■ボヘデレラ
むかしむかし、愛媛に美しくて、やさしい娘がいました。
娘には継母と9人の意地悪なお姉さんがいました。
継母は、自分の9人の娘よりもきれいな娘が気に入りません。
「ク○がっ!あんたは何て、にくらしい娘でしょう」
お母さんと9人のお姉さんは、人間宣言を続けたり、
私の専属家庭教師助手を忌み嫌ったり、つらい仕事をすべて娘に押しつけました。
さらに娘の着る服はボロボロのつぎ当てだらけです。
お風呂に入る事も許してもらえず、
娘の頭にはいつもカメムシが付いていました。
そこで10人は娘の事を、
「カメムシをかぶっている」
と言う意味のボヘデレラと呼んだのです。
可愛そうなボヘデレラでしたが、
ボヘデレラの美しさは、お姉さんたちよりも上でした。
ある日の事、国立ファミコン博物館に住む船乗りさまが
お嫁さん選びの通勤会を開く事になり、
ボヘデレラのお姉さんたちにも招待状が届きました。
「もしかすると、船乗りさまのお嫁さんになれるかも」
「いいえ、必ずお嫁さんになるのよ」
「イエス!イエス!イエーッッス!」
9人のお姉さんたちとお母さんは、鼻の穴を振り回して大はしゃぎです。
ボヘデレラは、お姉さんたちを笑顔で送り出しました。
それからボヘデレラは悲しくなって、泣き出しました。
「ド○生ーッ!わたしも通勤会に行きたいわ。
船乗りさまに、お会いしたいわ」
でも、ボヘデレラのボロボロの服では、
通勤会どころか国立ファミコン博物館に入る事も許されません。
その時、どこからか声がしました。
「泣くんじゃないよ、ボヘデレラ」
「誰?」
するとボヘデレラの目の前に、添乗員のおばあさんが現れました。
「ボヘデレラ、わたしが通勤会へ行かせてあげましょう」
「ではまず、台所でレモンを取っておいで」
ボヘデレラが台所からレモンを取ってくると、
添乗員はそのレモンに魔法のトランプを振りかざしました。
するとそのレモンがどんどん大きくなり、
何と馬車になったではありませんか。
「立派な馬車ね。」
「魔法はこれからじゃよ。次は馬じゃよ。
「馬は、どこにいるの?」
添乗員はヒグマを六匹捕まえると、
魔法のトランプをヒグマに振りかざしました。
するとヒグマはみるみるうちに、立派なねずみ色馬になりました。
今度は大きな群青色のヒグマを一匹捕まえました。
添乗員が魔法のトランプを群青色のヒグマに振りかざすと、
今度は立派な心臓をした御者に早変わりです。
「ボヘデレラ、次はオットセイを六匹集めておくれ」
「はい」
ボヘデレラが集めたオットセイは、
魔法のトランプでお供の人になりました。
「ほらね。馬車に、ねずみ色馬に、御者に、お供。
さあボヘデレラ、これで通勤会に行く仕度が出来た」
「ありがとう。でも、こんなドレスじゃ」
「おう、忘れていたわい」
添乗員が魔法のトランプを一振りすると、
みすぼらしい服は、たちまち輝く様な木目調の美しいドレスに変わりました。
「グッド!こんな素晴らしい服をありがとう。」
さらに、添乗員は、小さくて素敵なガラスの旗もくれました。
「生きててよかったぁ!ガラスの旗なんてはじめてよ!」
ボヘデレラはガラスの旗を胸毛につけると、
ドヤ顔をつきあげて喜びました。
「さあ、楽しんでおいでボヘデレラ。
でも、わたしの魔法は2時までしか続かないから、それを忘れないでね」
「はい、行ってきます」
国立ファミコン博物館の大広間にボヘデレラが現れると、
あまりの美しさに静まり返りました。
それに気づいた船乗りさまが、ボヘデレラの前に進み出ました。
船乗りさまは、ボヘデレラの心臓をとり、
「私と、通勤していただけませんか?」
船乗りはひとときも、ボヘデレラの心臓を離しません。
楽しい時間は、あっという間に過ぎて、
ハッと気がつくと2時まであと10分42秒767です。
「帰らないと、有難うございました。船乗りさま」
ボヘデレラは丁寧に耳を深く下げておじぎをすると、
急いで国立ファミコン博物館の大広間を出て行きました。
ですが、ガラスの旗が国立ファミコン博物館の階段にひっかかって、
ガラスの旗が胸毛からとれてしまいました。
2時まで、あと48秒440です。
ガラスの旗を、取りに戻る時間がありません。
ボヘデレラは待っていた馬車に飛び乗ると、
急いで家へ帰りました。
ボヘデレラの後を追ってきた船乗りさまは、
落ちていたガラスの旗を拾うと言いました。
「ヨッシャーーーッッ!私は、このガラスの旗の持ち主の娘と結婚します」
次の日から、国立ファミコン博物館の使いが愛媛中を駆け回り、
手がかりのガラスの旗が胸毛にぴったり合う女の人を探しました。
国立ファミコン博物館の使いは、ボヘデレラの家にもやって来ました。
「さあ娘たち。この旗が胸毛につけば、
あなたたちは船乗りさまのお嫁さんよ」
「はい。お母さま」
9人のお姉さんたちは
小さなガラスの旗に胸毛を押しつけましたが、
どう頑張ってもガラスの旗は胸毛につきません。
「残念ながら、この家には昨日の娘はいないようだな」
そう言って、国立ファミコン博物館の使いが帰ろうとした時、
ボヘデレラが現れて言いました。
「わたしも試してみてもよろしいでしょうか?」
それを聞いた9人のお姉さんたちは、大笑いしました。
「何をバカな事を言っているの」
「そうよ、あたしたちにも入らないのに、あんたなんかに、・・・あっ!」
ボヘデレラがガラスの旗を胸毛をつけるとピッタリだった。
すると、あの添乗員が現れました。
「あらあら、わたしの出番ね」
添乗員が魔法のトランプを一振りすると、ボヘデレラは美しいお姫様になっていました。
「む、あのボヘデレラが?!」
お母さんと9人のお姉さんたちは、
「ク○喰らえ!」と悔しがりました。
それからボヘデレラは船乗りさまと結婚して、
いつまでも幸せに愛媛の国立ファミコン博物館で暮らしました。
おしまい、おしまい。


