地球全体の海の水温が、93~08年の16年間で約0.1度上がったとの分析結果を、石井正好・気象研究所主任研究官らの国際研究チームがまとめ、英科学誌ネイチャーに発表した。この熱で大気を温めれば気温は約30度上昇する。大気に比べ膨大な熱を蓄える海の温暖化を、精密に解明した成果で、将来の気温上昇の正確な予測に役立つという。

 研究チームは、水深2000メートルまでの水温や塩分濃度を測定した装置約3000台の観測データなど過去の9研究で使われた膨大な記録を精査した。

 その結果、水深100~700メートルの海水温は、16年間で約0.08~0.12度上昇し、海面1平方メートルあたり約0.64ワットの熱が加えられたことに相当することが分かった。これに必要な熱量は、全人類67億人がそれぞれ100ワット電球500個を点灯し続けたことに匹敵するという。

 海水温の上昇は以前から指摘されていたが、上昇の幅は0.04~0.15度と研究によって3倍以上異なっている。また、国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」によると、地球の平均気温は1906年からの100年間で0.74度上昇しているが、気温は天候の影響で変化が激しく、急な変化の少ない海水温の動向が、温暖化の進行を把握する鍵になっていた。【高木昭午】

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