15~25℃を保つ
市販薬の保管は、室温が適しています。日本薬局方では、室温は1~30℃と定めていますが、冷蔵庫内(約4℃)に入れると前述のような不都合が生じてしまうため、私たちが快適に生活できる部屋の温度(15~25℃)で保管すれば問題ありません。
密閉&乾燥剤で湿気を寄せ付けない
一度開封してしまった薬は、容器のふたや栓をしっかり閉めてからしまうことが大切です。
湿気を帯びやすい薬には、メーカーが出荷時に乾燥剤(シリカゲルなど)を封入しています。
この乾燥剤は薬を使い切るまで捨ててはいけません。
ただし、シリカゲル本体を薬と間違えて飲まないように気をつけてください。
ちなみに、お菓子や海苔の保管で用いられる乾燥剤として生石灰(酸化カルシウム)がありますが、これは乾燥させる力が強いため、市販薬の保管には向きません。
例えば錠剤は乾燥し過ぎると、ひびが入ったり、割れてしまうことがあります。
適度な湿度を保ちつつ、結露による劣化を防ぐにはシリカゲルが適当です。
缶や箱で光を遮る
直射日光を避けるために、救急箱や缶に入れてしっかりふたを閉めてしまうのもおすすめです。
目薬のように、光によって有効成分が分解されてしまうものの場合は、遮光袋に入っています。
使う時だけ袋から出します。
室内で保管場所に向かないのは、湿度が高くなりやすい洗面所や台所などです。
また、暖房器具やコンロといった熱を発する器具の近くも避けるようにしましょう。
そのほか、保管について次の2つについても注意してください。
子どもの手が届かない所に
子どもは、大人の真似をして、誤って薬を飲んでしまったりすることがあります。
また、用法・用量を正しく判断できません。
そのため、子どもが誤って市販薬を飲んでしまうケースが後を絶ちません。
小さな子どもがいる家庭では特に、子どもが簡単に触れられる場所に薬を保管しないように気をつけましょう。
別の容器に入れ替えない
薬と容器が対応しなくなることで、飲み方を誤ってしまう可能性が高まります。
小分けにして持ち歩く場合には、その日の分だけにとどめ、湿気や汚れなどには十分注意してください。
(2015/1/26付「日経グッデイ」より)