厚生労働省はこのほど、介護保険施設や居宅介護サービス事業所などに対して自治体が実地指導をする際に参考にするためのマニュアルを改訂し、都道府県と市町村にあてて送付した。従来のマニュアルは地域密着型サービスの実地指導にそのまま適用できないなどの指摘が自治体から出たことを踏まえ、認知症のケアや地域との連携に関する要素などを加えた。

 改訂された「介護保険施設等実地指導マニュアル」の「認知症ケアの理解」の項目では、生活環境や「なじみの人間関係」を重視した取り組みが大切と指摘。認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)について、入居者が役割を持ち、「家庭的な場」とすることが必要としたほか、小規模多機能型居宅介護については、「環境の変化に脆弱な認知症の方にとっても有効」とした。

 また「地域との連携」の項目では、地域住民やボランティア団体などと連携や交流を図ることや、火災時に消火や避難に協力してもらえる体制をつくることが大切とした。利用者や地域住民の代表者、市町村職員などで構成され、地域密着型サービス事業者が提供しているサービス内容などを報告する「運営推進会議」については、専門的知識を地域に還元し、利用者と地域住民の関係づくりの場にすることなどが重要と指摘した。

 厚労省の担当者は、「事業者にとっても、行政側がどういう考えでやっているのかを理解してもらうことは必要」と話している。


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