青春の雨音-3-38

テーマ:ブログ
2005-12-24 18:53:44

次のサヨさんの休日、俺は石田から借りたバイクにサヨさんを乗せて、新し
くきられた真新しい隣町へのバイパス道路を走り抜けていた。


言葉は話せないが、何か奇妙なうめき声を発しながら、サヨさんは俺の腹に
回した腕に力を入れてしがみついた。
サイドミラーで、俺にしがみつくサヨさんの顔を見た。


サヨさんは、頭を包んだマフラーをなびかせながら、目を閉じて俺にしがみ
ついていた。しかし、その顔は、決して恐怖心を持つ顔ではなかった。

石田のバイクは、バッバッバッと、腹に響いてくる。


「サヨさん、気持いいだろう?」

耳の不自由なサヨさんには聞き取れないと知っていながらも、俺は大声で言
った。
声を出した時、腹の振動で俺が何かしゃべっていると感じ取ったのか、サヨ
さんは閉じていた眼を開けて「ウッ?」といっている。


サイドミラーで、俺と目が合って、笑う俺に、片目をつむってウインクした。
俺は嬉しくなって、大声で笑った。
サヨさんも、声なしの大きく開いた口で笑った。
そのサヨさんの白い歯を目にして、俺は思わずサヨさんの口を吸ってみたい
と思った。
そう思うと、俺の下半身は燃え立つように勃起したのだった。
バイクの振動で、勃起した俺の一物も一緒に揺れた。


おそらく、こんなバイクに乗るのはサヨさんにとっても初めてのことなのだ
ろう。
俺はさらにスピードを上げると、後ろのサヨさんは「ダメよ」という合図を
送っているのか、俺のわき腹を叩くのだ。


12月初旬の風は、俺の顔に痛く突き刺さってくる。
俺はサヨさんの合図を無視してさらにスピードを上げた。
「これが、風だよ、サヨさん!」


俺は、大声でそう叫んだ。


隣町では、映画を見た。
映画館の中で、俺は思い切って、隣に座るサヨさんの手を握った。
サヨさんは、握り返すでもなく、引っ込めるでもなく、俺に握られたままに
されていた。


もうすぐ東京へ嫁いで行くサヨさん。
俺は映画に没頭できず、サヨさんのことばかりを考えていた。
(次号へ)

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