小嶋隆史の「小さな会社の経営法則」ブログ

競争は常に、有利な条件の者と不利な条件に置かれる者に分かれる。両者同じように戦ったら、最初から有利な条件のものが勝に決まっている。
救いは、ランチェスター法則によって明示された「弱者の戦略」だ。


テーマ:
1.小ささのメリット
我々の祖先は、数億年の長きにわたり、体の大きな生物にいつも命を脅かされる「小さな存在」でした。

今でこそ人類は生物界の頂点に立っています。そうなりえたのは、大きな生物に戦いを挑んだわけではなく、天敵からの襲撃に「素早く逃げ回る能力」と地球上の環境変化に「順応する能力」が高かったからだと言われています

この「俊敏性」と「順応性」は、体の特徴すなわち「小ささ」と無関係ではありません。「小ささ」に付随する二次的な特徴でありメリットです。

そして、この身体的特徴を生かすこと。それこそ、「小さな会社」が激動の企業間競争を生きのびる知恵にも通ずると思うのです。


2.小が大に勝つには
現代の企業間競争は、資本力のある大会社ほど有利になるメカニズムをもっています。

少数の巨大会社による市場の「寡占化」はそれを証明していると言えるでしょう。例えば日用品だと、花王や、ライオン、P&G等でほぼ市場を支配しています。当然、その背後には小さな会社は消滅してきた歴史があるわけです。

ただ、エステーのように、巨大企業の盲点を突くように事業領域を“消臭”等のニッチな分野に特化し存在感をしめすような企業もあります。ちなみにおおよその年商はエステー500億、花王1兆5千万円。エステーは小さな会社ではありませんが、花王に比べ30分の1の規模、相対的に弱小企業であることは間違いありません。

そのエステーの鈴木会長が雑誌のインタビューで、「生き残る必勝不敗の法則は、戦う場所を選ぶのとスピードだ」と答えています。「戦う場所」とは巨大会社が攻めてこない「市場規模の小さな分野」。「スピード」とは、お客の考えている先を行き、試作テスト販売を繰り返し、ダメなら直ぐ止める、その「試行錯誤の繰り返しの速さ」のことです。

決して大会社の真似をするのではなく、大会社が嫌がる戦場を選び、大会社が嫌がることをやる。こうしたことがすぐに「機動的に行える体制」を確保しておくこと、これが小さな会社にとっての生命線にもなるのです。


3.大きさの弊害
 組織が大きくなればなるほど、意思決定のスピードが遅くなります。原因は縦と横の情報の流れに円滑さがなくなるためです。

縦の原因は、「階層」が多くなり階層ごとに承認行為が発生し、役職者の数だけ、意思決定のスピードは遅くなっていきます。横の原因は「部門」の数が多くなり、部門間の調整行為が増えるためです。
また、伝達の質的面においても、「組織階層の2乗に反比例して情報は伝わる」と言われます。つめり、2階層の組織と4階層の組織では、4階層の情報の伝わり方の方が4分の1に劣化していきます。伝言ゲームを思い起こせばよいでしょう。

これらのことが原因で、経営陣にリーダーシップがない場合、いわゆる大企業病といわれる、セクショナリズム、官僚化、革新性のある提案が出ない等、大組織ゆえの弊害が噴出してくることもしばしばです。その結果、社内が性悪説になり、顧客よりも自社のマニュアル優先といった対応で顧客不満、顧客離れが起き出すと大変なことになってきます。

 ですから、大会社ほど「組織対策」「コミュニケーション対策」は重要なテーマになっていくわけです。

4.小さな会社は大会社のマネをしない
 大会社のこのような傾向は、小さな会社にとってはねらい目です。少ないながらの逆転のチャンスも含まれています。

 ところが、従業員が20人もいないのに大会社のマネをして、役職者を多くし部門も小分けして、小ささのメリットを放棄したうえに大会社の弊害を受け入れているような会社もあります。役職者の数が平の従業員より多い会社が結構あったりします。
組織構造を複雑にしておきながら、「わが社の問題は社内のコミュニケーションだ」といっている小さな会社の社長もたまに見かけたりするものです。

「大会社のサイズをそのまま縮小して中小零細企業に当てはめれば良い」という考えは明らかに誤りです。小さな会社はその小ささを活かし、大会社にない、俊敏性、機動性、順応性を最大限生かさなければならないのです。そのための体制を整えておく必要があります。それが、弱者の戦略の「軽装備」の原則です。


5.軽装備
「軽装備」の原則を当てはめる対象は「組織」と「資金」です。

①組織の軽装備
階層を多くせず、組織のシンプルさを保ち、意思決定のスピードを重視すること、がその概要です。

1人の上司が成立するには10人の部下が必要となります。
従業員数が10人を超えて、初めて2階層の組織ができるわけです。このときの役職者は社長ということになります。従業員が30人を超えると3階層になり、社長と平社員の間に役職者が入ります。10人未満は、1階層つまり階層のない組織で、社長は部下と一緒に戦術をやりながら率いるプレーイングマネージャー的な役割になります。

②資金の軽装備
資金を固定化させず、不測事態への備えとチャンスに素早く資金をつぎ込めるようにしておくこと。
事業が成功しだすと、自尊心の強い社長は決まっていい車を買い、お金がたまりだすと借金してまで自社ビルを購入したくなります。この時注意しておかなければならないのは、需要の変化、代替品や強いライバルの出現等の予期せぬ事態の発生です。未来は誰にも分らないものです。一定程度いざという時に使える流動性の高い資金をもっておく必要があります。

 それから、もう一つ。資源配分を考えるとき、1位をめざすところ、利益発生源のお客をつくるところに資源を集中させることが大原則になります。資源は有限です。重点分野以外の資源配分は極力簡素にしておかざるを得ません。事務所にお金をかけないとか、中古品で間にあうものはそうする等。このメリハリをつけることも「軽装備」の原則です。


6.まとめ
 弱者の戦略は、実際の戦闘における「ゲリラ」的な戦いを彷彿させます。山岳地帯や森林の中に身をひそめ、神出鬼没で、大軍をかく乱する・・・。そのときに、重い荷物や大型の兵器は、動きを遅くし、標的にされやすく、邪魔になるだけの無用のものです。

このような戦闘においては、弱小軍にとっては「身軽さ」が最も大切な考え方になるのです。

人は大きなものに本能的に憧れる性質があるそうです。大会社のやり方は見栄え良くみえるものです。他者に対しても大きく見せたいものです。これは本能ですのでしかたありません。
しかし、そこはぐっとこらえ、弱者の戦略の「軽装備」の原則を守るか守らないかが、生き残って飛躍していくかどうかの分かれ目になるのです。


AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

ランチェスターマネジメント金沢 小嶋隆史さんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

AD

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス

      ランキング

      • 総合
      • 新登場
      • 急上昇
      • トレンド

      ブログをはじめる

      たくさんの芸能人・有名人が
      書いているAmebaブログを
      無料で簡単にはじめることができます。

      公式トップブロガーへ応募

      多くの方にご紹介したいブログを
      執筆する方を「公式トップブロガー」
      として認定しております。

      芸能人・有名人ブログを開設

      Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
      ご希望される著名人の方/事務所様を
      随時募集しております。