小嶋隆史の「小さな会社の経営法則」ブログ

競争は常に、有利な条件の者と不利な条件に置かれる者に分かれる。両者同じように戦ったら、最初から有利な条件のものが勝に決まっている。
救いは、ランチェスター法則によって明示された「弱者の戦略」だ。


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経営では営業の仕組をつくることは大切です。その中の一つに「見込み客を発見する仕組」があります。実はこの仕組の作り方が最も大事で、最も難しく、最もお金がかかります。

ホームページをつくったり、SNSで情報発信したり、チラシをまいたり、雑誌広告を載せたり、看板を立てたり、飛び込み訪問したり、見込み客が来そうな会に所属したり、イベントを頻繁に開催したり、と色々なやり方がありますが、何でもかんでもできないので何を主力の営業媒体にするか考えなければなりません。

営業媒体は「人間」か「それ以外」で分けられます。営業マン(販売員)か広告チラシと考えればよいでしょう。広告媒体は「間接戦」になるため、同じやり方を規模の大きな同業者にされた場合に、そこで負けてしまい、かけた費用がロスになる割合が多くなります。弱者の戦略では「人間」重視。こちらから接近し、お客と「一対一の人間関係」をつくり顧客化していく「接近戦」「一騎打ち戦」を重視します。ここには強者の圧力はかかりません。

しかし、人が動くと大きなコストがかかる上、効率が悪く見えます。それに対し、一気に何千何万の人に知ってもらう広告媒体に目が行きがちです。大会社にとっては、広告媒体をつかった間隔戦の方が、ちまちま人が動くより効率的になります。広告効果は市場占有率の2乗に比例するという法則があるためです。ということは、占有率の少ない小会社とって、広告効果はあまり期待できない、ロスの方が大きいということになります。

弱者は大手と同じことはやらない「差別化」が大切です。多少コストがかかろうとも、人が動く方、手間のかかる方を選ぶ方が得策です。もちろん、接近戦や一騎打ち戦がしやすい商品や市場も同時に見直さなければなりません。営業戦略と整合性のとれる「営業範囲をぐっと絞るといった地域戦略」や「対面で説明が必要な商品を扱うなどの商品戦略」「客層戦略」が必要になってくるわけです。

参考になるのが、数年前に大きく取り上げられた東京町田の「電化のヤマグチ」さんです。顧客の家へスタッフが定期訪問し、頼まれれば花の水やりや犬の散歩までするそうです。それだけ関係性ができていれば他店へはお客は流出しないでしょう。周囲には大手家電量販店が勢ぞろいしている中で町の電気屋さんが業績を上げる方向性を示してくれました。そのやり方はまさしく接近戦です。もちろん地域や客層の選定とセットで考えなければなりません。

人間が動くと同時に、チラシなど間接媒体を一定程度使った方が効果的な場合もあります。こういう場合でもできるだけ「人間化」を考えてみます。例えば、チラシの中に顔写真や似顔絵を入れるとか、手書きにするとか、商品を訴求するよりも「人間的親しみ」を訴えるとかです。こういったチラシはスポット刈り取り的にまくのではなく、長期戦で定期的に配布するのがポイントです。費用のことも考え、そのための計画が必要でしょう。ポスティングをする場合は、手渡しをすると接近戦になります。

その他、店舗における高密度出店も接近戦と言えます。一定の商圏内の顧客からの距離を縮めようとすると出店密度は狭くなります。ただこの場合は一定の資本がいりますが。。。「最大の顧客満足は近くにあることだ」といった流通大手の社長もいました。物理的距離は安心、便利といった心理的距離も縮めるものです。

お客にどこまで近づけばいいのか?というと、お客と一体化するまでという答えがあっても良いと思います。「お客の立場」で考えるとか「共感」という言葉はよく聞きますが、それはお客と場を共有すし、同じ感覚を持ち、視線が等しくなるということだと思います。家電製品の「取り扱い説明書」を、高齢のお客と一緒になって、ポイントを押さえ、手書きの大きめの字でつくってあげる家電店もあるそうです。こういったひと手間ふた手間が大きな差別化になっています。

「弱者は、お客との接点を合理化してならない」は竹田陽一先生の名言ですが、こうやって見てみると、弱者の戦略は、大量生産大量消費型の社会から「人間性の回復」のように思えます。それこそ、中小零細企業の社会的役割のようにも思えます。


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