マイナークラブハウスへようこそ!―minor club house〈1〉 (ピュアフル文庫)/木地 雅映子
¥651
Amazon.co.jp


 行きつけのジュンク堂の平台に並べられていたのを見てずっと気になっていた作品です

 気になっていた理由はまずイラスト

 水彩風の淡い色彩の中に、個性的な男女の姿が描かれていることに興味を惹かれました

 そこに『有閑倶楽部』的な雰囲気を感じ取った私の面白アンテナは圏内に入りました

 次に帯のキャッチフレーズ

 ―――〈普通〉じゃありませんけど、なにか?

 なんて挑発的で、厭世的な台詞!

 吸い寄せられるようにして手に取り、裏表紙の紹介文を確認

 ―――部員5人未満の非公式な存在の文化部ばかりが集い、「マイナークラブハウス」と通称される古ぼけた洋館があった――。

 素晴らしい!

 なんだか面白おかしくてマニアックな香りがする!

 どストライクな煽りです

 一気にアンテナバリ3です

 コミカルなドタバタ劇を想像しながら読み始めました

 うん、期待に違わぬドタバタっぷり(笑)

 しかし、それだけでは終わりません

 この作品は短編連作の形式を採っていて、作品ごとに主人公が変わります

 その主人公たちの思春期ならではの苦悩や葛藤も描かれています

 私も学生時代同じように悩み考えたことがあるので、彼らの痛みに感情移入しながら読みました

 懐かしく、苦しく、でもキラキラしていたあの頃に戻ったような甘酸っぱい感覚を味わわされました

 この作品を通しての追体験、心地いいです

 私も弱小文化部所属でしたから(笑)

 そしてクラブハウスの2階の奥に部室がありましたから(笑)

 先輩にも同輩にも後輩にも奇人変人がたくさんいましたから(爆)

 なんだか共通点が多くて他人事とは思えない感じです

 あぁ~本当は真面目な作品分析めいたものもしていたんですよ

 でも個人的に思い入れが強すぎて、あの頃の思い出ばかりが蘇ってきちゃいます

 実はあまりにも面白いので、もう再読を始めています

 この作品、5月に第2作目『マイナークラブハウスの森林生活』が刊行されているとのこと

 書店にダッシュです