QUEST

アメリカの筋ジストロフィー協会が発刊しているQUESTの記事を紹介します。

アメリカの筋ジストロフィー協会による掲載許可をいただいています。
本ブログの内容の転載はご遠慮ください。


テーマ:

補助をする技術がどうやって私のキャリアを守ってくれたか。


記事の概要:


  • 作業療法士のPat Trossmanは、Kathy Wecheslerに、筋肉の弱さの進行へ対処するため、コンピューター装置と、仕事場の改善方法についてアドバイスしました。
  • 職業リハビリの専門家による仕事場の専門的な評価によって、ローテク・ハイテクの解決策を導き出すことができます。
  • (購入前に試す)短期の装置貸し出しは、どの州でも、Assistive Technology Actプログラムを通じて可能です。

by Kathy Wechsler on October 1, 2009 - 10:12am

Quest Vol16. No.4に掲載された記事です。


キーボードとマウスを使うのが、私にとって段々と難しくなってきていました。書き物をする人にとって、それはキャリアの終わりを意味します。しかし、私はそうしなければいけないのでしょうか?


私は、デスクでより効率的にどうやって働くかを学ぶ必要があると分かっていたので、職業リハビリ(VR)カウンセラーに会って、状況を説明しました。特に、フリードライヒ運動失調症に関係して、筋肉の運動の調整、強さ、見ることの問題が、次のようなことを引き起こしていました。


  • タイプするのが遅すぎる
  • モニターの文字を読むのが難しい
  • スクリーン上のカーソルをたびたび「見失う」
  • マウスに届くのが難しい
  • マウスパッドの上にマウスを置いておくのが難しい
  • マウスの右ボタンを意図せず押してしまう
  • マウスパッド、電話、キーボードの間で手を動かすのが難しい
  • ぎこちないタイピングポジションによる不快感がある

私の職業リハビリカウンセラーは、評価のためにツーソンのテクノロジー・アクセス・センター(TACT)へ私を行かせました。2回、TACTを訪れる間に、私が抱えている問題は、デスクを置く方法をかえて、コンピューターにアクセスするのに代替の方法を使えばよいと学びました。


問題を評価する


人それぞれ、できることと、制限されていることが違うので、ある人にとってアクセス可能でも、他の人には無理なことがあります、と、作業療法士(OT)で、TACTの専門的なサービスに関する指導者であるPat Trossmanは言っています。


デスクと、すべての構成要素が個人のニーズにあうようにするために、補助的な技術(AT)の専門家、または、人間工学に関する専門家の評価を受けることは役に立ちます。


AT専門家のTrossmanは、最低2回は人に会いたいと考えています。1度目にテクノロジー・アクセス・センターの提携施設で会います。そこでは、さまざまな種類の調整可能な家具や技術を試すことができます。


初めに、問題が明らかにされる必要があります。典型的なバリアは、シーティングやポジショニングの問題にかかわるもので、コンピューター装置や職場の家具にアクセスするのが難しいというものだと、カリフォルニア州BakersfieldにあるKernアシスティブ・テクノロジー・センターのAaron Markovitsは言っています。


2度目は、専門的な評価になります。新しいものを試すのです。


私にとって、これは2つの主なカテゴリーに分かれます。1つはコンピューターを使うのによりよい方法、もうひとつは、私の身体の位置を整えるのによりよい方法ということです。


AT評価


AT評価では新しい装置を試すことができ、質問を先入観のない専門家によって答えてもらうことができます。


最初に評価されるのはモチベーションです。「新しい技術的な装置を効果的に使うには、学習曲線があります。そのため、ユーザーはモチベーションがあって、装置について意図するように操作できる方法を学ぶ必要があります」とMarkovitsは言っています。


私が一番困っているのはタイピングのスピードだったので、初めてTACTを訪れた時に、Dragon Naturally Speakingという話言葉を認識するソフトを試しました。このソフトは長くてまっすぐな学習曲線を持っていて、モチベーションが重要になります。プログラムを使う前に、マイクに読みあげをすることで、私の声を認識するように訓練する必要がありました。


ソフトで訓練する際、TACTのマイクヘッドセットが私の頭からすべり落ちてしまって、自分で元に戻せなかったので、時間がさらにかかってしまいました。最終的に、自分でかぶったり、とったりすることができる野球帽の上にヘッドセットをつけることでこの問題は解決できました。


話して自分の言葉がすぐに書かれることで、私のタイピングのスピードは本当に増えました。話言葉を認識するソフトでプログラムを開くことやメニューを選ぶこと、他の支持をすることができるので、マウスに頼ることも減って、さらに時間を短縮することができました。


私の声が柔らかで、平坦でないため、ソフトは全体の75パーセントしか正しく声をひろってくれませんが、私の声について覚えさせれば、より正確になっていくだろうとTrossmanは言っています。


TACTでは、WordQという言葉を予測するプログラム、頭で操作するマウス、ジョイスティックのマウスも試しました。WordQという言葉を認識するプログラムは、マウスをたくさん使う必要があったので気に入りませんでした。また、頭で操作するマウスは、私の運動失調にはとても敏感すぎて、私が話しているときに、カーソルが飛び回ってしまいました。逆に、ジョイスティックのマウスは、いくらか使える可能性がありました。


仕事場の評価


机の高さは、キーボード、マウス、電話に簡単に手が届いて、コンピューターに向けて、よい目線を維持するのに重要です、とラスベガスのネバダ州立大学医療学校にあるアメリカ筋ジストロフィー協会の病院で患者を診ているOTのLynnelle Milnerが言っています。


「神経筋疾患がある患者にとって、姿勢は、呼吸を楽にしたり、目・肩・肘・手首が繰り返しストレスを感じて疲れることを避けたりするための鍵になります。そして最も重要なこととして、仕事のときに能率的にできるようにすることで、病気を悪化させてしまう原因となる、疲れやストレスを感じたりすることがなくなります」と彼女は言っています。


私は初めてTACTに行ったとき、電気で高さの調節が可能な作業台とキーボード用アーム、台を試しました。どれも机での姿勢を改善できました。


次に、Trossmanが私の職場であるアメリカ筋ジストロフィー協会の国の本部へ来て、今使っている作業台を評価しました。


彼女は私のL字型の机を測って、高さが29インチ(約74センチ)であり、快適なタイピングには少し高いと分かりました。私たちは、TACTで試した調整可能な作業台が取り入れられるか相談しました。


キーボードがよい高さになるように机の高さを下げることはできるのですが、話言葉を認識するソフトで多くのタイピングが必要なくなるということで、高さが変えられる机はちょっとよくなるだけなのに、とても価格が高い(1,000~2,000ドル)と判断しました。


私がTACTで試したキーボード用アームと台は、キーボードを私にとってよりよい位置に置くことができます。しかし、机から下がらなければいけなくて、机の上のものをとるのが大変になってしまうので、使わないことになりました。


私がモニターに書いてあるものを読む際の問題では、Trossmanがすぐに問題を軽減してくれたのですが、モニターの下に置く、高くするための台の角度を変えました。台は前方にものを入れる場所がついてたのですが、逆にすることで、5インチ(約13センチ)モニターに近づくことができました。


改善したにもかかわらず、Trossmanは、私の17インチのモニターを19インチのものと取り替えるように提案しました。私にとって幸運なことに、職場で22インチのモニターが手に入りました。


借りる、買う、試す


TACTで異なる製品を試すのは役立ちましたが、装置の特定の箇所が、本当に私の効率に役立つのかということを決めるのに、もっと時間が必要でした。そして時には、仕事の場所で試すことができたらよいと感じることでしょう。


「もうちょっと装置について考える機会をもってほしいのと、彼らにとって目新しい、こういった本当に素晴らしいものを最初に見たときの興奮を通り越してもらいたいんです」とTrossmanは言っています。新しい装置は最初はいいように見えても、「現実的にはよくない」ということもあるといいます。


ジョイスティックのマウスは私にとってよいだろうと思ったので、Trossmanはアリゾナ州テクノロジー・アクセス・プログラム(AzTAP)に私に連絡するように言って、私はそこから2つの違ったタイプのジョイスティックのマウスを借りました。そのマウスでは、ジョイスティックに左と右のクリック用の「ゼリー・ビーン」状のスイッチが2つついていました。


AzTAPは、アリゾナ州の連邦政府による資金を受けた、補助する技術の活動プログラムです。(違った名前ですが)すべての州にあって、このプログラムでは、買う前に試したい人に対して、短期の装置貸し出しがされています。地域の資金援助してくれる場所についての情報も提供しています。ATプログラムについては、www.resnaprojects.org/nattap/at/statecontacts.html  をみてください。(英語のHPです)


2週間、ジョイスティックのマウスを練習した後で、私にとって、それを使ってもより効率的に働くことができるとは思えませんでした。私の思ったところにカーソルを置くのが難しくて、これは私が使えるものではないと、最終的に決めました。


マウスの右クリックボタンを不注意に押してしまうという問題を解決するために、Trossmanは、Apple社のプロ・マウスのような「1クリック」マウスで、パソコンで動くものを提案しました。マウスに右クリックボタンがないので、右クリックを使うには、キーボードの下の方の右側のコントロールキーの隣に位置したキーを押す必要がありました。(私の右クリックキーには、メニューをドロップダウンするという絵が描いてあります)


残念なことにTACTはApple社のプロ・マウスで試せるものがなくて、Apple社ではもう「1クリック」マウスを売っていなかったので、私はマック・プロ・オンラインから、16ドルで、整備されたものを購入しました。このマウスが私の右クリックを不意に押してしまうという問題を解決してくれて、たくさん時間を節約でき、いらいらすることがなくなりました。


TACTは、いくつかのキーボードを試すために貸してくれました。ひとつはEvoluent社のマウス・フレンドリー キーボードで、キーボードの左側に数字のキーがついていて、右側にスペースがあって、マウスを近くに寄せるのが楽になっていました。しかし、キーは小さすぎてごちゃごちゃ詰め込まれていて、右クリックキーがないということに私は気づきました。


また、TACTから、左利き用のキーボードも借りました。このキーボードは右クリックキーと数字のキー、矢印キーが左側についているのですが、私のパソコンでは動きませんでした。


私たちは最終的に、Logitech社のdiNovo Media Desktop Laserのキーボード・数字キー・マウスの組み合わせに決めて、それは200ドルでした。通常のサイズのキーボードで右クリックキーがついていて、左側に数字キーを置くことができるので、マウスを近づけることができます。


話言葉を認識するソフト


私はTACTで試したDragon Naturally Speakingという話言葉を認識するソフトを気に入りましたが、ベストの状態で操作するには、今使っているよりももっとパワーがあるコンピューターが必要でした。というのも、私は一度にたくさんのドキュメントを開く傾向があるのです。驚いたことに、マイクロソフトのWindows XPも、新しいマイクロソフトのOS、Vistaも、両方とも話言葉を認識する能力があったということを知りました。


私の会社のコンピューターはWindows XPを使っているのですが、IT部門が、家で試すためにVistaのノートパソコンを貸してくれました。私はVistaの話言葉を認識するプログラムがWindows XPのものよりもよいということを発見しました。より性格で、簡単に使えるものだったのです。しかし、専門家は、Dragon Naturally Speakingは、それら2つよりもいいと言っています。


しかし、より新しいWindows 7というOS(2009年10月22日にリリースされています)は、Vistaよりもさらによい話言葉を認識するソフトがついていて、Dragon Naturally Speakingとくらべても、よいようです。Trossmanと、私の雇用主と相談した後で、Windows 7がリリースされるのを待つのではなく、アメリカ筋ジストロフィー協会のコンピューターにインストールすることにしました。それでDragonを注文して、アマゾンのセールで、とても安く(85ドルです!)購入できました。


私はまだ、マイクのヘッドセットがついた野球帽をかぶっています。でも、話言葉の認識についてより熟練したら、Trossmanは、机の上に留めて、曲げることができるマイクに変えることを提案しています。そうすれば、電話に出る時や会社を出る時にはずさなくてすみます。私は試すために、AzTAPから曲がるタイプのマイクを借りました。


ローテクの解決策


何倍もシンプルですが、ローテクの解決策が最もよいです。


キーボード、マウスパッド、電話が届かないところへいってしまわないようにするため、私は5ドルで、引き出しの中敷用のもじゃもじゃのものを買いました。


アマゾンで、特に大きいマウスパッドを10ドルで買いました。これで、マウスがマウスパッドの端から落ちたり、端にくっついたりすることがなくなって、いらいらすることが減りました。


ほかに特にいらいらしたのは、私が見るのと筋肉の運動の調整の問題が出てきたときに、コンピューターのスクリーン上のカーソルを見失って、「小さな矢印」を探すのに時間がかかることでした。Trossmanは、私のコンピューターのコントロールパネルの中で、Windows XPに入っている矢印を見つけるための機能をオンにして、コントロールキーを押した時に矢印の周りに輪が出るようにしてくれました。また、矢印の大きさと色が目立つように変えることを提案してくれました。それで問題が解決しただけでなく、まったく無料で、常に私のコンピューターで使うことができたのです。


Trossmanは、MicrosoftのWordでの「短縮機能」のショートカットも見せてくれました。挿入して、定型句をクリックして、オートコレクトを選ぶと、Wordは選んだ省略語を正しい語句や文章と置き換えてくれます。たとえば、私は、「xmda」を「Muscular Dystrophy Association」と置き換えるようにセットしました。


こういった簡単な変化がコンピューターの効率性を改善してくれて、最もよかったのはそれがとても安かったり、まったくもって無料だったことです。


TACTでの評価が、たくさんの即座の解決策を提供してくれました。また、アイディアが私のいく道を助けてくれて、デスクでより効率的に働く方法を教えてくれました。こういった進化が、安心を与えてくれて、書き物をする人としての仕事の安定性を与えてくれました。


さて、書き物をする人の障害に対して何ができるのでしょうか。


訳:西岡 奈緒子

QUEST

-ranking
人気ブログランキングに参加しています。筋疾患の知名度をあげるた め、クリックしていただけると嬉しいです。

+++++++++


原文は下記ページでご覧いただけます。

Office Makeover


アメリカ筋ジストロフィー協会の許可をいただいて翻訳・記事を掲載して います。

Used with permission of the Muscular Dystrophy Association of the United States.

Excerpted from an article in MDA's Quest magazine.

同じテーマの最新記事

テーマ:

避難といったことや、停電、家庭での非常時といった小さなことまで、あなたは自分が特別に必要とすることについて対応するプランを立てていますか?


BY QUEST STAFF ON SEPTEMBER 3, 2010 - 10:43AM
QUESTのスタッフによる記事です。


嵐の季節が来るので、もしあなたの動きが制限されているのなら、緊急時のプランを立てておくのがよいでしょう。


天気に関する緊急事態について、2人の経験者である、ルイジアナ州MandevilleのBarbara Twardowski(シャルコー・マリー・トゥース病で電動車椅子を使っています)と、フロリダ州DavieのShelley Obrand(型が分からない筋ジストロフィーで電動車椅子と人工呼吸器を使っています)が、ヒントを提供してくれます。



  • 電話が使えなくなったとき、消息について確認できるように、あなたの住んでいるところから遠くに住んでいる人を連絡担当として指名しておきましょう。
     
  • もしあなたが避難するのだったら、生活を楽にできる補助のための装置を持っていきましょう。Twardowkiによると、ハリケーン・カタリナのときには、多くの人がすぐ家に帰れると思って、車椅子や杖、歩行器、その他のアイテムを置いて避難しました。彼女は家から離れている数ヶ月間、お風呂用の移動チェアと、持ち運び可能なスロープをもっていかず、とても後悔しました。
     
  • もしあなたの地域に電気が通ってなくて、他の地域は大丈夫ならば、空調がきいたモールやお店に足を伸ばしましょう。ハリケーン・カタリナの時、ObrandはBiPAP(訳者注:人工呼吸器です)をもっていって、援助を提供してくれたお店でコンセントをさしました。
     
  • あなたの地元の電力会社に、あなたは電源確保について優先リストに載るべきだと伝えておきましょう。
     
  • 地元の消防士に知ってもらっておきましょう。「寄って、私はここにいると伝えておくことで、関係が築けます。たまに、他の消防士と話すように言われるかもしれません。」とObrandはアドバイスしています。消防士の国際機関は、アメリカ筋ジストロフィー協会の最も大きなスポンサーで、国中の消防士はアメリカ筋ジストロフィー協会のプログラムと密接に働いています。
     
  • 助けを受けることを頼むのに、恥ずかしがらないでください。

訳:西岡 奈緒子

QUEST-ranking
人気ブログランキングに参加しています。(1日1回クリックお願いします)

+++++++++


原文は下記ページでご覧いただけます。

Emergency Prep for People with Neuromuscular Disease


アメリカ筋ジストロフィー協会の許可をいただいて翻訳・記事を掲載しています。

Used with permission of the Muscular Dystrophy Association of the United States.

Excerpted from an article in MDA's Quest magazine.


テーマ:

ロンドン旅行:大西洋を越えてのアクセス


車椅子ユーザーは、自身を持って、ビッグ・ベンの故郷に行くことができます。


記事の概要:

・ロンドンは車椅子での旅行者、特に、初めて海外に行く人にとってよい行き先です。と、旅行経験者はいっています。

・ロンドンの公共交通機関は車椅子で使いやすく、多くの場所は行くことができます。


BY BARBARA AND JIM TWARDOWSKI ON OCTOBER 1, 2011 - 11:03AM
QUEST Vol.18 No4 に掲載された記事です。


ローマ時代にまでさかのぼった歴史がある街、ロンドンを車椅子で旅行することを想像して、私は戦慄をおぼえました。


初めてロンドンに旅行しようと計画したとき、丸石の路、エレベーターのないビル、大きな階段の入り口を想像して、心配でドキドキしました。


世界で一番大きな観覧車のロンドン・アイは、車椅子でアクセス可能です。30個のカプセルがあって、1周するのに30分かかりますが、ビッグ・ベンや国会など、無数のロンドンの観光地を見ることができます。


ロンドンはパリやローマよりアクセスしやすいです。


私はフライトを予約する前に、バリアフリー旅行の専門家に相談しました。Undiscovered BritainのオーナーであるAnn Littは、1997年から、バリアフリー海外旅行のアレンジをしています。すべてのタクシーにスロープがついているので、簡単にまわることができるということを教えてくれて、私は安心しました。加えて、彼女の会社はロンドンから、バースやストーンヘンジといった場所に行きたい旅行者に対して、車椅子が乗れる車やドライバーをアレンジしてくれます。


車椅子を使っていて、50以上のヨーロッパの都市を旅行したJohn Sageは、「ロンドンは車椅子ユーザーにとって、パリやローマよりもずっと行きやすいです」といっています。特に、初めて海外旅行をする人にとってロンドンは理想的な都市です。「ほとんどすべての観光地は車椅子でアクセス可能です。タクシーかバスでの移動の際は、車椅子のまま乗ることができます。」と、Sage Travelingを運営しているSageはいっています。


Littも、Sagaも、アクセス可能なホテルを予約するには多大な調査が必要だと認めています。多くのホテルは、歴史的な建物の中にあったり、イギリスがアクセス・ガイドラインを設立する前に建てられたものなのです。大きな観光地の近くのホテルは、高いですが、とても便利です。


専門家の話で安心して、私は飛行機のチケットと旅行保険を購入しました。


長いフライト、短い乗り換え時間と温かい歓迎


嬉しいことに、ロンドンはとても動きやすい街でした。そこにいくということが一番の悩みでした。実際のフライト時間は11時間程度です。私たちは空港へドライブしていくのに9時間かかり、推奨されていた、出発2時間前に到着し、飛行機を乗り換え、セキュリティと税関をとおり、電車とタクシーでホテルにたどり着きました。ルイジアナの家を出てから、ロンドンのホテルにチェックインするまで、およそ20時間かかりました。


私は家では電動車椅子を使っていますが、手動車椅子で旅行し、シャルコー・マリー・トゥース病で手が弱いので、Jimに押してもらう必要がありました。私はリュックサックと、タイヤがついた大きなスーツケースと、大きなスーツケースの上にストラップがついたキャリーバッグをつけて持っていきました。


ニューオーリンズからロンドンまでは直行便を予約することができませんでした。旅行で最も大変だったことのひとつが乗り継ぎ便に間に合うようするということでした。


ロンドンにいったり、家に帰ってきたりするのに、飛行機の乗り換えで少なくとも2時間はかかりました。往復とも、私たちは乗り継ぎ便を逃しそうになりました。Jimはできるだけ速いスピードで私を押して空港を移動しました。息切れして、汗をかいて、乗り込みが開始されている飛行機のカウンターへ走っていきました。最初に乗る代わりに、最後に乗りました。(飛行機に乗るには、通路用の車椅子が航空会社によって用意されています)


車椅子がアクセス可能なトイレがない飛行機で7時間連続座っているのは楽しくなかったです。


私たちの飛行機は世界でもっとも忙しい空港のひとつ、ロンドン・ヒースロー空港に離着陸しました。車椅子の人向けのヒースローでのサポートは、とっても感動的でした。ロンドンに着いたとき、飛行機を出たら空港職員が出迎えてくれて、空港から税関へと連れて行ってくれて、長い列は通らずに、パスポートを見せました。次に、ヒースロー急行のホームまで連れて行ってくれました。電車が車で待って、Jimが荷物をのせるのを手伝ってくれました。


車椅子でロンドンを動き回る


タクシー:

ロンドンのタクシーはスロープがついています。伝統的な黒いタクシーは、通常、車の床に埋め込まれた短いスロープがついています。ミニバンもありますが、こういった車は、運転手が持ち運び可能なスロープをもっています。私の車椅子は、横幅が25インチ(約63.5センチ)ですが、これよりも広い場合は、ドアに入れないか、スロープが使えないと思います。スロープはとても急になっているので、車の中に私を押し込むのに、力強い仲間の助けが必要でした。


バス:

ロンドンでの車椅子ユーザーにとって、バスはよい交通手段です。単に乗り物の外側についているボタンを押すだけで、スロープが歩道にのびてきます。また、車椅子ユーザーは無料で乗ることができます。(同伴者はチケットを買う必要があります。現金は受け付けてもらえません)


私たちにとって、どのバスに乗るか、適切な場所にいけるかということを解読するのが、公共交通を利用する上で一番難しかったです。可能なときは、出発前にホテルのコンシェルジュに確認しました。どのバスもスロープがありました。たまに、機械が故障していて、スロープが適切に動きませんでした。幸運なことに、ちょっと待っていたら、他のバスがきました。


地下鉄:

地下鉄は1860年代からの鉄道網となっています。年間10億人以上の人が地下鉄で行き来しています。しかし、車椅子がアクセス可能な駅は、4分の1以下です。しばしば、サービス向上の工事のため、ある区画が閉鎖されていることがありました。もし地下鉄に乗りたいなら、階段がない路線の地図ほかより多くの情報が、「Transport for London」のWebサイトで見られます。


徒歩:

ほとんどの歩道は車椅子にやさしいです。大通りにそった、非常に混んだ歩道では、交差点のところで坂があったり、縁石があったりします。小路にあるカフェや店をみようと、脇の道に行くと、車椅子でアクセスできない急なカーブがあるかもしれません。街中は、たくさんの道路工事を行っていて、迂回したり、道を一列で歩いたりしなければいけません。


ほとんどのロンドンの観光地はアクセス可能です


ロンドンは大きな美術館、すばらしい劇場、きれいな公園、魅力的なお店に満ちています。アクセス可能な入り口、トイレがあるかなど、たとえそのエリアが車椅子でアクセス不可能だとしても、詳細な情報は観光地のホームページに掲載されています。前もってこういった情報を調べておくと、あとで苦労せずにすみます。


大英博物館、ナショナルギャラリー、ナショナル・ポートレイト・ギャラリー、テート・モダン(現代美術館)、帝国戦争博物館、サイエンス・ミュージアムのような博物館やギャラリーは、大きくて車椅子で行きやすく、アクセス可能な男女共用の化粧室があります。ロンドン塔のような場所は、歴史的重要物で、年代ものであることによって、アクセスが限られています。


ニューヨークのブロードウェイのように、ロンドンにはTheatreland(West Endとも呼ばれています)があります。多くの劇場は、100年以上昔からあります。すべての劇場が車椅子の客を受け入れられるというわけではないですが、多くが受け入れ可能です。


私たちは滞在中に、8回、ショーをみました。アクセスのしやすさはショーによって違いました。チケットを買う前に、アクセスのしやすさの情報について確かめておくべきです。ある劇場では27.5インチ(約70センチ)以上の車椅子を受け入れできませんでした。また他のところでは、車椅子の客は、健常者の付き添うが必要でした。私たちが行ったどの公演でも、スタッフはよく訓練されていて、車椅子がアクセスできる席に案内してくれました。


街の観光地を楽しく見る方法として、ロンドン・アイに乗るか、リバークルーズをするとよいでしょう。ハイド・パークやリージェント・パークを散歩するのは、日曜の午後を過ごすのに素敵な方法です。一番混雑していたのは、ショッピングしたときです。世界的に有名なハロッズは、毎年、1500万人の人が訪れます。商品とお客さんの間を通っていくのは難しかったですが、努力する価値はあります。


推奨のアクセス可能なホテル


ロンドンでの車椅子アクセス可能な部屋の数は、ホテルがリニューアルしたり、新しいものが建てられたりして、増えています。ブランドがあるホテルの場合はアクセスできないかもしれません。予約をする前に、ホテルに直接電話して、あなたのニーズについて相談してみましょう。


もし1階にある部屋が必要な場合、『ground』フロアの部屋と尋ねるようにしましょう。エレベーターは、『lift』と呼ばれます。ロンドンのホテルの部屋は、アメリカのものに比べて、通常かなり狭いです。『シングル』の部屋は、ツインサイズのベッドが入っています。


ほとんどのホテルは、一部屋に泊まれる人数を2名と制限しています。多くのホテルが、「ファミリルーム」として子供OKの部屋を持っていますが、そういった部屋で車椅子がアクセス可能なものを見つけることはできませんでした。ホテルに、ローラー付ベッド(訳者注:移動可能なベッドということです)を提供できるか確認してみましょう。


私たちが推奨するホテルのなかに、新しいPark Plaza Westminster Bridgeがあります。このホテルは54のアクセス可能な部屋があります。South Bankに位置していて、ロンドンの最もいい観光地のいくつかに簡単に歩いていけます。


新しくオープンした、セント・パンクラス ルネッサンスホテルは、1873年に建設されたミッドランド・グランド・ホテルを美しく修復したのもです。ゴシック建築は、街の中でもっともロマンチックな建物といわれていて、パリへ2時間半弱でいける特急、ユーロスターの近くにあります。


インターコンチネンタル・パーク・レーンは、車椅子がアクセス可能な博物館のうち3つと、豪華なデパートであるハロッズから、徒歩10分圏内です。


どちらのホテルも、車椅子のまま入れるシャワーがあり、壁にシートがついていて、たくさんの手すりがついています。どのホテルも、バスルームには、非常用の助けを呼ぶためのコードがついています。


愛すべきロンドン


ロンドンは私が訪れたなかでもっともアクセスしやすい街のひとつです。2012年のロンドンオリンピックを見に行こうと計画している車椅子ユーザーは、自信を持っていくことができます。


ロンドンを動き回るのは簡単です。難しいのは、たくさんのものから、何をしてみるかを選ぶことです。


私はまたいつかロンドンに戻りたいです。とても好きになったので・・


著者のTwardowskis一家はルイジアナ州のMandevilleに拠点をおく、フリーランスのライターです。


訳:西岡 奈緒子

QUEST-ranking
人気ブログランキングに参加しています。(1日1回クリックお願いします)

+++++++++


原文は下記ページでご覧いただけます。

Visiting London: Accessibility Across the Pond


アメリカ筋ジストロフィー協会の許可をいただいて翻訳・記事を掲載しています。

Used with permission of the Muscular Dystrophy Association of the United States.

Excerpted from an article in MDA's Quest magazine.

Amebaおすすめキーワード