2009年05月31日(日)

『自助論』=『西国立志編』元祖自己啓発書―第18号「楽しい読書」別冊編集後記

テーマ:メルマガを作る

●「レフティやすおの楽しい読書」―別冊編集後記
2009(平成21)年5月31日号(No.18)-090531-
『自助論』=『西国立志編』元祖自己啓発書
http://archive.mag2.com/0000257388/index.html


月末は、従来どおりの古典の名著・名作を紹介しています。


今月は、明治の初期に福澤諭吉の『学問のすゝめ』とともに国民的教科書といわれた、中村正直によって翻訳紹介された『西国立志編』(1871[明治4]年)であった、スマイルズの当時の世界的名著"Selp-Help"、元祖・自己啓発ビジネス本ともいうべき『自助論』の紹介です。


私がこの『自助論』を読んだのは、まだ最近、ここ四、五年前のことです。


どうしてこの本を手に取るようになったかといいますと、友人に『西国立志編』が好きだという人がいたこと、そして、古典の名著・名作を読むようになり、それらの手引書ともいうべき本を読んでいたときにこの本が紹介されていたからでした。


また、当時の小泉首相が取り上げたということもありました。


そして、もう一つ重要な要素は、なんとあの地球物理学の世界的権威であり、科学雑誌『ニュートン』の編集長でもあった、わが敬愛する東大名誉教授、竹内均先生が翻訳・解説しているということでした。


それで読んでみようという気になったのです。


一読、ガーン!という感じです。


線を引きながら読んだとしたら、もうあれもこれもという状況になります。

どれも一言一言心に響きます。


目次を紹介しますと、(手元にある本は、2004年10月1日改訂新版第3刷です。)


1章 《自助の精神》人生は自分の手でしか開けない!
2章 《忍耐》雨霜に打たれてこそ若芽は強く伸びる!
3章 《好機、再び来たらず》人生の転機を見抜く才覚、生かす才覚
4章 《仕事》向上意欲の前にカベはない!
5章 《意志と活力》自分の使命に燃えて生きる!
6章 《時間の知恵》「実務能力」のない者に成功者なし
7章 《金の知恵》楽をするには汗をかけ!
8章 《自己修養》最高の知的素養は一日の仕事から生まれる
9章 《すばらしい出会い》人生の師・人生の友・人生の書
10章 《人間の器量》人格は一生通用する唯一の宝だ!
訳者解説 自己鍛錬のための普及の人生論 


冒頭「天は自ら助くるものを助く」という言葉に始まります。


これは昔どこかで聞いたことのある言葉です。


そして、『西国立志編』の翌年に出版された、福澤諭吉の『学問のすゝめ』の冒頭の言葉「天は人の上に人をつくらず、人の下に人をつくらず」と呼応するようなところがあります。


どちらにしろ、我々人間は、<大いなるもの>によって見守られた存在である、ということを示しているのではないでしょうか。


これが日本人の典型的な世界観・宗教観であると見てよいように思います。


そして、それは何も、キリストに代表されるような絶対神であるかどうかはわかりません。


何かわからないけれど、たとえば、お正月に拝む初日の出であったり、なにかのときに見る自然現象の中の驚異であったり、といったものに現れるものが、そういうものであるのかもしれません。


とにかく、努力は報われるのだ、と人がいうときの、頼りとするものがそこにあるように思います。


 ・・・


私が一番心打たれたのは、第5章の冒頭の「道なくば道を造る」でした。


古代スカンジナビアの紋章に刻まれた言葉「われは道をさがす。道なくば道をつくる」です。(p.101)

独立不羈の心の表現だとあります。


「どんな分野であれ、成功に必要なのは秀でた才能ではなく決意だ。あくまで精一杯努力しようという意志の力だ。」(p.103)


そして、「希望は力なり」と。(同)


ある日本の詩人は、「僕の前に道はない 僕の後ろに道は出来る」と詠いました。


人の思いというものは、古今東西変わらないものなのでしょう。


人の心を打つのは、そういう意志の力を高らかにうたうものなのでしょう。


 ・・・


明治の開化期に青年の心をつかんだのも、そういう思いだったのではないでしょうか。


そして、今も元祖自己啓発ビジネス書として生きている理由もその辺にあるのでしょう。


ぜひご一読を。


--
※ 過去の「楽しい読書」別冊編集後記:

2009.5.15

私の読書論~その2―読書の三種類(続)―第17号「楽しい読書」別冊編集後記

2009.4.30

私の読書論~その1・読書の三種類―第16号「楽しい読書」別冊編集後記

2009.3.31

『地底旅行』ジュール・ヴェルヌ<驚異の旅>―第15号「楽しい読書」別冊編集後記
2009.2.28
『学問のすゝめ』新時代の国民教科書―第14号「楽しい読書」別冊編集後記
2009.1.31
『失われた世界』英雄的行為としての秘境探検―第13号「楽しい読書」別冊編集後記
2008.12.31
『ソクラテスの弁明』まとわりつく虻―第12号「楽しい読書」別冊編集後記
2008.12.6
『クリスマス・キャロル』善意の季節―第11号「楽しい読書」別冊編集後記
2008.9.30
『黄金虫』海賊ゴッコから探偵ゴッコへ―第10号「楽しい読書」別冊編集後記
2008.8.31
『歎異抄』弱きを救う阿弥陀さま―第9号「楽しい読書」別冊編集後記
2008.8.15
夏休み特別編・読書感想文を書く―第8号「楽しい読書」別冊編集後記
2008.7.31
夏休み特別編・夏の文庫100冊から海の古典―第7号「楽しい読書」別冊編集後記
2008.6.30
『宝島』海賊ゴッコの聖典―第6号「楽しい読書」別冊編集後記
2008.5.31
『三教指帰』天才青年空海の主張―第5号「楽しい読書」別冊編集後記
2008.4.30
古典としての『星の王子さま』―第4号「楽しい読書」別冊編集後記
2008.3.31
ビジネス自己啓発本としての『老子』または人の在り方...第3号「楽しい読書」別冊編集後記
2008.3.10
大人も楽しい『トム・ソーヤーの冒険』―第2号「楽しい読書」別冊編集後記
2008.2.24
ろんご・ロンゴ・論語―創刊号「楽しい読書」別冊編集後記
---
「レフティやすおの楽しい読書」
バックナンバー
『左組通信』「レフティやすおの楽しい読書」のページ
--
■レフティやすおのもう一つのメルマガ:
―発行部数約300部!日本一の左利きによる右利きと左利きのための左利きの"現役"定期メルマガ―
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
『左組通信』「左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii」 のページ

コメント

[コメント記入欄を表示]

コメント投稿

コメント記入欄を表示するには、下記のボタンを押してください。
※新しくブラウザが別ウィンドウで開きます。

一緒にプレゼントも贈ろう!

トラックバック

この記事のトラックバック Ping-URL :

http://trb.ameba.jp/servlet/TBInterface/10270223834/5f2c2259