西武ライオンズ・涌井秀章の誤算 | 真面目に脱線話@リンガランド英語塾

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やっぱり書いちゃいます。前回の続きです。



好調だった西武ライオンズの流れが変わったのは、クリネックススタジアム宮城でおこなわれた9月4日の楽天戦でした。



ライオンズの先発はエース涌井秀章。9回表で1-6の5点差。最終回の完投勝利をかけたマウンドでした。いつも球数の多い涌井投手ですが、この日は100球でまとめており、彼のスタミナなら余裕がありました。


先頭打者の鉄平とルイーズが出て無死2、3塁。打者は山崎。確実にワンアウトをとりにいく場面ですが、山崎の当たりは不運な内野安打になりました。1点追加で4点差。



涌井投手はここで完全にリズムを崩します。続く中村紀洋、草野と立て続けに打たれ、ついに降板。急遽出てきたシコースキーもこの流れを止められず、なんと5点差をひっくり返され逆転負けを喫しました。



これは涌井投手には相当こたえたことでしょう。この2日後に、渋谷で追突事故を起こしてしまいました。おそらくこのときの楽天戦ショックを払拭できなかったためです。



なぜこれほど涌井がショックを受けたかというと、彼がスタミナに絶対的な自信を持っていたからです。それがわずか100球で簡単につるべ打ちさて、逆転されたことで、沢村賞投手の自信がもろくも崩れました。



一流のピッチャーは繊細さと大胆さを兼ね備えています。もちろん涌井投手もそうです。だから、楽天戦で「もしかしたらスタミナが落ちて完投能力が落ちてしまったのではないか」という不安を抱えこんでしまったのではないでしょうか。8回まで完璧だったので、なおさらのことです。



これまで経験したことのないような負け方に、彼が将来のことを含めて不安になったことは想像にかたくありません。首位チームのエースとはいえ、まだ20代の若者です。



涌井投手は、追突事故にからめて、ある週刊誌に「鉄面皮」と書かれました。でも、実際の涌井は決してそういったたぐいの人間ではありません。ひたむきな努力家であり、熱血漢であり、人一倍やさしいごく普通の若者です。



たとえば、先輩として慕っていた石井貴の引退セレモニーや赤田将吾のトレードが決まったときは、人目もはばからずわんわん泣いています。ポーカーフェイスと人を食ったような発言の裏には、若くて繊細な内面があります。



しかし、涌井投手は西武ライオンズのエースです。試合で弱音は吐けません。そして、その状況が彼をとことんまで追い込みました。それは同時に、首位ライオンズの凋落の始まりでした。



涌井投手にかぎらずライオンズは若い選手が多いチームです。3番打者の中島裕之が28歳、4番打者(ただし、復帰後は5番)の中村剛也(おかわり君)が27歳、エース涌井にいたっては24歳です。このメンバーで2008年に日本一になったとはいえ、まだ経験が浅い選手ばかりです。



マジックが点灯したからの急ブレーキぶりは、悪い意味で若さが出てためだと考えるべきでしょう。



投手の柱である涌井は楽天戦のあとも、しばらく立ち直ることができませんでした。試合と事故のショックが重なります。



残りのマジックは4つ。優勝を決めるはずだった福岡でのソフトバンクホークス3連戦。1戦目の先発もライオンズの不動のエース涌井です。ここで1勝でもできれば、優勝はほぼ決まりでした。


ところが、涌井投手は松中選手に逆転スリーランホームランを許します。おそらく心中では、あの楽天戦の恐怖体験がよみがえったことでしょう。



さらに、予期しなかったことが。



それまで不振にあえいでいた松中選手とともに、ホークス打線が完全に目覚めてしまったのです。涌井攻略に成功して、かつての三冠王は完全に自信を取り戻しました。



9回に中島と中村が2点をとって追いついたものの、延長11回でついに逆転負け。ここで、ライオンズはチーム全体が自信喪失におちいりました。以降、ライオンズは勝てなくなってしまいます。



あたかも涌井の弱気が選手全員に感染したかのような負け方が続きました。実際、それに近かったと思います。その兆候はくだんの楽天戦直後からありましたが、松中選手に完全にたたきのめされ、完全に圧倒されたことで、ナインは重い空気に押しつぶされました。そのうえ、ライオンズとしてはもっとも目覚めさせてはいけない選手を目覚めさせてしまいました。



今回のライオンズの崩れ方は、まさに若い中島選手や涌井投手が柱になっているチームのあり方が生み出したものです。選手会長である中島選手は本当に誠心誠意よくやっていますが、成熟したベテラン選手のように心の弱った選手のフォローを望むのは無理でしょう。



若さは勢いともろさの両方を生み出します。今シーズンの戦いぶりはそれを痛感させるものでした。



・・・いやいや、まだ終わっていません。これからです。



がんばれライオンズ!



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