「グランド・マスター」を観に行ってきました | ビバ!アジアン映画好きな日々

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好きなアジアン映画(主に香港・台湾映画)をメインに時々邦画洋画をだらだらネタバレ込みでレビューするブログです。
一応キョンシー系サイトを共同で開いています。
興味がありましたらお立ち寄りください。
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アメブロに登録したものの使い道がないなぁと思っていましたが、折角なのでここでは本家サイトでは扱わないキョンシー関連以外の映画レビューを載せていこうかなと思い、不定期で書いていこうと思います。
一応メインは香港・台湾映画で、もしかしたら邦画や洋画が載ることあるかも?
(DVDレンタルや購入作品の場合は画像をアップする予定です)

で、第一回目はタイトルの通り現在公開中の「グランド・マスター」の感想をば。

あ、基本ネタバレで行くので、未見の方はご注意をm(u_u)m


でまぁ観に行っての率直な感想は…

CM詐欺だろ

CMを観られた事ある方は本作を「各流派のバトルロワイヤル」「主人公とヒロインの切ない物語」とかを想像されたはず。

…なのだが…

梁朝偉、章子怡、張震のお話が「オムニバスかこれ?」って位つながらない。

基本的には梁朝偉演じる葉問の語りで進むのだが、梁朝偉は南北流派統一を引き継いでから第二次世界大戦のごたごたで貧困を経験し、香港へ出て武館を立てるまで、章子怡は父を殺した兄弟子を倒して香港で病院を開いて閉院するまで、張震は日本兵から逃げる途中章子怡に匿われたもののその後国民党の秘密組織を抜けて香港で床屋兼武館を開くまでが淡々と進む感じ。

本当にすれ違いにも程があるだろうって位各々が話に絡むことが無く、それぞれ独立したお話で完結するのでどこに「流派の激突」や「悲しい物語」があるのかがさっぱりわからん。

むしろ公式HPにあるCMは劇中のセリフを良いように切り貼りしただけでこんなボルテージの上がる内容じゃねえだろよ(#`ε´#)

どっかの時間操るオーディンみたいに闘えって言ってる割に序盤の梁朝偉と妓楼の武道家、章子怡以外は殆どないし。

特に張震なんて思わせぶりな登場しておいて国民党抜けた後ショバ代取りに来たゴロツキをドツキまわして終わりなんだもんなぁ…

まぁこう言った遠回しと言うかなんというかな撮り方が王家衛と言われりゃそうなのかって感じなんだが。

正直王家衛の監督作品はロクに見たことないのであまりあれこれは言えないが、本作を見て思ったのは、この作品はいわゆる美術品の絵画って感じなのかな?

言い方は悪いかもしれないが、例えば同じ葉問が題材の映画でも甄子丹主演の「イップマン」は迫力のある漫画。
漫画は集中線やコマ割りなどの効果があってセリフがあるから喜怒哀楽がわかりやすい。
逆に「グランドマスター」は美術品の絵画。
表面的な美しさは万人が感じても、その作品の内包しているものを見抜くのは美術や芸術に精通している一部の人だけ、みたいな。

まぁこれだけこき下ろしておいてなんだけども、一つだけ言えるのは、映像はとにかく美しい
それだけは言える。
成龍を始めとする死と隣り合わせな激しいアクションでもなく、劉家班やSB作品にあるような実践的な殺陣とも違う美しい殺陣。

そこは王家衛と袁和平の拘り抜いた結果とそれに適うように猛特訓を積んだ梁朝偉達の努力の結晶なんだろう。

そこは凄かった。けど本当にそれだけ。
実際は4時間ほどの内容を劇場公開用にカットしたのが本作らしい。
そりゃ話スッカスカになるわな。

そうなるといずれは「楽園の瑕」みたいに再編集版がでるのかな?

とりあえず出すなら出すで良いけど、今度はちゃんと話がつながるように編集してくださいよ(`×´)

いわゆる功夫映画を観ようとして観に行こうとしているのなら、正直DVDを待った方が良いかもしれない作品かなぁ…
王家衛ファンや主役級3人のファン以外は結構眠い作品だと思いますです。

こんな感じで感想をだらだら不定期で書きますので、よろしければお付き合いくださいませm(_ _)m