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2005-12-27 23:59:59

サウスバウンド / 奥田英朗

テーマ:読書感想

アナーキストの父親は、子供の迷惑も顧みず、官に逆らう己が道を驀進中。 生計を支えるのは喫茶店を営むできた妻。 不倫中であまり家に寄り付かない歳の離れた姉と、生意気な妹。 6年生の二郎は、父の引き起こす騒ぎと不良中学生に悩まされる毎日を過ごしています。


二郎が生きる環境は少々特殊ですが、二郎自身は実にまっとうな少年です。 暴力には恐怖を覚え、異性には恥じらいとそっけなさで対処し、父の非常識ぶりには困惑と怒りを覚え、肉には執着し。。。 ユーモアをまじえて軽快に語られる日常に、ページを繰る手が止まりません。 育まれる友情もいい。


主義主張を貫くあまり行く先々で敵を作る父親の、正論でありながら受け入れがたい存在が、この作品のキモです。 東京では生きる場所がない父は、挙句南の島への移住を決行します。 その断固たるスピードもまたおもしろいのですが。 劇的に変わった環境で、家族もまた変わります。 島の人々ののびやかさ、親身さが二郎の視点で幾重にも語られて、説得力があります。 なんだか、うらやましくなるのです。


南の島の空のように、どこまでもつきぬけた爽快な一冊でした。 まさに、サウスバウンド! おおきく、バウンド! この小説が、「最悪」「邪魔」の作家から生まれ出たかと思うと奥田英朗のすごさに感服します。 読み損ねたらいけない本に出会えました。

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2005-12-26 23:14:30

干し野菜のすすめ / 有元葉子

テーマ:読書感想

割干し大根以来、干すことがおもしろくなったわけですが、図書館のレシピ本の棚でふと目にとまったのがこの一冊です。 グッドタイミング!


曰く、完全に乾燥させてしまうより、いわゆる生干し状態の野菜がおいしいとのことでした。 トマトやきゅうり、なすまで干しています。 水分が飛んでいるので、調理時間が短くてすみ、素材の味が濃く感じられるとのこと。 なるほど~。 特に野菜炒めがおいしくできるそうです。 水っぽくならず、歯ごたえシャキシャキ。 よだれ~。


干ししいたけは、日光に当てることで、ビタミンDが増えると聞いたことがあります。しかし、ビタミンCは空気に触れると分解されてしまうはず。 その辺が本書では触れられておらず、ちょっと気になっています。


とはいえ、利点も多いしおいしそうなので、しばらくはいろいろな野菜を日に当てて食べてみよう! 

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2005-12-15 23:02:25

女王様と私 / 歌野晶午

テーマ:読書感想

妄想の中で、小学生の女王様に罵倒されながらもデートらしきものをしてヨロコんでいる○歳のおたく引きこもり。 特殊な表記で表現されるイマドキの若い子との会話に、そこはかとなくイライラしながら読みました。 途中何度止めようと思ったか。。。


ようやっと事件が起き、おたくが成長していくのかと思いきや。。。 えぇ!と驚き。 こうなっちゃうのか。。。 「葉桜~」以降、驚かせ方がある意味ワンパターン化している気がします。 本当の意味では驚けなくなりました。 


気持ちの悪い話が気持ちの悪い結末を迎え、読後感も気持ち悪い。 重いため息が出ました。 ゆえに、ある意味良くできた小説なのかもしれません。 現実逃避をしたくなることはよくあることですが、犯罪に至るほどの逃避というのは、こんな感じなのかも? うへー。

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2005-12-12 23:32:54

ミッキーマウスの憂鬱 / 松岡圭祐

テーマ:読書感想

この作家がこういう雰囲気のものを書くとは思いませんでした。 意外。


もっともっと、今よりずぅっと若い時に読んだら、文句なしに楽しめたんじゃなかろうか。。。 若さゆえの愚かさと真っ直ぐさが痛いような小説でした。 ま、主人公はたった3日間でずいぶん成長したようです。 その単純さがちょっと安易にも思えてしまいました。 


友人の夫君が、ディズニーランドの正社員です。 ゆっくり話す機会があったら、ぜひこの本の感想を聞いて見たいものです。 かの夢の国の舞台裏についてたくさん書かれていますが、こと正社員のヒドさは創作もしくは誇張だと思います。 だよね?


頻繁にでてくる「クラブ33」、実は行ったことがあります。 叔父の会社がどうのこうので手配がきき、祖父の米寿のお祝いの集まりがそこで行われました。 きれいでかわいい場所だったけれど、普通見られないというだけで、特別スバラシイ内装というわけではなかったような記憶が。 もう15年くらい前のことで、良く覚えていないのが残念です。 もっと良く見ておけばよかったかも。

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2005-12-11 23:49:29

誰のための綾織 / 飛鳥部勝則

テーマ:読書感想

昨日、途中経過を書いた本作を読み終えました。 盗作うんぬんは置いておきます。 なんせ、「メモ」が紛れ込むという釈明がぴんときません。 自分が生み出した文章と、他人が書いた文章がわからなくなるものなのか、それからしてシロートにはわかりませぬ。


この作家の著作は、「殉教カテリナ車輪」「バラバの方を」を読みました。 いずれもタイトルからは惹かれないのですが、おもしろいという話を聞いて手をだしました。 結果、面白い面があるような気もするけれど、作品世界に馴染めず楽しめずにいました。 実は、本作もそうでした。


内容が激しいわりに、心に響かないせいだと思います。 前述の2冊のことはすっかり忘れましたが、本作でも、殺人や誘拐に至る動機に愛情があったことが判っても「そうですか」という感じ。 ラストで禁じ手すれすれ(?)のどんでん返しがあっても、「へぇ、そうなんだ」で終わり。 構築してきた世界がパタパタと反転するような鮮やかさがありません。 


冒頭に掲げられた絵が、思ったほど内容に関わってこなかったのも残念です。 おもしろそうだと思う理由の大部分が、実は絵から謎を解く話だと思い込んだからなので。 おまけに、左に書かれた女性が、友人にそっくりで怖い。。。


ミステリとしての評価はわりと高いようですが、どうもこの作家は読者を選ぶようです。 私は、選ばれない方かな。 以降は遠慮しようかな。

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2005-12-10 23:49:26

例外的に、途中経過

テーマ:読書感想

4日間かけて、まだ四分の一ほど残っているとあるミステリがあります。 おもしろいんだかつまらないんだか、読んでいる本人がよくわからないという、妙な一冊です。 飛鳥部勝則の「誰のための綾織」。


物語世界自体が好みから外れていて、どうにも居心地が悪いのですが、ところどころに気を惹かれる表現があり、這うように読んできました。 つ、疲れる。 他の人たちは、どんな感想なんだろうと、読み終わっていないのにググっちゃいました。 


驚愕。


高校生の頃、熱愛読した三原順「はみだしっ子」のパクり疑惑(というか、既に絶版回収の処分が下されていました)に関する文章がぞろぞろ。 そういえば、「目には目を、歯には歯を」に言及したセリフを読んだとき、「はみだしっ子」で読んだのを思い出したのでした。 たしか、サーニンかマックスに仕返しをしているアンジーに、ジャックかグレアムが言っていたと思います。 言われてみれば、思い当たる表現がたくさんありますね。 「愛せないことの罪悪感」とか、「何の責めも負わされなかった」とか。 


「はみだしっ子語録」も持っていたし、トランプも買ったっけな。 その独特の世界が大好きだったのに、読んでいて気づかなかったとは、情けないこと。。。
著者も、ファンだったんでしょうか。 むーん。


挫折しようと思っていましたが、ラストがどんでんだという話もあるので、がんばって読破することにします。 三原ワールドを借りて表現しようとした物語がどこへ行き着くのか、見届けてたいとも思うので。

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2005-12-07 23:39:48

おまけのこ / 畠中恵

テーマ:読書感想

いつにも増してほんわかした、若旦那シリーズ第4弾。 待ってました。


このシリーズは、読む前にとっくりと表紙を眺めます。 鏡に映る幼いころの?若旦那。 何かをくわえた鯉。 おわんの舟に乗った家鳴。 毛皮のパンツをめくられちゃってる家鳴。 お化粧している家鳴。 きれいなおねえさん。 たんこぶを作った男の人。 見返しも忘れずのぞく。 しっかり内容を表す絵なので、物語を想像するのが楽しいのです。 読後、な~るほど♪ともう一度絵を見るのも、忘れちゃなんない楽しみです。


ベテラン虚弱体質の若旦那と、彼を慕い守る妖たちの世界も、そろそろ偉大なるマンネリへ向かいつつあるようです。 でも、このシリーズはそれでいいのです。 水戸黄門みたいなものです。 それでも、今までは端役だった妖にスポットがあたる話(家鳴の大冒険! 屏風のぞきによるカウンセリング!)があったり、まずい菓子しか作れない菓子屋の跡取り息子栄吉にライトがあたったり、奥行きがでてきました。 


独特の擬音や、のんびりとした間合いの文章で、ふんわりまったりとした時間をもらいました。 重い内容の本を読むのが大好きですが、そればっかりはとても読めません。 心を軽くしてくれるこんな一冊も、とっても大切。

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2005-12-06 00:08:24

震度0 / 横山秀夫

テーマ:読書感想

読後の、この虚脱感。 むなしさ。 おそらく、私は警察小説の傑作を読んだのだと思います。 書けている故に、ぐったりです。 


阪神淡路の大震災が起きた日、N県警では警務課長が失踪し、虎視眈々と出世を狙う幹部たちの間に激震が起こります。 互いに弱み強みを握り、相手より優位に立つために、あらゆる駆け引きが繰り返されるのです。


震災の街で、刻一刻と生命が消えていくというのに、そのことに心が動かない幹部たち。 自らその事実に気づき、かすかに傷つきながらも、やはり保身と手柄のことしか考えられない姿にため息がでました。 現実の警察内部がここまで堕ちているのかどうか、そうでないことを祈りたい気持ちです。 とはいえ、ラストでは少々救いも。 世の中、そうそう捨てたもんじゃないはずですよね。 


こうもりに例えられる準キャリアの存在をうまく使っていると思いました。 人物描写は少々誇張しすぎの感がありますが、ほぼ全編にわたって電話や会議の会話で成り立つ小説なので、仕方がないかも。 場面転換は多いけれど、閉塞感を感じつつ読んだのは、動きのない話だったからかな。。。 


震災と物語が密接でないことに、読んでいる間は違和感がありましたが、その乖離こそが実は傑作たるゆえんではないかと思います。 乖離してるんですよ、幹部たちは。

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2005-12-01 23:46:32

君の名残りを / 浅倉卓弥

テーマ:読書感想

タイムスリップもの歴史小説バージョン?
落雷とともに時代をぐんと遡ってしまった3人の少年少女は、それぞれ同じ時代の別の場所で目覚めます。 大いなる何かの意志を感じ取る彼ら。 いったい何故その時代その場所へ導かれたのか、わからないままそれぞれの場所を見出していきます。。。


主人公たちの名前ととばされた時代から、およそのあらすじはすぐに見当がついてしまいした。 うわ、そういうこと? じゃ、こうなってこうなっちゃうわけ? 大変じゃん! 歴史が不得意な人は、語られるまま物語が楽しめますし、歴史大好きな人は、史実のなか(一部恣意的に変更が加えられていますが)で主人公たちがどう生きていくのか、あれこれ想像しながら読む楽しさが味わえます。


すごい着想です。 タイムスリップというのは定番なわけですが、それをこういうふうに展開する物語があるとは。 ちょこっと「戦国自衛隊」を思い出したり(ある一点で正に共通)しましたが。 


ただ、こういうのを何視点というのか、視点が次々に変わりすぎ、気を抜くといつのまにか違う場所の話になっていたりして、少々読みにくかったです。 この小説には向いているようにも思えるのですが、主人公以外の視点もたくさんあって、中だるみの部分では投げ出しそうになっちゃいました。 相性が良くなかったかな?


もうひとつ、実は肝心なところが納得できませんでした。 彼らがタイムスリップした理由です。 「それは成されねばならぬ。。。」  
歴史パトロールみたいな小説では、変えられた過去を修正するために大活躍、なんて話がよくあります。 なんだかんだいっても、歴史上の出来事は結局必然というか、起こるべくして起こるというか、とにかく歴史の流れには「意志」のようなものがあるという考え方にはよく出会いますし、理解できます。 


翻って、舞台となる一連の出来事が成されるために、何故わざわざ現代の高校生が必要なのかがよくわからないのです。 その時代の人々が成してこそ、歴史といえそうな気がします。 800年間磨かれた剣の道を知る人間が必要? それならもっと適任者がいそうです。 修羅という、また格別な存在まで動員してこの時代を動かそうとするのは何故なのでしょう。 日本の歴史のなかで、この時代はそんなに重要だったでしょうか。 そう考えると、じゃあ、他の時代のさまざまな出来事にも、みなタイムスリップさせられた人々が絡んでいたのだろうか、とかいろいろ考えちゃうのです。 


ラストが切ないだけに、余計に彼らが導かれた理由が気になってしまいました。 そんなわけで、おもしろかったけれど、不満な一冊となりました。

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2005-11-29 23:58:26

一枚摺屋 / 城野隆

テーマ:読書感想

第12回松本清張賞受賞作。 そうなんですか。 私にとっては、非常に物足りない、あっけない小説でした。。。


一枚摺に固執する父親に反発し、戯作の道を歩んでいた文太郎は、ある日出くわした打毀しを一枚摺にしました。 しかし、その内容がもとで父親が捕らえられ、拷問を受けた挙句獄死してしまいます。 何故そこまで責められなければならなかったのか。 その死に裏を嗅ぎ取った文太郎は、もぐりの一枚摺屋となり、調査を開始します。。。


明らかになっていく父の過去と、その死の謎が時代設定に密接に結びついていて、異色の幕末物になっています。 普通、一枚摺というのは、気軽な娯楽系のものであることが多かったらしいのですが、文太郎が作るのは、幕府軍の負け戦を容赦なく市井に知らせるためのもの。 だからモグリなのです。 誰が作っているのか知られてはならないし、売っている現場を押さえられるわけにもいかないのです。 時間との闘いで、一気に人目を引いて、一気に売って、一気に逃げる。 そのあたり、なかなかのスリルで楽しめました。


しかし、物語の進め方がお手軽にすぎるし、描写が単純で、あらすじかダイジェストを読んだようなあっけなさを感じてしまいました。 登場人物たちが、物語を進めるためだけに存在するようで、印象に残らないのが残念です。 もったいない! 

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