バースデー。
他人にとっては、単なる日でも、
アナタにとっては、この世に生まれた大切な記念日。
だから、アナタが生まれてきてくれたことを一緒に喜ぶ家族、友達にとっても、それは記念日で・・・
だから、誰もバースデーを一緒に喜ぶ人がいなかったら・・・
自分が生まれてきたこと、そこに意味はあっても、記念日にもならない、単なる日ってことか・・・
こりんごちゃんのバースデー前日。
ウチのバンドは、ニュージャージーでのライブが決まっていた。
しかも、こりんごのバースデー当日は、レコーディングエンジニアと、ファイナルMixingで、ミーティング。
なんで、アタシのバースデーWeekend に、全てバンド行事を絡めるのかと、ちょっと不服なこりんごであった。
しかも、このライブは、お隣のニュージャージー州の、とあるストリップバーに隣接したライブハウスでやるもので・・・
州越えしてまで、ウチのバンドを見に来てくれる人なんていないし、
このショーを仕切る、プロモーターとライブをやると、いつも何か問題が起こっていたから、(特に金銭問題。)
まったく乗り気でない こりんごで・・・
そんな こりんごに、ウチのギタリスト、プチメタルが、
「こりんごのバースデーGigで、派手にやろうぜっ!」
なんて言っていたが・・・
アタシとしては、ぶっちゃけメタルで祝われるより、ダンス友達とダンスバースデーで過ごしたかった。
最後の最後まで、このライブ、乗り気じゃなく、何かイヤなことが起こりそうな予感すらしていた。
で、ライブハウスに到着。
げっ!
思ったとおり、出だしから嫌な予感だよ・・・
だだっ広い、周りに何もないエリアに、突如、ポツリと、このプレハブが一軒・・・
誰が、こんなところに来るんだよ・・・
さっそく、ウチのBoysと、ライブ会場を偵察に・・・
ここらしい・・・
とりあえず、その隣は、ストリップバーらしいから、Boysと、まずはストリップバーに行ってみる。
さすがに写真撮影は、禁止で・・・
店内に入ると、そこには、広いストリップステージを囲むように、バーカウンターが並び・・・
数人のビキニダンサーが、クネクネと踊っていた・・・
いや、あれは、踊りとは呼べんっ!
しがなきダンサーの端くれ こりんご、そのビキニダンサーたちの、ズサンなダンスに絶望。
あんなのポールダンスにもなってねぇぜっ!
アタシの方がマジ、上手く踊れるぜっ!
こちら、こりんごちゃんの、ポールダンス体験談、
「セクシーを学ぶ!」
参照あれ。
彼女らは、ステージで、ちょろちょろと踊り、その後、ステージを降りて、バーカウンターの客の元を回り・・・
客の前で、おっぱいムギュ~って寄せて揺らして、
おしりもフリフリして・・・
ビキニにチップを入れてもらってた・・・
お金を貰う以上、プロフェッショナルなのに、あんなの踊りじゃないっ!
踊っていると言うより、こびてる感じだっ!
男は、馬鹿な生き物である・・・
「Women have power! Pussy has power!!!」
と、ウチのBoysも言っていた・・・
アタシャ、ここのビキニダンサーが、ひとりでも、素晴らしいポールダンスを見せてくれたら、チップも胸の谷間にさしてやってもいいが、くだらんダンスには、びた一文も払わなかった。
そうこうしている間に、ウチラのライブショーケースがはじまった。
まずは、最初のバンド・・・
メタルバンドのショーケースかと思いきや、なぜかインディーロックのバンドで・・・
めっちゃ爽やかにライブやってくれたんで、こちらとしては、ちょっとドン引いてしまった・・・

そして、次はウチラのバンドで・・・
いきなり、メタルで、スクリーミングで叫びだすから・・・
今度は、前のバンドが、ドン引きで、みんなウチラを見づに帰っていった・・・
だけど、何人か、メタルファンらしい人がステージ前にやって来て、ウチラをサポートしてくれた。
実は、彼らは、次のメタルバンドの人々だった・・・
彼らのショーが始まったのが、既に11時を回っていて・・・
ぶっちゃけ、もうウチに帰りたい こりんごだったが・・・
「今度は、俺らが彼らをサポートしなきゃな。」
と、ウチのBoysたちが言うから・・・
トホホと、そのメタルバンドのサポーターに回る。
あ、もうじき12時をまわる・・・
こんなところで、ハッピーバースデーかぁ・・・
あと1分・・・
あと30秒・・・
5、4、3、2、1・・・
日付が変わって、12月11日(日)・・・
こりんごちゃんの誕生日がやって来たっ!
メタルバンドの叫び声の中・・・
アタシにとっては、大事な記念日だけど・・・
そこには、だれも「Happy Birthday!」って言ってくれる人が居なくて・・・
誰も、アタシの誕生日なんか知らないし、その日は、単なる日曜日で・・・
つうか、ウチのBoysすらいないって、どういうこと?
「Come to the GoGo bar! We are here.」
と、ウチのプチメタルから携帯テキストメッセージが来た・・・
はぁ?
アタシのバースデーに、もらった言葉は、ビキニストリッパーのいる、GoGoバーに来い、との涙が出るような言葉で・・・
その落胆した想いが、急に怒りに変わって・・・
「お前ら、ウチラをサポートしてくれたバンドのサポート返しもしないで、そこで何やってやがるっ!
早く、こっちに帰って来いっ!

」
と、返信した。
慌ててプチメタルがやって来て、
「こりんご、みんなあっちで、Hang out してるから、来いよ。」
「はぁ? 他のバンドのサポートしないつもりかよっ!」
「彼らの4曲目までは、ちゃんと聞いてたよ。」
「最後まで彼らのショーを見て、彼らがしてくれたように、ステージに駆け寄り、ねぎらいの言葉とかかけてやったかよっ!」
「そこまでは・・・、つうか、なんで、こりんご怒ってるの?」
「もういいっ! さっさとストリップバーに戻れっ!
アタシャ、あんな下らんもん、見たくないっ!」
「俺にどうしろって言うんだよっ!」
「他のバンドサポートするか、GoGoバーに戻れって言ってるんだよ!」
「一緒に行こうよっ! バンドの交流を・・・」
「はぁ? バンドの交流、ストリップバーで? お笑い種だっ!」
「アタシャ、やりたくもないけど、メタルバンドをサポートするよっ!」
「こりんごは、自分がどうしたいのかすら分かってないっ!」
「はぁ?(逆切れですか?) アタシャ、自分が何やりか、はっきりと分かってます!
今すぐ、ニューヨークに戻って、家に帰りたいっ!」
「俺は、ここでバンドメイトと楽しみたい、帰りたくないもんねっ!」
「だから、GoGoバーに戻れっていってるだろっ!
アタシャ、今後一切、二度と、一人で帰れない、別の州でなんか、ライブやらねぇからなっ!」
「こりんごが、明日の練習したくないから、練習キャンセルしたのにっ!」
ぶっち~‘んっ

プチメタルは、バンドにシリアス過ぎて・・・
土曜日はライブ、日曜日は、レコーディングエンジニアとのミーティングのため、通常練習が出来ないから、ミーティングの前に、練習しようと提案していた。
しかし、前日にライブやって、疲れて遅く帰宅して、寝る間もなく練習してミーティングなんて過酷過ぎるから、
しかも、その日は、こりんごのバースデーで、ダンス友達がバースデーディナーに誘っていてくれていたから、
確かに、練習は、スキップしようと、こりんごが提案したが、プチメタル以外のメンバーも、それはやり過ぎと、同意して練習は、ナシになったのに・・・
それを、アタシだけが練習したがらないと、Lazyドラマー呼ばわりされて・・・
もう、堪忍袋の緒が切れて・・・
プチメタルと、取っ組み合いの喧嘩になった・・・
まさに、修羅場だった・・・
仲裁に入ったプロモーターのマイク。
(ぶっちゃけ、こりんごは、彼のことちょっと敬遠してる。)
「こりごちゃん、俺、今日、君のバンドのTシャツ着てるんだよっ!」
って・・・
もう、アンタ、別の意味で、凄すぎるんですけれど・・・
「こりんごちゃんも、俺のバンドのTシャツ、買いたい?」
「・・・・・・・
」
この人は、悪い人ではないが、案外、空気の読めない人で・・・
そこまでやってくださいましたけど・・・
もう、勘弁してください・・・
アタシは、もう、こういう世界、もう無理です・・・
(彼はちょっと、もっと特殊な世界の人だけど・・・)
アタシのバースデーに・・・
何で、アタシ、この人のお尻の写真撮ってるのか・・・
で、アタシのBoysたちは、ストリップバーでハメはずしてて・・・
誰一人、「おめでとう!」の一言もなかった・・・
バースデーGigだ、なんて言ってた割りに、そのライブでも、そのドラマーのバースデーんいついて触れることは、一切なかった・・・
もう、どうにもこうにもやり切れなくて・・・
そのメタルバンドが、ギャーギャー叫んでるステージの脇から、
こりんご、我がバンドメンバー全員宛に、携帯からメールを送った。
「Let me leave the band please. I can't do this anymore...」
バンド、脱退させてください。 もう限界です。
そこで、トリを飾る、マイクのショーが、トドメを突き刺し・・・
最悪な、バースデーの始まりだった・・・
悪夢のような夜は過ぎ・・・
翌日の昼、レコーディングエンジニアとのファイナルMixingを、彼のスタジオで、行うため、
家で、プチメタルが迎えに来るのを待っていた。
ところが、予定の時間になってもやって来ない・・・
1時間も遅刻してやってきたプチメタル。
「お前、それでよく、エンジニアと会う前に、練習しようなんて言えたもんだなっ!」
「Mixingには、遅れても大丈夫だから・・・」
「そういう問題じゃなくない?!」
「じゃあ、どういう問題なんだよっ!」
そこから、また言い争いがヒートアップして・・・
「もう、お前とは一緒にやっていけんっ! これで終わりにしようっ!
」
プチメタルとは、最近、些細なことで、修羅場ないい争いになる。
しかも、ものすごい、ののしり合いである。
だけど、2人は、実の兄弟以上の仲だから、そこまで本音で、罵り合えるんだと・・・
Mixingも無事終了し・・・
また帰宅途中、プチメタルとの言い争いは、治まらない・・・
2人ともエモーショナルな性格だから、ぶつかり合って、収集着かない・・・
わめき、ののしり合い、最後には、プチメタルは泣き出してしまった・・・
彼は、シリアスだから、そして、彼のアメリカンドリームをつかむ相棒は、こりんごしかいないこと分かってるからこそ、その相棒を失う絶望で、感情すらコントロール出来なくなっている・・・
それも、全て分かるから・・・
コイツだけは、裏切れない・・・
「I can't let you down...」
と、言ってしまった・・・
「あぁ・・・、アタシは、バンドとお前と、結婚してしまったんだ・・・
罵り合っても、別れられない・・・、家族だから・・・。」
離婚は出来るけど、離婚は、結婚するより、大変である。
実際に、結婚も離婚もしたことないから、よく分からないけど・・・
(それしたいから、バンドやってる場合じゃないんだけれど・・・)
結婚って、こんな感じなのか・・・
やっと、バンドから解放され・・・
友達の待つ、我がバースデーディナーに出かける・・・
せめて、自分のバースデーを、ハッピーに祝ってあげたいっ!
もう、地獄は見たくないよ・・・
天国である、大好きな友達たちとのヘブンなバースデーディナーは、いかがだったか?
次回に、つづく。
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