2010-06-23

嵐山・鵜飼納涼会

テーマ:折々の京都
嵐山、嵐峡。渡月橋の上流。
夏の大堰川で毎夜行われる“鵜飼”に行ってきた。

15人乗りの屋形舟を借り、船頭が差す棹に任せて、月明かりの川を遊覧。
船首にかがり火を灯した、二艘の舟の鵜飼を見ながら、
懐石弁当を食し、酒を飲む。舟遊びの納涼会である。

深い緑の山肌が、西の空の移ろいとともに濃い墨色に映る頃、
船の両側に吊るされた提灯に、ローソクの火が灯される。

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舟はゆるゆると一艘、また一艘と岸を離れ、川上の闇に吸い込まれて行く。

十六夜の満ちた月の青白い光が、山の木々の間に見え隠れしている。

目に見えるのは、幾十もの揺れる提灯のぼんやりとした橙色と、
遥か先に揺らめく、赤いかがり火。

やがて、全ての舟は盾一列に並び、船首と船尾が綱で繋がれ、
まるで巨大な龍のように川面を進んでいく。


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「ドーン」「パチパチ」。遠くで響いていた鵜飼舟から発する音が、
舟が近づくとともに、少しずつ大きくなる。

上に向かう納涼船と下へ進む鵜飼舟。「ドドーン」「パチパチ」。

音が大きく近づいたと思うと、スーッと目の前を、火の粉を撒き散らし、
かがり火に赤く浮き出された、鵜飼の風景が現れた。

腰に蓑を巻いた鵜匠が、何本もの綱で操る鵜の“水の舞”。

方向を決める船尾の棹と、舟の横板を叩き、鵜に合図を出す後方の棹。

「そーれー」「ドーン」「パチパチ」
掛け声とともに鵜が潜り、漁が繰り返される。

たっぷりと真夏の夜に、納涼の舟遊びが行われた。


そして、もうひとつの見どころは、金魚花火。
一本、六千円の、この場所でしか見れない貴重な花火だ。

バブルの頃は競って、旦那衆が夫々の舟から何本も打ち上げたと言う‥

普通、花火は上に打ち上げるものと知る。

だが、この金魚花火は、火がつくとともに、五つほどの花火の種が
パッと水面を走って広がりキラキラと輝く。

そしてそこから、また別の花火の種が増殖するように、
分かれてキラキラと広がっていく。なんとも幻想的で不思議な光景である。

十秒足らずの金魚花火だが、十分に楽しめる価値ある時間である。

約二時間で鵜飼は終わる。暗闇から生還しふっと我に戻る。

後は場所を移し、いつもの“曲酔の宴”を堪能するだけ‥

(2007年8月1日記載)

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