先週の週刊朝日「虎穴に入らずんばフジマキに聞け」は「資産規模拡大の一途、メタボな日本銀行」というタイトルで 以下の内容です
「一方で、最初に異次元の量的緩和を始めた日本銀行は最後まで残された。
あいかわらずフルスピードでバランスシートを膨らませている。
最後どころか、テーパリングをできないから、彼らの仲間にずっと入れない。
日銀は国債発行額の8割という、他の中央銀行より桁外れ大きい割合で国債を買っている。テーパリングを始めたら、国債が暴落してしまい、日本経済は「The End」となりかねない。
11月22日の参議院財政金融委員会で、主たる中央銀行のバランスシートが量的緩和、どのくらい肥大化したかを日銀に聞いた。
日銀によると FRBがテーパリングを始めた直前の2013年末の資産規模はGDP(国内総生産)の24.0%、16年2月末のBOE(英国中央銀行)は22.2%、今年9月末のECBのそれは32.2%。ECBは30%台前半でテーパリンギを模索し始めたというわけだ。
いずれもファーガソン教授の警告水準を超えてはいるが、少なくともテーパリングを終えたか、開始している。
問題は日銀だ。
現在の比率は90%ほどで、メタボもいいところ。
とんでもない数字だ。
9月21日の金融政策決定会合で『異次元の量的緩和を長期化する』と決めたから,数字はさらに大きくなる。
長期国債を毎年約80兆円ずつ増やすならば、来年前半には対GDP比100%を超える。
過去最大だった1997年の名目GDPは523兆円。
日銀の資産規模は約80兆円で、比率は15%にすぎなかった。
だから、この数字の増え方は驚愕モノ。ファーガソン教授は、腰を抜かして驚くだろう。
11月24日付の日本経済新聞の経済教室で、ハーバード大のカーメン・ラインハート教授が「(日銀が)将来直面する可能性のある問題は、仮にインフレが勢いを増した場合、それを適切に沈静化するメカニズムも持ち合わせていないことだ」と述べている。
テーパリングが出来ないことや日銀当座預金への付利金利を上げられないことを言っているのだろう。
日本だけテーパリングをできなければ、お金が世の中にあふれたままなのだから、将来の円の大暴落、ハイパーインフレは必至だろう。」
危機の連鎖
日本の財政は世界最悪だ。
しかし、日銀のおかげで財政破綻を避け得ている。
日銀は国債との交換で刷りあがったお金を政府に渡すという形で財政破綻回避の手助けを今まではしてきた。
おかげで財政規律は崩れたものの、破綻は避けてこられた。
しかし、その結果、今度は日銀のバランスシートが巨大化してしまった。
世界最悪だ。
いわば、危機がところてん式に連鎖している。
禁じ手を行えば必ずどこかに無理が出るということだ。