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2012年02月15日(水)

読書の意義を考えさせる短編小説:「クリスマスの教え」トマス・H・クック

テーマ:メルマガ「楽しい読書」

私の読書論-27-初心者のための読書の仕方を考える(12)
最初の一冊の選び方(9) 本選び(選書)の方法 IV
―第75号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記


★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★
2012(平成24)年2月15日号(No.75)-120215-
私の読書論-27-初心者のための読書の仕方を考える(12)
最初の一冊の選び方(9) 本選び(選書)の方法 IV ~
http://archive.mag2.com/0000257388/20120215120000000.html


読書の意義、効用については、以前から何度か書いてきたと思います。

今回は、そういう話題にピッタリな小説を紹介しましょう。

一見低俗で何の取り柄もない、単なる時間つぶしの娯楽作品と思われているシリーズもののアクション小説。

しかし、それを読む人も、一見高級そうな人生を考えさせる、深い意味合いを持つ文学作品を愛好する人とも共通する、人生における“何か”を求めているのかもしれません。

そんなことを考えさせる、しっとりとしたクリスマス・ストーリイです。


『ミステリマガジン2011年12月号』No.670(早川書房)掲載の

ミステリマガジン 2011年 12月号 [雑誌]/著者不明
¥920
Amazon.co.jp


「クリスマスの教え」The Lesson of the Season トマス・H・クック 府川由美恵/訳

―が、それです。

雪のクリスマスイブに、ひとりでミステリ専門書店<ミステリアス・ブックショップ>の店番をする女性店員ヴェロニカ・クロスの物語です。

彼女は、たった一人の肉親である父を看取った経験のある、恋愛は半ばあきらめ気味の、人生に深みを与えてくれる高級な文学書の読書を好み、本を友とするような趣味の人。

そこに現れた灰色の髪のややくたびれた感じの常連客ハリー・ベンサム。

彼は、いつもペーパーバックの低俗な都会のギャングと刑事の戦いを描いたシリーズもののような、アクション小説本ばかり買う客。

ヴェロニカは、店番をしながら読んでいた本『人間の尺度』の中の“人は誰しも痛みのこだまのなかで生きている”という文章に目をとめる。

不意に、父親を看取った時の記憶がよみがえる…。

そして、ハリーがペーパーバックの棚に自分の人生の答えを求めるかのごとく目をやる姿に思わず声をかける。《だけどペーパーバック小説にいったいどんな答えが期待できるというのかしら》(p.139)という疑問から。

あそこにある俗悪な本のページから、痛みのこだまが立ちのぼってきたり、そのこだまがなぜいまの自分があるのかという大きな謎を解き明かし、自分がいかに前に進むべきか、短い人生のなかに何を求めるべきか、何を捨てるべきかを知らせてくれるなんて、あり得ない。謎(ミステリ)にまつわる本だらけのこの店内で、ヴェロニカにはその謎がほかのどれよりも深いものに思え、答えを求めてみようと思い立った。》(p.139)

そんな彼女の問いに、


「おれにとってはスコッチみたいなもんだ」》(p.139)

と答えたハリーは、若かりし頃のヴェトナム戦争の思い出を語り始める―。 悲惨な戦争体験の中で、彼はヴェトコンの兵士を尋問中思わず射殺してしまうという過去を持っていたのだ。その時に、上官が渡してくれたのが、そういう一冊のペーパーバックだった。

『こいつを読めば嫌なことも忘れちまうさ』》(p.140)

と。

「自分はこういう人間だと思っていたものが、突然、ちがうものになっていった」...「どんな人間にも忘れたいことはある、そうじゃないか?」》(p.142)

と問いかけるハリー。

一方、彼女も過去に思いをはせる…。《「自分がしたことを」、「取り返しのつかない何か」》(p.143)についてを。


「そうね」ヴェロニカは言った。「確かにそうよ」/ハリーはうなずいた。「とにかく、その本は助けになった」彼は言った。「それ以来ずっと読んでる」》(p.143)

それ以来、彼は、一人毎週土曜日にペーパーバックを買い続けるような客になったということだろう。 彼女は、新しいアクションシリーズものの第一作を彼にすすめる。帰りの電車の中で、彼女は思う。


みんな同じなんだ、...自分にできる方法でなぐさめを見出そうとしてきてるんだ。》(p.144)

と。

そして、この街や地球に住む人間のことを考える―。


クリスマスが教えてくれたのかもしれない、とヴェロニカは思った。そこにいるすべての人間……それは自分の姿でもあるのだと。》(p.144)


本編は、アメリカのミステリ専門書店<ミステリアス・ブックショップ>のオーナーで、ミステリ研究家オットー・ペンズラーが、毎年クリスマスに顧客にプレゼントするため、ミステリ作家に依頼して書いてもらったクリスマス・ストーリイ、1993年から2009年までの17編を一冊にまとめたアンソロジー"Christmas at he Mysterious Bookshop“から、2003年の一編。
執筆条件は、三つ。「クリスマス・シーズンの話」「ミステリの要素が入っている」「<ミステリアス・ブックショップ>が関係するもの」だという。
(―以上、日暮雅通「解説」より)


トマス・H・クックは、現代アメリカの代表的なミステリ作家のひとり。
1947年にアラバマ州フォート・ペインに生まれ、『緋色の記憶』(1996年)でアメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞最優秀長篇賞を受賞。『緋色の迷宮』(2005年)でマルティン・ベック賞とバリー賞を受賞。

緋色の記憶 (文春文庫)/トマス・H. クック
¥650
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緋色の迷宮 (文春文庫)/トマス・H. クック
¥770
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最新邦訳作品には、『ローラ・フェイとの最後の会話』(ハヤカワ・ミステリ 2011.10.7)があります。

ローラ・フェイとの最後の会話 (ハヤカワ・ミステリ 1852)/トマス・H・クック
¥1,785
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2012年01月31日(火)

最良の処世訓『イソップ寓話』―または古典の価値

テーマ:メルマガ「楽しい読書」

―第74号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記


★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★
2012(平成24)年1月31日号(No.74)-120131-最良の処世訓『イソップ寓話』
http://archive.mag2.com/0000257388/20120131120000000.html


今回は、古代ギリシアの文学から、<イソップ寓話>を取り上げました。

古代ギリシアの文学と言いましても、フランスでは17世紀にラ・フォンテーヌ『寓話』の中に取り込まれたり、日本でも16世紀、安土桃山時代に天草のキリシタンによって「イソポのハブラス」として日本語に翻訳され、江戸時代も幾つもの読み本となったり、明治以降も教科書に取り入れられたり、と様々な形で知らず知らずに社会に受け入れられてきました。


寓話〈上〉 (岩波文庫)/ラ・フォンテーヌ
¥735
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今回改めて読むほどに、人間というものは、相も変らぬ存在だということを認識させられました。
多分皆様の印象も同じでしょう。


ここに古典の価値があるとも言えるのです。


古典を読む価値がある、と。


「現代の問題は、現代のものを読まなければわからない」というのは、一つの真理ではあります。
しかし、主役の人間が相も変らぬ存在であれば、舞台背景や時代背景だけが変わっても、結局演じる内容はさほど変わらないのではないでしょうか?


観客もまた同じでしょう。
同じネタに笑い、同じ場面で泣く。


古典と呼ばれる著作は、長い年月を越えて伝えられてきたもので、各世代を超えて多くの人の心に訴えるものを持っていたからです。


それは人の心の根底にひそむ根源的な思いというものが、大なり小なり表現されていたからこそでしょう。


野球で言えば、実績を残した偉大なプレーヤーだということです。


記録を残した人、記録よりも記憶に残る人などなど。
いつの時代にも各世代が支持する代表的な選手がいるでしょう。


そして、それらの選手の中でもさらにひと際この人はスゴイと言われる選手がいるはず。
そういう選手こそ、<古典>と呼ぶに匹敵する選手だということなんですね。


本の場合は、そういう選手ならぬそういう著作を指して<古典>と呼ぶのです。


*本誌で取り上げた本:
● 原典【現代訳】
『イソップ寓話集』中務哲郎/訳 岩波文庫 1999.3.16
―第11部まで471編を収録。ベン・エドウィン・ペリー『アエソピカ』のうちギリシア語の寓話を全訳したもの。シャンブリ版、その他の版、邦訳本との対照表が巻末に付されている。

イソップ寓話集 (岩波文庫)/イソップ
¥840
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【旧訳】
『吉利支丹文学集2』新村出・柊源一/校註 東洋文庫570 1993.10
―後半に「イソポのハブラス」を収録。「イソポが生涯の物語略」というイソポ伝の略から始まり、「イソポが作り物語の抜き書」として70編が収録されている。外国人宣教師の日本語の教科書として用いられたといわれ、当時の口語文をローマ字筆記したもの。

吉利支丹文学集 (2) (東洋文庫 (570))/新村 出
¥3,150
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『絵入り伊曽保物語を読む』武藤禎夫/著 東京堂出版 1997.9.30
―万治二年刊『伊曽保物語』天保十五年刊『絵入教訓近道』明治二十年刊『密画挿入 伊曽保物語』から、絵入りイソップ物語を。

絵入り伊曽保物語を読む/武藤 禎夫
¥2,940
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●<イソップ寓話>について書いた本
『人間力(にんげんりき)』谷沢永一/著 潮出版社 2001.4.5
―「人間力」としか呼べないような存在感を持つ人がいる!―そんな人間力の秘密に迫るエッセイ集。

人間力/谷沢 永一
¥1,575
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2012年01月29日(日)

新渡戸稲造『武士道』日本的思考の根源を見る-「100分 de 名著」NHK

テーマ:メルマガ「楽しい読書」

ゲスト講師のプレゼンを受けて、古今東西の“名著”を25分の番組4回100分で読み解く番組、
「NHKテレビ100分de名著」 2012年2月の放送は、新渡戸稲造『武士道』 です。


ゲスト講師は、『現代語訳 武士道』(ちくま新書 2010.8.6)の訳書を手掛けた山本博文氏。

現代語訳 武士道 (ちくま新書)/新渡戸 稲造
¥777
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『武士道』は、岡倉覚三(天心)『茶の本』と並ぶ、,明治を代表する知的エリートで国際的に活躍した日本人の手になる、英語で書かれ、1899年にアメリカで出版された日本人論、日本文化論の名著です。
新興国日本への関心と共に、ヨーロッパ各国語に翻訳され、反響を呼んだと言われています。


・岡倉天心『新訳・茶の本―ビギナーズ日本の思想』大久保喬樹/訳 角川ソフィア文庫 2005.1

新訳・茶の本―ビギナーズ日本の思想 (角川ソフィア文庫)/岡倉 天心
¥700
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アメリカで病気療養中の新渡戸稲造が、十年ほど前にベルギー人の法学者ド・ラヴレー氏やアメリカ人の妻からの質問に答えるべく、自らの心のよりどころ、道徳の基本が何であったかを、英文でまとめたものです。


武士の子として生まれ、刀を差していた子供時代の経験を持つ著者が、刀を取り上げられ武士がいなくなった時代に生きる元武士の子である一人の日本人として、刀と武士の関係、武士の子として何を教えられてきたのか、武士の精神的なバックボーンについて、西洋の例と比較して、欧米人に分かるように説明したものです。
ヨーロッパに騎士道あれば、日本には武士道がある、と。


私の発行しているメルマガ『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』でも取り上げています。
2009(平成21)年8月31日号(No.24)-090831-『武士道』新渡戸稲造・太平洋の橋


そちらに引用した文章を紹介しておきます。

有数の国際通で、のちに国際連盟事務次長をつとめることになる新渡戸稲造は、封建道徳の権化、「サムライ、ハラキリ」で知られる「武士」をテーマにして、ズバリ『武士道』を英文で著し出版した。多数の国で翻訳されたが、表題を読むだけで眉をひそめ、批判の筆を執った人も多数出た。日本においても同様であった。/しかし、新渡戸は「武士道」こそ西欧の騎士道と重なる日本の歴史精華であり、日本人の良き知性と品性がそこから生まれた母体である、と諄々と説く。つまり武士こそ「ノーブル・オブリジェ」(高い身分に伴う義務)を担った身分であり、日本人が見習い従うべきモラルとマナーを示すスタンダードである、としたのである。
谷沢永一/著『人間通になる読書術・実践編』PHP新書(1999)
「第I部 読書の快楽/第二章 この一冊の読みどころ・箴言集/武士道は日本国民に道徳的標準を供給した『武士道』新渡戸稲造/矢内原忠雄訳」p.179

・『人間通になる読書術・実践編』谷沢永一/著 PHP新書(1999)
―新渡戸「武士道」を含む古典名作案内+谷沢読書論。

人間通になる読書術・実践編 (PHP新書)/谷沢 永一
¥693
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邦訳でいいので、日本人ならぜひ一度は読んでいただきたい名著だと思います。
さらに、英語版にもチャレンジできるといいですね。


【放送予定】
第1回 2月1日放送 正義・日本人の美徳
第2回 2月8日放送 名誉・日本人の責任の取り方
第3回 2月15日放送 忍耐・謎のほほ笑み
第4回 2月22日放送 武士道・その光と影


○NHKテレビテキスト「100分 de 名著」
新渡戸稲造『武士道』2012年2月
2012年1月25日発売
定価550円(本体524円)


新渡戸稲造『武士道』 2012年2月 (100分 de 名著)/著者不明
¥550
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※主な新渡戸稲造『武士道』訳書:
『武士道』矢内原忠雄/訳 岩波文庫 1984.10改版
―格調高い文語文の翻訳。最近の人にはちょっと読みづらい、わかりにくいと感じる人も。

武士道 (岩波文庫)/新渡戸 稲造
¥588
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『武士道 いま、拠って立つべき“日本の精神”』岬 龍一郎/訳 PHP文庫 2005.8.2
―完全現代語訳。古典からの引用も分かりやすい現代語で。巻末解説では、新渡戸の本文では比較的簡単な説明に終わっている「義」について補足解説しています。

武士道 (PHP文庫)/新渡戸 稲造
¥520
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『武士道―人に勝ち、自分に克つ強靭な精神力を鍛える』奈良本辰也/訳 知的生きかた文庫 1993.1
―古典からの引用部分が原典からで現代語になっていない分、人によりわかりづらいと感じるかも。

武士道―人に勝ち、自分に克つ強靭な精神力を鍛える 知的生きかた文庫/新渡戸 稲造
¥520
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『英語と日本語で読む「武士道」』新渡戸稲造博士と武士道に学ぶ会/編 奈良本辰也/訳 知的生きかた文庫 2009.2
―《『武士道』の英語原文と奈良本辰也の名訳を掲載(抄訳)》

英語と日本語で読む「武士道」 (知的生きかた文庫)/新渡戸 稲造
¥650
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『武士道』須知徳平/訳 講談社バイリンガル・ブックス 1998.6.10
―英語原文と邦訳のセット版。

武士道 (講談社バイリンガル・ブックス)/新渡戸 稲造
¥1,365
Amazon.co.jp



*他のNHKテレビ「100分 de 名著」の記事:
2011年11月放送:2011.10.31 アラン『幸福論』喜びは、行動とともにある!
2011年12月放送:2011.12.6 宮沢賢治『銀河鉄道の夜』悲しみを、乗り越えよ-「100分 de 名著」NHK
2012年1月放送:2012.1.5 吉田兼好『徒然草』両面から物事を見よ!-「100分 de 名著」NHK


※本稿は、ココログ版『レフティやすおのお茶でっせ』より

「新渡戸稲造『武士道』日本的思考の根源を見る-「100分 de 名著」NHK」 を転載したものです。
(この記事へのコメント・トラックバックは、転載元『お茶でっせ』のほうにお願い致します。ただし承認制になっていますので、ただちに反映されません。ご了承ください。)
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2012年01月15日(日)

名著と名作の違い

テーマ:メルマガ「楽しい読書」

私の読書論-27-初心者のための読書の仕方を考える(11)
最初の一冊の選び方(8) 本選び(選書)の方法 III
―第73号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記


★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★
2012(平成24)年1月15日号(No.72)-120115-
私の読書論-27-初心者のための読書の仕方を考える(11)
最初の一冊の選び方(8) 本選び(選書)の方法 III
http://archive.mag2.com/0000257388/20120115120000000.html


本誌では、古典の名著・名作を紹介しています。


この「名著」と「名作」の違いを、改めて確認しておきましょう。



「名著」とは、「名高い著書」「優れた著書」のことで、いわゆる“リアル”な本です。
フィクション(虚構)ではないものを指します。


主に、科学や思想、宗教、哲学等の論文、およびその解説書の類を言います。


ビジネス関係の本の自己啓発書なども、こちらに含まれるケースが多いようです。

また、文字通り「ノンフィクション」もあれば、「ドキュメンタリー」もあります。

「日記」「自伝・伝記」も、基本的には嘘を書かないという前提の下に書かれているとされていますから、これも含みます。


本屋さんの区分で言えば、「教養書」と呼ばれるものです。


(ただし「日記」や「自伝・伝記」は、文学作品として扱うケースもあります。
この場合は「名作」、本屋の区分では「文芸書」となります。
ややこしいですね!)


一方「名作」は、「名高い作品」「優れた作品」
すなわち、作りもの、虚構、創作です。


「小説」「戯曲」、「詩」、「短歌」、「俳句」などの文学作品。
本屋の分類では、「文芸書」となります。


(もちろんこの言葉は、文学作品―本以外にも、絵画や彫刻等の美術、音楽、映画等の他のジャンルの芸術作品一般に使います。)


で、問題は、「随筆・エッセイ」の類です。

創作的な「随筆・エッセイ」もあります。


一般には、「随筆」は《見聞・経験・感想などを気の向くままに記した文章》―『広辞苑』第六版。
「エッセイ」は《自由な形式で書かれた、思索性をもつ散文》―同。


思索性を基準に、「名著」と「名作」を分けるのが、わかりやすいかと思います。
すると、「随筆」は「名作」、「エッセイ」が「名著」ということになります。


もちろん、こんなふうに単純に分けられるという保証はありません。
実際には、非常に複雑といわねばなりません。


(先ほどの「日記」や「自伝・伝記」も同様でした。)


例えば、昨年惜しくも亡くなられた北杜夫さんの<どくとるマンボウ>シリーズはどうでしょうか?
ユーモア系のエッセイとしては文芸的でもあり、時に非常にシリアスで思索性に満ち、名著と呼びたい作品もいくつかあります。


北杜夫『どくとるマンボウ航海記』
―出世作。最初のエッセイ。海外渡航がまだ珍しかった敗戦後の時代、アジア、アフリカ、ヨーロッパを巡るマグロ漁の調査船船医としての体験を描く。

どくとるマンボウ航海記 (新潮文庫)/北 杜夫
¥420
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『どくとるマンボウ青春記』
―文学にあこがれ、山に登る…寮生活の若き日々。旧制高校時代の<古き良き時代>の青春の記録。
どくとるマンボウ青春記 (新潮文庫)/北 杜夫
¥540
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「エッセイ」の語源となっている、モンテーニュ「エセー」は、文学的作品ともされながら、哲学書の範疇にも入っています。
そうすると、「名作」で「文芸書」であり、「名著」で「教養書」です。



モンテーニュ『エセー』

―3巻107章『エセー』新版を、〈1〉人間とはなにか〈2〉思考と表現〈3〉社会と世界 とテーマ別に全3巻に編集した選集の第1巻。


エセー〈1〉人間とはなにか (中公クラシックス)/モンテーニュ
¥1,890

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エセー〈1〉宮下志朗/訳 白水社

―文中に(a)(b)等の第1版以降の追加の履歴を示す記号を付した従来のものとは異なり、自然に読める翻訳としたシリーズの第1巻。

エセー〈1〉/著者不明

¥2,100

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一見簡単そうで、実は個別に見るとややこしい。
現実というものは、そういうものなんでしょうね。


単純にはいきません。


※本誌で取り上げた本:
『これが「教養」だ』清水真木(しみず・まき)/著 新潮新書 2010

―「教養」とは何か? 本来の意味は? 現代においては? を解き明かす。

これが「教養」だ (新潮新書)/清水 真木
¥756
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2012年01月03日(火)

3カ月連続「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」ランキングでトップ10入り

テーマ:メルマガ「楽しい読書」

レフティやすおの作文工房-楽しい読書デイリーアクセスランキング


「まぐまぐ」から発行しています、私のメルマガ「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」 が、

10月31日11月30日、そして2012年1月2日と、ほぼ3カ月続けて、たとえ月に一度でも

(毎日チェックしているわけではありませんので、本当のところはよくわかりませんが。)

<デイリーアクセスランキング アート・文芸カテゴリ>部門で、トップ10入りしました。

画像をご覧いただけばおわかりのように、

他のメルマガは、日刊や週刊、著名人や有名出版社のメルマガといった、発行部数が数万単位、何千単位のメルマガが並んでいます。

対してうちのメルマガは、発行人は無名の一市民、月二回の発行、部数は70前後。

この<アート・文芸>部門は、

 文芸 661誌(うち<古典>は12誌)

 美術・デザイン 265誌

 写真 58誌
総数 984誌(2012/01/02 08:28:02 更新)です。

そのなかで、月一とはいえ、トップ10入りするというのは、

つい自慢したくなるのも無理はない、とご理解いただけるのではないでしょうか。

人気の秘密?があるとすれば、これもひとえに扱っている、古典の名著・名作の力でしょう。

もちろん、今をときめくタレントや人気作家の作品など扱えば、常時トップ10入りできるのかもしれません。

しかし、自分の守備範囲でないものに手を出しても、中身が伴わないものになります。


ただ、この月一人気が定期購読につながっていない状況を考えますと、複雑な思いもありますが…。

少しでも見てもらえるのなら、それはそれで嬉しいですし、これを力にさらに精進を重ね、中身の伴うものを出し続けてゆきたいものです。


◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆

最新号:
2011(平成23)年12月31日号(No.72)-111231-本当に大切なこと―2011年を振り返る
http://archive.mag2.com/0000257388/20111231120000000.html

2011年12月31日(土)

本当に大切なこと、またはソローのこと―2011年を振り返る

テーマ:メルマガ「楽しい読書」

―第72号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記


★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★
2011(平成23)年12月31日号(No.72)-111231-本当に大切なこと―2011年を振り返る
http://archive.mag2.com/0000257388/20111031120000000.html


今年もご愛読ありがとうございました。


本誌では、今年を回顧しながら、この機会にこれだけは読んでいただきたいと思う本をいくつか取り上げています。


中でもヘンリー・デイヴィッド・ソローはここ数年、私の最も注目し、読み継いできた作家・思想家です。


代表作『ウォールデン 森の生活』は、今まで何度も書いていますように、彼がエコライフ・シンプルライフを実践した魂の記録です。


この森での暮らしの最中にあの有名な事件が起こります。
そう、人頭税支払拒否により牢屋に入れられるのです。


たった一日のことではありましたが、これを契機に彼は講演で、政府による奴隷制やメキシコ戦争といった事柄に対し反対する「市民的不服従」「非暴力抵抗主義」を訴えます。


これらの著作により、彼は“世界を変えた”とたたえられています。


彼が本当に言いたかったことは、単に「自分らしく生きよう」ということでしょう。
あるいは「人間らしく」、もしくは「“HIGH LIFE(高貴な生活)”を」「物ではなく心の充足を」と言い換えても良いかもしれません。


東日本大震災・原発事故を経た今こそ、エコライフ・シンプルライフ、そして多様性を容認する生き方が必要です。


その先駆者としてのソローをぜひ知っていただきたい、と思います。


まずは、

『平和をつくった世界の20人』岩波ジュニア新書
―ソローに始まり、ガンディー、キングといった非暴力、平和の教育・実践、多様性、あらゆる生命、地球環境を大切にする人たち20人を挙げ、それぞれの小伝と言葉を紹介。


平和をつくった世界の20人 (岩波ジュニア新書)/ケン・ベラー&ヘザー・チェイス
¥882
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『ソロー語録』岩政伸治/編訳 文遊社
―自然愛好家、奴隷制反対論者等の顔を持つソローの著作『ウォールデン』他から名言集。ソローへの入門としても良し。


ソロー語録/ヘンリー・デイヴィッド・ソロー
¥1,680
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そして、代表作『ウォールデン 森の生活』をお読みいただきたいものです。


『ウォールデン 森の生活』今泉吉晴/訳 小学館 2004.5.1
―山梨県の森に小屋を建て「森の生活を始めた」学者による訳書。原書を模した装丁にビニールカバー装。高価なのが難点? 著者のイラストや訳注を欄外に収めてあり、眺めて楽しい本。本書は19世紀半ばに出版された、エコライフ、シンプルライフの先駆者であるソローが自ら実践した森での暮らしの魂の記録。


ウォールデン 森の生活/ヘンリー・D. ソロー
¥3,045
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『森の生活 ウォールデン』上下 飯田実/訳 岩波文庫

―《湖とその周辺の写真多数を収め》た二分冊。巻末に詳細訳注。


森の生活〈上〉ウォールデン (岩波文庫)/H.D. ソロー
¥798
Amazon.co.jp


『ウォールデン』佐渡谷重信/訳 講談社学術文庫961
―各章末に訳注を配す。


森の生活 (講談社学術文庫)/D・ヘンリー・ソロー
¥1,523
Amazon.co.jp


次いで、「市民的不服従(市民の反抗)」もお読みいただければ、良しと言えるでしょう。



『ソローの市民的不服従―悪しき「市民政府」に抵抗せよ』佐藤雅彦/訳 論創社 2011.3.20
―講演録らしい訳文で再現した。パラグラフごとに分けて読みやすくし、背景の解説を入れわかりやすくした。


ソローの市民的不服従―悪しき「市民政府」に抵抗せよ/ヘンリー・デイヴィッド ソロー
¥2,100
Amazon.co.jp



『市民の反抗 他五篇』飯田実/訳 岩波文庫
―「市民の反抗」他、「ジョン・ブラウンを弁護して」等、各ジャンルからソローの代表的エッセイを選んだエッセイ選集。


市民の反抗―他五篇 (岩波文庫)/H.D.ソロー
¥840
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『一市民の反抗 良心の声に従う自由と権利』山口晃/訳 文遊社
―巻末に原文(英語)を掲載。


一市民の反抗―良心の声に従う自由と権利/ヘンリー・デイヴィッド ソロー
¥1,575
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2011年「楽しい読書」古典の名著・名作編バックナンバー
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2011(平成23)年1月31日号(No.51)-110131-
東洋から西洋へ『茶の本』岡倉天心
http://archive.mag2.com/0000257388/20110131120000000.html

2011(平成23)年2月28日号(No.53)-110228-
人知らぬ恨「舞姫」森[鴎おう]外
http://archive.mag2.com/0000257388/20110228120000000.html

2011年3月31日号(No.54)-110331-特別編
宮沢賢治の詩「永訣の朝」
http://archive.mag2.com/0000257388/20110331120000000.html

2011(平成23)年4月30日号(No.56)-110430-簡素で高貴な生活
『ウォールデン 森の生活』H・D・ソロー
http://archive.mag2.com/0000257388/20110430120000000.html

2011(平成23)年5月31日号(No.58)-110531-非暴力抵抗主義
『市民的不服従(市民の反抗)』H・D・ソロー
http://archive.mag2.com/0000257388/20110531120000000.html

2011(平成23)年6月30日号(No.60)-110630-
二つの愛の形『赤と黒』スタンダール
http://archive.mag2.com/0000257388/20110630120000000.html

2011(平成23)年7月31日号(No.62)-110731-
最初の一冊:各社「夏の文庫」フェアから―
http://archive.mag2.com/0000257388/20110731120000000.html

2011(平成23)年8月31日号(No.64)-110831-《死すべき者》人間
 ~二大英雄叙事詩~ホメロス『イリアス』『オデュッセイア』
http://archive.mag2.com/0000257388/20110831120000000.html

2011(平成23)年9月30日号(No.66)-110930-《死すべき者》人間~
 <アキレウスの怒り>『イリアス』ホメロス
http://archive.mag2.com/0000257388/20110930120000000.html

2011(平成23)年10月31日号(No.68)-111031-《死すべき者》人間~
 夫婦と家族『オデュッセイア』ホメロス
http://archive.mag2.com/0000257388/20111031120000000.html

2011(平成23)年11月30日号(No.70)-111130-善意の季節
『あるクリスマス』カポーティ
http://archive.mag2.com/0000257388/20111130120000000.html


2011年12月15日(木)

本選びは読書の第一歩:最初の一冊の選び方(7)本選び(選書)の方法II共通事項

テーマ:メルマガ「楽しい読書」

私の読書論-26-初心者のための読書の仕方を考える(10)
―第71号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記


★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★
2011(平成23)年12月15日号(No.71)-111215-
私の読書論-26-初心者のための読書の仕方を考える(10)
最初の一冊の選び方(7) 本選び(選書)の方法 II
http://archive.mag2.com/0000257388/20111215120000000.html


いよいよ本選びについて書きます。


正直、本を選ぶというのは、読書そのものと言っていいのです。
選ぶためには本を“下読み”しなければいけないからです。


書棚の本を見る。
手にとってパラパラッと見る。
―それは、実はもう読書の始まりなのです。


何も中身を一ページ目から最後のページまで残らず読むことだけが読書ではないのです。

まずは本を選ぶ。
その段階から読書は始まっています。


どのような本を選ぶかで、その人が評価されるといっても過言ではないでしょう。


阿刀田高氏のエッセイ「奥さまと本棚」(『日本語を書く作法・読む作法』角川文庫 平成23年4月 収録)にこんな文章で締めくくられています。

《そう言えば私的な本棚も人に見せないもの。これも読んでいる本をつぶさに知られて、/――こんなくだらんもん読んでいるのか。この間の意見、ねた本はこれか――/と見やぶれられる。奥さんと本棚は他人に見せないもの、そんな教訓もあるようだ。》
p.166
日本語を書く作法・読む作法 (角川文庫)/阿刀田 高
¥540
Amazon.co.jp

実際に、作家や著名人が自分の書斎なり仕事場で、書棚をバックに写真を撮っているのをよく見かけます。
背景に映っている本の一冊一冊を点検することに楽しみを見出している人も少なくありません。
(かく申す私がその一人です。)


蔵書がその人を表すと信じられるからです。


今日のその人を作ってきた歴史がそこに滲みだしている。
人生そのものが垣間見える。
―そんなふうに感じられるものです。


だから、というのもなんですが、蔵書は重要です。
何を読み、何を手元に置くか、それでその人が決まる。


これは本に限りません。
さまざまもの、みなすべてです。


時には人もそのうちに含まれるでしょう。
どのような人が親交があるのか、ということです。


読書も実は親交です。


誰と交友関係を持つか、誰と親しんでいるか。
それはそのまま、どういう本を読み、どういう本と親しんでいるか、です。


私は本が友達です。


しかもある人は本を友とするだけではなく、“友と本をする”
―言い換えれば、友と本について語ることこそ、大切だと言います。


それほど本―読書というものは、重要なもの―大切な行為と考えられています。


とにかく、本を読みましょう!


今読んでいない人はもちろん、読んでいる人も。
ドンドン本を読んで、何かを自分のものにしてください。


これから年末年始のお休みがあります。
帰省の乗り物の中で、待ち時間に、おしゃべりやゲームもいいでしょうけれど、ちょこっと本を読んでみるのも楽しいものですよ。


いつもと違う自分になれるのも、本―読書の効用です。


クリスマス・プレゼントに本を贈るのも粋なものです。


以上、“元本屋の兄ちゃん”からのお願いでした。

2011年11月30日(水)

善意の季節『あるクリスマス』カポーティ

テーマ:メルマガ「楽しい読書」

―第70号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」「別冊 編集後記」


◆古典から始める レフティやすおの楽しい読書◆

2011(平成23)年11月30日号(No.70)-111130-善意の季節
『あるクリスマス』カポーティ
http://archive.mag2.com/0000257388/20111130120000000.html


子供のころから、あまり「楽しいクリスマスの思い出」というものはありません。


もちろん貧しいなりにクリスマスの思い出はあります。
当時、親としては精一杯のことをしてくれたのだと思っています。


大人になってもからもこれといって何もない人生でした。
まあ、これは自分の責任でしょうけれど…。


そんな中で、本誌で取り上げたカポーティ「あるクリスマス」は、ある意味ではうらやましい限りです。
でも、別の意味ではやはり悲しい思い出なのだろうという気がします。


幸い我が家は、両親のそろった家庭で、両親と兄弟の愛情に包まれて育ってきました。


カポーティ、いえ、この小説の主人公は、恵まれない家庭環境の中で、それなりに楽しみを持って、クリスマスを過ごしてきたのでしょう。
それはまさにの中に描かれていたようなクリスマスだったのでしょう。


それは、誰もが少しは経験したことのあるクリスマスの楽しみ―。


 ・・・


さあ、あなたは今年どのようなクリスマスを過ごしますか?
誰かにプレゼントを渡しますか?
誰かからプレゼントをもらえそうですか?


私は、大切な人に、心温まるクリスマスのお話の詰まった本をプレゼントできたら、とそう願っています。


そう、私からのクリスマスプレゼントが、このメルマガ「善意の季節『あるクリスマス』カポーティ」です。
楽しんでもらえたらいいのですが…。



★『誕生日の子どもたち』トルーマン・カポーティ/著 村上春樹
/訳 文藝春秋(2002)

クリスマスの思い出を語る二短編を含む子供のイノセントをテーマにした短編集。

二作は互いに正反対の状況を描いた自伝的作品で、

「―思い出」は少年に与えられた贈り物、

「ある―」は逆に少年が与えた贈り物の思い出話といえる抒情的名編。

誕生日の子どもたち (文春文庫)/トルーマン カポーティ
¥620
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●「クリスマスの思い出」を収録した短編集

ティファニーで朝食を (新潮文庫)/トルーマン カポーティ

¥580
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●村上春樹の訳文と山本容子の銅版画で読むクリスマスの小品:

(大切な人へのプレゼントに最適!?)

クリスマスの思い出/トルーマン カポーティ
¥1,650
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あるクリスマス/トールマン カポーティ
¥1,550
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2011年11月15日(火)

最初の一冊の選び方(6) 本選び(選書)の方法 I 読書の目的

テーマ:メルマガ「楽しい読書」

私の読書論-26-初心者のための読書の仕方を考える(9)
最初の一冊の選び方(6) 本選び(選書)の方法 I 読書の目的
―第69号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記


★「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」★
2011(平成23)年11月15日号(No.69)-111115-
私の読書論-26-初心者のための読書の仕方を考える(9)
最初の一冊の選び方(6) 本選び(選書)の方法 I 読書の目的
http://archive.mag2.com/0000257388/20111015120000000.html


本紙本文の「読書は食事に、本は食べ物に譬えられる」という話題に登場しました、
今読みかけている本―『人生論としての読書論』森信三/著(致知出版社、2011.4)
のなかで、私が面白いと思ったのは、「読書は心の食物」に関するこんなくだりです。



《即ち「自分は近ごろ忙しくて、とても本など読んでいられない」と放言して憚らない人は少なくないが、そうした人々でも「近ごろは忙しいので、食事は一切しないことにしている」という人は、一人だってあろうはずがないのである。》

(p.29、「(一)読書と人生」<3読書は心の養分>)

また、

《「読書は心の食物だから、書物を読まない人は、食物を摂らない人が肉体的に日々衰弱してゆくのと同じことですよ」などと仮に言ってみたとしても、それは理屈としてはある程度うなずくとしても、実感としてはおそらく納得しないだろうと思うのである。》
(p.31、同)

肉体はその栄養の不足や欠乏を飢餓感として痛感するだろうけれど、精神の栄養の欠乏は我身に実感しないからである、と。


だから、普段から「心の栄養」としての読書が、生活の習慣として身についている人ならともかく、日常的に「心の栄養」として本を読まない人の場合は、欠乏を実感しないというのです。


これは本を読書を食べ物や食事に譬える場合、考え直さなければいけないポイントでしょう。


食事というよりおやつに譬えられればいいのです。

しかし、実際に、読書を心の糧としている人から見れば、おやつではなく、やはりメインの食事なのです。


その辺がちょっとギャップですね。


読書自体は不要とも言えます。
世界そのものを読めばいいのですから。


有史以来の人類の歴史でも、そういう偉人は沢山いたことでしょう。


そうすると、読書の意義というものも考え直さねばならないのでしょうか?

難しい問題です…。



人生論としての読書論/森 信三
¥1,680
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【お知らせ】


 ☆★彡 クイズ・たのどく・ドン! ★☆彡 ~第1回~


今月より「クイズ・たのどく・ドン!」を始めました。

詳細は本誌で!

2011年10月31日(月)

《死すべき者》人間~夫婦と家族『オデュッセイア』ホメロス

テーマ:メルマガ「楽しい読書」

―第68号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書


2011(平成23)年10月31日号(No.68)-111031-《死すべき者》人間~
 夫婦と家族『オデュッセイア』ホメロス
http://archive.mag2.com/0000257388/20111031120000000.html


◆実に三か月に渡るホメロス編となってしまいました。


初めて読んだ『イリアス』があまりにも感動的であったがゆえのこと。


7月以来、ホメロス関係の本を読み続けて来ました。


『イリアス』は二種類の訳本を読みました。

かたや二段組み450ページほどの一巻本、もう一つは上下900ページほどの文庫二巻本。
どちらも活字びっしりで、読み応え十分です。


一方、『オデュッセイア』は、文庫本上下700ページほど。
こちらは比較的短い本でした。


本文でも書きましたように、こちらは、もう一つ芯になるものが弱い感じで、『イリアス』に比べると重厚さに欠けるという気がしました。


どちらにしろ、ホメロスと両作品、およびその解説書研究書、ギリシア文学やギリシア神話の関連本の類も含めて、楽しい読書の時間となりました。


読者の皆様にもその思いが伝わっていればよいのですが…。



『イリアス 完訳』小野塚友吉/訳 風涛社 2004.2

完訳 イリアス/ホメロス
¥3,990
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『イリアス』[上下] 松平千秋/訳 岩波文庫 1992.9

イリアス〈上〉 (岩波文庫)/ホメロス
¥945
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『オデュッセイア』[上下] 松平千秋/訳 岩波文庫 1994.9

ホメロス オデュッセイア〈上〉 (岩波文庫)/著者不明
¥840
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『ギリシア文学散歩』斎藤忍随/著 岩波現代文庫[文芸126] 2007.8.17(元本1987)

ギリシア文学散歩 (岩波現代文庫)/斎藤 忍随
¥1,260
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『ギリシャ神話 神々の愛憎劇と世界の誕生』新人物往来社/編 新人物往来社 ビジュアル選書 2010.6.24

ギリシャ神話―神々の愛憎劇と世界の誕生 (ビジュアル選書)/著者不明
¥1,890
Amazon.co.jp

『完訳 ギリシア・ローマ神話』[下]トマス・ブルフィンチ/著 大久保博/訳 角川文庫 昭和45.12初版,平成16.5増補改訂版(原著1855)

完訳 ギリシア・ローマ神話〈下〉 (角川文庫)/トマス ブルフィンチ
¥580
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 ★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★
・2011(平成23)年8月31日号(No.64)-110831-《死すべき者》人間
 ~二大英雄叙事詩~ホメロス『イリアス』『オデュッセイア』
http://archive.mag2.com/0000257388/20110831120000000.html

「別冊 編集後記」8.31 《死すべき者》人間~二大英雄叙事詩~
ホメロス『イリアス』『オデュッセイア』
―第64号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」
http://ameblo.jp/lefty-yasuo/entry-10999785247.html


・2011(平成23)年9月30日号(No.66)-110930-《死すべき者》人間~
 <アキレウスの怒り>『イリアス』ホメロス
http://archive.mag2.com/0000257388/20110930120000000.html

「別冊 編集後記」9.30 《死すべき者》人間~
 <アキレウスの怒り>『イリアス』ホメロス
―第66号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」
http://ameblo.jp/lefty-yasuo/entry-11032542132.html



◆今後もニ、三カ月古代ギリシア関連の本を紹介します。


人生訓の古典『イソップ寓話』や、<ギリシア悲劇>の三大作家、ギリシア神話、そして再び哲学のプラトンアリストテレスの代表作などに触れることができれば、と考えています。


乞うご期待!



◆もう一つお知らせです。


本誌末尾にも書きましたように、来月より「クイズ・たのどく・ドン!」を始めます。
(どっかで聞いたなあ?)とお思いの方もあるでしょうが、あれです!


名著名作の書き出しや結びの一節から、著者名作品名を当てるというクイズ。


月の前半で第一ヒント、月の後半で第二ヒントという感じで、やってみようと思います。
回答は、本誌に返信してください。
締め切りはその都度次号の出る前日まで、とします。


で、前半で正解された方には、2ポイント。
後半で正解された方には、1ポイントを進呈。
20ポイント獲得された方には、何かオリジナルの記念品をプレゼントできれば、と考えています。


では、お楽しみに!



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