2008年03月31日(月)

ビジネス自己啓発本としての『老子』または人の在り方...第3号「楽しい読書」別冊編集後記

テーマ:メルマガを作る


老子
●「レフティやすおの楽しい読書」―別冊編集後記
2008(平成20)年3月号(No.3)-080331-“水”のような生き方『老子』


《ビジネス自己啓発本としての『老子』または人の在り方―心の持ち方を考える本》


創刊号で、『論語』を取り上げました。
とすると、次はやはり『老子』でしょう。


『老子』は、また『老子道徳経』とも呼ばれる、古代中国の思想哲学書です。


紀元前300年ごろには原本となるものが成立していたと考えられています。

上編「道経」37章、下編「徳経」44章、あわせて「道徳経」81章。

字数にして五千数百字、中国語は一字一語ですので、五千数百語からなる、短い本です。


『論語』と『老子』は、よりよき人生を考えるための左右の両輪だ、と私は考えています。


このメルマガ「楽しい読書」の「別冊編集後記」の一回目、


ろんご・ロンゴ・論語―創刊号「楽しい読書」別冊編集後記
http://ameblo.jp/lefty-yasuo/entry-10075192487.html

で『論語』を

 「私は一種人生のマニュアル本などと呼んでいます。」

と書きました。


『論語』は、


 人と人の間―<人間>関係を円滑にするための
 マニュアルを書いている本、


といってもよいかと思います。


一方、『老子』


 この世の在り方の秘密を教えてくれる本
 人の心の持ち方在り方を教えてくれる本


という気がします。


一般的には、孔子の『論語』は、『孟子』共々、孔孟思想とか、儒教と呼ばれ、
老子の『老子道徳経』は、『荘子』共々、老荘思想、道教と呼ばれるようになってゆきます。


日本では、『論語』―儒教の方が一般的となり、『老子』―道教は、さほど広まらなかったようです。


『老子』や老荘思想、道教についての一般的な理解としては、


  逆説に満ちた抽象的なの表現で
  何を言いたいのかわかりにくくて難しい本

  欲望を否定して人里離れて自然と暮らす隠居した人や
  浮世離れした仙人のような人たちの思想


といったイメージでしょうか。


それゆえ、『論語』に比して
ビジネス系の自己啓発本などのネタにはなりにくい
ようで、そういう傾向の本が少なく、一般的な入門書は少ないようです。


でも本当にそうでしょうか。
ちょっと考え違いな気もします。


まずその辺から書いてみましょう。


 ・・・


ビジネス系の自己啓発本に使われない理由は、

先にも上げましたように、


 「足るを知る」といった欲望を否定するような発言がみられること
 「不争」―争わないといった姿勢が積極的な経済活動にそぐわない


という印象があるからでしょう。


しかし、なるほど高度成長時代には不向きだったかもしれませんが、

現代のような時代には、『老子』のこのような姿勢こそ大事なポイントとなるように思います。

というのは、


 「足ると知る」ことで、適切な利益で満足する。
 「不争」の姿勢で、過当競争に陥らない。


といった教訓を学ぶことができるのです。


昨今の一連の偽装事件でも、行過ぎた利益至上主義のようなものが根底にあったと思われます。


もし『老子』の考えを実践していたら、どうだったでしょうか?



楠山春樹は、『老子入門』(講談社学術文庫 2002)のなかで、


 <老子は無為に生きよ、自然のままがよいという。>


無為とは、
 <無作為、つまりことさらな行為をしない>ということ。

すなわち、
 <贅肉を削り落とせ>
ということだ、と書いています。


そして、
 <それが人のあるがままの自然な姿だ>
と。


『心が安まる老子』(伊藤淳子/訳 PHPエディターズ・グループ/発行 PHP研究所/発売 2006)
なんていう本は、
『老子』をリーダー論として読み解いている部分があります。


もともと『老子』には、政治論としての治世の書の側面もあります。
聖人はかくあれ的なことが書かれています。


中国・戦国時代に成立したといわれる『老子』だけに、当時の社会状況から見ても、納得の行く話です。


そういう点でも、自己啓発本のネタになっても不思議ではないのです。


 ・・・


でも、そういうことよりも、私にとってはやはり、メルマガでも書きましたように、一つの心のよりどころとしての『老子』です。


人の在り方―心の持ち方を考える本なのです。


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※ 過去の「楽しい読書」別冊編集後記:
2008.3.10
大人も楽しい『トム・ソーヤーの冒険』―第2号「楽しい読書」別冊編集後記
http://ameblo.jp/lefty-yasuo/entry-10078843903.html
2008.2.24ろんご・ロンゴ・論語―創刊号「楽しい読書」別冊編集後記

http://ameblo.jp/lefty-yasuo/entry-10075192487.html


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