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[記事作成・編集]
―第64号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記
◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆
2011(平成23)年8月31日号(No.64)-110831-《死すべき者》人間
~二大英雄叙事詩~ホメロス『イリアス』『オデュッセイア』
http://archive.mag2.com/0000257388/20110831120000000.html
実は今回、ホメロスを一回で紹介するつもりでした。
でも実際に両作を読んでみますと、
「一回で済ますのは惜しい」という気持ちになりました。
そこで、今回は総論的に両作を扱い、その後、個々の作品を見てゆくことにします。
8、9、10月と、都合三カ月にわたってお送りすることになります。
それほど強い感銘を受けた、ということです。
ただそれを私の文章でお伝えできるかどうかは、心もとないのですが…。
・・・
とにかく約2800年前の古代ギリシアで成立したといわれるお話です。
現代の日本とは遠くかけ離れた時と場所―。
さらに、登場するのは神様たちと神様の子供でもある人間たちとただの人間たち―。
彼らが繰り広げる人間(?)模様のあれこれ―。
とにかく神様といえども、実に人間臭いのです。
そして、神様の子供として生まれた人間<英雄>たちの振る舞いも、
ただの人間の王様たちも。
《死すべき者》としての人間の悲嘆と、それでも勇気を持って生きてゆく姿を描いている、
とでもいうべきでしょうか。
現代の日本では一部の研究者でもない限り全編を読みとおす人は少ない、と言われているようです。
しかし、これはもったいない。
(翻訳でも)原典を読んでいなくても、おおざっぱな話の内容を知っている人は多いでしょう。
ブラッド・ピッド主演の映画『トロイ』とか、シュリーマンのお話とかで、
<トロイの木馬>とトロイア戦争のことはご存知でしょう。
あるいは、<オデッセイ>と呼ばれる一連の物語等により、
オデュッセウスの冒険物語についても。
しかし、それでも原典を読んでいただきたい、と痛切に感じます。
私のような人間でもこれだけ楽しく、かつ心にジーンとくる感動を、感銘を受けたのですから。
これから人生の機微に触れてゆく若い人、人生経験を積んでゆく人は、必読です。
感受性豊かな人、人間味の濃い人なら、また人生を味わい尽くしてきた人等には、
読み応え十分な内容でしょう。
だてに2800年生き延びてきた作品ではありません。
もちろん、ギリシア語の原典で読めればそれに越したことはありませんが、
私も含めて、一般の人にはそれは無理なお話です。
翻訳で十分楽しめます。
さいわい日本には読みやすい翻訳本があります。
先人の苦労に大いに感謝いたしましょう!
●ホメロス
『オデュッセイア』[上下] 松平千秋/訳 岩波文庫 1994.9
『イリアス』[上下] 松平千秋/訳 岩波文庫 1992.9
●簡単でわかりやすく優れた入門書・紹介書
『ホメロスを楽しむために』阿刀田高/著 新潮社 1997.4 (新潮文庫)2000.10
●「トロイア戦争」を描く映画
2018-04-15
2018-02-28
2018-02-15
私の読書論-24-初心者のための読書の仕方を考える(6)
―第63号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記
★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★
2011(平成23)年8月15日号(No.63)-110815-
私の読書論-24-初心者のための読書の仕方を考える(6)
http://archive.mag2.com/0000257388/20110815120000000.html
本誌では「最初の一冊の選び方」について引き続き書いています。
今月末の古典紹介編で扱う予定のホメロスの英雄叙事詩『イリアス』『オデュッセイア』も例に挙げて書いています。
その部分で現代日本の例として挙げています、万城目学著『鴨川ホルモー』もなかなかのものです。
あまりこういう現代ものは読んでこなかったのですが、機会があり、ちょっと読んでみました。
やはりそれなりに面白いものがあります。
何といっても奇想天外なお話で、私に合う部分があったのでしょう。
私の好みでは、スピンオフ作品集『ホルモー六景』の最後の一編「長持ちの恋」が、最高!
時の壁を超えるちょっと悲しくて楽しい泣き笑いの恋物語、ロマンチックSFの秀作といったところです。
何でもかんでも日本の現代ものがいけない、というのではありません。
ただ安易に流れる癖をつけない、ということを念頭において欲しい、ということです。
日本人作家の現代ものは、とっつきやすさ、親しみやすさがあり、それゆえに読みやすさがあります。
何しろ今私たちが生きている時代・場所を、作品の舞台として扱っているのですから。
読みやすさに流されて、それだけに終始すると、その時その時の楽しさを味わうだけの刹那的な人生になってしまいかねません。
読書には、食事と同じで、二つの側面があります。
栄養をつける部分と味を楽しむ部分と。
現実には、二つを同時に、というのは贅沢です。
不可能ではありませんが…。
場面により、どうしてもどちらかを優先しなければなりません。
しかも、どちらか一方に偏ってもいけません。
それでは、偏食になります。
心の健康によくありません。
何事もバランスが大切です。
また、時期によっても異なります。
学ぶときは学ぶ、遊ぶときは遊ぶ。
メリハリも大事です。
今、あなたはどちらの時期ですか?
あるいは、どちらの気分ですか?
そして本は、先生でもあり、友達でもあります。
今、どちらを選びますか?