ビジネス自己啓発本としての『老子』または人の在り方...第3号「楽しい読書」別冊編集後記
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●「レフティやすおの楽しい読書」―別冊編集後記
2008(平成20)年3月号(No.3)-080331-“水”のような生き方『老子』
《ビジネス自己啓発本としての『老子』または人の在り方―心の持ち方を考える本》
創刊号で、『論語』を取り上げました。
とすると、次はやはり『老子』でしょう。
『老子』は、また『老子道徳経』とも呼ばれる、古代中国の思想哲学書です。
紀元前300年ごろには原本となるものが成立していたと考えられています。
上編「道経」37章、下編「徳経」44章、あわせて「道徳経」81章。
字数にして五千数百字、中国語は一字一語ですので、五千数百語からなる、短い本です。
『論語』と『老子』は、よりよき人生を考えるための左右の両輪だ、と私は考えています。
このメルマガ「楽しい読書」の「別冊編集後記」の一回目、
ろんご・ロンゴ・論語―創刊号「楽しい読書」別冊編集後記
http://ameblo.jp/lefty-yasuo/entry-10075192487.html
で『論語』を
「私は一種人生のマニュアル本などと呼んでいます。」
と書きました。
『論語』は、
人と人の間―<人間>関係を円滑にするための
マニュアルを書いている本、
といってもよいかと思います。
一方、『老子』は
この世の在り方の秘密を教えてくれる本
人の心の持ち方在り方を教えてくれる本
という気がします。
一般的には、孔子の『論語』は、『孟子』共々、孔孟思想とか、儒教と呼ばれ、
老子の『老子道徳経』は、『荘子』共々、老荘思想、道教と呼ばれるようになってゆきます。
日本では、『論語』―儒教の方が一般的となり、『老子』―道教は、さほど広まらなかったようです。
『老子』や老荘思想、道教についての一般的な理解としては、
逆説に満ちた抽象的なの表現で
何を言いたいのかわかりにくくて難しい本
欲望を否定して人里離れて自然と暮らす隠居した人や
浮世離れした仙人のような人たちの思想
といったイメージでしょうか。
それゆえ、『論語』に比して
ビジネス系の自己啓発本などのネタにはなりにくいようで、そういう傾向の本が少なく、一般的な入門書は少ないようです。
でも本当にそうでしょうか。
ちょっと考え違いな気もします。
まずその辺から書いてみましょう。
・・・
ビジネス系の自己啓発本に使われない理由は、
先にも上げましたように、
「足るを知る」といった欲望を否定するような発言がみられること
「不争」―争わないといった姿勢が積極的な経済活動にそぐわない
という印象があるからでしょう。
しかし、なるほど高度成長時代には不向きだったかもしれませんが、
現代のような時代には、『老子』のこのような姿勢こそ大事なポイントとなるように思います。
というのは、
「足ると知る」ことで、適切な利益で満足する。
「不争」の姿勢で、過当競争に陥らない。
といった教訓を学ぶことができるのです。
昨今の一連の偽装事件でも、行過ぎた利益至上主義のようなものが根底にあったと思われます。
もし『老子』の考えを実践していたら、どうだったでしょうか?
楠山春樹は、『老子入門』(講談社学術文庫 2002)のなかで、
<老子は無為に生きよ、自然のままがよいという。>
無為とは、
<無作為、つまりことさらな行為をしない>ということ。
すなわち、
<贅肉を削り落とせ>
ということだ、と書いています。
そして、
<それが人のあるがままの自然な姿だ>
と。
『心が安まる老子』(伊藤淳子/訳 PHPエディターズ・グループ/発行 PHP研究所/発売 2006)
なんていう本は、
『老子』をリーダー論として読み解いている部分があります。
もともと『老子』には、政治論としての治世の書の側面もあります。
聖人はかくあれ的なことが書かれています。
中国・戦国時代に成立したといわれる『老子』だけに、当時の社会状況から見ても、納得の行く話です。
そういう点でも、自己啓発本のネタになっても不思議ではないのです。
・・・
でも、そういうことよりも、私にとってはやはり、メルマガでも書きましたように、一つの心のよりどころとしての『老子』です。
人の在り方―心の持ち方を考える本なのです。
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※ 過去の「楽しい読書」別冊編集後記:
2008.3.10
大人も楽しい『トム・ソーヤーの冒険』―第2号「楽しい読書」別冊編集後記
http://ameblo.jp/lefty-yasuo/entry-10078843903.html
2008.2.24ろんご・ロンゴ・論語―創刊号「楽しい読書」別冊編集後記
http://ameblo.jp/lefty-yasuo/entry-10075192487.html
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