど、俺、落ちたことはないけど落としたことならある」

「え、落としたの?」

「当時付き合ってた彼女と、その子の部屋でこんな感じで一緒に寝てて……。ひとり暮らしやし当然、ベッドもシングルなわけよ。それで、俺、寝相悪いからさ、なんか押し出してしまったみたいやねんな。ドーンって音がして、彼女が落ちて。もちろん向こうも熟睡してたから、めっちゃびっくりしてた。しかも栞と同じで、下に服を入れられるタイプのベッドやって高さもあって、相当痛かったと思うわ。『いったー』って言ってたもん」

「そりゃ痛いわー」


彼と一緒になって笑う。


「だから、トラウマ……じゃないけど、何というか、また落とさへんか心配というか」

「アタシは大丈夫。眠り浅いしそういうときは気づくから」

「まぁな、これまで一度もないから大丈夫やとは思うけど、一応ね」

「うん、ありがと」


初めて聞く話だった。

トラウマと言えるのかどうかはわからないけれど、それに近い感じで彼の心の中に引っかかっている出来事なのだろう。

そこまで心配するということは、それをきっかけに、相手と喧嘩にでもなったのかもしれない。

無意識時のことを論じたって、何も始まらないのに(笑)



唇が重なった。


彼の言う“軽い運動”は、その後、24時近くまで続いた――。





つづく ……





浅田真央選手、銀メダルおめでとう!!

安藤美姫選手、5位入賞おめでとう!!

鈴木明子選手、8位入賞おめでとう!!


男女ともに全員が入賞するなんて、日本人、すごすぎる!!


しかしながら、真央ちゃんが演技終了後のインタビューで号泣していたのを見ていて、かわいそうになりました。

トリプルアクセルを2回跳べば金メダルが取れる、きっとそれだけを信じて毎日毎日何時間も練習してきたんだろうけれど、現実には跳んでも届かなかった……。

今までやってきたことは何だったんだろう、きっと、そんなふうに虚しく思ったことでしょう。


でも、日本人でも韓国人でもないある観客(地元カナダの方?)が、「真央の演技はエレガントで、ヨナよりもずっと心に残ってる」と、インタビューに答えていました。

それを聞いて、救われた気がしました。

たとえ1人でも、中立の立場の方にそう思ってもらえたなら、やっぱり真央ちゃんの演技は素晴らしかったんだと。


しばらくは何を頑張ればいいのか模索すると思うけれど、次のソチまで4年あるので、焦らず“真央ちゃんらしさ”を失わずに頑張ってほしいと思います。



同じころ、アタシも昇格試験の論文試験を受けていました。

とりあえず第1段階は終了。

次は、3月2週目に行われる面接試験です。

アタシも負けずに頑張らなきゃ。



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