こんな話がある

ある所に一人の男がいた

その男は本当に小さな事

些細なすれ違いや

寂しさから

自分はこの世界に要らない人間なんだと思った


男は世界に絶望した

男は立ち続ける事を

歩み続ける事を辞めようとした


けれども男は座る事ができなかった

立ち止まる事ができなかった


男はただ立ち続けた

男はたた歩き続けた


男はたくさんの素敵な人と出会い

その人達の優しさや

暖かさに触れて

少しずつ世界が変わっていった


世界が色を取り戻し

輝いて


男は素敵な人達に感謝していた

ずっとこれからもいつも傍にいたいと

これからもいつも皆で楽しくいたいと思った


でも別れの時は少しずつ近づいて

皆が離れ離れになっていく


本当に誰もいなくなったりはしない

ただ距離が少し遠くなるだけ

会いたいと思えばいつでも会える

離れていても繋がっていられる


ここでストーリーはふたつに別れる


ひとつめの結末


彼は素敵な仲間達との距離が離れていく事に我慢ができなかった

彼はいつも一緒にいたかった

世界がまた変わっていくことが怖くて

なにもできずに

結局は一人なのだと


どんなに素敵な人と出会っても

どんなに楽しい時間を共有しても

結局は一人で皆離れていくと


そう思った男は

また少しずつ心を閉ざしていった


一人になる怖さがわかるのは

誰かといる幸せを知っているからだと

男はもう誰とも心を開きたくないと


男はまた世界に絶望して

たった一人で涙を流し

誰かといる時には笑顔の仮面をかぶり

心を開く事なく

ただその場だけのつきあいで

自分が生きているのか

そんな事もわからず

ただ立つだけの

ただ歩くだけの時を生きる


素敵な時間は昔観た映画のようにだんだんと記憶から薄れ

光を取り戻した世界は

暗闇へと帰っていく


男はそうやって歩みつづけ

いつかその生を終える


もうひとつの結末


男は素敵な人達との別れが悲しくてしかたなかった

いつでも傍にいたかった


それでも別れは必然で

男は考えた

遠く離れてしまうのなら

いつも皆のことを想おうと

そしてきっとまた新しい素敵な人が現れて

そして去っていくかもしれない


それならその度に

心に素敵な人達を想う心ができて

いつでも皆がいる


離れていても

いつか会える

例え月よりも遠い所に行ってしまうのなら

その距離よりもたくさんの人と出会おう

そうすれば

たくさんの素敵な人達が

皆手をつないでいけば

いつか月より遠い所にも届くかもしれない


例えどんな別れや

苦しみに襲われても

僕は僕のいる場所で

皆は皆のいる場所で


男の涙はいつしかとまり

男はまた素敵な人達と出会う為に歩きだした


ひとつの結末は

新しい物語を歩む為のプロセスだから


そして全ての物語が

ひとつの人生だから


ワクワクするような冒険物語も

悲劇も

喜劇も


物語の中で生きていこう

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終わりが

テーマ:

僕は歩いてきた

ずっと

ずっと

一本道を歩いてきた


その道には

わき道なんてどこにもなくて

ただひたすらにまっすぐな道を歩いてきた


止まることも

休むこともできず


僕はずっと歩いてきたんだ


そして今

僕の目の前には大きな壁

そしてたったひとつの扉がある


僕はどうしたらいいのかわからなかったんだ

ただ立ち尽くしていた


引き返そうにも戻る道もない

僕は歩き初めて

そこから曲がり角も

わき道もない

一本の道を

歩き続けてきたんだ


歩いた道はどんどんなくなっていって

僕はここまで歩いてきた


そしてここで道が終わり

大きな壁がある

そこにたった一枚の扉


僕は他の選択肢なんてなかったんだ


だから僕は

この扉を開けようと思ったんだ


ドアノブに手をかけた瞬間

どこからともなく声が聞こえた

「その扉を開けてはいけない」と


驚いて振り返ると

そこには小さな男の子が立っていた

どこかで見た事があるような少年だった


「今のは君が言ったの?」

僕が聞くと

「その扉をあけてはいけない」と

少年はもう一度

真っ直ぐに僕の瞳を見つめ

力強く僕に言ったんだ

その瞳に溢れんばかりの涙を湛えて


彼が必死に涙をこらえているのがすぐにわかった

「僕はここまで一本道をまっすぐに歩いてきたんだよ、そして戻る道はもうなくなってしまったんだ」

僕はもう早く扉の向こう側へ行ってしまいたかった

少年はなにも言わずに僕を見ていた

僕はもう少年を無視して扉を開けようとした


もう一度ドアノブに手をかけた時

「僕はこんな所に来たくなかった、あんたのせいだ」

少年の声に驚いて振り返ると少年の姿はどこにもなかった


少年の言葉の意味を考え

僕は少年の姿を探した

でも

答えなんてなくて

僕には選べる道はひとつしかなかった


どうしたらいいのか教えてほしかった

僕はもう何もわからなかった

扉の向こうに行くべきなのか

それともこの扉を開けてはいけないのか


誰かに教えてほしかった

僕は泣き出したかった

僕は「誰か教えてくれ」

そうつぶやいていた


なにもわからず立ち尽くしていると

誰かが近づいてくるのに気づいた


その人は僕のすぐ横まできて

こう言ったんだ

「私が教えてあげましょうか?」と

顔をあげると

そこには一人の男が立っていた

でも僕にはどうしてもその男の顔が見えなかったんだ


彼が何者かはわからなかったけれど

僕にはそんな事どうでも良かったんだ

ただ答えが欲しかった

「僕はどうしたらいい?」

「あなたはここにいてはいけません、早くここから離れてください」

「でも僕は一本道を歩いてきたんだ、そしてその道ももうない」

「簡単な事ですよ、その扉の向こうに行けばいいんです」

「でもこの扉を開けてはいけないと、この扉の向こうに行ってはいけないと…」

「確かにあなたは本当はこの扉に来ようと思っていた訳ではないはずです」

「どういうことですか?」

「あなたがここに来ようと思った訳ではなくてもあなたはここに来てしまった」

「僕はどこに行こうとしていたんですか?僕には他の道なんてなかった、一本道をここまで歩いてきたんだ」

「あなたはここに来ようと思っていなかったがここを選んで歩いてきた」

「僕はなにも選んでなんかいない、ただ真っ直ぐ歩いてきたんだ」

「もうここに来てしまった以上あなたはこの扉の向こうに行くしかありません」

「僕はどこに行こうとしていたの?ねぇ?僕はこの扉をあけていいの?」

「さぁ、はやくここから離れなさい」


僕には全く意味がわからなかった

僕はどこに向かおうとしていたんだろう

僕は一本道を歩いていたはずだ

僕はこの扉の向こうに行くべきなのか

僕はこの扉を開けてはいけないのか

あの少年は誰だろう

そしてこの人は


僕が顔をあげると

その男は笑っていた

今度ははっきりと顔が見えた


「あなたは誰?」

僕が聞くとその男は小さな鏡を僕に渡した

僕はゆっくりとその鏡を覗き込むと

そこには困惑した表情の男が

もう一度笑顔で僕を見ている男と

鏡の中の男を見比べた

同じ顔


「あなたは?誰?僕は?誰?」

男は笑ったまま「あなたはすべてわかっているはずです」

「いいや、僕にはなにもわからない、教えてください」

「いいえ、あなたは全てわかっています、本当にあなたの歩いてきた道は一本道でしたか?他に選ぶ道なんてなかったんですか?あの少年は誰ですか?私は誰ですか?」

「わからない、僕にはなにもわからないよ」

「あなたはわからなかったかもしれない、でも今のあなたは全てわかっているはずです」

「どういうこと?」

「わからないのではないですよ、見ていなかっただけでしょう?」

「なんの話?僕にはわからない、知っているなら教えてください」

「もうじゅうぶんでしょう、もう一度、その扉の向こうに行けばいいんですよ」

「扉を超えたら…どうなるんですか?」

「なにも変わりませんよ、また歩き始めるだけです」

「どう言う事ですか?」

「さぁ早く、ここを離れて、扉の向こうに」

その言葉が終わるか終わらないかという頃にはその男はもういなくなっていた


僕はほんの少しだけれど

その男の言葉がわかったような気がした


そしてゆっくりとその扉を開いたんだ


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もうちょっと

テーマ:

本当は

歩き出さなくてはいけなくて

前に進みたいと思うのだけれど

なんだか足踏みばかりで

まったく前に進めていない


やっとスタート地点に立てて

歩き出す時になって

少しだけ

弱気になってしまったんだ


もう少しゆっくりしたいとか

ちょっぴり不安があったりもする


でも歩き出さなくてはいけない

それは全部自分の為だから


夢のことも

修行のことも

全部

中途半端になって

一番嫌な想いをするのは自分自身だってわかってるから


だから

覚悟を決めて歩き出さなくてはいけない


歩く理由はたくさんあって

逃げ出す理由は何一つ見つからないのに

それでも進めないのは

ただの怠慢だから


タイミングが悪かったのもあるけれど

もう本当に

自分が今の現状を我慢できないので

本格的に始動しようと思います


でもそれは来週から

今週は来週からのために

真剣に内側と向かい合おうと思います


そしたら

来週からは外に向かうエネルギーを

どんどん強めようと思います


心の内側からの声が聞こえるんだ

安心して

進めばいいよ

きっとうまくいくって

だから

胸を張って歩こうと思います


たくさんのたくさんの過ぎ去った過去と

連続する今

そしてまだ見ぬ未来


たくさんの未来を素敵な時にするために

今を精一杯生きて

素敵な過去をたくさん抱きしめて歩きたい


今を生きるために

一瞬一瞬の今を

本当に大切にしたい


ただ生きるのではなく

大切に生きられるようにしようと思う

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