ALL THE OLD PUNX VIDEO

ロックンロール


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ご無沙汰しております。



2018年は毎月2本のパンク映画を取り寄せレンタルで借りるという意気込みで4月までに計8本の映画を借りました。
他にも店舗に在庫のある作品も多少借りたりしてますが、パンクというものは非常に奥深いです。

8本のうち2本はラモーンズ関係で、残りは全て初期のロンドンパンクを中心に描いたドキュメンタリーでしたが、6作それぞれに扱われるバンドが異なったり、どのバンドを主軸に置くかが異なっていたりして面白かったです。
やはりピストルズ、クラッシュ辺りはどの作品でも扱われていますが、同様にXレイ・スペックスがどの作品にも登場していたのが個人的に驚きました。それくらい重要なバンドだったことに気づかされ、年内にアルバムを購入しようか検討しています。



話変わって、今年も変わらず旧譜ばかり買ってるため多くのミュージシャンの新譜はだいたいレンタル待ちしてる有様でありますが、ジャック・ホワイトの新作「ボーディング・ハウス・リーチ」は本当に良かった!
音自体は今までのジャック・ホワイトの作品となんら変わりありませんが、ヒップホップやテクノのビート感を取り入れて今までになかった意欲的な作品に仕上がっていました。これには本当に驚いた、既に2018年のベストアルバム候補です。



旧譜では最近ソウル・ミュージックに傾倒しまして、オーティス・レディングやサム・クック、ジェームス・ブラウン辺りのCDを聴いてます。これは実家から借りてきたピーター・バラカン氏の著書が間違いなく影響してますが。
面白いのはオーティスの1st「ペイン・イン・マイ・ハート」で、オーティスといえばのちの作品でもビートルズやストーンズを独自のアレンジでカバーしていますが、このアルバムではLouie LouieやStand By Meなど他にも多数のミュージシャンにカバーされた楽曲をオーティス風味に料理しています。特に後者はオリジナルのベン・E・キングや有名なジョン・レノンのカバーを凌ぐ名カバーだと個人的に思います。





2月に仙台に行った時、STORE15NOVというレコード屋を初めて訪れまして、その店は実験音楽・インダストリアル系の音楽がメインのレコ屋なんですね。
最初はどういう店か気になって入って、色々物色しつつその時の財布事情もあってワイアーの2ndだけ購入したんですが、その時BGMとして流れていたやけに荘厳で美しく奇怪な音楽が気になり、会計の時に店主に尋ねたところ"Ksiezyc"というポーランドのフォークグループであることが分かりました。
その時は金がなかったので「これも買います」となることができず、教えてもらっただけで店を出たんですが、帰宅してYouTubeで改めて聴いてみると、いや凄い凄い。あまりにも幻想的で重厚な音世界にぶっ飛んでしまいました。

結構プログレッシブなサウンドではありますが、プログレに苦手意識のある俺でも聴き入ってしまうほど素晴らしく、また今月仙台行く時にこの店を訪れて音源を買おうか考えてしまったほどです。

そしてKsiezycの流れからプログレッシブ・フォークというものの素晴らしさに気づいてしまいました。
"プログレッシブ"というと個人的にも嫌悪感が出てしまうんですが(笑)、あくまでこれは70年代頭という時代的な都合で便宜上呼んでるだけであって、早い話がSpirogyraやMellow Candle、Tudor Lodgeみたいな音楽のことです。
プログレッシブ・ロックの場合、個人的にはあまりにヘンテコすぎて脳の理解が追いつかず、退屈に感じて飽きたり眠くなってしまって全く良さを感じられないことが多いのですが、これらのフォークグループは自然光を浴びるようにゆったりした気持ちで幻想的な音世界に包まれるような心地がして本当に良いです。
でも色々聴いたところでKsiezycの衝撃に敵うものは見つかりませんでした。本来ならもっとSTORE15NOVに通い詰めてこういった音楽の知識を得るべきなんでしょうが、地理的にも時間的にもそれは厳しいので、"行ける機会がある時"を見計らって色々吸収していきたいと思います。
そしてKsiezycのアルバムはたぶん買います。欲しいです。笑



2年前の個人的な年間ベスト作はイギー・ポップの「ポスト・ポップ・ディプレッション」でしたが、あのリリース以降イギーに関する話題止まず嬉しく思っております。昨年にはジム・ジャームッシュによるザ・ストゥージズのドキュメンタリー「ギミー・デンジャー」が公開され、俺も劇場に足を運んだしDVDも買いました。

そして今年には「ポスト・ポップ〜」のレコーディングに密着したドキュメンタリー「アメリカン・ヴァルハラ」が公開されますね。来月末に仙台での上映が決まったので行く予定ですが、それに合わせて買いそびれていたロイヤル・アルバート・ホールでのライブDVDも買います。

そしてこのニュースを受けて思い出して慌てて今月に買ったのがクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジの新作「Villains」。
マーク・ロンソンのプロデュースなんで結構ダンスミュージック寄りになると思っていましたが、全然そんなことはなく、ジャック・ホワイトの新作と並んでロックの最先端を行く素晴らしいアルバムでした。

まるでツェッペリンのような従来のハードロック要素もありつつ、イギーとのコラボレートで得たミニマルな楽曲作りを突き詰めて、ジャンルや時代性に囚われないロックを作り出すジョシュ・ホーミはまさしく現代のロックシーンの最重要人物だと思います。
出たタイミングで買えば良かったかなあと思いつつも、聴かずじまいになるより断然マシでした。



でも今の時代って明らかに「ムーブメント」というものが存在しないですよね。10年前であればポストパンク・リバイバルによって多くの新人バンドが台頭したりして、似たような音楽が世に溢れかえったりしていましたが、2018年の音楽シーンはたとえ時代錯誤な音楽性であっても実力のあるバンドがインターネットやメディアを介して注目を集める時代になってきたのかなあって思います。
例えばスタークローラーなんかいい例じゃないでしょうか。フロントマンのアロウ・デ・ワイルド嬢のエキセントリックな振る舞いも話題を集めている部分ではありますが、ファズを駆使しながらパンクともガレージともグランジとも被らない新しいロックを鳴らしていて、彼女らは決してハイプじゃない実力のある新人なんだなというのを強く思いました。

あとは個人的に大好きなキング・クルールも、ジャンル分けの非常に難しい音楽をやっていて、そんで絶対流行らなそうなネガティブな音を出していながらも、音楽的な完成度は非常に高く、こうしたミュージシャンがふとしたキッカケで簡単に見つけることができるのが今の時代の素晴らしい点だと思います。





とりとめもない話を沢山書き連ねてしまいましたが、ここはもう思ったことを好きなように書く場として気ままに更新していきたいのでご容赦ください。

最後に、来月には遂にアークティック・モンキーズの新作リリースが発表になりましたね。
前作は俺が大学生になりたてだったので随分前な気もしますが、アレックスやマットの課外活動を挟みつつ長い時間をかけてどんな作品が出来上がったのか、非常に楽しみです。イギーの「ポスト・ポップ〜」の関連作として位置付けるには少し強引な気もしますが、映画と併せて楽しみたいなと思います。

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お久しぶりです。ここ最近ずっとエルヴィス・プレスリーにドッパマリしてまして、珍しく本気で文章書いたので是非読んでいただければと思います。

 

 

 

 

 

「あなたはエルヴィス・プレスリーを聴いたことがありますか?」と聞かれてイエスと答えられる人はこの世にどれほどいるだろうか。

 

正直俺もつい最近まではほとんど聴いたことが無く、そしてちゃんとしたキッカケがなければ聴く機会なんて今後もあったかは不明である。

 

 

 

あまり音楽を聴かない人でも、昔のロック・ミュージシャンといえばエルヴィス・プレスリーとザ・ビートルズくらいなら存在を知っていると思われるが、少なくともザ・ビートルズは聴けば分かる曲はあるだろうし、世に数多く出版されているディスク・ガイドやインターネットの名盤紹介サイトを適当に手に取ったとしてもザ・ビートルズは必ずと言っていいほど紹介されている。

 

しかしエルヴィスはどうだろうか。エルヴィス・プレスリーの存在を知っていたとしても彼の曲がどういったものか、いざ聴いてみてもピンと来ない。それにディスク・ガイドで紹介されるような"名盤"というものも作られていない。ただあるのは、袖にヒラヒラの装飾がついた白いジャケットを着て髪型をリーゼントにセットした、むさ苦しい顔面と小太り体形が印象的な歌手というステレオタイプではないだろうか。

俺もずっとこのステレオタイプに縛られ続けていたのだが、これは典型的な「スター」になってしまった晩年の姿を切り取ったものにすぎず、決して真実ではない。

 

本当のエルヴィスを知るには、デビューから徴兵前の限られた時期にレコーディングされた数多の楽曲を聴かなければいけない。

 

 

 

俺が音楽として初めてエルヴィス・プレスリーに向き合ったのは2年ほど前に購入したSNOOZERのディスク・ガイドである。このディスク・ガイドに紹介されていたのは「For LP Fans Only」というエルヴィスが徴兵されるタイミングでリリースされた編集盤だったのだが、それまで読んできたディスク・ガイドやインターネット上のサイトでは尽く無視され続けていたエルヴィス・プレスリーのアルバムがごく当たり前のように紹介され、当アルバムをダイジェストとして位置付けた上で「エルヴィス・プレスリー登場!」「エルヴィスのゴールデンレコード第1集」「ザ・サン・セッションズ」の3枚を絶対に通るべきアルバムと書かれていたことに衝撃を受けた。

 

だが決定打はこのディスク・ガイドではなかった。

セックス・ピストルズを中心にロンドン・パンクの勃興と衰退を描いたジョン・サヴェージ「イングランズ・ドリーミング」の巻末ディスク・ガイドにおいて、パンクブームの火種となったブティック"SEX"にて流れていたBGMをパンクの源流として紹介していたのだが、その最古たるものとして紹介されていたのがまさにエルヴィス・プレスリーであり、彼の「ザ・サン・セッションズ」こそパンクの原点たるアルバムとして紹介されていた。

 

正直言うと、ロックというジャンル自体そうだが「何が最初のパンクか」は議論しようと思えば何とだって言えるのである。だが、個人的に「パンクの元祖としてのエルヴィス・プレスリー」という扱いには妙に納得してしまった。

そもそもブティック"SEX"は元々"Let It Rock"という50sロカビリーを愛好するテディ・ボーイの専門店からスタートした経緯があり、パンクというジャンル自体も本質としては50年代のロックンロールをよりシンプルかつ騒々しくしたものと考えれば、個人的にはかなりしっかり来るのである。(もちろん異論は認めます。笑)

 

そうして「パンクのルーツ」として興味を持ったエルヴィス・プレスリーである。もちろん俺はすぐさまサン・レコード時代の音源を集めることにした。

買ったのは「ザ・サン・セッションズ」は当然だが、さらに「コンプリート・サン・セッションズ」、「サンライズ」という2枚の編集盤も手に入れた。だがこれについて聞いて驚き&呆れることだろうが、後者2枚の編集盤にはオリジナル「ザ・サン・セッションズ」収録曲が丸々入っているため、その音源だけで3枚分も被っているのである(猛爆)。

そこまでしてしつこく揃えたサン時代の音源だが、聴けば聴くほどエルヴィスがロックンロールのパイオニアとして当時の音楽シーンに革命をもたらしたか実感するとともに、彼がいかに素晴らしい歌手であったかを思い知ることができた。

 

エルヴィスがサン・レコードでの最初のシングルとしてリリースした「ザッツ・オール・ライト」はまさにロックンロールの記念碑的シングルである。だがこの曲のレコーディングまで彼がこうしたノリの曲を歌うことはなく、それまではバラードばかり歌い続けていた。

だがそれまでのレコーディングが本調子ではない中で一旦休憩をとったエルヴィスは、ふとふざけた調子で同曲を歌い始め、それに合わせてバンドが演奏したところ、今までにない新しい音楽が誕生した。こうしてレコーディングされた曲こそが「ザッツ・オール・ライト」なのである。(「サンライズ」国内盤ブックレットより引用)

 

こうして偶然によってロックンロールが生まれ、その成功によってロックンロール歌手としてスター街道を歩み始めるエルヴィスだが、しかし本来歌い続けていくはずだったバラードも非常に素晴らしいものばかりである。

エルヴィスが「ザッツ・オール・ライト」でデビューする1年前、一人ギターを抱えてサン・スタジオを訪れた彼は愛する母親のために「マイ・ハピネス」というバラードをレコーディングしてアセテート盤を制作した。

この「愛する母親のため」という目的は建前であって、実のところサン・スタジオでレコーディングすることでレコード・デビューのきっかけを掴みたかったというのが真相であるそうだが、この時歌われた「マイ・ハピネス」はまだ幼く不安定ながらも、既にその歌の才能は秀でたものが感じられる。

この「マイ・ハピネス」は先述のコンピ「サンライズ」にも収録されているが、どうせならジャック・ホワイトの主催するサードマン・レコーズから再発されたシングル盤で聴くことをお勧めしたい。このリイシューのためにジャックはわざわざオークションに競り勝ち、その事実はニュースにもなった。彼の本気度が感じられる素晴らしいリイシュー盤である。

 

と最後少し話がズレてしまったが、上記の「マイ・ハピネス」のシングル盤もわざわざ買ったのだ(笑)。

その後エルヴィスはメジャーレーベルのRCAに移籍してシングル「ハートブレイク・ホテル」および「エルヴィス・プレスリー登場!」をリリースすることになるのだが、俺はサン時代の音源を集めることに必死でその後のアルバムはまだ持っていないので語ることはできない……。笑

 

 

 

だが結論としてこれだけは言っておきたい。ボブ・ディランやザ・ビートルズも重要だが、ロックの歴史を語るうえでエルヴィス・プレスリーの存在は決して見過ごされてはいけない。むしろエルヴィス・プレスリーの存在なくしてロックの発展はなかったのである。

 

この拙文を読んでエルヴィス・プレスリーの音源を聴きたいと思っていただければ幸いです。

 

 

 

蛇足(笑)

文中で紹介したジョン・サヴェージ「イングランズ・ドリーミング」の巻末ディスク・ガイドですが、そのエルヴィス・プレスリーも紹介している50sロカビリーの部分ってピストルズ等ロンドン・パンク勢のルーツってより、むしろザ・クランプスのルーツと言える部分が多いです。笑

実際結構ためになった本だけど、この本からサン・レコード所属のミュージシャンの音源を聴いていて、例えばロイ・オービソン「ドミノ」なんかは完全にザ・クランプスの元ネタなんで違う側面で感動してしまったし、コンピ「ボーン・バッド」なんてモロじゃん。笑

 

ちなみにザ・クランプスも「監獄ロック」をやってるんですが、これは純粋なエルヴィスのカバーではなくディーン・カーターなる狂人ロッカーの発狂度満点の強烈カバーが元ネタです。これも聴くべし。


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2018年の初ブログが今更になってしまいましたが、飽きましておめでとうございます。



今年は年明けて早々に4月から入社した会社を辞め、今月半ばから転職して新しい仕事を始めました。

非正規ではありますが、本来希望していた職に就けたのは幸いなことです。ただ、雇用期間は最大でも3年と長くないので、まず今年から試験を受けて正規雇用と相成るように、頑張らなくてはなりません。



そんで話は変わりますが、昨年末からパンク、ピストルズ関係の本を読み漁って初期パンク再確認の時期に入ってる私でありますが、そのスタンスは引き続いております。

行ける範囲のツタヤでレンタル扱ってないパンク関係のドキュメンタリーを取り寄せレンタルし毎月2本観ることにし、まず今月はラモーンズの映画を観ました。

またSpotifyで初期パンクのバンドの未発表音源を聴き漁ったりしてます。ダムドやクラッシュがメインでしたが、今はイギーのライブ音源集を聴いてます。
また親父がポール・ウェラーの来日公演を観に行ったことに影響されてまだ聴いてないスタカンのアルバムも聴いたりしつつ。

あと久々にストレイ・キャッツを聴いてブライアンセッツァーのアルバムも色々聴いたり、そこからルーツとしてエディ・コクランを聴いたりもしています。



昔はあまりロカビリーとか興味なかったけど、パンクやガレージのルーツを掘っていくうちにどんどん好きになったな。50'sの黒人R&R/R&Bも然り、ロックの源流を辿っていくと色々な発見があって本当に面白いです。





それでは。

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またもピストルズ話。



ここ1ヶ月もしない間に、3冊もピストルズと当時のパンクムーブメントに関するバイオグラフィー本を読破しました。
あまり当時の社会情勢や音楽業界について語ると長くなるので割愛しますが、ピストルズに限ると意外にもバンドとしてのピークは「Anarchy In The U.K.」のリリース前後に既に迎えていて、その後「God Save The Queen」に係るセンセーショナルな話題性で当時のメディアを賑わしたものの、バンドとしてはベースがグレンからシドに交代した時点で下り坂となっていたことを知らされました。

まあシドが入ってからはビジュアル的にもカッコいいんだけど、ナンシーと付き合い始めたシドが次第にドラッグにのめり込んで(とはいえ元々彼の母親もヒッピー上がりのジャンキーだった為ナンシーに出会う前からシドにはジャンキーの片鱗があった訳ですが)、常に問題を抱えるシドに振り回される形でメンバー同士も険悪になり、最終的には全くマトモな演奏が出来ない状態でアメリカに渡り、結果ジョンが脱退を表明して解散というわけで。

たしかに有名なウィンターランド公演の映像を見ると、「バンドってこんなもんで良いのか笑」と思わされるほどあまりにも酷い演奏なんですが、こうして詳細にバンドのバイオグラフィーを追っていくと「God Save The Queen」リリース以降次第に崩壊していくバンドの姿に切なくなってしまいました。



しかしピストルズはマルコムの思惑によって作らされたバンドのように見えて、実はあのイメージこそが本来のバンドの姿でもあるけど、やはり結局はマルコムの手の中で転がされていただけという、なんとも不思議なバンドであります。



正直ピストルズについてよく知らなくて、これから詳しく知りたいって人はバイオグラフィー本より先にドキュメンタリー映画(とはいえ観るべきは「ノー・フューチャー」。有名な「スウィンドル」はあくまでマルコムによるフィクション劇です笑)を見たほうが絶対に良いですが、もちろん尺の都合などで語られてない部分は沢山あります。
そういった部分を補うためにもバイオグラフィー本を読むって大事なんだなと思いました。

オススメは「イングランズ・ドリーミング」です。巻末にある膨大なディスコグラフィーもかなり参考になる。
あと2冊あるジョンの自伝も絶対読んだ方がいいです。「怒りはエナジー」は量が多くて疲れるけど……(苦笑)





だいぶ話が変わりますが、今日やっとリリースされたモーニング娘。'17のアルバム「15 Thank you, too」がとにかく素晴らしいです。

ここ数年のハロプロのアルバムリリースペースが遅いことは何度も嘆かせていただきましたが(笑)、ついに出たよ!3年って結構待ったし、気づけば前作「14章 〜The message〜」時点では中学3年生だった佐藤優樹ちゃんも今や高校3年生なわけで、それくらいの月日が経ちました。

しかし驚いたのは、今作はあくまでモーニング娘。'17としてのリリースで、モーニング娘。'15ないしモーニング娘。'16名義でリリースされたシングルは一切収録されてません。
つまりオリジナルアルバムとしては、「14章 〜The message〜」がりほりほとズッキのラスト参加アルバムという扱いになります。びっくり〜〜!
ただ12期、13期、14期(ちぃ)は初アルバムになるので、自信を持って行きましょう。



そんで、確か「14章」リリース直後につんく♂さんがハロプロの総合プロデューサーから外れたことを発表して当時かなりショックを受けましたが、なんと今作でも既発シングルの2曲を除いて引き続きほとんどの作詞曲を手がけてます。
そのため、アタマに持って来た「ジェラシージェラシー」はともかく、続く「ロマンスに目覚める妄想女子の歌」から安定のつんく♂ワールドが詰め込まれて、心から安心したのと同時にやはりつんく♂氏の書く楽曲の素晴らしさに感動してしまいました。



アルバム全体として、道重体制だった前2作に比べて音楽的にあまり違いがないと思いきや、歌唱等の面では確実に進化が伺えるんですよ。
20年活動してきて、とっくにオリジナルメンバーも一般的に全盛期と言われる「LOVEマシーン」時代を知るメンバーもいない中、その後を継いで今現在活動しているメンバーはその歴史をしっかりと受け継ぎながら、もっと新しく、もっとハイクオリティなグループへと押し上げようと、今の譜久村体制で培ってきたことがしっかりとアルバムに記録されたことに、大きな喜びを感じました。

その点で、このアルバムが譜久村体制へと切り替わった2015年からの3年間を辿るようにパッケージしたものでなく、譜久村体制としてしっかりと地盤が固まった2017年の、今しか作れないものとして制作されたことの意味を、このアルバムを通して聴いて強く思いました。



今回アルバムに入らなかった5枚のシングルはいずれコンピレーション盤などに収録されることがあるかもしれませんが、「そのうちアルバム出るだろう」と思いつつもこの3年間モーニング娘。のシングルを買い続けた自分は間違ってなかったと安心してます。(3年間シングル買わずにいて今から5枚集めるのも大変だしね……笑)



20周年イヤーを迎え、多少のメモリアルな企画はありつつも「今のモーニング娘。はこれだ!」とファンにとっても自信を持てるアルバムをリリースした2017年。
まもなくどぅーが卒業し新体制で2018年を迎えることになりますが、まだまだ進化し続けるこのグループを追いかけることにワクワクが止まりません。

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以前書いた本「イングランズ・ドリーミング」読了しまして、映画「ノー・フューチャー」を観て知っていたつもりのセックス・ピストルズのバイオグラフィーについて、より深く知ることができました。

しかし、それからピストルズ熱が再発してまた別のピストルズのバイオグラフィー本を今度は買って読んでます。さらにあと2冊ほど同じ趣旨の本について読む予定。



そんで「イングランズ・ドリーミング」を読んで、よりロックンロールのルーツに触れようと思って、「アメリカン・グラフィティ」のサントラやらエルヴィス・プレスリーの「サン・セッション」をちゃんと聴こうと思ったり。
ガレージに深くハマると特にそうだけど、どんなジャンルでも結局はルーツを掘ってくと、所謂オールディーズと呼ばれる50'sのロックンロールやより昔のブルース、R&Bに行き着くわけで、今まで全く触れてこなかったプレスリーを聴く機会が出来たのは個人的に大きいです。



そんでこのタイミングでプレスリーの「監獄ロック」(映画)を借りたんですが、他にも「ギミー・デンジャー」を観て気になった「ベルベット・ゴールドマイン」や、何故か今まで観てなかった「バック・トゥ・ザ・フューチャー」も借りました。
この3本に一貫してんのはプリミティブなロックンロールだと、個人的に決めつけてます。笑

有名なSF映画は「スター・ウォーズ」に「猿の惑星」、「エイリアン」などある程度通ってきて、どれもモンスターというか、非人間が登場するんですよね。こういう映画に幼少期から触れてきたことが、今の映画の嗜好にも影響してるのかなと思ったり。

ただアメコミヒーローとかはあまりハマらなかったんですけどね、映画発ではないキャラクターのハリウッド映画なんかは割と冷めた目で観てるんですが、「トランスフォーマー」の実写映画だけは観る予定。
トラウマ要素多めという点で日本の特撮作品と並んで紹介されることも多いから、気になってます。



特撮といえば、新しく仮面ライダービルドが始まって、毎週結構楽しく観てるんですが、やはり仮面ライダーエグゼイドが名作すぎたから未だに多少のロス感があります。
特に今月は6日に最後のBD BOXが出て、9日に冬映画公開だし、クリスマス辺りには超全集が出るので、特にエグゼイド充できそうな月です。笑

しかもこのタイミングで2本目の超バトルビデオが届いて、早速観てしまったので、BDに付くスナイプ4話と、夏映画とも続いてる冬映画と、本当のラストを迎えるVシネマ3部作の全部が楽しみでなりません。





そして、今日は「シャークネード」の5作目リリース日で、早速借りて観てました。笑

作を重ねるごとにスケールがどんどん膨大になってきたシャークネードシリーズですが、5作目にして従来のサメ映画の概念を尽く覆す問題作に仕上がってました。



ネタバレを恐れずに雑に言い切ってしまうならば、今作は過去4作の舞台だったアメリカを飛び越え、地球規模でシャークネードが襲ってくるし、本当にみんな死ぬし、もはや単に"サメ映画"と呼ぶことに抵抗を覚えるほどスケールを増した長編スペクタクル終末映画という形相を呈していました……。笑

もうここまでくると、次作の展開が読めままりせん。確実に言えることはもう地球ないし宇宙規模でシャークネードと闘ってしまったので、次は今作のラストシーンで示したように時空を飛び越えた闘いになると思います。

とある一つのサメ映画が、ここまで支持されてここまでシリーズが続いて、いつのまにかこんなにぶっ飛んだ作風へと変貌したのは凄いと思います。
本来なら1作目で消えてしまう作品がほとんどのサメ映画界で、5作も作られたのは本当に珍しいと思うし、この調子で行けるとこまで行って欲しいです。
本当に、早速6作目がどうなるのか気になってる自分がいますからね。笑



みんなも絶対に「シャークネード ワールドタイフーン」観てくれよな!!!

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ずっと前に書いたガレージに関する長文ですが、訳あって加筆修正した上で再アップしました。





さて、ついこないだ「ギミー・デンジャー」見てきました。
内容はイギーやその他メンバーの生い立ちなどはかなり省略されており、あくまでThe Stoogesの活動に絞って描かれてますが、しかしジャームッシュのバンド愛がこれほどかというくらい伝わる、素晴らしいドキュメンタリーでした。
詳しく紹介するとネタバレになってしまうのでこれくらいにしますが、イギー・ポップとThe Stoogesに少しでも興味があったり、詳しく知らないけど曲は好きだよっていう人なら、絶対に見るべきです。
深いファンじゃなくても楽しめるし、もっとThe Stoogesが好きになるはず。

そんで、もっとジャームッシュ映画も観たいなと思いました。
「コーヒー・アンド・シガレッツ」辺りまでの作品は一通り観たんですが、近作は全然知らないので、全部観ます。「パターソン」もレンタル始まったら絶対みます。




んで、最近市の図書館で「イングランズ・ドリーミング」って本を借りました。
早い話がピストルズを中心としたロンドンパンクのドキュメンタリー本みたいな感じで、本当にピストルズ結成と活動の添え物として他のパンクバンドについて触れてるような内容です。

そんで一番ビックリしたのが、読み始めて最初の方がマルコムの生い立ちについて細かく書かれてるんですよ。
俺はもちろんピストルズ大好きなんですが、ジョンの自伝読んだ影響でジョン側に立った考え方をしてるため、これが全然面白くない(笑)
結局ピストルズってマルコムの手の上で転がされながら活動していたバンドなんで、マルコム自身がどういう人物かを知ることはもちろん重要なんですが、この本をしっかりと読んだことで余計に嘘くさいその人物像に嫌気がさしました(猛爆)

そんで今はやっとピストルズにジョンが入って、ライブで少しずつ名が知れ始めた部分。割と長い本ですが、仕事の息抜きに楽しめればなと。



今日はそんな感じです〜〜(唐突に締める)

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半ば蛇足ですが、それまでのガレージシーンの流れを汲みつつも、悲しいことにその意味合いが少しずつ変質してしまった2000年代以降のガレージロックについても紹介します。
 
 
 
 
 
2000年代のガレージリバイバルはアメリカのバンドが先行して火をつけたイメージが強いですが、このムーブメントをもたらしたのは実はイギリスのメディアでした。
90年代末の音楽シーンはレディオヘッドに代表されるロックバンドの音楽性の複雑化、更にケミカル・ブラザーズやプロディジーなどロック並みに激しいテクノミュージックの台頭などによってエレクトロな音楽が主流となっていました。これによってガレージはおろかロックバンド自体が下火となっていて、そんな状況にメスを入れようと思案した英国メディアがニューヨークのThe Strokesに目をつけ、彼らを「ロックの救世主」として取り上げたことが2000年代以降のガレージリバイバルブームの始まりです。
 
こう書くとThe Strokesの登場は英国メディアによるハイプ(過剰宣伝)のように捉えられそうですが、実際のところ2000年以降のガレージバンドはやけにメインストリーム化し、多くのバンドがメジャー契約し流通網もちゃんと確保しているためそれまでのガレージバンドに比べれば音源入手にはさほど困らない。
しかし一方でThe Strokesの存在はかなりの衝撃をもって受け入れられたように思います。The Velvet Undergroundのようにクールかつ知的で、かつPavementのように醒めていて肩の力を抜いたようにも思われる、シンプルなロックンロールはまさしくそれまでのメインストリームを嘲笑っているかのように冷静。ここまで洗練されてポップなロックンロールバンドは新鮮だったように思います。このThe Strokesのブレイクによって、70年代後半から訪れたパンク勃興以来の世界的なバンドブームへと繋がっていきます。
 
 
 
The Strokesに続いてデトロイトから登場したのがThe White Stripesでした。前述のように90年代以降のデトロイトはMick Collinsによって再興していましたが、その中でThe White Stripesが名声を上げていきました。
 
彼らが世界に衝撃を与えたのはとにかくミニマルな音楽への志向。ボーカル・ギターとドラムだけの2ピース編成はもちろん、足元にファズとボリュームペダルという最低限の機材だけで肉体的なサウンドを生み出すギターと少ない手数で必要なリズムしか叩かないドラム。そしてブルースを軸にした原始的なロックンロールなど、それまで異様に引き上げられた演奏テクのハードルを一気に下げてくれました。
 
 
 
2000年代のガレージブームで脚光を浴びたのは米英のバンドに限った話ではなく、特に北欧のスウェーデンからは優れたバンドが多数登場しました。
そもそもスウェーデンではThe HellacoptersやBack Yard Babiesなどガレージ風味のハードロックバンドが90年代に多数台頭し、その流れで登場したThe Hivesはハードロックのリフにパンクのスピード感を重ねた勢い満点のロックンロールで人気を博しました。
またMando Diaoはビートルズ直系のブリティッシュビートを現代解釈したサウンドで、特に日本国内ではかなりの人気を集めたバンドになりました。
 
 
 
更にオセアニア大陸でもガレージリバイバルが勃興。
オーストラリアからはiPhoneのCMに「Are You Gonna Be My Girl」が使われたことで一躍有名となったJetがいました。同曲のリフがIggy Popの「Lust For Life」に酷似しているという批判もありましたが、当のイギーは訴えるどころか彼らと「Wild One」で共演するなど友好的に接し、批判にも負けず人気を固持していました。
また隣国ニュージーランドからはThe D4がギターウルフとの共演もあり特に日本国内で高い人気を博しました。彼らは2000年代ガレージの中では珍しく90's以前のガレージバンドの面影を残し、70'sデトロイトガレージのThe Dogsや90'sガレージパンクのThe Devil Dogsなどマイナーどころをしきりにカバー、さらにギターウルフをカタコトな日本語で歌ったことも高い人気を集める要因になりました。
 
 
 
これらのバンドに少し遅れて台頭したのがイギリスのガレージバンド。
まず最初に火をつけたのはThe Libertines。フロントマン同士のホモセクシュアルまがいな関係や、ボーカルのピート・ドハーティのヤク中騒動などスキャンダラスな話題に事欠かず、その危うさも相俟って一躍英国の人気バンドに登り詰めましたが、しかしバンドは途端に崩壊。ピートがドラッグ中毒を克服し復活出来るようになるまで10年の歳月を要しました。
 
 
 
そして2000年代後半にはArctic Monkeysが登場。一応はこのバンドの登場を最後に世界的なガレージリバイバルブームは終止符を打たれます。
彼らは3作目でジョシュ・オム(Queens Of The Stone Age)をプロデューサーに迎えてからヘヴィな音楽性に接近、更にメンバーのR&B、ヒップホップ趣味も晒け出したことで早熟ながら大人の深みあるサウンドに進化したことで他の現役バンドに強い影響力を持つなど英国を代表するバンドに成長しましたが、初期2作ではガレージリバイバルの名に相応しく、リフ主体のエネルギッシュなロックンロールを演奏していました。
 
以後もガレージの要素を含むバンドは数多く登場しましたが、それらはガレージリバイバルと並行して勃興したニューウェイヴ/ポストパンクリバイバルの流れを汲み、或いはArctic Monkeysの3rd「Humbug」以降のヘヴィ化や、ヒップホップやエレクトロなど時流に乗ったバンドが目立つようになりました。
2010年代にもThe Strypesが純粋なロックンロールリバイバルバンドとして脚光を浴びましたが、2作目で先述のヘヴィ化以降のArctic Monkeysに影響されたサウンドに転向したことが分かりやすい例です。
 
 
 
さて、これらのムーブメントに乗っかった日本国内のバンドがいつ頃登場したかというと、実は2010年代前後までずれ込みます。
 
日本のガレージパンクブームというと前回触れた90年代が最盛期でその後2000年代頭までは続きましたが、メディアをも巻き込んだブームは2003年にミッシェルが解散したのと前後して沈静化し、再びマニアックなジャンルに落ち着いてしまったように思います。
 
そういえばthee michelle gun elephantについて前回あまり触れてきませんでしたが、ミッシェルがBFTG周辺のバンドとの関係が非常に薄かったのは主にBFTGが開催されていたのは新宿のライブハウスだった一方ミッシェルの活動拠点は下北沢で、しかも初期のミッシェルはパブロックの要素が強かったからだと思います。そんなミッシェルがBFTGとの関係をあまり持たなかったにも関わらずジャパニーズガレージの代表的なバンドになったのは、前回述べたフジテレビがギターウルフなどと同様にデビュー当初からミッシェルをプッシュしてたことが大きかったのかなと。また実際のところ単純に下北沢を中心にライブを重ねて口コミで広がり、ライブバンドとしての評価をもってあそこまでの人気を得られたとその後の活動をみても思います。
 
またチバユウスケを始め各メンバーが頻繁にメディアを通じて自身のルーツを紹介していたことで、少し前の俺みたいにBFTGを知らない人でも60'sガレージに触れる機会を与えてくれた点ではジャパニーズガレージブームを大きな功績を残したと思っています。なのでBFTG周辺のバンドを調べると時々ミッシェル批判を目にするのが個人的にはとても悲しい。
 
 
 
さあ話が壮大にズレたので戻していきます。
2000年代のガレージリバイバルはBFTG系の正統なバンドだとTHE BAWDIES、毛皮のマリーズの2バンドが挙げられます。というか、BFTGから上述した世界的なリバイバルへの返答を果たせたバンドはこの2バンドしかいません。
 
では日本のガレージリバイバルバンドはどんなバンドだったのだろうか。
代表的なのはJohn's Guerrilla、veni vidi vicious、BlieANくらいでしょう。どのバンドも正直かなりブレイクしたとは言い難いですが、日本においてガレージリバイバルに火をつけたのはこれらのバンドだと一般的に説明されます。
ただどのバンドもガレージらしさはなく、John's Guerrillaはハードロックやサイケ、レゲエやR&Bを織り交ぜたミクスチャーなロックンロール、veni vidi viciousはオルタナ風のポップさを含ませたロックンロールで、BlieANに至ってはニューゲイザー風味のミクスチャーロックで全然ガレージ要素なし。そのためこれらのバンドはジャパニーズロックンロールリバイバルとして説明されることが殆どです。
 
ちなみに和製アークティック・モンキーズと称されるThe Mirraz(実は全然好きじゃない)もこの括りに入れられますが、和製リバティーンズと称されたandymoriは何故か括られません。そういうあいまいさもあって日本のロックンロールリバイバルはイマイチブームになりきれずに終わりました。
 
一応このシーンから登場して現在も続いているバンドにa flood of circleがいます。ロックンロールリバイバルと騒ぎ始めた頃はちょうどデビュー当時で、ただバンドの音楽性は所謂ベタなロキノン系みたいな感じでしたが、今や暑苦しいほど正統派なロックンロールバンドになりある程度の人気を博しています。本当にこのシーンで成功を収められたのはafocとThe Mirrazくらい。
 
一方、BFTGやロックンロールリバイバルムーブメントを度外視してみるとようやく国内でもガレージリバイバルバンドが現れてきたように思います。
例えば大分から登場したDroogは70'sパンクやグラムロックに影響されつつも破壊的なサウンドが魅力の純正ガレージパンク。
また現在ではTHE BAWDIESに並ぶ人気バンドに成長したOKAMOTO'Sも初期にはルースターズやソニックスをカバーするなどロックンロールを軸にしたシンプルなサウンドはまさしくロックンロールリバイバルの名に相応しいでしょう。
THE PINBALLSはミッシェルガンエレファントに影響を受けたような、モッズ的でスマートなロックンロールを鳴らすスタイリッシュなロックンロールリバイバルバンド。
そしてガールズバンドでは、少年ナイフやThe 5.6.7.8'sのように海外で先に火がつき逆輸入されたThe Suzanがいます。まだまだ有名とは程遠いですが、50'sや60'sの佇まいを感じさせる外見やダンサブルなフラットロックは着々と国内でも評価の兆しが見えてきています。
 
ただ、英米同様国内でもガレージリバイバルムーブメントの影響は落ち着いてきたように思われるので、ブームとしてさらにロックンロールリバイバルのバンドが急増することは無いと思います。
今の日本では中高生を中心に新しいバンドブームが沸き上りつつありますが、ガレージリバイバルやロックンロールリバイバルの流れを汲んだバンドはあまり主流ではないように思われるのが残念です。
 
 
 
今回はおまけでしたが、全4回の文章でガレージという一ジャンルの全容をボンヤリと掴めていただければ幸いです。
 
お終い

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本項では、80年代末から始まった日本国内独自のガレージシーンについてたっぷりと紹介していきます。

 
 
 
まず直接的にガレージシーンを築き上げたのは80年代末のネオGSブーム。以後のジャパニーズガレージの先駆けとなるザ・ファントム・ギフトを始め、現在ではジャパニーズモッドシーンの第一人者であるザ・コレクターズもデビューした頃はネオGSに括られていたり、後に渋谷系ブームで有名となる数々のアーティストもこのシーンにおいて活動し始めていました。
 
そのネオGSシーンを牽引していたバンドの一つ、The 20 Hitsのベーシスト兼イラストライターのジミー益子氏を中心に88年からクラブイベント「Garage Rockin' Craze」をスタート。DJ選曲を60'sガレージやサーフ/インスト、GSに絞ったこのイベントによって国内でも古き良きガレージパンクが深く浸透。
そして、このイベントに強く影響を受けたDaddy-O-Nov氏によって89年にガレージパンクのライブイベント「Back From The Grave」が始動。このイベントは現在に至るまでジャパニーズガレージの定番イベントとして高い人気を得ています。
 
またこれは宣伝でもなく個人的な研究による考察ですが、このジャパニーズガレージムーブメントがとあるテレビ局によって紹介されてた時期が2000年前後にありました。その黒幕がフジテレビのスタッフであり、バンド万力を率いるYOU DIE氏でした。
彼は単純にギターウルフのファンになり、たまたまフジテレビに務めてたことを好機として当局の音楽番組に出演させようと尽力。その結果晴れて地上波にウルフが登場し、さらに同局の名物ライブ番組FACTORYや現在でも行われているロッケンローサミットの常連バンドとなりました。
このFACTORYにはギターウルフ以外にもMAD3やギョガンレンズなどのガレージバンドが多数出演し、2000年のロッケンローサミットの第1回目にはギターウルフやMAD3の他、JET BOYS、ホンコンナイフ、The 5.6.7.8's(変名の3 KOOL KATSで出演)、54 Nude Honeys、JIGHEADなど現在では考えられないくらい濃いメンツが揃っていました。しかも第1回目にはジャパニーズガレージのオリジネイターDaddy-O-Nov氏とセイジ、エノッキー、オノチン、エディー・レジェンド、ジョー・アルコールの6名による豪華な対談が放送されていました。これは現在YouTubeで観れますが、本当に貴重です。
余談ですが同じくフジテレビ主催のイベント「BLACK LIST」の、ミッシェルとブランキーをフューチャーした第1、2回目にてBFTG周辺のバンドが脇を固めていたこともフジテレビ(というかYOU DIE氏)によるジャパニーズガレージシーン浸透に尽力していた証だと思います。
 
 
 
 
 
では、まだ当ブログで紹介してないような日本のガレージパンクバンドを少しく紹介。
 
まずTexaco Leatherman。BFTGに第1回から出演しており、同イベントではハウスバンドに位置付けられるほどの出演回数を誇る、まさしくジャパニーズガレージを代表するバンド。
その音楽性はとにかく粗暴。狂気じみた破天荒なライブパフォーマンスはYouTubeの動画を少し漁るだけでも存分に体感できます。また彼らの現時点で唯一のフルアルバムも衝撃的。
 
Jackie & The Cedricsは国内最高峰のサーフガレージインストバンド。音源が尽く入手困難なのが極めて残念なんですが、ギターウルフのセイジ氏が師匠と崇めるほど、天才的なロッキン・エノッキー氏のギタープレイがとにかく素晴らしい。
 
そしてTeengenerate。まさしくガレージパンクの名に相応しい、粗雑で迫力満点のスピード感が国内よりも海外に大ウケした奇跡のバンド。活動期間は短命ながら、今でもガレージ界隈での影響力は強大。このバンドに興味を持ったなら彼らのドキュメンタリー「GET ACTION!」を絶対観るべし。燃えます。
 
The Minnesota Voodoomenは個人的にかなりオススメのロッキンガレージバンド。ニートビーツのようにスマートなビートバンドのルックをしていながら、鳴らす音は凶悪なまでにロウでカッコいい。音源は持っていますが、今一番ライブが観たいバンドです。
 
 
 
またガレージバンドは男だけじゃなく、素晴らしいガールズガレージバンドがとにかく多い!
 
まずThe 5.6.7.8'sを語らずしてジャパニーズガールズガレージは語れない。ただ実は未だに音源を一枚も入手出来てないのが非常に悲しい現状です。泣
タランティーノ監督「Kill Bill」に出演したことで世界的にかなり有名になりました。50年代のマイナーなロックンロールやR&Bなど、気に入ったものしか演奏しないようなスタンスは流石。ガールズバンドだとはいえ全く侮れないワイルドなロッキンガレージにビビりまくり。
 
Supersnazzはグランジ全盛期のSub Popから1stをリリースしたこともある比較的海外人気の高いバンドですが、サウンドはグランジなんてもんじゃない。
Teengenerate同様勢い一番のガレージパンクですが、パワーポップ風味もあってスマートにカッコいい。
 
The Go-Devilsはワイルド&セクシーな佇まいからして最高だし、モロ60'sガレージリスペクトなファズサウンドが堪らない。
 
Sixも同じくワイルドで、しかしキュートな側面を持つバンド。60'sのモッズやGS歌謡時代の、独特な雰囲気を再現したファッションに身を包み、スタイリッシュなロックンロールを鳴らす最高のサウンドが素晴らしい。
 
一方The Bunniesは60'sガールグループ並みに綺麗で可愛らしいコーラスワークが魅力的な、洗練されたポップサウンドを展開。
 
 
 
他にもアレコレと紹介したいバンドは山ほどありますが、これ以上キリがないのでお手軽にジャパニーズガレージの全容を伺える傑作コンピ&映画を紹介。
 
まずは「ツナミ・アタック・オブ・ザ・ジャパニーズ・ガレージ・ロックンロール」。
先述のBFTGの20周年を記念して作られたコンピ盤で、同イベントに出演していたバンドを中心に全3作でなんと99曲も収録。まさしくジャパニーズガレージ版「Nuggets」な内容。Daddy-O-Nov氏による各バンド紹介が掲載されたブックレットは本当に参考になります。
 
そして映画「Garage Rockin' Craze」。クロアチアから来日し、日本独特のガレージシーンにどっぷり浸かったというマリオ・クジク監督が長年撮り続けた映像をまとめ、ドキュメンタリーとして制作したものです。
内容は彼独自の視点から描いているものの、主役をBFTGのオーガナイザーであるDaddy-O-Nov氏に据えることで日本のガレージシーンの成り立ちがよく分かるものになっています。そしてこれでもか!とばかりに詰め込まれた数多のジャパニーズ・ガレージバンドの演奏に次ぐ演奏シーン!中には映像作品どころか音源すらリリースしてないバンドもいるため、ライブに足を運ばずとも動く姿を拝めるのは大変貴重だと思います。この映画はDVDも出ているので、絶対に買うベし。もしできるならばTeengenerateのドキュメンタリー「GET ACTION!」のDVDも買って、全シーンを覚えるくらいしつこくアタマに「ガレージ」を叩き込むことを強くオススメします。
 
もしアナタがジャパニーズ・ガレージに興味を持ったなら、ヘタにまとめサイトを見るより先に、
1.「Garage Rockin' Craze」を観る
2.「ツナミ・アタック」のコンピを聴く
3.Back From The Graveに足を運ぶ
の三連コンボでカンペキです。
 
 
 
 
 
さて、これまで全3回に分けてガレージパンクの魅力について暑苦しく語ってきましたが、最後に重要な参考文献をご紹介。
まずシンコーミュージックから出てる関口弘著「ガレージパンクディスクガイド」。これはガレージ赤本と呼ばれるくらい、ガレージ界隈では基本中の基本なディスクガイドです。とりあえずこれさえ目を通しておけばガレージパンクの全体像がかなり掴めると思います。
 
さらに掘り下げたい方はグラフィック社から出ているジミー益子先生監修の「60'sガレージディスクガイド」を読めば、有名どころからマイナーガレージまでコアな目線で浸かることができます。
また同じく「ワイルドロックンロールディスクガイド 50's 60's」ではガレージ以前のソウル/R&Bやサーフ/インスト、さらにストリップのBGMを集めた名作コンピ「Las Vegas Grind」に収録されていたようなZ級猥雑ダンスナンバーやMartin Dennyの二番煎じ的なエキゾチックなラウンジものも多数紹介。俺は後者のせいで大幅に人生が狂ったように思います。
 
これじゃまだまだ物足りない!って方にはキングジョー氏の編著による「SOFT HELL!」本2冊がオススメ。著書が自主製作しライブ会場などで配られていたフリー冊子を中心にまとめたものなので、レイアウトが粗雑で本としては読みにくさを感じますが、マニアックな熱意を十分に含んだ文章はビックリするほど参考になるものばかり。またフレーミン・グルーヴィーズの裏話やイギー・ポップの生い立ちをまとめたコラムなどウィキペディアには載ってない(載せられない)話が盛り沢山。その圧倒的な情報量にひたすら感服させられます。
 
 
 
 
 
さて、これで果たしてアナタを完璧に「ガレージロック」の世界へと導ける文章に仕上がったかは甚だ不安ですが、もしこれらの長文をじっくりとお読みいただいて、「ガレージって面白い!」と感じて頂けたなら幸いです。

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長くなってしまったので分割。

 
本項では60's末のプロト・パンク期から90年代のネオ・ガレージまで駆け抜けて紹介していきます。
 
 
 
ビートルズをはじめとしたブリティッシュ勢のアメリカ侵攻によって大ブームとなったガレージロックも、60年代末にはすっかりサイケの波に飲み込まれそうになっていました。
しかしアメリカ北部のミシガン州デトロイトでは、そんな時代の波に逆行しようと、後のパンクロックに繋がる極めてクレイジーなガレージバンドが台頭しました。
 
60年代半ば、退屈なスクールバスに揺られて大嫌いな学校へ通いながら、車内放送で流れてくるThe Kingsmenの「Louie Louie」を聴いてバンドを結成、そのThe Iguannasにドラマーとして在籍していた高校生James Osterberg。
その後地元アナーバーでドラマーとしてのキャリアを築きながら、ジム・モリソン(The Doors)の影響から次第に歌いたい欲求が高まった彼は、自身にIggy Popというステージネームを名付け、地元の悪友たちを巻き込んでThe Stoogesを結成しました。 
 
 
 
セルフタイトルの1stで聴ける、イギーの破天荒なキャラクターと爆音で粗雑に鳴らされるファズギターが印象的なサウンドは、「Nuggets」に収録されたような従来のガレージバンドの「スマートなロックンロール」というステレオタイプを大きく変えるほどの破壊的なサウンドで世間に衝撃を与えました。
また2nd「Fun House」ではサックス奏者のスティーブ・マッケイが加入しフリージャズに接近した実験的なサウンドに移行しますが、イギーを始めとしたメンバーのドラッグ中毒が悪化しバンドは崩壊、活動休止を余儀なくされます。
 
薬物障害から人生のどん底まで陥ったイギーは、その後70年代初頭にDavid Bowieと出会い、活休前のサイドギタリストであったジェームズ・ウィリアムスンと共にロンドンへ渡り、アシュトン兄弟を呼びつけてThe Stoogesは活動再開します。
そうして作られた3rd「Raw Power」は、それまでの作品よりも極めてシンプルな構成ながら、よりラウドでプリミティブなロックンロールに満ち溢れた傑作。
 
The Stoogesについては、音源を聴くことはもちろんジム・ジャームッシュによるドキュメンタリー「Gimme Danger」を鑑賞することも強く勧めます。ガレージについて知りたいならまずThe StoogesとIggy Popについて知らなければ何も始まらない。私はそう強く断言したい。
 
 
 
MC5はイギーに比べてバイオグラフィーは全然知りませんが笑、バンドは64年に結成し66年にシングル「I Can Only Give You Everything」でデビューしました。メンバーは当時16歳前後だそうです。。。
また2ndシングルは後にダムドのカバーで再評価された「Looking At You」。同曲は後に2ndアルバム「Back In The USA」で再録されますが、彼らの特徴である爆音ガレージパンクは既に確立。
 
そうしてリリースされたデビューアルバム「Kick Out The Jams」はガレージどころかロック史にも名を刻む名盤。なんとデビュー盤にしてライブをそのまま真空パックしています。
表題曲であり彼らの代表曲「Kick Out The Jams」は冒頭から「Motherfucker!」と叫ぶなど過激なボーカルに凶悪なリフが合わさってとにかく危険。ギターウルフはおろか、Rage Against The MachineやThe Strypesもカバーするなど、ジャンルや国境を越えて愛されるガレージパンクの大名曲。
なお、初のスタジオ作品となった2nd「Back In The USA」はライブレコーディングだった前作に比べれば勢いや音圧の面では劣るものの、非常にストレートなロックンロールが全編で聴ける佳作。これも必聴です。
 
 
 
これらデトロイトが誇る2大バンドは、David Bowieらグラムロックに強く影響を与え、アメリカでもAlice CooperやNew York Dollsなどグラム的ながらよりケバく、下品なロックンロールバンドを生み出し、後のパンクブームの下地を形成することに大きく貢献しました。
 
またロンドンでのパンクブームが勃興する以前にはThe Velvet Undergroundなどに影響されたニューヨークパンクが登場し、またパンクブームが到来した後のロサンゼルスでは、サイケロックの呪縛に徹底的に反抗したプロトハードコアなパンク勢が台頭していました。
 
一方でまだガレージパンクの生き残りが存在していたことも事実で、パンクの陰に隠れながらも素晴らしいバンドが生まれていました。
 
 
 
まずは先述のデトロイトにおいて、The StoogesやMC5直系の粗削りなサウンドにハードロックの骨太さとパンクのエネルギーを足した凶悪ファズパンクのThe Dogs。「Slash Your Face」のリフを聴けばその狂犬ぶりに昇天すること間違いなし。
 
ボストンからはNuggetsガレージ直系のDMZがいました。The WailersやThe Sonicsなどガレージレジェンドにカバーで敬愛を示した、正統派70'sガレージロック。その後どのような経緯があったのかは不明ですが、80年代にはThe Lyresへと名前を変えて再出発。
 
カリフォルニア州のサンフランシスコにはThe Flamin' Grooviesなるバンドがいました。このバンドはとにかくヘンテコなんですが、そのヘンテコっぷりが一部のガレージフリークからカルト的な人気を博しています(俺含む)。
初期はカントリーやフォークを演奏していた朗らかな音楽性だったのが、60年代末にMC5を観て「俺達は負けた……」と勝手に敗北宣言、デトロイトパンクを模した爆音ガレージに転向。
その後リーダーのシリルが「俺はビートルズだ!」と訳の分からないことを言い出し、モッドな雰囲気全開のブリティッシュビートバンドに再転向。
もう書いてく内にどんどん意味不明なんですが、本当に意味不明でヘンテコなバンドです。音楽性をコロコロ変えても熟練した感じがせず、いつまでも抜けないB級臭さが堪りません。
 
同じくカリフォルニア州サクラメントからはカルト・ガレージの帝王The Crampsが登場。
マイナーなロカビリー/サーフやB級ホラー映画をこよなく愛するLux InteriorとPoison Ivyの好き者夫婦を中心に結成され、ロカビリーを土台にしたサウンドやホラー映画に登場する怪物のようなルックスはサイコビリーの先駆とも称されました。また墓場から掘り起こすように彼らがカバーしたロックンロールの数々は「Born Bad」などのコンピによっても紹介され、オリジナルの再評価にも貢献。ガレージパンクを一から知るにはThe Crampsをキッカケにするのもオススメです。
 
 
 
そんなアメリカのガレージシーンも、80年代にはニューウェイヴやメタルなどのメインストリームな音楽はおろか、インディーズでもハードコア全盛となり完全に下火となります。
サーフパンクという非常にコアな音楽性で去りゆく60年代に想いを寄せたThe Barracudas、クランプス同様墓場に埋もれていたガレージの名曲を蘇らせたThe Fuzztones、60'sロッキンR&Bバンドの生き写しなThe CrawdaddysやThe Chesterfield Kingsなど、この時代に登場したバンドは少なくないですが知る人ぞ知る存在であることは否定できない。
 
一方イギリスではBilly Childishという男により、よりローファイなトラッシュガレージとして息を吹き替えそうとしていました。
Micky Hampshireを中心に結成されたThe Milkshakesは古き良きロックンロールをローファイにカバーするバンドとして注目されましたが、次第にBillyが主導権を握りだし結果バンドは解散。その後BillyはThee Mighty Caesarsを経てThee Headcoatsを結成します。
Thee Headcoats及びBilly Childishはチバユウスケが熱心に紹介していたため国内でも多少有名になりましたが、Billy Childishの最大の功績はThee Headcoatsのある程度の成功によって、彼自身のHangman Lebelやバンド御用達のToe Rag Studio周辺のガレージバンドにも目を向けさせたことでしょう。姉妹バンドThee HeadcoateesやThe Flaming Starsなど、Billy Childish周辺には素晴らしいバンドが多いです。
 
 
 
90年代に入ると、再びアメリカには様々なガレージバンドが雨後の筍のように台頭してきます。
まずJack Whiteが登場する以前のデトロイトは黒人ガレージマスターのMick Collinsが中心人物として動いていました。彼は80年代からジョンスペに先駆けたベースレスガレージバンドThe Goriesとして活動していました。そして90年代に入ってからもThe Dirtbombsを率いては50'sソウルガレージの名人Andre Williamsをバックアップし彼の再評価に一役買うなど80年代以後のデトロイトシーンを牽引し続けました。
 
またニューヨークのブルックリンではBilly MillerとMiriam Linna夫妻によるNorton Recordによって彼らのバンドThe A-Bonesのリリースはもちろん、50's~60'sロックンロールの名盤、珍盤が多数発掘、再発されました。既にプレミアな価値がつき血眼になって探し求めていたガレージマニアにとって、彼らのリリースした音源の数々はまさに差し伸べられた救いの手でした。同レーベルは現在に至ってもガレージ愛好家に信頼し愛され続けています。
 
更に同じくニューヨークからはThe Devil Dogs、カリフォルニアからはオルガンパンクのThe Mummies、同じくSuperchargerを前身として結成されたThe Rip Offs、テネシー州メンフィスからはギターウルフを発掘したことで知られるGoner RecordのEric Oblivianが在籍したThe Obliviansなど無数のガレージリバイバルバンドがアメリカから台頭しました。
これらのバンドはちょうど日本のガレージパンクシーン形成(詳しくは後述)と重なり、ギターウルフやThe 5.6.7.8'sを始めとした日本のバンドとも交流があったため国産ガレージパンクを盛り上げるのにも大きく要因しました。
 
加えて90年代のガレージシーンは当時隆興していたグランジブームとも無縁だったわけではなく、NirvanaやSoundgardenが在籍していたSub PopにはDwarvesやSupersuckersなどのガレージパンクバンドも在籍していたし、グランジバンドとして語られる事が多いMudhoneyも音楽性からガレージバンドとして扱われる事も少なくないです。
 
 
 
さらにつづく

テーマ:

2015年を境に、私が強く惹き込まれ、とにかく深くのめり込んでしまった"ガレージ"という一ジャンル。

ただ一口にガレージと言ってもその音楽性は非常に多様なんですが、知れば知るほど奥が深い。

ここからはガレージ初心者のガイドとして、私なりに稚拙な文章ながらじっくりと紹介していきます。
 
 
 
 
 
まずはじめに、ガレージロックというジャンルは、基本的に60年代前半のアメリカにおいて無数に存在したアマチュアバンドのことを指します。
「ガレージロック」という名前の由来は、スタジオを借りる余裕もないような貧しいティーンネイジャーが、バンドの練習場所を主に自宅のガレージとしていた例が多かったことからだそうです。単純な理由ですね。
 
そんなガレージバンドですが、彼らは突然変異的に60年代前半に急増した訳ではなく、やはりその背景にはちゃんとしたルーツがあります。まずは歴史から学びましょう。
 
 
 
ガレージロックのルーツになった音楽は主に50年代の黒人音楽で、すなわちロックンロールのルーツでもあります。
 
例えばHowlin' WolfやMuddy Watersなどのブルース、Screamin' Jay HawkinsやAndre Williamsなどのソウル・R&B、そしてLittle RichardやBo Diddleyなど黒人ロックンロール。ガレージバンドの多くはこれらを愛聴し、しきりにカバーしていました。
 
そして白人文化にもサン・レーベルを筆頭にロックンロールが浸透していくわけですが、この流れで生まれたサーフ/ホットロッドなどのロッキン・インストやロカビリーが直接的なルーツとして関わってきます。
 
例えばLink Wrayは壊れたアンプで暴力的に歪ませた「Rumble」というギターインストで、歌がないにも関わらず放送禁止の快挙を果たし、ロカビリーとサーフロックを混ぜ込んだThe Trashmenは「Surfin' Bird」なるガレージサーフの名曲を生み出し、のちのガレージバンドに大きな衝撃を与えました。
 
 
 
これらの所謂「50'sプレ・ガレージ」に強く影響を受け、真っ先にガレージバンドが誕生したのはアメリカ北西部のワシントン州タコマ。
中でもThe Wailers(ボブ・マーリーのバンドとは異なる)と、The Sonicsは絶対に押さえておくべき重要バンドです。
 
まずThe Wailersは50年代にサーフ系インストバンドとしてデビュー。その後ロックンロールシンガーのRockin' Robin Robertsと組んでリリースした「Louie Louie」がヒット。後に同曲をカバーして大ヒットしたThe Kingsmenなど、ガレージの先駆者として多くのバンドに影響を与えました。
 
その直後に登場したThe Sonicsは当初インストバンドとして結成され、オルガン奏者として途中加入したLittle Richardを愛好するGerry Roslieが歌い始めたことから、バンドはR&Bのカバーを頻繁に行うようになり、「最も古いパンク」の異名を得るに至りました。
そうしてリリースしたデビュー盤「Here Are The Sonics」は黒人まがいの強烈シャウトと歪んだギターが衝撃的なガレージロックの名盤。時折パンクの先駆者としても紹介されますが、パンクやガレージ云々を抜きにして誰しも一度は聴いておくべき傑作です。
 
この北西部、という点が実は重要で、というのもアメリカは国土が広いため州ごとに独自のカルチャーが根付いていて、その州でヒットを記録することは小国における大ヒットと同等の影響力を持つことを意味します。
そして、例えばここでいうワシントン州で人気を博したThe WailersやThe Sonicsの評判は他州へと及び、これによってガレージロックがアメリカ全土に広がることになります。
 
 
 
またガレージブームに火をつけたのは各州のローカルヒットのみならず、1964年にアメリカデビューを果たしたザ・ビートルズを始めとするブリティッシュビート・バンドのアメリカ侵攻、つまりブリティッシュ・インベーションによる影響も大きいでしょう。
ビートルズによって引き起こされたバンドブームはアメリカに限らずヨーロッパ圏やオセアニア、中南米など、そして日本にもグループ・サウンズとして訪れ、世界規模で数多のガレージバンドが誕生しました。
 
また60年代半ば以降からヒッピー文化に代表されるサイケブームが到来し、これらのガレージバンドはサイケブームとも密接に関係してきます。
 
 
 
では私の独断と偏見から、60'sガレージの代表的バンドを少しく紹介しましょう。
 
まずはThe Remains。ロンドン旅行中にローリング・ストーンズやキンクスを目撃して触発された大学生バリー・タシアンを中心に64年結成。ビートルズのUSツアーの前座を務めたことで有名バンドとなったにも関わらず直後に解散してしまいました。
名コンピ「Nuggets」に収録された「Don't Look Back」をまず聴いて欲しいのですが、彼らの最大の特徴はとにかくシンプルで、勢い溢れたロックンロール。鋭く刻むカッティングを主体で鳴らされるスマートなサウンドに、身体が自然と動きます。
 
続いてThe Shadows Of Knight。R&Bフリークの高校生によって結成されたバンド。ブリティッシュR&BバンドThemの代表曲をカバーした「Gloria」がヒットし、同曲はガレージバンドの定番となりました。ブリティッシュビート勢も顔負けのエネルギッシュなR&Bに圧倒されます。
 
60'sガレージバンドといえばヒット曲一つで瞬く間に消えてしまう、所謂「一発屋」が多かったのも事実。その例としてQuestion Mark And The Mysteriansも紹介しましょう。
バンドの詳細は不明ですが、彼らのシングル「96 Tears」が突如大ヒットし、なんと全米1位に上り詰めます。とはいえ人気バンドとして取り上げられたわけでもなく、次作もヒットしたわけではなく、忽ちチャートから姿を消しました……。
その「96 Tears」ですが、チープなオルガンの音色と哀愁漂うメロディが印象的な、確かにガレージパンクの名曲。私もこの曲しか知りませんが一聴の価値は充分にあります。
 
そして世間では一発屋扱いされているものの個人的に愛してやまないのがThe Count Five。彼らの代表曲「Psychotic Reaction」はファズが効きまくったイントロからもう完璧な至高の一言。フー或いはヤードバーズが発狂してしまったかのような、荒々しくて緊張感あふれる間奏も圧巻です。
 
 
 
また先述したように、ガレージバンドとサイケブームの関わりは深く、時折「サイケガレージ」、「アシッドガレージ」とも呼ばれます。その代表例がThe 13th Floor Elevatorsでしょう。
リーダーにして真性ジャンキーのロッキー・エリクソンを中心に結成されたバンドは、シングル「You're Gonna Miss Me」のヒットで人気を博しました。
2ndアルバム収録の長大曲「Slip Inside This House」はVanilla Fudge「You Keep Me Hanging On」やIron Butterfly「In-A-Gadda-Da-Vida」と並び、プログレ以前のサイケロックの名曲として高く評価されていますが、ロッキー・エリクソンのヤク中に起来する精神錯乱と共にバンドは解散、彼は音楽業界からフェードアウトしていきました。。。
 
このバンドはYou're Gonna Miss Me」を聴けば分かる通り、明らかにクスリの力でブッ飛んでます。ロッキーの声裏返りまくりな頓狂ボーカルに、ヘンテコなジャグの音やテキトーなギター、滅茶苦茶なハープ。トータルではカッコよく纏まっていますが音を一つ一つ辿ればカオスの極み。そりゃあ錯乱してバンドが崩壊するのも納得だ。。。
 
 
 
さて、ここまではアメリカのガレージバンドを紹介しましたが、世界には更に多くのガレージバンドが存在します。さらに掘り下げて紹介しましょう。
 
まずイギリスのDownliners Sect。後にThee HeadcoatsでUKガレージリバイバルを牽引するビリー・チャイルディッシュがセクトの大ファンであることは一部で有名。ドン・クレインの嗄れたボーカルが強烈な絶品ガレージR&Bはチバユウスケもお気に入り。
 
The Creationはモッズスタイルながらサイケブームの影響も見え隠れする、所謂フリークビートと呼ばれるスタイルのバンド。スマートにR&Bを演奏する姿はとにかくイカしてますが、もっと凄いのはジミー・ペイジよりも先にボウイング奏法を取り入れていたギターのエディ・フリップス。さらに演奏しながらライブ・ペインティングも行うなどアート感覚はバツグン。
 
オランダにはThe Outsidersなるガレージパンクの至宝が。UKよろしくR&Bを土台にしたロックンロールはとんでもなくカッコいい。特に「Won't You Listen」は映画「爆裂都市」に登場するバトル・ロッカーズが、この曲をほぼパクって「セルナンバー8」という名曲にアレンジしてオリジナルを超えてしまったことは有名。
 
飛んで南米のペルーに渡れば、Los Saicosなる強烈ガレージバンドに遭遇。
このバンドのバイオグラフィーは知らなくとも、名曲「Demolicion」のインパクトは脳髄にクッキリと焼けつけておくべし。
イカれたようなダミ声で「タ!タ!タ!タ!…ヤァ!ヤァ!…」と叫ばれたら堪ったもんじゃない。私はこの曲のせいで60'sガレージを深く掘り下げる運命を辿りはじめました。笑
 
 
 
そして当然日本にもガレージの波は到来し、グループ・サウンズのブームにおいて国産ガレージバンドが登場しました。
 
例えばザ・ダイナマイツは後に村八分やティアドロップスを結成する山口冨士夫が在籍していました。代表曲「トンネル天国」は歌謡曲のカケラもない、ファズギターと嗄れた歌声が強烈な国産ガレージパンク。
 
またザ・モップスは60'sガレージコンピの傑作「Nuggets」2作目にて、唯一日本代表として収録されている偉大なバンド。その収録曲「I Am Just A Mops」はサイケ風味を効かせた洋楽志向のガレージサウンドで、日本からこのようにパワフルなバンドが登場していたことが嬉しい。同曲の収録された1stアルバムも、国産オリジナル・ガレージの大名盤です。これは必携。
 
 
 
そしてガレージ・ロックを知るうえで絶対に避けて通れないのが、当時は稀有だった60's B級ガレージの名コンピにして歴史に残る大名盤「Nuggets」。このアルバムはガレージかどうかに関わらず誰しもが手元に置いておくべき一枚です。
長らく本国アメリカから出てる輸入盤に頼らざるを得なかった本作は、なんと2016年に念願の日本盤がリリースされました。
この名コンピの責任編集者かつ後にPatti Smith Groupのギタリストを務めたレニー・ケイ、そしてリリース元のエレクトラ・レコーズ社長によるライナーノーツの邦訳が手軽に読めるだけでも非常にありがたい。
 
 
 
つづく

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