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希望

2011-06-21 19:20:12 テーマ:ブログ

我が家に大型液晶テレビが導入されたw


世の地デジ化商法にまんまと乗せられるのが悔しくもあって、
また、普段さほどテレビを観る人でもないので、
まぁそのうち、くらいに考えていたんだけど、
買ったら買ったで、やはり大画面で映画を観れるのは嬉しい。


一通り、レコーダーやら関連機器の接続作業‥のはずが、
いつのまにやらDVD鑑賞タイムに。
大掃除していたら、つい古い本を読み始めてしまうのと同じ。
お決まりの現象。


たまたま手に取ったDVDが「セブン」。
はい、ブラッドピット&モーガンフリーマンのアレです。
ご存じの通り、これ以上ないほど救いがない結末。
バッドエンド・フェチの神威としては、大好きな映画です。
結局、全編鑑賞。


劇場公開時、あまりの衝撃に「凄い映画がある」と、
友達の手を無理やり気味に引っ張って映画館に連れて行き、
帰り道で口を聞いてもらえなかった過去を思い出したw


映画には必ず名セリフがある。
特に絶望を描いた映画には名セリフというか、哲学的なセリフが多い。


モーガンフリーマンの最後のセリフ。
「『人生は素晴らしい。戦う価値がある』‥後ろの部分には賛成だ。」


つまり「人生なんて素晴らしくない」わけだが、
でも「戦う価値がある」に賛成するところに、この映画の救いがある。


すっかりスイッチが入ってしまって、次に手にしたのが「オールドボーイ」。
自分的には5本の指に入る名作中の名作ですが、
当時、まだ付き合い始めの彼女に「お勧め映画」として観せたところ、
「なんであんな映画を見せたのか神経を疑う!」とマジギレされた
忌まわしい記憶が脳裏をよぎるw


これにもいくつか名セリフが登場します。


「砂粒であれ岩の塊であれ、水に沈むのは同じ。」


何気ない噂話が大きな不幸を呼び、復讐vs復讐の泥沼へと発展してしまう
この映画の象徴的なセリフですが。
本人にとっては覚えてもいない程の些細な事でも、それが誰かにとって
大きな傷となり一生消えないほどの痛みを伴う場合さえある。


「笑う時は世界と一緒。泣く時はお前一人。」


「傷ついた者に復讐は最高の薬だ。
だが、復讐が終わったら忘れていた苦痛が帰ってくる。」


結局、復讐に人生のすべてを賭けた男二人に残ったものはなにか。
このあたりは「アメリカンヒストリーX」のラストのセリフ、
「怒りは、決して人を幸せにはしない。」に近いものを感じる。


===========


絶望を感じた時にこそ、人間は希望を思い出す。


東日本大震災の後、人が呪文のように口にした「希望」という言葉。


絶望の中で見出す微かな希望に、真のリアリティを感じる。
だから、僕にとっては、絶望と希望は同意語に近い


「オールドボーイ」も「ダンサー・イン・ザ。ダーク」も
そこに微かな希望が満たされた瞬間が描かれている事で、
ラストシーンとしては充分であり「希望」の映画になり得る。


ガメラも宇宙戦艦ヤマトも「人類最後の希望」という設定が人の心を打つ。


      「希望」ってなんだ?


液晶テレビ導入の、ちょっと楽しいはずの作業から、
いつのまにか、そんな想いにふける羽目にww


答えは‥ない。たぶんそれが正解だ。

crazy baby kamui

2011-06-14 22:05:51 テーマ:ブログ
昨日、なにげにネットをみていたら、
ウィキペディアの英語版?のようなサイトに行き着いた。
ウィキの正式な英語版ではないようなのだが、
内容はウィキペディアをそのまま転載してる。
開発中なのか?なんなのか?やや意味不明ながら…。

そこでちょっと笑える表記をみつけた。
カムイログ
これ、俺が出演した某ドラマのウィキ。
出演者名のところに自分の名前が…と思ったら、
当時の芸名「神威狂児」が直訳されているww
直訳てww

「kyoji kamui」ではなく「crazy baby kamui」 !!

ウケたw

ならと自分のウィキに飛んだら、そこでは

カムイログ

「kamui crazy children」

…んー、こっちはイマイチだw
「crazy baby」のほうがゴロが良い。

どっちにしろ、とても人名とは思えないわけですが(笑)

当時のマネージャー、K氏が
「う~ん、名前が面白くねぇなぁ。」
とワケわからん事を言い出したせいで
(いや、面白いとか面白くないじゃないでしょ…笑)
俺はその日のうちに「神威狂児」になったわけですが、

Kさん…この英語名を見たら腹かかえて喜ぶだろうなぁ(笑)

「"crazy baby" Kamui」

海外武者修行に出たプロレスラーのリングネームみたいで
なんだか怪しくて良いw

今後、もし、英語圏で名前を聞かれたら堂々とそう名乗ってやろう。
そう心に決めた。ww

ロケンロール(笑)

2011-05-20 21:36:36 テーマ:ブログ
ふと気がつくと‥
ブログをまったく更新していない事に気づく×毎回。
アッという間に半年経過。早いなぁ。

最近の日常は、また輪をかけて波瀾万丈の渦中。
それまたビジネスの世界での事だから当然ながら、
人間の欲や思惑、策略や陰謀が交差する中、
過去の波乱とはまた異質の社会勉強をさせてもらっている。

人間、死ぬまで勉強の日々だな、と思う。
また、そうできる事が幸せなことなんだろな。
かなりドギツイ勉強だったりするわけだけどw

だから、書く事がないのではない、
むしろ書きたい事は山ほどあるんだが‥
日々、想う事は腐るほどあるんだが‥‥
ここに…公共の場に書ける事がないw
守秘義務ってやつですか。

すべてが過去になり、すべてが教訓となり、
すべてがイキザマとなった日には‥書ける範囲で、まぁそのうち。

どんな世界で何をしていても基本理念は同じ。
「人として」のファイナルアンサーは‥。

===========

4月に公開になった映画「GANTZ(後編のほう) 」
でチラッと顔を出した以外は、引き続き、俳優業も無期限休業中。
あらためて自分で見たら‥俺、ほぼ何も芝居してないやん(笑)
あ、もちろん細かい部分はちゃんと考えてやってますよ(汗
振り返りかた・歩き方、人間らしくなく‥ね。

ワンシーン出演とはいえ、以前にも書いた通り、
監督やキャスティングの吉川さんに尽力いただき、
わがままを聞いてもらったうえで呼んでくれた経緯も含め、
この映画にかかわれた事には本当に感謝!しかないです。


そんな折、知り合いの俳優がくだらない軽犯罪を犯してニュースに
なったり、はたまた同年代の俳優が自殺しただのネガティブな情報も。
さらに、世代的に仕方ないとはいえ、
幼い頃に好きだった俳優さんやアイドルの訃報。

テレビをつけたら、その辺のキャバクラ穣と区別がつかない程度の
女の子たちが、まとめ売りされて踊ってる。
どこかですれ違っても、きっと何も感じないんだろうな。
それだけのオーラを持ってる人も中にはいるんだろうけど。

なんだかなぁ‥と思っていたら、心温まる?ニュースも。

・萩原健一さん、何度目かの交通事故で逮捕
・内田裕也さん、「交際中の女性」を脅して逮捕

いや、そりゃ犯罪はダメですよ当然。が‥、

何度も同じような交通事故をやっちゃうショーケンさんの懲りなさ加減や、
71歳で愛人のためにムチャやっちゃう裕也さんのヤンチャぶりに‥
ある意味その「幼児性」に、無条件に拍手したくなる自分が居るわけです。

ちょっと頭の良いフリをして、彼らを馬鹿にするのも簡単なこと。
じゃ聞くが、あんたは彼らほど、誰かの心の中に何かを残してるのか?
それだけのイキザマもってんのか?って話。

いつになっても、何をしても、事の良し悪しや大小は置いといて、
笑われようがなにしようが、世間に、人の心の中に、
ほぼ強引に爪痕を残せるだけの…そのカリスマ性に拍手するほかない。


71歳に…ロケンロール(笑)

混沌

2010-12-31 02:06:59 テーマ:ブログ

2010年が終わる。

丸一年、俳優の仕事を請けなかったのは、ここ19年間で初めてのこと。

撮影現場に出たのも、3月の映画が最後。


その間、俳優・神威は氷の中でずっと眠っている?状態。
その間「世を忍ぶ仮の姿」である人間・神威は生きているわけで、
当然、いろいろあります。

状況は‥混沌としてきた。‥良い事だ。

混沌の中にチャンスはある。
一番困るのは、風ひとつ吹かない凪(なぎ)の状態。
前にも後ろにも進まないわけだから、何もしなければ船はまったく動かず、
動くにしても、前に進んでいるのか後ろを向いているのかもわからないまま、
手探りで船を漕ぐしかない。これが一番ツライ。

しかし、嵐になってくれたら‥、

もしかしたら、とんでもない場所に飛ばされるかも知れない。
でも、なにはともあれ‥少しの力で、また違う場所へ大きく飛ぶことができる。

風よ吹け、カモン嵐w

とある風に飛ばされ、先月、中国・マカオに行ってきました。
(画像は、ホテルの窓から撮ったマカオの街‥巨大なオブジェ?は老舗カジノの入り口。)
カムイログ

ホテルの周辺では、何人もの娼婦さんがウジャウジャ立っていて
「ワタシノヘヤヘイキマセンカ?」と声をかけてきた。
当然、自粛ですがww

街は混沌としている。

おそらく来年も、何度かこの街へ足を運ぶことになりそうだ。

冷凍保存中の‥氷の中のカムイを叩き起こすのは‥まだ、もう少し先になる。

幻想か希望か

2010-03-23 18:50:49 テーマ:ブログ

その日は朝から、ある特別な想いが胸に去来していた。


半年ぶりの撮影現場。昨年の秋に請けた仕事の残存。
ポツンと一日だけ離れて、スケジュールが決まっていた日


昨年秋にお話をいただきながら、諸事情で一度はお断りした仕事だったが、
先方から「12月と3月に一日ずつ、2日間だけの役なら可能ですか?」と、
わざわざ、こっちの都合を考慮してまで呼んでくれた現場。
監督やキャスティングのY事務所さんのご配慮には本当に感謝する他ない。


まず、秋に「来年3月」と聞いた時点で「こりゃ大作だわ」と。


撮影は11月にイン→4月始めまでの長丁場。
もちろん、日程が長ければ長いほど製作費がかかります。
人件費、弁当代、ロケバスのリース代・ガソリン代、諸経費、
すべてが日数分増えていく。当たり前の話ではあるけど、
日程が長いほど、そう云った「実際の絵(画面)に写らない部分」に
かかる製作費の割合が増えていく、という意味です。


それは、その分「時間をかけて、じっくりと良い絵を撮れる」という
意味であり、決して無駄ではなく、シッカリと映画の出来に反映する、
非常に恵まれた環境。


いざ現場にいってみて、ちょいと驚き。

地下鉄の車両を2台分、まるまるセットで作ってしまってる!
中は本物の地下鉄そっくり!細かい部分では中吊り広告、、
すべて架空の雑誌や会社のものをわざわざ制作してある。
実在のものを名前の部分だけ変えたのではなく、すべて新規のデザイン。
これ、デザイン料だってかかるでしょ。
完成した映画の画面ではほとんど判別できないだろうに。


さらに、脚本上、1両目から10両目まで主人公が戦いながら走り抜けるん
ですが、1両目の撮影が終わる時には車内はグチャグチャになってます。
車両2台を使いまわしなので、シーンが次の車両に移る際には、
血のりが飛び散った座席のシートを全部張り替えて(!)新たに作り直す。
撮影が終わったら、撤去費用だけでもまた、それなりにかかります。


撮影スケジュールも、一日数シーンをじっくりと撮る。
通常の僕らの感覚では「あれ?これ、午前中で終わるんじゃないの?」と
思うような予定表で丸一日。


ここはハリウッドか。


や、カネをかけるのが良い映画とは思わないし、
僕の思想的にはむしろ逆で、知り合いの監督が個人的に借金をして
念願の映画を作ったとか、全員が手弁当で頑張ったとか、
予算の少ないVシネマなど、昔は3週間だった撮影期間が
今は一週間で2本撮り、とか。そんな中で皆、必死に頑張ってる。
そんな世界で生きてきて、
でも、大々的に宣伝されるのはテレビ局主動のお約束映画ばかり。
そんな映画界に失望を覚える事もあった。


「なんとかザ・ムービーじゃねぇよ。」と(w


けど、この、バブル時代にタイムスリップしたような懐かしい贅沢感は、
しばし低予算映画の苦しい現場に慣れていた身としては、
「このご時世、こんな贅沢な映画が作られているんだ。」と思うと、
日本映画界も捨てたものではないと感じるわけです。
それも、なんとかザ・ムービーではなくて(w

もちろん、それだけの製作費を集める事のできる大人の事情はあるけど。


いつの日か「人気ドラマや、人気漫画の映画化だけでなく、
オリジナルでも面白い脚本なら製作費が出る」というマトモな状況に戻り、
志ある者が、当然のように(←ここ大事)こんな素晴らしい環境の中で
じっくり映画を撮れるような、そんな時代になってほしいと思う。


僕個人は、これでまた、それも大人の事情で(w
しばらく撮影現場とは離れます。

それが「ある特別な想い」が去来した所以。


その節目の仕事で、この現場を見れたことは良かった。
単純に、バブル時代の撮影現場の感覚を類似体験させてくれて
良き時代のノスタルジーに浸れた、という事もあるけど。


ほんの少し「日本映画の明るい未来」なんて幻想…もとい、
希望!を垣間見た気がした、、そんな現場でしたとさ。

更新なう

2010-03-15 16:08:44 テーマ:ブログ

ツイッターをはじめて数日経過。


これがなかなかオモロイし、考えた人はウマい、と感心。
あくまで「つぶやき」=独り言?という体裁だから、
発言に対する責任感が薄いというか、ハードルが低い。
そこがミソっぽい。
みんな気軽に、思ったことをサッとつぶやく。
それでいて、不特定多数に情報発信も可能な機能も備え、
しっかり自己主張や問題提起もできてしまう。
有名人の語録を「購読」できるメルマガ的要素もフォロー。
そこらのバランスがウマい。


とか思っていたら、ヤフーのトップから、
「国境なき記者団(RSF)は3月12日、インターネットの言論
の自由を脅かす「インターネットの敵」リストの最新版を発表した。」
なんて記事も。そりゃ政府も怖がるわな、
一般人の「つぶやき」一つが、これだけ強大な力に発展してくると。


そういえば、ひさしぶりにミシーにログインしてみたら、
なんだか、ニックネームの中に「C-Z」と付加している
ユーザーがやたら目立って「なんだ、これ?」と思ったら、
どうやら「ニックネームを変更してCR-と入れた人の中
から抽選でクルマをあげちゃうよ」という営業戦略らしい。
これには呆れた。ネット上のハンドルネームとはいえ、
個人の名前まで、お金儲けの宣伝ツールに変えちゃえってこと。
それも、モノで吊る形で。
企業がそんな企画をあげるのはアリとしても、
それを採用しちゃったミクー側に呆れた。
や、本音はそれで良いとしても、もうちょっと慎重さが必要な気が。
ユーザーを馬鹿にしてる印象を受けた。
アタマの良いネットユーザーが、よくこれで総スカシしないなぁ。

すでにどうでも良いのかな?w


さらにアプリをいくつか試してみたら、
ゲームとしての完成度や面白さは二の次で、
どうやら、ひたすらアクセス数を稼ぎたいのがミエミエな作りになって
いて(毎日アクセスすることでゲーム内のレベルが上がっていく)
広告媒体としての価値をあげるために躍起になっている感。


その昔、インターネットは趣味と善意で成り立っていた。


テレホタイム(懐かしい!)開始の午後11時になるとアクセスが殺到して、
画像をひとつ読み込むだけで30秒くらいかかるスピードで表示される
「テレビでは見れない情報」にワクワクしたもんだ。
多くのサイト作成者は、ほぼ自己満足のために趣味の情報を発信していて、
そのボランティア的な行為に、なんだか美学を感じた。


やがて、やたらアタマの良い六本木な人たちが、
「あなたのサイトにはこれだけの価値があるんですよ。」と囁き、
すべてを広告媒体化していった。地上げ屋みたいなもんか。
やがて、善意はお金に変わり、今のネット社会に発展した。

そりゃ、実質コスト0円のPCバナーが、
東京の一等地のビルの屋上に看板を掲げるのと同等かそれ以上の集客力を
持ったわけだから、世界が引っくり返ったのも当然のこと。


至極当然な流れとはいえ、古き良き時代(?)を思い出すと、
ちょっと寂しい気はする。
いっそ、突然、携帯もネットもすべてがダメになって、
アナログな時代に戻らないかな?なんて、オヤジな妄想をしたりも。
や、そうなったら絶対的に不便で困るんだけども。


とはいえ、
僕らユーザーは、与えられたもので遊べるうちは遊んで、
利用できることがあれば利用して、楽しめば良い。
例えそれが、誰かの思惑に乗せられたものだとしても。


さてと、更新なう!(w

ムチャ

2010-03-03 22:52:43 テーマ:ブログ

※今回、いつにも増して長文です。すいませんw


俳優として生きてきた中で、何度か無茶をした記憶があります。

周りから見たらバカとか身の程知らずな行動なんだけど、
根底にあるのは、現状を打破したいという純粋な想いゆえ。
その時その時は、自分の中には確固たる…
どうしてもそうしなければ納得いかない理由があったわけです。。

そんな無茶のひとつ…。
20代の頃…とある映画の現場。

その現場は、2ヶ月間ほぼ毎日、朝7時入り→終わりは深夜…という、
大変なスケジュール。僕を含むレギュラー陣は若くて独身がほとんど
だったから、当然、生活はほったらかしになり、部屋は崩壊します。

洗濯する時間もないから、毎日、コンビニで明日の下着と靴下を買って
帰るような状況。映画の現場だからスタッフの重労働はいつもの事だけど、
俳優陣が全員そこまでキツキツなスケジュールというのは珍しいほう。

まぁ、キツイから、だから楽しかったし、今思えば良い思い出になる。
それはそういうものだから、全然問題ないわけですが。

ただ、撮影が終わったあとに問題が発生した。
…制作会社が潰れた。

ギャラが支払われない。
そういう時の支払い優先順位として、その時の僕らのような、
若くて脇役の俳優陣は最後の最後になる。
最後どころか、未払いのまま泣き寝入りする場合が多い。

特にテレビで売れているわけでもない、20代のかけだし俳優たちの実情は
2ヶ月間毎日働いて1ヶ月の生活費にも足りない程度のギャラだったり、
助監督の4番手5番手なんてもっとひどくて、奴隷のように働いて10万とか。
「やりたい事をやっているんだから。」「まだまだ修行の途中なのだから」
将来のためと云う風潮と、本人の割り切りで成り立っている。
もちろん、そんなストイックな状況が俳優修行の一環でもあるだろう。

この時にしても、充分な経験や勉強ををさせてもらったと思うし、
監督やスタッフにはもちろん感謝している。
それでギャラが出ないといわれても、あきらめれば済むことだ。
なにより若い俳優にとっては、そんなことは二の次。
次のこと…、例え、財布の中に500円しかなくても、
次のこと!を考えているほうが楽しく、有意義だからだ。

ただ、この時だけは、ちょっと腹に据えかねるものがあった。
「使ってあげたんだから、ギャラはなくても納得するだろう。」的な空気。
そんな空気が、なぜかこの時だけは許せなかった。

おまけに、その頃、ちょうど僕は所属事務所を変わるところで、
暫定的にフリーな状態だった。交渉をするなら、自分でやるしかない。
いや、事務所に居ても、関係なしに自分で動いただろうけど。

何度かOプロデューサーに電話。
「今、払えないから、いついつには払う」という、その場しのぎの回答。
Oさんにしても、現場で一緒に苦労した仲間だし、彼に罪はない。
上に交渉はしてくれたけど、そんなんほっとけ、とでも言われていたのか?
言われた日まで待つ→やはり入金がない…を何度か繰り返す。

「こりゃ絶対に払う気ない」と確信。これもまた
「時間を稼いで何度か反故にすれば、そのうちあきらめるんじゃない?」
的な思惑を感じてしまい、余計に意地になった。

ある日、ノーアポで制作会社に突撃。
ビルの前から電話をするが、誰もでない。
雑居ビルをドアの前まで上がると電気はついてないのだが、
ガラスの部分から奥のほうに微かな灯りと人の気配が。
あ、居留守だ。
ノック!何度もノック!電話、ノック、電話、ノックの波状攻撃。
電話しながらノック、ノックしながら電話‥。
取立て屋か、俺は。

しばらくして、観念したように、Oプロデューサーがドアを開けた。
ひとりで残務処理をしていたのであろう。

まず深ぶかとアタマを下げた。
「申し訳ありません。一介の俳優のすることじゃないとわかっています。ただ、
役者なんて、使ってやれば喜ぶんだからギャラなんて払わなくても…という
風潮が嫌なんです。」と、丁重に話す。
ま、簡単にいえば「自分が舐められてるという状況に我慢がならない」ってこと。

Oさんは、本当に申し訳ないという顔をして、
「来週、Yさん(さらに上のプロデューサー)がいる時に…。」「わかりました。」
翌週、再突撃。今度は、Yプロデューサーが一人で事務所にいた。

あらためて、前回と同じ口上をとくとくと話したが…反応は薄い。
Yさんは、あきらかに怒っている。てか、ふてくされている(笑)。
「この大変な時に、クソガキが」くらい思っていたんだろう。
当然だ。YさんやOさんにも、満額の給料は支払われていないだろうから。

今なら、Yさんの苦労も心境もわかる気はするが、映画制作における現場以外
の大変さをまだ知らなかった俺の腹の中は「あんた、ロクに現場に来なかった
よな。現場の苦労を知ってんのか?」などと、まさにクソガキなことを思っていた。

Yさんは、自分の財布から(!)有り金を引っ張り出し、僕の前に差し出した。
あきらかに不機嫌に、静かに「今はこれしかないんですよ。」
【これで帰れ】ということだ。身のほど知らずの若造の殴り込み(?)をいなす
術としては、Yさんの態度は割とカッコよかったけど、結局、そうとしかしようが
なかったのだろう。

テーブルに置かれたのは、一万円札が8枚。
僕は、それを受け取り深ぶかとお辞儀をして、事務所を後にした。
残りの大半のギャラは未だにもらってないけど、そんなことはどうでもいい。

…後味が悪かった。
少しでもギャラを取ったとか、一矢報いたとか、そんな達成感はなかった。
あるのは何か大きなモノに対する失望感。

テレビ局や大手事務所のバックアップで、映画をヒットさせることはできる。
でも、根底の部分から改革しないと、日本映画の底辺は薄っぺらいままだ。
頑張って才能を開花させる者もいる。ただ、もっと絶対数をあげるには、
若者がどんどん飛び込んでくる世界になるには、現実的な問題が多すぎる。

役の大きさや、自分の扱いの事で噛み付いたことは何度もある。
マネージャーが決定してきた仕事を断った事は一度ではないし、
直接、プロデューサーに電話して結局、撮影前日に役を降りたこともある。
だけど、オカネのことで動いたのは、これが最初で最後だ。

この時の行動が、合っていたか間違っていたかはわからない。
この時に限らず、何度かあった無茶な行動すべて、後悔はしていない。
何もしなければ山は動かない。現状を打破したいが故の行動だったからだ。
それをイキに感じて、次回作で主演クラスの役をくれた人もいる。

良くみかける光景として、俳優同志が居酒屋で酒を飲みながら、
「事務所が悪い」「マネージャーがどうこう」と愚痴っている姿を見ると
「お前、自分で泥かぶって闘ったことあんのか?」といいたくなる程度に

それなりにジタバタしてきたと云う‥最低限の自負はある。

‥‥‥
友達に誘われ、ツイッターはじめました。
まだ遊び方を良くわかってないので読んでるだけですが。
そっちはテキトーに、気軽に遊ぼうと思ってます。
よければフォローなど。

http://twitter.com/kamui1005









サーカス

2010-01-28 15:34:07 テーマ:ブログ

「サーカス」を観てきた。


シルク・ドゥ・ソレイユ「コルテオ」の千秋楽。


常設劇場の「ZED」と比べると「コルテオ」は巡回公演のせいか、
或いは構成・演出のせいか、ややスケールダウンの感。
期待以上の満足感はなかったけど、それでも充分に凄かった。


人の前に出て演技をする、それでオカネをもらう。

そういう意味で…同じ次元の世界で生きてきた身としては、
ひたすら敬服するしかない。
俳優をやってきた中で、こと「プロ意識」という部分は
人一倍、意識してやってきたつもりだけど…、
あんな命がけの神業をみせられた日にゃ、
寝不足で撮影現場に行って、
ゆる~い芝居でオカネを貰った事もあったなぁ、
なんて思うと、自分が恥ずかしくなる。


ZEDの時に「こんなに心の底から拍手を送ったのはひさしぶり」と感じた。
「到底、真似のできない芸当」に対しての惜しみない拍手。


ただ…その高揚感と同時に…
劇場からの帰り道で、少しナーバスな心境になった。


大道芸…サーカス……。


激しい訓練で、大怪我を負った団員もきっと居るだろう。
命がけのイキザマの代償は果たしてどれほどのものか?


彼らが、どれくらいの報酬を得ているのかは知らないし、
世界的に有名なシルクの団員であれば、それなりに手厚く、
保障もしっかりとしていそうだけど…、
契約雇用の身に生涯の保証はない。
もちろん、その下には、死ぬほどの努力をしながら、
舞台に立てない人間が星の数ほどいる。


彼らのような人間が報われないとすれば…
世の中、間違っている。


いや、ことさら、芸術家の社会的評価が低いとか?
そんな事を言いたいわけではない。

そこに生きる人間の想いや質の問題。

純粋に生きている人間が報われないとすれば哀しい事。


………


世間には、利益のためなら平気で人を騙し、
ヒトひとりの人生がかかったような大事な約束でさえ
いとも簡単に反故にする。弱者をスケープゴートにし、
誰がどうなろうと知ったこっちゃない。
そんな人間が良い思いをしているのが、今の世の中だ。


それが世の中の仕組みだ、と言われればその通りだ。
ただ…なにかが違う…そう感じる。


この不景気で一段と、自分の身を守ることに固執している
「普通の人々」が、今は一番、怖い。
保身のためならなんでもする…そんな怖さがある。


それならまだ、他人であろうが「男に二言はない」とばかり、
一度口にした約束は死ぬ気で守ったり、義理人情や美学に拘る分、
ヤザさんのほうが全然まともだし、共感できる。
時には他人のために命を張る、彼らの方が。


………


今回、ステージの真横の席で観ていた関係で、
こまかな舞台転換を良く見ることができた。
あれは緊張する…絶対。
メインの演者ではなくて、転換係が。


間一髪のタイミングで金具をはめる、外す。
自分がミスしたら、ちょっと金具をハメ損なったら誰かが怪我をする。
あるいは、演出の流れが止まってしまう。
些細なことが、いちいち命がけ。

あの緊張感を持続して、数ヶ月も公演をやるって
精神的にもメチャクチャ疲れるだろうなぁ。


お互いが絶対的に信頼しあっていないと無理。
あの中で培われる人間関係って、きっと素晴らしい。

そんな仲間と世界中をツアーできるなんて、ひたすら羨ましい。

ビッグクラウン役で雇ってくれんかな?(笑)


自分のためだけではない…他人のため、仲間のため…


そんな絶対的な仲間と共に生涯を過ごせたとしたら…

それは、最高の人生ということになる。




カムイログ
「ZED」オフィシャルサイト

http://www.zed.co.jp/home.php


さらば相棒

2009-11-19 00:18:37 テーマ:ブログ

今月末で、4年間連れ添った相棒に別れを告げる。

$カムイログ

1994年式セリカ。
頑丈なトヨタ車とはいえ、
さすがに15年走るといろんなところにガタが来る。
たとえベンツを買える資金があってもコイツを買った、
というくらい好きで乗っていた「四ッ目セリカ」だけに、
手放すのは断腸の想いなんだけども…車検の時期や、
諸々のコトを考慮すると、このタイミングになった。

前オーナーが丁寧に乗ってくれていたようで、
買った時にはほとんど傷のない状態だったけども、
カムイが4年乗ったら車体はボコボコになった。

撮影現場へもほぼ100%、このセリカで通った。

「エクスクロス」の時には、連日、ホテルから山頂の
現場までの、車体が飛び跳ねるくらいボコボコで危険
な崖道を爆走して、タイヤをひとつオシャカにした。
車内には木の葉が舞い、かすり傷は倍くらいに増えたが、
東京に戻って一息ついた時に見た泥だらけのセリカは、
どこか誇らしげだった。

ピカピカに磨いてガレージに飾っておくのは好きではない。
車体の無数の傷は、4年間を「共に生きた」証だ。

そういえば、バンド時代に使っていたギターの裏側は
ベルトのバックル傷でギザギザになってたし、
ピカピカの新車で買った大型バイク…ドラッグスターでさえ、
一年後にはかなりワイルドな性格に変貌していた。
仮にもし、ポルシェやハーレーに乗ったとしても、
きっと傷だらけにするだろうな…わりと平気で。

セリカとの最後の休日は…
キレイに洗車してから…
どこか、アテもなく走りに出よう…

BGMは…これしかない。


やるからには…

2009-11-11 19:26:30 テーマ:ブログ

本日は某・映画の衣装あわせ。


「諸事情で、しばらくスケジュールがとれない。」と、
一度は丁重にお断りした仕事ではあったけど、数日後、
「年末に一日、来年3月に一日、計2日間で、なんとかなりません?」
と、あらためてのオファー。
こんなワガママ俳優に、そこまで考慮してくれるなら、
これはやらせていただかないと失礼、と請けた仕事。


ほぼワンシーンの「狙い」仕事。
つまり「ワンシーンだけど、狙いで強烈なキャラが欲しい」
という場合に、カムイが呼ばれるパターンです。
衣装は「黒のロングコート」…定番中の定番。
過去に何度、同じコンセプトの衣装を着たことか。


残念ながら、衣装あわせではお会いできなかったけど、
台本のスタッフ表に懐かしいお名前が…
劇団☆新感線に所属する衣装デザイナー・竹田団吾さん。

1995年ごろに何度か現場でお世話になった方で、
大阪芸術大学の先輩でもある。

最初にダンゴさんとご一緒させてもらったのは
「ジャスキス」というVシネマ。


カムイログ


作品の出来としては、残念ながらトホホなレベルではあるけど、
キャラクターデザインに雨宮慶太さん、衣装がダンゴさん、と
なぜかスタッフは豪華。
雨宮さんの映画でメイキングを撮っていた三ッ浦孝さんが監督、
企画当初に、三ッ浦さんから企画書を渡され
「これは、カムイさんありきで考えてる企画だから、出てもら
わないと困るんス」と、嬉しいお言葉。
企画から参加できるというのは、俳優としては特に嬉しいコト。


僕が、映像で初のキスシーンをやった作品でもある…んだけど…。
当初、台本では、主演の穴井夕子ちゃんとのキスシーン…のはずが、
ダンゴさんが作ってくれた衣装の首の部分が太すぎたために、
どうしてもキスができない!何度か試したけどやっぱり無理…
仕方なく、穴井さんとは「やったふり」で終わり、
男の(!)菊池健一郎クンとのキスが、僕のキスシーンデビューと
なってしまいましたとさ。
この時は、本気でダンゴさんを恨みました(笑)。


………


昔、良く現場で会った人が、今もまだ頑張っているのを知った時…
なんだかホッとした気持ちになる。

当時、仲が良かった人、決して仲が良いわけではなかった人…
すべて含めて、もはや「ノーサイド」。
今思えば、すべての人が「同志」だった。


夏に撮ったドラマの現場で、殺陣師の中瀬博文さんとも同じ話を
してたんだけど、昔は、現場にいけば、まず必ずといっていいほど、
どこかに知り合いがいたけど、今はほぼ知らない人が中心。
いつのまにか世代交代してるよなぁ、
いつのまにか、あの頃が「昔」になっちゃってるよなぁ、
などと実感させられる。


同じように、逆に、なにかで僕をみかけて
「お、神威さん、まだ頑張ってるじゃん。」と懐かしく思って
くれてる人がどこかにいるんだろうな、と思うと…


どんな状況であろうと、たとえカラダが悲鳴をあげようと、

やるからには…。

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