2006年02月21日

・中国、日本の防空識別圏への侵入急増 ~それでも中国を脅威だと言ってはいけない日本~

テーマ:中国・軍事戦略問題

中国、日本の防空識別圏へ侵入急増 偵察活動を既成化:産経

 東シナ海の「情報戦」が激化している。中国は自衛隊の活動監視などで東シナ海に航空機と監視船を頻繁に出動させたことを公表したが、防衛庁によると、日本の防空識別圏に侵入した中国機による電波収集活動はこの一年間、急増。中国側による公表は「偵察活動を既成事実化する戦略」(防衛庁幹部)とみられる。「情報戦」に有効な対抗措置が取れない日本の領空に近づく布石ともいえそうだ。(半沢尚久)

 中国国家海洋局は昨年の「中国海洋行政執法公報」を公表。その中で一昨年七月から昨年六月にかけ、海洋監視航空機を百四十六回、監視船も十八回、日本が排他的経済水域(EEZ)の境界線と主張する東シナ海の日中中間線周辺に出動させたと明らかにした。

  防衛庁によると、中国機に対する空自のスクランブルは、平成十四年度はゼロ、十五年度は二回、十六年度には十三回だった。だが、今年度は上半期だけで三十回と急増し、下半期も増加傾向は続いている。

 中国の偵察機は東シナ海のガス田周辺を飛行し、自衛隊の航空機や基地が出すレーダーの周波数などの電子情報を収集している。この情報を分析し、戦闘機で攻撃する際、日本の防空レーダーを妨害電波で無力化する狙いがある。

 中国の偵察活動について、「自衛隊の対処を見極めながら、徐々に行動範囲を広げてくる」(制服組幹部)との分析がある。最も中国寄りに設定された日本の防空識別圏に入り、次に日中中間線を越えるという既成事実を積み重ねた上で、最後に日本領空に近づくというものだ。そのときには、自衛隊の電波はすっかり収集されている可能性も高く、「スクランブルだけでは偵察活動への抑止にならない」(政府筋)との危機感も強い。

 今回の中国国家海洋局の公表も、日中両国が対立しているガス田での中国側の権益のために、航空機や船舶を出動させたという“正当性”を強調する意味合いが強い。日本側が黙認すれば、中国側はこの主張を盾に、偵察活動をさらに活発化させてくるとみられる。

 また、日本政府が試掘権を与えた帝国石油がガス田で実際に試掘を始めれば、中国が航空機や艦艇で妨害に出てくる恐れもある。「日本政府として経済権益をどう守るか対処方針を示すべきで、自衛隊がEEZで活動するための法整備も不可欠」(同)だ。

 米政府は「四年ごとの国防計画見直し」(QDR)の中で、中国の軍事力の近代化について、電波・電子情報を収集する電子戦を例示し、「大規模な投資を継続する可能性が高い」との警戒感を示している。

「中国は脅威」と発言 空自基地司令を厳重注意:共同
 航空自衛隊那覇基地(那覇市)の滝脇博之司令(空将補)が記者懇談会で 「中国は脅威」などと発言、吉田正航空幕僚長は17日の記者会見で「個人的見解とはいえ、適当ではない」と述べ、同日、滝脇司令に口頭で厳重注意した。
 問題の発言があったのは15日午後に同基地で開かれた懇談会。滝脇司令は「中国の軍事力増強は沖縄の自衛隊にとって脅威」とし、沖縄県宮古島市の下地島空港に戦闘機部隊を配備して、中国に対抗するべきだという趣旨のことも述べた。 吉田空幕長は「額賀福志郎防衛庁長官からも『さまざまな懸案があるときに望ましくない発言』と注意があった」とし「本人と面談して真意も確かめたい」と話した。


 「中国のことを絶対に脅威と言ってはいけない」こんな空気が日本に蔓延しているように思えます。民主党前原代表が党の公式見解にしようとすれば、絶対に許さないと反対する勢力がいる。さらにこのような野党左派のみならず、自民党内部においてもその気配が今の日本にはあります。しかし、毎年軍事費は二桁もアップし、領海侵犯、EEZ侵犯を度々繰り返し、さらに航空機でも”来るべき日”の為に着々と日本の軍事情報を集めている中国。はっきり言って誰がどう見ても”現実的脅威”です。これのどこが脅威ではないのか、私には理解できません。この現実を、最も身近で感じているであろう自衛隊の幹部の方が、正直な正論を発表すると、途端に処分されてしまう。この懇談会というものが、何を趣旨にし、自衛隊の方から何を聞きたかった懇談会なのかは不明ではありますが、シビリアンコントロールという建前上、自衛隊の方が軍事戦略について記者会見で私見を述べるということには確かに多少問題があるのかもしれませんが、この処分のウエイトはそこではなく、「中国」について発言したからだと思えてなりません。

 那覇基地へF-15 戦闘機を配備する件についても「中国への対抗措置ではなく、あくま老朽化したF-4の交代として」というのが公式説明でした。元々、F-15を沖縄に配備しないのは、「中国を刺激する為」という説明であったはずです。それがこの時期になって急にF-15を配備したのは、上記記事でも指摘されているような、中国の急激な軍事大国化と急増する中国の東シナ海での軍事行動に対応する為であるのは間違いありません。

 隣に住む人が暴力団を何人も雇い、実際にこちらの敷地に無断で侵入し、包丁をちらつかせながら家の中を覗き、庭を掘りあさっている。この状態で、「隣の人が脅威です」と言ったらいけないと言うのですから、この国が如何に異常であるかがわかります。

 上記記事にもありますが、あちら側は、既成事実を積み重ね、それを正当化しようという画策にまで出ています。いつまでも「脅威でない」などという惚けた対応に留まっていては、相手の進入をさらに加速させ、近い将来取り返しのつかない事態となるでしょう。”相手を刺激しない”などという外交戦略は中国にはもはや無効であり、同時に日本の最大の欠点にもなっているのです。遅い対応ではなりますが、今後は主張すべきは主張し、取り返しのつかない事態になることを避けて頂きたい。日本と日本国民、その財産を守る義務のある日本政府に対し、強く希望します。


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参考書籍:

自衛隊vs中国軍―自衛隊はかく戦えり!
479664802X
中国の安全保障戦略
平松 茂雄
4326351365

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