来週のブルースアレイライブに向けてのリハーサルでした。

組曲「メタモルフォーゼ」終章はとてもチャレンジングで、アンサンブルの面白さ難しさを、多分皆がひしひしと感じながら取り組んでいるように思います。

バンマスの敬愛する作曲家の一人、ギルエバンス氏が、「作曲家はプレイヤーがチャレンジングだと思うことや、その楽器で表現できることの固定概念をくつがえすような書くことが、楽器演奏の、そして、音楽の可能性を広げる」。と、そういうことを言っていたらしい、と小耳にはさんで、それぞれの奏者にとってチャレンジングな部分がありつつ、今までのメタモルフォーゼの枠組みを踏襲したもの、を、意図して書いたつもりでいます。

今日のリハーサルでは、音の立ち上がり、ピッチや、明暗、タイムの感じ方や、ハーモニーについての理解や、あらゆる面で、細部に神は宿るのだと、ああ、もっと音楽を深く表現できたらなぁ、と、思いました。日々精進です。

ところで、リトルオケはどういう音楽をやっているの?、と聴かれると、返事に困ります。多分、どの時代も、音楽を創る側のミュージシャンと、伝統を再現し残していく側のプレイヤーがいて、前者については、多分、その音楽のジャンルとか名前とかはあとでついてくるのだと思うのですが、どちらかというと、そういう感じなのかな。自分でもいつも手探りな状態でいろんな音を空間に綴って行くので、言葉につまるんですよね、笑。

今年になって、宣材写真でのイメージが随分変わったり、情報発信の方法がかわってきているのは、活動の一部をアーティストマネジメント事務所のお世話になることにして、こうしたらより私の創る音楽をイメージしやすかったりより多くの人々に届けやすいであろうというサポートやアドバイスを頂いて、というわけです。

自分の好きなようにというか、周りにおだてられるままにというか、つらつらと曲を書きはじめたのが10年前、途中書いたり書かなかったり書けなかったりを繰り返しながら、機会を創ってライブで発表してきた作品たちを、少しずつ録音に残していこうと昨年ようやくそんな気持ちになることができました。それで、一番良い形で残せるためのいろんな方法を模索する中で、いろんな音楽関係者の方々とお話しさせて頂いて、一番よい方法で関わっていただけると感じたマネジメント事務所とやってみよう、というところでいます。


ジャズは世界的にみてもリスナーの数が非常に限られており、その中でも、古き良き時代のモダンジャズというのがジャズのステレオタイプになりがちな日本では特に、私の創り続けているものはジャンルのカテゴライズすら難しくて、特に普段あまりジャズに親しみのない方々に対しては特に、ジャズです、という一言では説明しきれないところがあります。

それは私がポップスやアニソンやミュージカルや映画を好んで見聴きして育ったところで受けた音楽的影響を、ジャズ特有の、特にビバップの音楽言語だったり、即興演奏というフォーマットの延長線上で、そしてあまり一般的ではない楽器編成での表現を試みているところで、また、個々のプレイヤーの演奏能力も非常に高くないとなかなか実現できないところで、また自分自身がプレイヤーとコンポーザーを兼ねてというところで、バランスのとれたアートフォームとして形にするにも、人々に認知されるにも、なかなか難しいと感じているというか…まあだからこそやりがいがあるというか…。


そのような音楽のあり方に可能性と魅力を感じてくださった、そして音楽を心から愛して大切にされてることが話していてひしひしと伝わってくる、そんなマネージャさんと事務所さんがご協力くださることになったというわけです。そしてそれは、決して事務所がアーティストをコントロールするのではなく、私がこういう風なものを発信していきたいという活動に対して、それらをよりよい形で発信できるように協力して頂くという感じになるのではないかという気がします。だから、事務所がサポートしているから彼女は大丈夫、じゃなくて、従来のメンバーに加え、会社を含めた多くの人に関わって頂いて、それら全てに対していろんな面で利益を還元する責任を負うというところで、自分では、より高いハードルを設定した、という認識です。

ハードルが高くなった分やるべきことも増えていますが、自分が得意ではない部分で協力いただけるのは、時間的にというより精神的な部分ですごく助かっていて、本来の自分の創作活動に以前より集中できることはありがたいですし、服装やお化粧にはどちらかというと無頓着な私が、今後以前よりは少しばかり見た目に気を遣うであろうというところでも、大きな進歩かと思います、笑。


とはいえ、ここ数ヶ月マネージャさんがいろんなレコード会社の方と話してくださって、二週間後のリトルオーケストラのライブは間に合えばアルバムリリース記念ライブにという目標もあったのですが、現時点では自分の納得のいく形では、制作およびプロモーション予算的に現状の日本の音楽マーケットや音楽ビジネスというところでのハードルが越えられず、アルバム作品制作において、今、全く先の見通しがたたないところでいます。なので、リトルオケの今後のライブ活動は現状未定で、二週間後のブルースアレイライブをとりあえずやってみてから、その先をかんがえることにしています。


たくさんの方々から、リトルオケのアルバム作品を、の声を頂いて、私自身がそれを誰よりも望んでるところはあるのですが、オケの楽曲の数々がアルバム作品という形で届けられるのにはしばし時間を要するかと思いますし、やっぱりライブが魅力なプロジェクトだと思うので、会場で皆さんとお会いできたらいいなとおもいます。なので、皆様お誘い合わせの上いらしてくださったらとても嬉しいです。はやくリリースとリリースツアーができたらいいなぁ。うん、演奏の旅がしたいです。

というわけで、二週間後のライブも、今後とも、皆様の変わらぬ愛とご支援、どうぞよろしくおねがいいたします。

バンマス 佐藤恭子


==================================

4/22(月) 佐藤恭子リトルオーケストラ @目黒ブルースアレイ
OPEN:18:00, START:19:30
予約4,500円、当日5,000円

ご予約は下記ウェブサイトから
www.bluesalley.co.jp