怪しい怪しいフリーメイソン博物館に行ってみた! | 西方見聞録(旧パリレポート)

西方見聞録(旧パリレポート)

2015〜2020年パリ、2020年4月に本帰国しました。帰国後も”これは!”と思うものを探し、レポートしています!!

パリには美術館や博物館が
たくさんありますが、

その中でもちょっと毛色が異なるのが
「フリーメイソン博物館」。
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パリのフリーメイソン博物館

"フリーメイソン"と聞いても
ピンとこない方が
ほとんどだと思いますが、

"フリーメイソン"とは
身分や宗派、人種などの壁を超えて
助け合う友愛結社。

ヨーロッパ、アメリカなど
世界中にネットワークを持ち
もちろん日本にも
フリーメイソンの団体はあります。
※誰でも入会できます

アメリカ歴代の大統領など
そうそうたる人物が
フリーメイソンのメンバーだったので、

オカルト陰謀論では
「フリーメイソンが世界を
支配している」
「フリーメイソンは
ユダヤと組んで
世界の人々の奴隷化を企んでいる」

など、さまざまな説があり
エンターテイメントとしては
面白くて好きなのですが、

現実的には
そこまではないだろう、
と思ってます。
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かつてヨーロッパはカトリックの世界で
(カトリック:ローマ法王を頂点にする権威主義)

各国の王様はキリスト教の権威の元
民衆を支配していました。

少しでも世の中の権威に逆らえば
(世の中を疑えば)
異端として認定され
火あぶりの刑になったわけです。

今から見れば
最悪な世の中です。

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そんな世の中ですので、
つまり人々は
"何も知らなかった"わけです。
※知っているのは教会が教えることだけ

科学などの知識は権威が独占。
民は無知で、道理や論理に合わない
非合理な世界の中、
貧困世界の中で生きる事を
強いられていました。
(何百年もの間。。。)

知ろうとすると
殺されたわけです。

下層民は無知を強いられる。
知ろうとすると殺される。
そのようにして、
権威者はフランス国民から
何百年もの間、搾取し続け、

フランス革命が起きる1700年代後半まで、
何と何と!
フランス人の90%貧困層
でした。
※90%が最下層民

とんでもない世の中だったわけです。

なので、
フランスというと
「あー、昔から華やかな国だったんだろうな」
と言うのは大きな間違いで、

フランス人は
虐げられた人々の国だったのです。

華やかだったのは
人口の2%しかいなかった
聖職者や貴族、王家の人たち。

彼らが作った教会や城、
はたまた彼ら特権身分やその下の富裕層、
中産階級の人々が通ったカフェなどを見て、
「フランスの中世は何て華やかなんだ!」
と言うのは、
そのほんの一握りの人々のための
ものを見てるだけです。

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ですが、大航海時代などで
外の世界が分かってくると、
"こんな世の中の秩序はおかしい!"
と思う人も出てくるわけです。

しかし
表立ってそれを口にすると
殺されてしまう。

そこで出てくるのが、
「フリーメイソンリー」です。
※"フリーメイソン"とは、フリーメイソンリーに属する人
※"フリーメイソンリー"が団体名


フリーメイソンリーは
そんな理由もあって
秘密結社なのですが、

この頃
「フリーメイソンリー」に加盟していた
貴族や紳士、知識人によって
「啓蒙思想」という
"教育によって無知から脱出する"
思想が共有され、

その思想が、市民革命である
フランス革命において
大いに活用されました。

※日本では、1万円札に描かれている福沢諭吉が啓蒙思想を広げました

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と、前置きがかなり長くなりましたが、
そんな理由で、
フランス革命、及び
現在のフランスという国と
フリーメイソンは深い結びつきがあります。

そして、そのフリーメイソンの
考え、思想、理想は
アメリカ合衆国の建国にも
大いに活用されました。

なので、もちろん
現在のアメリカ合衆国とも
フリーメイソンは深い結びつきがあります。

例えば、
アメリカの象徴、"自由の女神"は
フランスのフリーメイソンから
アメリカのフリーメイソンに贈ったもの。

"自由の女神"の台座には
その経緯と、フリーメイソンのマークが
刻まれています。
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こちらはパリの自由の女神像です。ニューヨークの方面を向いて建っています

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では、早速フリーメイソン博物館に
入ってみます。
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チケットを買って入ります。もちろん誰でも入れます!

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中は広く、フリーメイソンに関する資料や記念品などが陳列されています

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おー! これはコンパスですね。フリーメイソンのマークは、コンパスと定規です

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フリーメイソンのマークがふんだん描かれたポット
(拡大すると、、、)
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ややっ! これは、プロビデンスの目!?

なぜかフリーメイソンの
資料にたくさん見かけるプロビデンスの目。

フリーメイソンのシンボル、
と考える人も多いですが、
どうなのでしょう。

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これは「球戯場の誓い」というフランス革命のきっかけになった出来事の絵です

「球戯場の誓い」の絵があるとは
やはりフランス革命と関わりがあるんですねー。

そしてこれは、
フランスの国旗。
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お馴染みの三色旗です

三色旗に書かれているのは
「自由、平等、博愛」。

この精神は、
フリーメイソンの精神でもあり
その思想がフランスの思想になりました。

こちらはフランス人権宣言。
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それまでのフランスでは考えられない、人権の尊重をうたったものです

全ての市民は
「自由、所有、安全、圧制への抵抗」
の権利を持っている、
という宣言。

真っ当な世の中が
ここから始まりますが、
その起草にもフリーメイソンが
深く関わっているとのことです。

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こちらはマリアンヌ像

「マリアンヌ」と言われても
ピンとこないと思いますが、
フランスでは誰もが知ってる像です。

「マリアンヌ」はフランス女性の象徴。
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こちらもマリアンヌ像

このマリアンヌ像は
パリ市民であれば誰でも知ってる像で、
リプュブリック広場という
パリの有名な広場にどーん!と建っています。
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リプュブリック広場のマリアンヌ像

自由の女神も
一説によるとこのマリアンヌが
モデルになっている、
とのことです。


そして下の石は、
なんと! 「サロモン神殿の石」!!
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「サロモン神殿の石」です

説明によると、
フリーメイソンがエルサレムから
持ち帰ったものだそう。

「サロモン神殿」とは
古代エルサレムに存在した
ユダヤ教の神殿。

紀元前10世紀に建てられ、
(約3000年前)
最終的に約2000年前に
ローマによって破壊された
伝説の神殿です。

今でもユダヤ教徒たちは
その城壁跡である
嘆きの壁に向かって
涙を流しています。

この石がある、ということは
フリーメイソンは
ユダヤ教とも関係を持っていることを
示していると思います。

実際、フリーメイソンリーは
迫害され続けてきた
ユダヤ人も入会できたので、
そこでユダヤ人の進んだ知識が
フリーメイソンたちに
共有された面はあったと思います。

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他にも色々あったのですが、
かなりマニアックなのでこの辺で。

最後に、
フランスの国会議事堂に行くと
その前の広場に、
フランスの象徴、マリアンヌ像があります。
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国会前に、マリアンヌ像!

その像の台座を見ると、
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ん? 何ですか、変なマークがあります
アップで見てみると、、、
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またまたプロビデンスの目! ちょー怪しいです、、、

怪しい、、、
フリーメイソンは怪しくない
と思いたいのですが、
こんな目を見てしまうと、
怪しい、、、

この目、
上のフランス人権宣言にもありますし、
ドル札にも描かれています。

さらに100ドル札に描かれている
ベンジャミン・フランクリンは
もろにフリーメイソン。
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ベンジャミン・フランクリン。フリーメイソンの歴史にも、しっかり登場していました

いやー、フリーメイソン、
疑いだすとキリがないですが、
基本的には
例え現在の世の中、
富が集中していようと

かつての不合理な世の中を
解放する役目を果たした功績は
大きいと思います。

実は今の日本国憲法は
フリーメイソンが考える
究極の理想国家を作るための憲法なのでは、
とまで言われています。
※今の日本国憲法は、戦勝国アメリカが敗戦国日本に作らせたものだから

果たして日本は、
究極の理想国家になっているのか!?

成功した気もするし、
うまくいってない気もするし、、

本当のところは
どうなのでしょうか?

真相はいかに!?
です!