犯罪加害者の家族を支援する全国唯一のNPO団体「ワールドオープンハート」(阿部恭子代表)が、周囲に悩みを相談できず孤立しがちな家族の実態を明らかにして有効な支援策を探るため、初の全国調査に乗り出す。非行や依存症などの支援団体を通じて質問票を月内に郵送し、家族に記入を求める。被害者支援の仕組みが整いつつあるなか、加害者の家族を差別から守る活動につながると期待されている。

 同団体は08年8月、マイノリティー(社会的少数者)支援に取り組む東北大の研究者や弁護士らが設立。00年5月に犯罪被害者保護法が制定され被害者支援は進んだが、加害者家族に対する支援や研究はほとんどされていない。だが加害者の逮捕、拘置を機に家族が解雇されたり、近隣住民との関係が悪化するケースは多い。家族の自殺も報告されているという。

 調査では事件の内容や家族の状況、悩まされた問題、必要と感じた支援などを尋ねる。事件後の経過時間ごとに悩みや必要な支援を把握、分析するといい、3月末までに結果を公表する。

 遺族支援の専門家で同団体の相談役を務める仙台青葉学院短大の高橋聡美講師(精神看護学)は「“家”意識が強い日本では、家族は加害者と同一視されがちだが、差別を受けたり不当に人生を狂わされる家族には支援が必要」と活動への理解を求めている。

 問い合わせは同団体(090・5831・0810)へ。【伊藤絵理子】

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