「小さな巨人」第6回 感想 | 感想亭備忘録

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なぜ和田アキ子を使ったのか!

何を血迷ったのか。

確かに彼女は容姿やバラエティーでの言動を見れば、カリスマ性のある押しが強いワンマン経営者っぽいところはあるとは思います。

しかし

それっぽいのとその役を演じられるかどうかはまた別の話です。

今日見せたレベルの演技なら演出家はNGを出すべきです。何度でも何度でも撮り直すべきです。芸能界に影響力のある相手だろうとなんだろうとキャスティングした以上きちんとした演技ができるまで指導するべきです。素人なんですから。

それが出来ないのなら使ってはいけません。

あの役ができそうな女優さんは、泉ピン子さんや室井滋さんや財前直見さんや、芸達者が山ほどいます。

 

なんでド素人をまともな演技指導もないまま使ったんでしょう。彼女は歌手として超一流です。MCとしても地位を築いています。でも女優じゃないんです。おかしなキャスティングで話題性を狙ったのだとしたら大失敗です。実に残念です。

 

梅沢富美男さんはさすがプロですね。バラエティーで見せる色を微塵も感じさせずクセモノを演じきっていました。

 

さて、第二章「豊洲署編」ですが、滑り出しは悪くありません。

小野田一課長(香川照之)や山田(岡田将生)との関係が第1回の頃に戻ったようで焼き直し感が無くもないですが許容範囲です。

絶対にやってはいけないのが、「山田との対立から共闘へ、そして一課長と対立し追い詰めるものの本当の敵は一課長ではなく」という全体の流れの焼き直しです。それだけは避けていただきたいです。

 

ある学園の経理担当者の失踪、その学園に潜入していた捜査官。そしてその潜入捜査官が殺されてしまう。殺人現場に立ち尽くす山田。なぜ、山田は香坂(長谷川博己)に報告しなかったのか。なぜ山田は現場から逃走したのか。学園と警察のつながりはどういうものなのか。

謎は提示されました。

納得できる形で、その謎を収拾できるか、収拾する過程でインパクトのある物語を紡いでいけるのか。いまひとつツメの甘い脚本家のようなので非常に不安は残ります。

この回の脚本もちょっと杜撰なところがあります。

矢部(ユースケサンタマリア)の尾行ですが、巻かれたからと言ってそこまで慌てる必要はなくないですか?翌日も出勤するわけだし。次の日やり直せばいいだけのことでしょう。

また、矢部が潜入捜査官・江口だとばれた理由ですが、警察内部にも秘密にして潜入している捜査官が、大勢人がいる中で警察の隠語(というほどでもないですが)を使って通報するでしょうか。

 

前日の「ボク、運命の人です。」が見事な脚本だったので余計にこちらの粗が目立ちます。頑張って盛り返してほしいものです。

 

 

 

 

余談ですが、なんかますます

「おっさんドアップ品評会」

みたいになってきてますが、香川照之さんの顔芸は素晴らしいのでよしとしましょう。

あ、それと芳根京子さん、役の必然性はおいといて彼女個人は演技はしっかりしてて存在感も出てきました。ちゃんとした役を貰えれば輝く女優さんなのかもしれません。