今回のお題は「わが子にも読ませたい絵本」ということなので、今時の子供が喜ぶかどうかはさておき、私が幼少の頃読み親しみ、現在にまで影響を与え続けている絵本をご紹介します。

 それは、「まんが日本昔ばなし」です。

 テレビでお馴染みのあの「まんが日本昔ばなし」のノベライズ版で出版されていました。

 全集で買ってもらったのは、おそらく3~4歳頃。おじいちゃん子だった私は、祖父に腕枕をしてもらい、寝る前に必ず1冊読んでもらうのが日課でした。それが楽しみで、楽しみで。

 私の幼い頃はビデオやDVDなどという代物はありませんから、物語的なものの楽しみは本に教えられました。(テレビアニメも今と違ってもっと豊富にあったかもしれませんが、楽しみたいときに手軽に楽しめるのはやはり本でした。)

 考えてみると、この頃の読書体験が、長じて後に私を歴史好き・民俗学好きにさせたのでしょう。

 もしかすると私のそういった傾向は、昔話が好きだっただけでなく、心のどこかで大好きだった祖父を偲んでいるためかもしれませんが。

 最近、私たちが子供の頃に親しんだ「まんが日本昔ばなし」があの頃の映像のまま、寸分たがわず再放送されています。

 若いお父さんやお母さんの、自分たちの見ていた「まんが日本昔ばなし」を子供にも見せたいという熱い要望に、テレビ局が応えたのだそうです。

 アニメでもいい。

 絵本でもいい。

 子供たちに物語の面白さがちょっとでも伝わるといいな。 (M/K)

川内 彩友美
まんが日本昔ばなし〈第1巻〉


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「炎のゴブレット」

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 先だって、「ハリーポッターと炎のゴブレット」を観に行ってまいりました。

 映像も、音響もすごい迫力で、よい映画に仕上がっていました。

 ハリーも、ロンも、ハーマイオニーも皆すっかり成長して…そりゃあ、こっちも年取るよな。

 新キャラも続々登場して、見ごたえ充分です。(しかし校長、なんだか好戦的な人物として演じられているような…(苦笑))

 でも、ハリーポッターの原作のファンとしては、ストーリー的に物足りない面もあったりして。

 というか、原作の「炎のゴブレット」の中では続編「不死鳥の騎士団」への複線が張り巡らされているのですが、映画ではその場面が大幅に削られていて、次回作を映画化する時は辻褄合わせるのが大変だろうな、と心配です。

 記者リータ・スキーターの扱いとか小さすぎるし。

 そのせいでハリーの苦悩も軽く扱われていたような気もするし。

 さて、来年5月17日、ハリーポッター待望の新作「混血のプリンス」が発売の運びとなりました。

 今から待ち遠しい限りです。

 「不死鳥の騎士団」のラストでは、ついにヴォルデモート卿の復活が魔法省に認知されます。

 狼少年呼ばわりされていたハリーの名誉挽回にほっとする一方、大切な人を亡くしてしまったハリーの心中を察するに、思春期という年頃を勘案しても心配なことばかり。果たしてハリーは、あの悲しみをどう乗り越えていくのか。気になって眠れそうにありません。それから、ハリーとルーナがどんな関係になるかも…(笑)

 たっぷり時間がありますので、1巻からおさらいでもしようかと思います。 (M/K)

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 久しぶりにトラックバックステーションへの参加を果たします。なんだか、新鮮(笑)

 今回のテーマは「好きなミステリー作家」。

 これはダントツに京極夏彦さんです。

 京極さんの作品をはじめて読んだときにはものすごい衝撃を受けました。

 それまでミステリーといえば、火サスなどの2時間ドラマ、特に片平なぎささんや船越英二郎さんらが主役を務める、いわゆる探偵もののイメ-ジしか持ち合わせていませんでした。

 しかし京極作品では、歴史、文化、因習・慣習、風土、人の心の闇などを「妖怪」という説明体系を用いて物語を展開していきます。これがとても斬新でした。小学生の頃、リバイバルの「ゲゲゲの鬼太郎」を観て育った私としては、覚えのある妖怪の名が出てくることも魅力でしたし、また、幼い頃には知らなかったそれら妖怪たちの歴史を知ることができたのも、知識欲を大いに満足させるものでした。そしてそれらの薀蓄は物語を囃すための余興なのではなくて、事件を解くための鍵になっているのです。もともと民俗学的なものに興味のあるほうでしたから、まさにストライクの作風です。

 こういうわけで、私の中の不動の1位は京極夏彦さんではあるのですが、遅ればせながら最近好きになった作家さんがいます。

 「QED」シリーズの高田崇史さんです。好きになった理由は京極さんのところで述べた内容とほぼ似たり寄ったりですが、こちらの特筆すべき魅力は2点あると思っています。

 1点目は、古典文学の再考証。殊に和歌に関して深い造詣をお持ちのようで、和歌の解釈が大変面白い。日本という国は言霊のさきわう国なのだと改めて実感させられました。今までは、言霊というと単に災いを避けるための忌み言葉、呪術に用いる呪文・祭文という認識しかなく、一部の特殊な状況でのみ使用されるものと思い込んでいましたが、言霊の考え方は当時一般的で実際的だったのだと気づかされました。和歌とは、芸術の域に留めておくべきものではなかったのだと感心しました。「歴史の謎を解け!」的な私好みの作品です。

 もう1点は、作中に登場する「カクテル」。作者はまたお酒にも深い造詣をお持ちのようで(笑)たくさんの種類のカクテルが出てまいります。当然バーで飲むシーンもたくさん出てまいります。「…いいなぁ、私も飲みに行きたい」と読むたび思います。実は私、ショットバーとかには参りますが、ちゃんとしたバーテンダーがいるようなお店には行った事が無いんです。酒飲みの癖にお恥ずかしい限りです。で、気分だけでも味わおうと、「QED」を読むとき、自作カクテルは欠かしません(マイシェーカーは高校時代に友人から贈られたものです。なぜ…?)。あ、そういえば、この前初めてギムレットを飲んだのです。主人公・崇の愛飲するカクテルなのですが、これがまたアルコールがきつい!辛口の大人の味でございました。これを何杯もおかわりする崇は相当な酒豪だな…。私はカクテルのベースの中ではウォッカが一番好きなので、ウォッカベースのカクテルも紹介していただけないかな、といつも思っています。

 というわけで、歴史・民俗学・お酒(!?)が好きな方、「QED」をご一読ください。 (M/K)

高田 崇史
QED―百人一首の呪


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 またまただいぶご無沙汰いたしております。

 年も暮れてくると、なんだか慌しいです。何でこんなに仕事があるのかと呆れます。

 M/K、もはや壊れ気味です。たまにとてもハイになる瞬間があります。

 さて、前回更新の記事に応えてくださった皆様、本当にありがとうございます。

 なかなかお返事する暇が無くて、ほったらかしにして申し訳なく思っています。

 実はですね、言い訳をさせていただくと、パソコンが入院しておりまして。

 で、やっと今日、退院してきたんです。

 まだ新しいのになぁ…。ただで直ったからいいけど。

 …そんなわけで、早速記事を更新しているしだいです。

 パソコンの闘病生活中、私はいつも通りせっせと読書に勤しんでいたわけですが、その感想は後回しにして、今回は新し目の話題を一つ。

 メディアファクトリー発行の雑誌「ダ・ヴィンチ」のBook of the Year 2005が発表されました。

 総合ランキングの栄えある1位は……「電車男」!!

 ネットから発信された「物語」は、書籍化のみならず、映画、ドラマ、漫画、演劇など様々な媒体を通して人口に膾炙しました。それが幅広い層の支持を受けたということでしょう。普段あまり本を読まない人をも惹きつけた、そのパワーは、すごい、の一言です。

 総合ランキングは30位まで発表されていますが、その中で私が読んだ本は、たったの2冊でした。

 なんだか波に乗れてない私…。

 どの作品も一度は興味を持った作品でしたが、いまいち食指が動かなかった。しかし、今回のBook of the Year 2005の発表を参考にフィーリングがあいそうな作品を探すつもりです。課題図書がどんどん増えていく…(笑)

 皆様も、年末・年始の休暇の徒然に読む本を、「ダ・ヴィンチ」のBook of the Year 2005で見つけてみてはいかがですか? (M/K)


ブックバトン

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 だいぶご無沙汰してしまいました。皆様、お元気でしょうか?

 更新しない間も足を運んでくださった皆々様、本当にどうもありがとうございます。そして、申し訳ありませんでした。

 ここ1ヶ月、すごくバタバタしていて、気力・体力共に低迷しておりました。パソコンに向かう余力すら無く…。情けないばかりです。

 でも、皆様。

 不肖M/K、どんなに弱っていても読書だけは毎日欠かしませんでした。そりゃ、活字ジャンキーですもの(ニヤリ)。 転んでもただじゃ起きません。ネタを蓄えましたとも!問題は書く時間があるかどうかだけです。(これが一番大問題)


 さて、私が不甲斐無く休んでいた間に、babel様よりブックバトンをいただきました。ネタを振っていただいて、本当にありがとうございます。

 というわけで、復帰最初のネタはこれで参りましょう。


Q1,今自宅に置いてある本の冊数

A1,ざっと見積もって270冊というところでしょうか?

私は古本屋もかなりな頻度で利用しますので、売ったり買ったり出入りが激しいのです。最近、売ったばかりですので、多分これ位。私の部屋には本棚が2棹あるのですが、取り敢えずこの本棚に入る分だけストックしてそれ以上は売ります。…と割り切れればいいんですがなかなかそうはいかず、収納に頭を悩ませています。


Q2,今読んでいる本

A2,畠中恵さんの「ぬしさまへ」、神永学さんの「心霊探偵八雲4」、瀬川貴次さんの「暗夜鬼譚・細雪剣舞」を読んでいます。通勤電車用、夜寝る前用、休日一気読み用と大体分けて読んでいることが多いです。通勤時は持ち運びに手頃な文庫サイズの作品を携帯しています。1ヶ月ほど前に角川の夏の100冊フェアの文庫カバーが届き、電車ではそれを愛用しています。最近は手作りブックカバーにも興味があります。(自分が作るのではなくて、1点物で売っている物。テレビかなんかで見てとても素敵だなぁと思ったのです)


Q3,最後に買った「小説」

A3,畠中恵さん「ぬしさまへ」「ねこのばば」「おまけのこ」

   神永学さん「心霊探偵八雲4守るべき者」

畠中恵さんの「しゃばけ」シリーズは、夏の100冊フェアで購入し、以来はまってしまって大人買いをいたしました(笑)。この作品はストーリーの面白さも勿論、味わい深くなんだか可愛らしい江戸言葉が気に入っています。若だんなに釣られて、優しい気分になります。神永学さんの「八雲」シリーズは、先が気になる作品。主人公の背負う過去の因縁。そういったものが主人公にこのように行動させ、このように言わせるのか、と考えると、感慨一入、切なくさえなる。私は登場人物の歴史を感じさせるような書き方をする作家さんが大好きです。あんまりやり過ぎはしつこいので、その辺の匙加減がうまい作家さん希望。


Q4,よく読んだ、または特別な思い入れのある5冊

A4,J・A・ローリングさん「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」

   京極夏彦さん「姑獲鳥の夏」

   田中芳樹さん「アルスラーン戦記 王都炎上」

   吉本ばななさん「アムリタ」

   桑原水菜さん「アウディ・ノス」

一つ一つについて書き始めると、1ネタ出来てしまいそう。「アズカバンの囚人」は思わずハリポタシリーズで初めて思わず涙してしまった作品。「姑獲鳥の夏」は、大学受験の年に友人に借りてはまり、見事に浪人が決定してしまった曰くつきの作品。「王都炎上」は田中作品にはまるきっかけ。「アムリタ」はカバーが擦り切れるほど繰り返し読んでおります。「アウディ・ノス」は筆舌に尽くしがたい…。リアルタイムで読んでいた高校当時、すごく身につまされたことを覚えています。


 以上、復帰作はろんりーさんだー史上最長の長さになりました。まるで堰を切ったように溢れ出る言葉たち…。私、相当書きたかったらしいです(笑)

 さて、次にブックバトンをお渡ししたい方々は、


pippu-t-takenokiさん


hetarepandaさん


hot-cake2さん


cm117134431さん



の皆様です。どうか、受け取ってやってくださいませ。(M/K)







児童書の棚

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 最近、私の中でファンタジー熱が再燃していて、大好きなJ堂彷徨の際にも、ファンタジー系の作品を物色することが多くなりました。

 以前はファンタジージャンルに力を入れている文庫レーベルの棚を探すことが主だったのですが、執筆している作家さんが児童書出身の方が多いので、現在は児童書の棚もルートに入れております。

 児童書の棚って、私の中では世界の名作のイメージだったんです。それから偉人伝、絵本、図鑑。それは間違ってはいないと思いますが、それ以上に侮れない最近のラインナップ。それほど広くない、否むしろ狭いスペースにひしめき合っている魅力的な作品のなんと多いことか。出来ることなら、「この棚のここからここまで全部頂戴!」とセレブのような買い物をしてみたいものです。普段、セレブというものに興味のない私ですが、こういう時だけはセレブが羨ましく思えます。…はい、私は小市民です(笑)

 しかし、私が幼かった頃はこんなにファンタジーって豊富だっただろうか?確かにあの頃は視界が狭くて、物も知らなかったし、お小遣いにみあった書籍の並ぶ棚しか見ていなかったということもあるんでしょう。しかし、私の地元にもここ数年の間に大型書店が増え、その書店群の中において児童書のテリトリーが広がってきたのは事実。また、ハリー・ポッターブームを受けて児童書市場が活況を呈し、拡大してきたこともあります。本好きの子供たちにとっていい時代が来たなぁ、とここでも羨ましく思います。まぁ、そこは無節操な活字ジャンキーの私ですから、気にせず児童書エリアに侵入いたします(笑) (M/K)

「勾玉」新書化!

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 アルスラーン戦記の最新刊を読了したということは先日書きました。

 で、アルスラーンを買いに行った時のこと。購入目的の本が定まっているにしろ、そこはまぁ読書狂の性、時間がなくても平台ぐらいは見て回ります。そしたらなんと!荻原規子さんの「空色勾玉」が新書で出ているではありませんか!

 驚きのあまり、二度見してしまいました(笑)

 荻原規子さんの作品は「西の善き魔女」を現在読んでいて、その延長で「空色勾玉」を知りました。でもこれ、ハードカバーだったんです。当然、お値段も張ります。本を置くスペースも、お金も、潤沢にはないので、泣く泣く諦めておりました。

 それが!なんと!安価で省スペースな新書になったのですから、私は小躍りいたしました。(勿論、心の中でですよ♪)

 で、さらに!今月20日、勾玉シリーズ3部作の第2弾「白鳥異伝」が上下巻、新書で発売されます!

 なんて素敵なニュースなんでしょう。

 待った甲斐がありました☆ (M/K)

荻原 規子
空色勾玉


 私が最近注目しているファンタジー小説は、伊藤英彦さんの「サジュエと魔法の本」です。

 大魔法使いの孫でありながら魔法が苦手なサジュエ。夏休みにおじいちゃんの家に遊びに行ったサジュエは、そこで強大な魔法の力を持った4つの本のひとつ「朱の書」を見つけます。そして、それを手に入れようと恐るべき邪導師の手下たちが攻めてきて、サジュエは「朱の書」の力で難を逃れます。どうやら邪導師が世界に散らばる4つの魔法の本「四神経」を集め、その力で世界征服を企んでいるということを知ったサジュエは、逃れた先で出会った仲間たちと旅に出ます。四神経を邪導師よりも早く手に入れ、邪悪な計画を阻止するために…。

 実はこれ、上巻・下巻があるのですが、まだ上巻しか読んでません(汗)

 でも、上巻ですっかり嵌ってしまって、早く下巻が読みたい!とうずうずしております。

 物語自体は王道のファンタジーといえると思いますが、細かい設定、地理、言語、人種、民族、組織、登場人物の生い立ち、魔法のアイテムのアイディアの素敵さ、どれをとっても巧みです。子供でも無理なく読めるように優しい言葉で書かれてあるところも魅力です。

 日本のファンタジーにそれほど精通しているわけではありませんが、「日本にもこんなのあったんだぁ」というのが最初の感想。その後、帯を見て同じ趣旨のことが書いてあったので、私の印象は外れていないようです。指輪物語やナルニア国物語など、世界の名作ファンタジーの基本を踏襲した良質の作品だと思います。

 さて、サジュエはこの先どうなっていくのでしょう。

 現在読書中、まさに今一番熱いファンタジーです。 (M/K)

伊藤 英彦
サジュエと魔法の本 上巻 赤の章
伊藤 英彦
サジュエと魔法の本 下巻 青の章


I Love you  石田衣良ほか

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 今回紹介するアンソロジー「I Love You」は、今をときめく作家6人による、とても豪華な1冊。

 「池袋ウエストゲートパーク」の石田衣良さん。

 「死神の精度」、来春映画化する「陽気なギャングが地球を回す」の伊坂幸太郎さん。

 「Fine days―恋愛小説」の本多孝好さん。

 「いま、会いにゆきます」の市川拓司さん。

 さらに、現在脚光を浴びつつあり、今後の活躍が期待される中田永一さん、中村航さんのご両人。

 普段、アンソロジー本には食指が動かない私も、この本は買いだ!と思いました。私の通いつけの本屋さんで、伊坂さんと本多さんのサイン入りの商品が偶然売られていたということも、私が購入を決めた原因かもしれません(笑)

 このアンソロジーのテーマは、ずばり恋愛。

 実は私、恋愛が前面に押し出された作品にもあまり興味を惹かれません。

 恋愛って、綺麗なだけじゃないもの。

 実生活でそのことは骨身に染みてわかっているのに、敢えてその厳しさを本を読んでまで再確認したくはないというのが本音です。私は基本的に厭なことからは積極的に逃げるタイプなので(苦笑)

 それに、恋愛小説って話を膨らませ面白くするために、余計な人間関係がぐちゃぐちゃに絡まって、なんだかグロテスクにさえ感じてしまうのです。

 それがリアルというものなのかもしれないですけど、私はやはり小説に現実を求めていないのです。

 でも、その恋愛アンソロジー、なんだか可愛らしい。

そして、甘酸っぱい。

そうそう、求めているのはこの感じ。絶妙な匙加減。

心に澱が溜まらない、すっきりとした読後感。

それでいて快い余韻が残る。

ああ、とても抽象的な紹介ですみません。

でも、この気持ち、雰囲気を、伝えたいなぁ。是非味わって欲しい。

どの作品にも、ちょっぴりファンタジックな魔法がかかっています。

こんな出来事、私にも起こったらいいなと思わせるような。

もしかしたら短編ならではの設定であり、仕掛けであるのかもしれません。 (M/K)

伊坂 幸太郎, 石田 衣良, 市川 拓司, 中田 永一, 中村 航, 本多 孝好
I love you

家守綺譚   梨木 香歩

テーマ:

 この作品に感じることは、懐かしさだ。

 周囲のあらゆるものに神や精が宿るという考え。

 それを自然崇拝といい、日本では八百万の神々という。

 しかし梨木香歩さんの描き出す世界の八百万の神々は記紀・神話のように体系化され、神格化された神々ではない。土着の、フォークロアとして地元で語り継がれている類のものである。

 そこに温もりと安らぎを感じるのだ。

 だから、友人の幽霊にも、庭木の精霊にも、主人公はさして驚かず、拒絶もしない。ただ淡々とあるがままに受け止めていくだけである。主人公のみならず、隣家の奥さんも、近くの寺の住職もだ。

 そんな世界では、彼岸と此岸が近しい。

 生き人も、いとも簡単にあの世を垣間見る。

 古い屋敷と庭と水辺を舞台に、季節の移ろいと混在する生と死を幻想的に描く珠玉の作品である。 (M/K)

梨木 香歩
家守綺譚