全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病の「筋萎縮(いしゅく)性側索硬化症(ALS)」の治療で、調査に回答した医師の約2割(287人)が、患者や家族から生命の維持に必要な人工呼吸器を外してほしいと頼まれた経験があり、うち9人が過去に外したことがあると答えたことが、北里大などの調査でわかった。

 調査の概要は22日、東京都内で開かれた日本神経学会で発表された。昨年3月、日本神経学会の専門医約4500人に行い、1495人(34%)から回答があった。人工呼吸器を外した時期などについては不明。

 人工呼吸器を外す権利については、今後、何らかの条件がクリアできれば認めるべきが59%だったのに対し、「認めるべきではない」は24%だった。

 ALSは進行すると自力呼吸ができなくなり、人工呼吸器が必要になる。この日の学会では、患者や家族から「いったん呼吸器外しが認められると、周囲のサポートなしでは生きていけない患者に圧力がかかる」という意見も出された。

 人工呼吸器外しをめぐっては、富山県の射水市民病院で、末期がんなどの患者7人の人工呼吸器を外し死亡させたとして医師2人が殺人容疑で書類送検されたが、2009年、嫌疑不十分のため不起訴となった。国は07年に終末期医療の指針をまとめているが、中止の具体的な基準には触れていない。

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