創り出す愚かさ

人々は自らの手で苦悩の中から
あらゆる愚かな自分を創り出す
愚かな自分には意味なんて
惨めな自分には価値なんて
自分で自分に思う愚かさは
誰にも教わってなどいない
誰にも教えてなど貰えない
誰にも定められてはいない
誰にも本気では言われない
誰にも賛同されたりしない
それは自ら勝手に創り出した
自分だけの幻想の世界であり
誰かの適当な悪口と自分の欠点と
変えられない現状と物事の失敗と
憶測の断片を繋ぎ合わせて創り出した物
そんな自分の愚かさに幾つの真実がある
物事を利用して創り出す愚かさは
人々の逃げ込む幻影の世界
辛さが目立つ悲観的の裏には
自分には出来ないと言う名の
自分を守りし盾が潜んでいる
螺旋階段を走り続けても
誰にも救われないのなら
自ら救ってしまえばいい
縋り付いた先が悪魔なら
自ら変えてしまえばいい
自ら創った無意味な自分が
何よりも一番の無意味な物
紅い空から夥しい刃が降り続いて
血に塗れた世界に棘が溢れている
最後まで獅噛み付いて食い下がれ
絶望の数が強さの数に変わるまで
諦めずに努力を続ける人々の先で
その姿が幻海に映し出されている