AmebaGG NEWS

ペットトラブル裁判例-(6)犬の散歩トラブル事例2

2008-06-26 16:03:45
テーマ:ペットトラブル裁判例

●事例(2)春日井簡易裁判所 平成11年2月判決


事例


公園でノーリードで遊ばせていたポメラニアンが、散歩中の犬に咬みつかれ、その傷がもとで死亡した。


判決


1. 訴えられた飼い主は、3頭の犬にリードをつけて散歩中で、そのうちの1頭が突然、ポメラニアンに向かっていったために、リードを放してしまったものだが、それは過失である。


2. ポメラニアンの飼い主も、3頭の犬が現れた段階で、自分の犬を引き寄せ、抱きかかえるといった対応をすべきであり、放し飼いにしていた飼い主にも過失がある。


3. ポメラニアンの市場価格8万円、慰謝料3万円、治療費12万3,500円の損額に対して、過失相殺の20%を差し引き、既払い額の12万3,500円を除いた6万3,300円の損害賠償を認める。


PR

ペットトラブル裁判例-(5)犬の散歩トラブル事例1

2008-06-26 16:00:11
テーマ:ペットトラブル裁判例

●事例(1)横浜地方裁判所 平成13年1月23日判決


事例


自宅前の公道にたっていたところ、近づいてきた犬に突然吠えられため、転倒して左下腿骨を骨折した。その犬の飼い主が、被害者から、治療費、8ヶ月の休業損害、慰謝料200万円、弁護士費用55万円など、合計610万円の損害賠償を求められた。


飼い主の主張


1. 被害者が転倒したことと、犬が吠えたことは無関係。


2. 散歩中に犬が吠えさせないという飼い主の注意義務はない。


3. 被害者がポールにつかまりながらも、転倒して大腿骨骨折をしたのは、もともと足が弱かったためである。被害者が足が弱いということは、飼い主には予見できない。


4. 被害者は足が悪く、身体障害者等級4級の認定を受けており、自分が転倒すれば重大な結果になることがわかっていたのに、往来の激しい公道に立っていたのだから、被害者側の過失も認められるべきだ。


判決


1. 被害者の転倒と犬が吠えたことの間には、因果関係がある。


2. 犬の飼い主には、犬がみだりに吠えないように犬を調教すべき、注意義務がある。


3. 特に、犬を散歩に連れ出す場合には、飼い主は、公道を歩いている人、あるいは立っている人に対して、犬がみだりに吠えないように、飼い犬を調教すべき、義務を負っている。


4. 老人の場合、犬の吠え声にびっくりして転倒することは、通常、予見できる。


5. 被害者がもともと足が悪いとしても、公道に出て外気を吸うことは、人間としての自由権の範囲内のことである。しかも、被害者はミラーポールを握り、杖をついていたことから、被害者に過失はない。


6. 被害者が身体障害者であったことから、損害額を2割減額して、既払い額を除いた432万円の損害賠償を認める。

PR

ペットトラブル裁判例-(4)犬の騒音・異臭トラブル事例2

2008-06-26 15:52:36
テーマ:ペットトラブル裁判例

●事例(2)横浜地方裁判所 昭和61年2月18日判決


事案


隣人が飼っているシェパードの鳴き声に悩まされ、不眠・食欲不振などの神経衰弱状態になったとして、隣家の夫婦が慰謝料の支払いを求めた。


被告である飼い主の主張


1. 隣家の夫婦は、おおげさに神経衰弱になったなどと主張しているが、犬の鳴き声との因果関係はない。


2. 7~8メートルの針金を張って、犬が鎖につながれたままでも移動できるようにすることで、運動不足を解消して、無用の鳴き声をあげないように十分に注意している。


3. 祖父の代から犬、猫、にわとり、うさぎ、やぎなどの家畜を飼っており、そのような状況を知っていながら、隣に引越してきたのだから、夫婦は自ら危険に近づいてきた者であり、犬の鳴き声をがまんするべき(危険への接近の法理)である。


判決


1. 隣家の夫婦の神経衰弱と犬の鳴き声には因果関係がある。


2. 犬の運動は、人が一緒に行うことが訓練にもなり、必要なのであって、係留ロープにつないでおくことは、ロープの長さに応じて犬が動けるとしても、犬にとって好ましいことではなく、かえってよく吠えるようになったと認められることから、被告が注意義務を尽くしたとは言えない。


3.犬が飼われていて、犬が鳴いているのを知りながら、引越してきた隣家の夫婦には、引越し後に特に鳴き声が増加したというようなことがない限り、がまんすべきところはあるが、このシェパードの鳴き声の状態は異常であり、被告は慰謝料の支払いをしなければならない。

PR

ペットトラブル裁判例-(3)犬の騒音・異臭トラブル事例1

2008-06-26 15:49:58
テーマ:ペットトラブル裁判例

●犬の騒音・異臭などで近隣住民に迷惑をかけたトラブルの裁判例


ペット飼育者の注意義務違反


ペットの飼い主に対しては、民法718条で「動物の占有者はその動物が他人に加えたる損害を賠償する責任がある」と定められています。ペットが、騒音や異臭などで、近隣住民に迷惑を及ぼしたり、散歩中に他人に損害を与えた場合には、飼い主は損害賠償を請求されます。


通常の「不法行為責任」では、被害者がどのような損害を被ったかを立証しなければならないのですが、ペットの場合には、「動物の種類及び性質に従って、相当、注意をして飼っていた」という「注意義務」を尽くしていたことが証明されない限り、免責にはならないとされているため、より重い責任を負うことになります。


●事例(1)東京地方裁判所 平成7年2月1日判決


事案


近隣の飼い犬の激しい鳴き声で、アパートの住民が引っ越してしまったために、その建物の所有者が「アパートの家賃収入が減った」ことに対する損害賠償を求めた。その他の近隣住民からも犬の鳴き声により精神的な苦痛を受けたとして、損害賠償請求された。


判決


1. 犬は、毎日、一定の時間、断続的に鳴き続け、夜間や早朝にかかることが多かった。


2. 住宅地で犬を飼育する以上、飼い主は、犬の鳴き方が異常なものになって近隣の者に迷惑を及ぼさないよう、常に愛情を持って犬に接し、規則正しく食事を与え、散歩に連れ出して運動不足にしない、日常生活でのしつけをして、場合によっては訓練士をつけるなどの飼育上の注意義務を負う。


3. 被告である飼い主には、注意義務違反が認められる。


4. アパートの賃貸契約の解除と犬の異常な鳴き方には因果関係があり、賃料の損害賠償を認める。


5. 近隣の住民に対する慰謝料についても、ひとり当り30万円と認定した。
被告である飼い主が犬舎に防音設備を施していること、犬の鳴き声が原因というよりは、近所づきあいがないという人間関係の問題が根本にあること、犬が鳴いている時間帯、長さなどが考慮された。

ペットトラブル裁判例-(2)分譲マンションでのトラブル事例2

2008-06-26 15:45:27
テーマ:ペットトラブル裁判例

●事例(2)東京地方裁判所 平成8年7月5日判決


被告である犬の飼い主の主張


1. ペットを飼育する権利は、憲法13条及び29条によって保障されている重要な権利である。その権利を制限する場合、予想されるペット飼育による被害の大きさとつりあいがとれるような範囲にとどめるべきである。


2. 飼育しているのは、小型のシーズーで、他の住民に何らの被害も与えていない。それなのに管理組合が飼育の差し止めを要求するのは、「権利の濫用」である。


「判決」


1. ペットの飼育は、あくまでも他人に迷惑をかけない範囲内ならば、自由にできるといったものに過ぎない。


2. マンションでの動物の飼育は、糞尿によるマンションの汚損や臭気、病気の伝染や衛生上の問題、鳴き声による騒音、咬傷事故など、建物の維持管理や他の居住者の生活に目に見える影響をもたらす危険がある。


3. マンションでの動物の飼育は、動物の行動、生体自体が他の居住者に不快感を生じさせるなどの目に見えない影響を及ぼすおそれのある行為である。


4. 具体的な実害が発生した場合に限って規制するというのでは、他の居住者の不快感といった問題に十分に対処することができず、また、実害が発生した場合にはそれが繰り返されることを防止することも簡単ではない。


5. 規約の適用について、明確さと公平性を維持するためには、具体的な実害が発生していなくても、動物の飼育を一律に禁じることは合理的である。規律を保つために必要なことであり、権利濫用ではない。


「総括」


これまでの判例では、裁判所は、一律にペット飼育を禁止する規約の有効性を広く認めています。


入居後に、規約を「ペット飼育禁止」に改正する場合も、盲導犬や自閉症の治療に必要といった生活上で必要不可欠なものでなければ、ペット飼育者の同意がなくても、改正を有効とし、ペット飼育差し止めを認めています。

ペットトラブル裁判例-(1)分譲マンションでのトラブル事例1

2008-06-26 15:41:12
テーマ:ペットトラブル裁判例

ペットトラブルの裁判例


●分譲マンションでのペットの飼い主と住人とのトラブル


マンションには、動物が共同生活環境にいることを嫌がる住人とペットの飼い主との間に利害対立が発生しやすいと考えられています。


分譲マンションの場合は、住民は管理組合員であり、飼い主である住民と他の住民とのトラブルでは、管理組合の内部での対立という構図になります。そうなると、「ペット飼育を禁止する管理規約」を前提として、管理組合がペットの飼い主に対して「ペットの飼育を止めるように求める」裁判を起こすことになるのです。


事例(1) 横浜地方裁判所 平成3年12月12日判決


「被告である犬の飼い主の主張」


1. 入居時点では、ペット飼育を禁止する規約はなかった。


2. 犬を家族の一員としてかわいがっている。


3. 自閉症の子どもにとって、犬は重要な役割を果たしている。


4. 動物の飼育を禁止する規約の変更は、飼い主である住人の権利に「特別の影響を及ぼす」もので、規約の改正は、区分所有者である飼い主の承諾を得ていないので無効。


判決(控訴審を含む)


1. 旧規約には、動物の飼育を禁止する条項はなかったが、入居案内には「動物の飼育はトラブルの最大の原因なので一応禁止する」旨の記載があった。


2. 動物の飼育を認める規約のあるマンションは、トラブルを防止するために、飼育方法や飼育を許される動物の定義について細かい規定を設けている。そして、他の居住者に迷惑がかからないようにするため、防音設備を設けたり、集中エアコンなどの防臭設備を整えるなど、相当、整備をしている。


3. マンション内での動物の飼育は、一般に他の住民に有形無形の影響を及ぼすおそれのある行為であり、それを一律に共同の利益に反する行為として管理規約で禁止するのは、区分所有法として許される。


4. ペット等の動物の飼育は、飼い主の生活を豊かにする意味はあるとしても、飼い主の生活・生存に不可欠なものというわけではない。


5. 飼い主の子どもが自閉症であるといった診断結果はなく、「犬が生活・生存にとって客観的に必要不可欠な存在であるという特段の事情」は存在しない。

[PR]気になるキーワード