2011年04月30日(土)

簡素で高貴な生活『ウォールデン森の生活』H・D・ソロー

テーマ:メルマガ「楽しい読書」

―第56号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記


2011(平成23)年4月30日号(No.56)-110430-簡素で高貴な生活
『ウォールデン 森の生活』H・D・ソロー
http://archive.mag2.com/0000257388/20110430120000000.html


本誌本文の最後にこう書きました。

--
3月11日、東日本大震災で、
街一つがまるまる津波にのみ込まれるという
悲劇が各地で発生しました。

身一つでかろうじて被害を逃れた人も大勢いらっしゃいます。

そんなすべてを失くした人に、ソローはこういうかもしれません。

物質文明は快適で便利です。
しかし、命と交換するに値する贅沢品などありません。
生きてゆく上で必要な衣食住を賄えればいいじゃないですか、
大切なことは、真に「生きた」と言える精神的な充実です、と

--


改めてこんな言葉も追記しておきます。


 《君の生活がいかに見劣りのするものであろうとも、それにまともにぶつかり、それを生きよ。
  それを避けたり、けなしたりするな。それは君自身ほど悪くはない。
  それは君がもっとも富んでいるとき、もっとも貧弱に見える。
  あら探し屋は天国でもあら探しをするだろう。
  貧しくとも、君の生活を愛したまえ。賢人らしく、菜園の野菜のように君の貧しさを耕せ。
  衣服でも友人でも新しいものを手に入れようとあせることはない。
  古いものに目を向け、古いものに戻るがいい。
  事物は変わらない。われわれが変わるのである。
  君の服を売りはらい、君の思想をとっておきたまえ。
  神は君を決してひとりぼっちにはしないだろう。
  かりに私がクモのように一日中、屋根裏部屋の片隅に閉じ込められたとしても、
  自分の思想さえ失わなければ、世界はいぜんとして私にとって同じ広さのままなのだ。
  哲人は言った。「三軍もその帥(すい)を奪うべきなり、匹夫もその志を奪うべからざるなり」》


 『要約 世界文学全集II』木原武一/著 新潮文庫 2004.1.1「森の生活」p.99 より



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 【付録】 『ウォールデン 森の生活』とソローの本を楽しむ
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● 原典を読む:


ヘンリー・デイヴィッド・ソロー Henry David Thoreau(1817-62)
『ウォールデン 森の生活』 Walden; Or, Life In The Woods(1854)


▲★『ウォールデン 森の生活』今泉吉晴/訳 小学館(2004.5.1)
―山梨県の森に小屋を建て「森の生活を始めた」学者による訳書。
 原書を模した装丁の本。著者のイラストや訳注を欄外に収める。
 《19世紀末のアメリカ人作家が、森暮らしの素晴らしさを綴った
 名随筆。自然や人生に対する鋭い洞察と名言の数々を、自らナチ
 ュラリストである大学教授が読みやすいように新訳。原作の本当
 の素晴らしさを伝える。》

ウォールデン 森の生活/ヘンリー・D. ソロー
¥3,045
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★『森の生活 ウォールデン』上下 飯田実/訳 岩波文庫(1995.9)
―《湖とその周辺の写真多数を収める》

森の生活〈上〉ウォールデン (岩波文庫)/H.D. ソロー
¥798
Amazon.co.jp


『ウォールデン』佐渡谷重信/訳 講談社学術文庫961(1991.3)

森の生活 (講談社学術文庫)/D・ヘンリー・ソロー
¥1,523
Amazon.co.jp

『ウォールデン―森で生きる』酒本雅之/訳 ちくま学芸文庫(2000.3)


● 『ウォールデン 森の生活』に関する本を読む:



★『ウォールデン』上岡克己/編著 ミネルヴァ書房 シリーズもっと知りたい名作の世界(2006.3)
―《社会と対峙して理想の生活を求めるために自然と向き合い、新たな価値観を探求するソローの生活記録として読み継がれてきた『ウォールデン』を多様な側面から捉え直し、エピソードも交えながら作品を紹介。》

ウォールデン (シリーズ もっと知りたい名作の世界)/上岡 克己
¥2,310
Amazon.co.jp

★『『ウォールデン』研究 全体的人間像を求めて』上岡克己/著 旺史社(1993.2)
―「簡素な生活」と「高き想い」という観点でとらえる。
 《多様性ゆえに様々な評価を受けてきた「ウォールデン、森の生活」。
 じつは<全体的人間像>の希求という、ソローの強固な志向に支えられた明確な構造をもっているのだ。
 多面的精読の成果を総合し、理念の全体性を把握した著者積年の労作。》


『森の生活 簡素な生活・高き想い』上岡克己/著 旺史社 1996.10

―自然保護、シンプルライフの先駆者としてのソローの「森の生活」と、
 第二次大戦後の同様の取り組みをした人々を取り上げる。


▲★『要約 世界文学全集II』木原武一/著 新潮文庫 2004.1.1
―世界の名作を400字詰め原稿で約17枚に要約したエッセンスの第2集。
 ソロー『物の生活』他、1872年のドストエフスキー『悪霊』以下、年代を遡って『オデュッセイア』まで。
要約世界文学全集2 (新潮文庫)/木原 武一
¥660
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● ヘンリー・D・ソローの他の著作を読む:


◆入門編(語録・抜粋)◆


★『ソロー語録』岩政伸治/編訳 文遊社 2009.10
―自然愛好家、奴隷制反対論者等の顔を持つソローの著作『ウォールデン』他からの言葉を拾ったもの。
 ソローへの入門としてもいいかもしれません。


ソロー語録/ヘンリー・デイヴィッド・ソロー
¥1,680
Amazon.co.jp

『水によるセラピー』 アサヒ・エコブックス アサヒビール 2001.12
―《古典的な名著「森の生活」のソローの心をもっとも動かしたのは、水のある風景だった。

今から150年も前に生きたソローの、深いあるいはユニークな自然観をつづったアンソロジー。》


『山によるセラピー』 アサヒ・エコブックス 仙名紀/訳 アサヒビール 2002.2
―《一世紀半も前のエコロジストであり、エッセイストでもあったヘンリー・デイヴィッド・ソローの書簡、日記、雑誌記事、書物の中から、20編を選んでまとめる。癒しのアンソロジー第2弾。》


『風景によるセラピー』仙名紀/訳 アサヒ・エコブックス アサヒビール 2002.7
―《一世紀半も前のエコロジストであり、エッセイストでもあったヘンリー・デイヴィッド・ソローの作品から、風景について書いたものをまとめる。癒しのアンソロジー第3弾。》


◆著作◆


『野生の果実 ソロー・ニュー・ミレニアム』ブラッドレイ・P・ディーン/編 伊藤詔子、城戸光世/訳 松柏社 2002.11

―筆者未読。《150年間解読困難なまま眠っていた「野生の果実」が、今ここによみがえる!

ニューイングランドの果実と土地の歴史をカレンダー形式に並べ直し、季節の動きに合わせて記述。

挿絵は原著のまま再現。ソロー最後の手稿初翻訳。》


『ウォーキング』 春風社 2005.4

―筆者未読。


『ザ・リバー』 ダドリ・C・ラント/編 真崎義博/訳 宝島社 1993.10
―筆者未読。《森の哲学者ソローの有名な『ジャーナル』から抜粋した文章をラントが編集したもの。

故郷の川での日々の体験と観察を記録した本書は、忘れかけていた川と人のつきあい方を時間を越えて私たちに教えてくれる。》American nature library


『コッド岬 海辺の生活』 飯田実/訳 工作舎 1993.11
―筆者未読。《1849年、ソローは友人の詩人と共にコッド岬を訪れた。

そのときの体験、見聞、思索、古典の引用などをまとめた旅行記。

自然のままを良しとするソローの価値感が溢れ出た「森の生活」と並ぶ名著。本邦初訳。Cape Cod》


『メインの森 真の野性に向う旅』 小野和人/訳 講談社学術文庫 1994.7

―筆者未読。


『森を読む 種子の翼に乗って』伊藤詔子/訳 宝島社 1995.2
―筆者未読。 American nature library


『生き方の原則 魂は売らない』 山口晃/訳 文遊社 2007.12
―筆者未読。《ナチュラリスト、エコロジストの先駆者として知られるソロー。
 彼が、人間が尊厳を持って生きることの大切さを説く、アメリカの講演文化の中で生まれた書。
 巻末に英語版を掲載。Life without principle 》


◆「市民的不服従」◆


★『ソローの市民的不服従 悪しき「市民政府」に抵抗せよ』 佐藤雅彦/訳 論創社 2011.3

―30歳の理想に燃える青年の講演らしく、ざっくばらんな調子で訳した本文。時代の背景も含めた分かりやすい解説を資料となる付録とともに収録。


★『市民の反抗 他五篇』 岩波文庫 1997.11

―ソローの各分野(社会思想家・批評家、博物学者など)における代表的な論文を集めたもの。

市民の反抗―他五篇 (岩波文庫)/H.D.ソロー
¥840
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『一市民の反抗 良心の声に従う自由と権利』 山口晃/訳 文遊社 2005.6
―《ひとりが動けば、世界は変わる。長いものには巻かれない、自分を生きる。

ガンディー、キング牧師、マンデラなど社会変革のリーダーたちも読んでいた世界で最も影響力のあったエッセイ。

巻末に英語版で全文を掲載。Resistance to civil government 》


● ヘンリー・D・ソローを知る:


★『ヘンリー・ソローの暮らし』 H.S.ソルト/著 G.ヘンドリック、W.ヘンドリック、F.エールシュレーガー/編 山口晃/訳 風行社 2001.3
―イギリスで最初にソローを評価し、その思想を紹介した、動物保護につくした人道主義者ソルトによるソロー伝記。
 《Life of Henry David Thoreau 原著1908年改訂版の翻訳
「森の生活」で知られ、現代人の心を捉えてやまない、ヘンリー・ソローの澄明なる生き様を、ソローの思想の普及につとめた著者が綴る。
 ソローの生涯と思想が融合した、わかりやすく洞察力のある導入の書。》

ヘンリー・ソローの暮らし/ヘンリー・S. ソルト
¥2,520
Amazon.co.jp

★『ヘンリー・ソローの日々』 ウォルター・ハーディング/著 山口晃/訳 日本経済評論社 2005.5
―当時のソローの周辺の人々の記録による客観的ソローの決定版伝記。
 《アメリカの詩人、ヘンリー・デーヴィッド・ソローの伝記。
 子供や町のごくつぶしといわれている人びととソローの交流などに触れ、人間としてのソローに迫る。》


ヘンリー・ソローの日々/ウォルター ハーディング
¥9,975
Amazon.co.jp

『ヘンリー・デイヴィド・ソーロウ ある反骨作家の生涯』 開文社叢書 フィリップ・ヴァン・ドーレン・スターン/著上岡克己/訳 開文社出版 1989.3

―比較的コンパクトにまとめられたソロー伝記。


『ヘンリー・ソーロウの生活と思想』 東山正芳/著 南雲堂 作家研究叢書 1977
―ソローを隠者、人間嫌いの偏屈者と見る旧世代のイメージを改める。


『よみがえるソロー ネイチャーライティングとアメリカ社会』伊藤詔子/著 柏書房 1998.5.15
―アメリカン・ネイチャーライティングの起源としてのソローを『ウォールデン』以下の著作をたどり、その思想の変遷を見る。
 さらに、その後に続く人々の例を見る。


★『平和をつくった世界の20人』ケン・べラー、ヘザー・チェイス/著 作間和子、淺川和也、岩政伸治、平塚博子/訳 岩波ジュニア新書 2009.11.20

―ソローに始まり、ガンディー、キングといった非暴力、平和の教育・実践、多様性、あらゆる生命、地球環境を大切にする人たち20人を挙げ、それぞれの小伝と言葉を紹介する。

平和をつくった世界の20人 (岩波ジュニア新書)/ケン・ベラー&ヘザー・チェイス
¥882
Amazon.co.jp

*ヘンリー・D・ソローの著作、
及びヘンリー・D・ソローに関する著作は数多くあります。
 私が偶然手にしたもの、目にしたもののみ記載しています。

 ▲マークは、本誌本文または別冊編集後記で取り上げた本
 ★マークは、筆者のおすすめ本です。本選びの参考にどうぞ。


* 上記以外のヘンリー・D・ソローの著作は、
 またいずれ機会を見て紹介します。お楽しみに!

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2011年04月15日(金)

読書ノートを付ける

テーマ:メルマガ「楽しい読書」

「別冊 編集後記」

私の読書論-20-初心者のための読書の仕方を考える(2)
―第55号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」


★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★
2011(平成23)年4月15日号(No.55)-110415-
私の読書論-20-初心者のための読書の仕方を考える(2)
http://archive.mag2.com/0000257388/20110415120000000.html


前回は、「読書記録を付ける」 方法を伝授しました。

6項目からなる「読書リスト」の付け方でした。


今回は、もう少し進んだ形―「読書ノート」の付け方です。



【読書ノートを付ける】


前回同様、A5版ぐらいのノートを用意してください。

ノートの表紙に「読書ノート 何年何月何日から」と書きます。


今回は、本一冊に付き、1ページで書きます。



冒頭にその「年」を書き、以下各項目を書き込みます。

 

 1.年間トータルナンバー 2.読み始めた日付(読み終えたときは、読み終えた日付も) 
 3.書名 (翻訳書の場合は、原タイトルを併記)
 4.著者名(翻訳書の場合は、訳者名を併記)
 5.出版社名・叢書名 6.奥付の発行年月日


前回は「6.メモ」としました。

今回は、奥付の日付を記入します。


この後、下の余白部分を「メモ」として利用します。


ここに、自分が読んで気になった文章や語句等を記入します。

できるだけ簡潔に、スバリ「ここ」という部分だけを選んで記入するように心がけましょう。



一冊を読み終えた後、パラパラっと「再読」する機会も生まれ、理解を深めます。
ポイントを抑える訓練にもなります。
記入時間の節約にもなります。


できれば、引用符号をつけて、正確を期すように書いておきます。


 p.--(ページ数):{(文章)}


引用符号は、特に指定はありません。
しかし、本文中によく使用される記号(カギ括弧「」『』、カッコ()、引用符“”、山形<>等)は避ける方が無難です。
混同する危険があるからです。


その文章についての感想や意見等を、一行程度で書きます。


長く書いてもいいのですが、簡潔にポイントのみを「メモ」として書いておくぐらいでいいでしょう。
本文と区別するために、わかりやすい記号を頭に付けておきます。


 ◎(感想・意見)


自分なりに興味のある項目には、分類記号や言葉を付しておくのもいいかもしれません。


たとえば、私の場合は、
「左利き」関連事項には、「㊧」や「*」
「楽しい読書」用に使えそうなものは、「読書」
などなど、です。


以上、一冊に付き、2~3か所程度でよいのです。
もちろん、多ければ多いでいいのですが、あまり欲張り過ぎない方が続きます。


本の内容をメモしておく一方で、
最も重要なことは、それを読んで自分が何を思ったか考えたか、何か新しい発見があったか、という点を明らかにしておくことです。

引用する部分も、最初は自分の言いたいことを言ってくれている、という部分が多くなると思います。


そういう共感できる部分を拾ってゆくうちに、
そうかこういう考え方があるのかとか、新たな発見が出てくるでしょう。


そういうものを見つけたときに、どう感じたのかをしっかりメモしておくことが、大事かなと思います。


それらの積み重ねが、自分の世界を拡げる、自分の考えを深める、自分の意識を高めることにつながってゆきます。
それが読書の意義というものです。


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