精神科の怪しい伝説② | kyupinの日記 気が向けば更新

精神科の怪しい伝説②

精神科の怪しい伝説の1つに、

統合失調症の人はアメ玉が好き。

というものがある。この真偽だが、たぶん正しい。実際、恐ろしいことに、海外でそういう論文もあるらしい。

かつて「統合失調症の人はおやつによく黒棒を注文する」と書いたことがある。これと概ね同じ意味であろう。

統合失調症の人でなくても、パニック障害などで、イライラや焦燥感が高まるとアメやチョコレートを食べると症状がやわらぐと言う人もいる。

また過去ログで、シドニーの「夫婦喧嘩をしても機嫌がなおるケーキ屋さん」をアップしている。どうも血糖とイライラ感、焦燥感は無関係ではなさそうなのである。

摂食障害の患者さんの過食行動の当初のきっかけはそういうものも関係しているのかもしれない。

摂食障害でも拒食・著しい体重減少タイプの患者さんでは成長ホルモンは高値になっていることが多い。(過食症の場合は成長ホルモンは正常)。また拒食・過食いずれの摂食障害でもGHRH負荷試験では成長ホルモンの分泌は亢進していることが多いといわれている。(しかし、明白に成長ホルモンの影響で骨の変化まで生じている摂食障害の人は診たことがない。)

これが、摂食障害の発病の前からそうなっているのか、発病の結果そうなっていくのかは良く知らない。

この神経性食欲不振症と成長ホルモンの話は、僕が精神科医になった頃には既に専門書に書かれていた。(過去ログで、研修医で初めて受け持った患者さんさんは、神経性食思不振症だったと記載している)

成長ホルモンは一般に血糖値を上げる作用を持つ。