文学初心者入門書―文庫版“ちくま文学の森”から | レフティやすおの作文工房

文学初心者入門書―文庫版“ちくま文学の森”から


レフティやすおの作文工房-文庫版“ちくま文学の森”
―第47号「レフティやすおの楽しい読書」別冊編集後記


●レフティやすおの楽しい読書●
2010(平成22)年11月30日号(No.47)-101130-
 文庫版“ちくま文学の森”から
http://archive.mag2.com/0000257388/20101130120000000.html


私は以前、図書館で“ちくま文学の森”のシリーズが並んでいるのを見て、
手に取り、非常におもしろい企画だと思いました。


装丁も上品で雰囲気があり、選者もそれぞれ個性的で、
内容的にも、色とりどりな印象でした。


選ばれている作品のいくつかは、既読のもので、
各巻のテーマとの距離感といったものも、だいたい分かりました。


その当時は、既読が含まれているということもあり、
改めて読むことはありませんでした。
いずれ機会があれば、読んでみてもいいなあ、という感じでした。


今回、本誌で露伴を取り上げるにあたって、
露伴の小説を読もうとした時に、
このアンソロジーを手に取りました。


露伴の小説は、やはり現代の私たちには読みづらい所があり、
このアンソロジーのように
表記が「改善」されていると助かります。


この本は、本文でも紹介していますように、
現代の若い人、読書初心者に読みやすいように、原文を尊重しながらも、
現代的な表記に改め、読みやすくされています。



ということで、露伴の小説でも読みやすくなっているのでした。

来月取り上げる予定の樋口一葉の二大名作「たけくらべ」「にごりえ」も収録されていて、
これらも読みやすくなっています。


私は、早川書房【異色作家短編集】のような“奇妙な味”系の短編小説や
『怪談』のような“幻想と怪奇”系の短編小説などが好みで、
色々と読んでいます。


主に海外の翻訳ものが中心ですが、日本の作品も少しは読んでいます。
元々が上田秋成『雨月物語』から入ったようなものですから。
(もちろんそれは子供向けのものでしたが。)


この“ちくま文学の森”でも、それらの作品が比較的多く収録されています。



特に、第3巻『変身ものがたり』などはその最たるものでしょう。

本文でも一部触れていますが、

上田秋成『雨月物語』から「夢応の鯉魚」や、夏目漱石「夢十夜」、
中島敦「山月記」、泉鏡花「高野聖」、乱歩の「人間椅子」など。
アポリネール、エーメ、ダンセイニ、ゴーチエ、ゴーゴリといった海外勢。

萩原朔太郎の詩(巻頭)と「猫町」が含まれているのが何とも言えません。


以下続刊も楽しみです。


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