FUJITA'S BAR
2012-07-29

遠距離恋愛 その9 「エピローグ」

テーマ:俺物語

その日を境に、俺たちの電話の頻度は、少なくなっていった。


話しても、もう盛り上がらないのである。



お互いに、結論は見えていた。


彼女が、幼馴染みの彼と会っていることはわかっていた。


このまま彼と付き合って、地元で結婚すれば、両親も喜ぶ…


そんな光景を、俺はイメージした。



だけど、お別れするのはつらい。


だから、時々お互いの気持ちを確認し合った。


2人の思い出を、語り合った。



プラネタリウムで、キスをしたこと。


俺が会いに行って、女子寮に潜入したこと。


夜中に大声で、ケンカしたこと。


一晩中、電話で話し続けたこと…



みんなみんな、楽しい出来事だった。


女の子に縁がない、モテない男に、彼女は生きる希望を与えてくれた。


彼女は、女神であり、天使だった。



電話が減り、手紙メインの関係になった。


俺の会社が、また傾いて、残業がなくなって、収入がまた減ったのである。


時間が増えたので、手紙を一生懸命書いた。


しかし、俺たちの気持ちは、次第に、少しずつ、離れていった…



3年を過ぎた頃には、電話は一切なくなり、手紙も途切れがちになった。


細々と続いていた関係は、お互いの日常の中に埋もれていった。


徐々に、俺は、彼女のいない生活に、慣れていった。




3年半になった頃、夜に突然、電話が鳴った。


懐かしい、彼女の声だった。


「おばあちゃんが、危篤なんよ。」



彼女は、おばあちゃん子だった。


今、病院に一時的に1人でいるらしい。


心細くなって、公衆電話から俺に電話したらしい。



「ごめんね、電話しちゃって…」


「ううん、嬉しいよ、久しぶりだね」



1時間くらい、彼女の話を聞いた。


どうやら、今夜が峠らしかった。


俺は、彼女をなだめながら、じっくり話を聞いた。



「もうすぐ、みんなが集まるから、これで切るけん」


「おう、ばあちゃんを、しっかり看取ってやってくれ」


「うん、ありがとう」


「涙ふいてから行けよ」



それが、彼女との、最後の電話だった。


それきり、もうかかってこないし、俺からはかけなかった。



彼女と恋をしてから、もう20年が経つ。


今頃は、彼女も38歳になっているはずである。



彼女の、幸せそうな笑顔が目に浮かぶ。


子供たちに囲まれて、ぎゃあぎゃあ騒いでいる様子が、目に浮かぶ。



俺は、彼女の人生において、重要な役を担った。


俺との思い出は、きれいに畳んで、心の奥にしまっておいて欲しい。


せっかくだから、少し美化してもらおうかな(笑)




チャゲ&飛鳥の、「エピローグ」という歌がある。


それを聞く度に、彼女を思い出す俺がいる。 (END)




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2012-07-29

遠距離恋愛 その8 「幼馴染み登場」

テーマ:俺物語

彼女は、3人兄妹だった。


男・女・男という構成で、彼女が真ん中。


だから、母親にとっては、近くにして欲しい存在なのである。



母親の病名は、子宮筋腫だった。


手術をして、子宮を全摘出したらしい。


もう、子供は産めなくなってしまった。


だから、彼女は、大切なひとり娘なのである。



駆け落ち騒動の時、母親はこう言った。


「どうか、学校だけは、卒業させてあげて下さい…」


手塩にかけて育てた娘が、学業を捨てて新潟に行ったのがショックだったのである。


お金を出してもらって、学校に行かせてもらえる彼女が羨ましいと思ったものである。



「学校を卒業したら、新潟に行って就職するけん。」


そう言っていた彼女の気持ちが、大きく揺れた。


それがわかっていたから、俺は黙って彼女の心を支えた。


幸い、母親は、術後の経過もよく、退院できることになった。



それと時を同じくして、彼女に近づいて来た男の姿があった。


彼女の、幼馴染みである。


一緒に陸上もして、彼女の長所も短所も、わかっている男らしかった。


彼女は、あんなん、何でもないんよ、と言っていたが、


彼女の気持ちが揺れていることに、俺は気づいていた。




やがて、彼女は短大を卒業した。


就職は、地元ですることになった。


両親は、一安心した。


それでも、俺たちの関係は、まだ続いていた。



彼女が就職してから最初のGWに、彼女が会いに来た。


親が了解のもとで会いに来ているので、飛行機に乗って来た。


彼女の家は、裕福なのである。



空港で、久しぶりに彼女に再会した。


もう、手紙を最初にくれた頃の、泣き虫な女の子の影は微塵もない。


そこには、立派なレディになった、大人の女がいた。



俺の誕生日プレゼントを彼女が買ってくれるというので、洋服屋に行った。


彼女は、ブランド物の店で働いていた。


おしゃれや、小物にやたらと詳しかった。


俺に、いろんな服をあてがい、ああでもない、こうでもない、と言った。


そんな時、彼女がポロッと言った。


「あんた、ファッションセンスゼロだもんね…」



俺は、機嫌が悪くなった。


そんなプレゼント、いらないから、自分の服を買え、と言った。


彼女は、何度も謝った。


でも、その謝り方が、変に大人目線で、俺は面白くなかった。


すぐに仲直りしたけど、その出来事は、俺の心にしこりとなって残った。



大人になった彼女は、たくましくなった感じがした。


何だか、俺がしてあげることが、すっかりなくなったように感じた。


成長したなあ、もう俺の出番はないかな…


そんなことを、俺はいつしか考えていた。



いつもと違い、ぎこちない、変な雰囲気の数日間だった。


最後に送って行く時の車の中で、助手席の彼女が、手を握って来た。


強く握りながら、彼女は震えているようだった…


よしよし、大丈夫、俺がついているからね…


そう言うのが、精一杯だった。



それが、彼女に会った、最後の時間になった。 (つづく)







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2012-07-29

遠距離恋愛 その7 「しのびよる影」

テーマ:俺物語

それからというもの、彼女との楽しい関係が続いた。


手紙を交わしながら、時たま電話で話した。


誕生日にはプレゼントや花を贈り、母親に対しての印象もよくなった。



「俺たち、最高のカップルになろうな」


「俺たちにしか、できない恋をしような」


つらい時は励まし合い、嬉しい時には共に喜び合った。



新幹線のホームで、お互いに走り寄って、キスをしたこともあった。


俺の行きつけのスナックに、彼女を連れて行ったこともあった。


行きつけの美容院にも、彼女を連れて行って、店の前で写真を撮ったりもした。


一緒に海に行って、灯台に登ったりもした。



彼女は嫉妬深くて、俺が飲みに行って帰りが遅いと、怒った。


帰って来ると、留守番電話が7件くらい入っていたことがあった。


スナックに直接電話をかけてきて、バーテンの兄ちゃんに、


「カウンターに桑畑がいますか?隣に女の人がいませんか?」


と聞いたりもした。




バレンタインデー、クリスマス、誕生日、お祭りと花火…


デートできる相手がいるだけで、俺は幸せだった。




ところが、付き合って2年が過ぎた頃、俺の身に異変が起こった。


勤めていた会社が、倒産してしまったのである。



遠距離恋愛には、金がかかる。


電話代は、一番多い月で、10万かかった時もあった。


交通費は、彼女が学割を使っても、往復で8万くらいかかった。


当時俺がしていた仕事は、職人の仕事だったこともあって、給料がよかった。


ようやく一人前になれたかな、と思った矢先だった。


俺は、経済力を失い、ただの失業者になってしまった。



同じ仕事は、見つからなかった。


いつまでも、失業者でいることに我慢がならなかった。


それで、給料は安いけど、残業で稼げる電子部品の会社に再就職した。


毎日帰りが遅くなり、夜勤も積極的にやった。



彼女との電話の回数は激減して、手紙メインの関係に戻った。


彼女が会いに来てくれても、仕事を休めなかった。


家事をして待っていてくれる彼女が、愛しくて仕方がなかった。



会う回数を減らし、無駄遣いを減らし、お金をできるだけ残した。


電話は短めにし、回数は何とか維持しようとした。


寂しがっている彼女の気持ちがわかるから、電話を切るのがつらかった。



節約しながらも、俺たちの関係は続いた。


恋人がいるだけで、俺は幸せだった。


俺を想ってくれる女性がこの世にいてくれるだけで、俺は幸せだった。



そんなある日、今度は、彼女の身に異変が起こった。


彼女の母親が、倒れて入院したのである。 (つづく)

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2012-06-03

遠距離恋愛 その6 「駆け落ち騒動 後編」

テーマ:俺物語

今考えてみれば、俺も青かったんだと思う。


彼女と知り合った当初は、TVドラマで「高校教師」が放映されていた頃だったと思う。

おっさんと高校生という組み合わせが、世の中のブームだった。


まあ、その時の俺はまだ26歳だったけどね…(汗)




その日は、彼女の家族に連絡しなかった。


翌日に、連絡をさせるつもりだった。


しかし、翌日の夕方、彼女の母親から電話がかかってきた。


『…うちの娘の〇〇が、そちらにお邪魔していないでしょうか…?』


学校から寮へ連絡があり、寮から自宅へ連絡があり、あっさりバレてしまった。



一応俺は、連絡が遅くなったことを詫びて、彼女が元気であることを伝えた。


しかし、母親は、彼女が苦悩して追いつめられていたことを知らない。


明日の朝一番で、迎えに来るという。


俺は、少し腹が立った。


『…彼女が、自殺未遂するまでに追いつめられていたことをどう思ってるんですか!』


母親は、きょとんとしていた。


彼女にせかされて、電話を代わった。


もう、あっさり帰るらしい。



昨夜の情熱的な夜を思い出して、俺はわけがわからなくなった。


彼女は、ちゃんとした“いい子”だったのだ。


翌日、父親が迎えに来ることになった。



彼女と、もう一度話し合った。


学校は、ちゃんと卒業すること。


親にお金を出して通わせてもらっているんだから、当たり前のことである。


卒業したら、彼女は、新潟に来て就職すると言った。


その言葉で、俺は満足だった。



でも、今考えてみると、英文科の短大を出て、新潟に就職するなんて…


現実的に考えたら、あり得なかった。


だけど、その時の俺たちには、それが精一杯だった。



その夜は、静かに過ぎて、翌日を迎えた。


仕事を半日休み、彼女とデートをした。


安物の、適当な指環を買ってあげた。


サイズが合わなかったが、彼女が、これがいい、と言った。


ユルユルの指環をはめて、彼女は嬉しそうだった。



昼頃、父親が駅に到着した。


軽く挨拶をして、お互いに照れ笑いをした。


『…一緒に食事でも…。』 と言われたけど、遠慮した。


今思えば、この時、一緒に食事をしていたら、わからなかったかもしれない。


でも、この時の俺は、重要な仕事を抱えていた。


『…仕事に戻ります。お嬢さんをお願いします。』


そう言って、俺はその場を立ち去った。



彼女は、無事に帰った。


留守番電話に、何件もメッセージが入っていた。



俺は、彼女の荷物を、送り返す作業を始めた。


すると、ふいに、涙がこぼれてきた。


後から、後から、涙があふれてきて、止まらなかった。



ついさっきまで、今朝まで、彼女はここにいたんだ…


彼女のぬくもりが残っているかのような、食器や、洗い物を見つめた。


もう戻らない、と心に決め、俺を頼って会いに来てくれた彼女。


俺は…俺のしたことは、間違っていたのだろうか?



荷物に荷札を張るために、何枚も書いた。


涙で、油性ペンの文字が滲む。


俺、何やってるんだろう…



この時ほど、ひとり暮らしの寂しさを感じたことはなかった。


彼女の前では、いっぱしの大人のつもりでも、


一皮剥けば、ただのショボくれたつまらない男だった。



荷造りが終わって、宅配便に出して、遅い夕食を食べている頃、


彼女から電話がかかってきた。



屈託のない笑い声と、あっけらかんとした態度に、俺は、


脱力感とともに、一種の、女のたくましさを知った。



駆け落ち騒動は、たった3日で終了。


今思えば、どうってことないことなのかもしれない。


でも俺は、あの日の、彼女の輝いた瞳を、いつまでも忘れない。  (つづく)



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2012-06-02

遠距離恋愛 その5 「駆け落ち騒動 前編」

テーマ:俺物語

ある朝、宅配便の荷物が大量に届いた。


差出人は、遠距離の彼女である。


ダンボールの荷物が、全部で11個…


1つを開けてみると、炊飯器が入っていた。


2つ目は、衣類… なんだこりゃ。



すかさず、彼女から電話がかかってきた。


『…ウチ、今新潟に向かっとるけん。』


『…急に、どうした?』


電話は、すぐに切れた。


おかしいな、今日はテストがある日だって言ってたのに…



駅に着いたと連絡があり、車で迎えに行った。


彼女は、興奮状態だった。


『…もうウチ、学校なんかよう行かん。ずっとあなたと一緒におるけん!』



どうやら、テストを放り出して、荷物をまとめて飛び出して来たらしい。


短大の女子寮は、ワンルーム形式になっているから、まだ誰も気づいていない。



とんでもないことである。


でも俺は、とても感動していた。


19歳の女の子が、俺に会いたくて、一人で来てくれたのである。



彼女は、『…ウチ、もう帰らんけん。ここに住むんよ。』


屈託のない笑顔に、俺は、自分の立場を忘れた。


とても、嬉しかった。



今日はとにかく、彼女の気持ちを受け入れてあげようと思った。


幸せそうに抱きつく彼女をさすりながら、よしよししてあげた。



彼女は、俺に色んなことを話してくれた。


あの、遺書のような手紙をくれた頃の影は、微塵もない。



今のこのひとときが、この一瞬が、永遠に感じられた。


生まれて来て、よかったと思った。


こんな自分を、愛してくれる女がいてくれたことを、有難いと思った。



俺たちは、何度も何度も愛し合った。


無邪気な獣のように、狂おしく、絡みつくように、ぬくもりを求め合った。


一緒にお風呂に入り、一緒の布団で、手をつないで眠った。



彼女のあどけない寝顔を見ながら、こんな幸せな夜は、二度とやって来ないと思った。


色んなことが頭に浮かんだけど、それはもうどうでもよかった。



彼女が来てくれたということが、たまらなく嬉しかった。


愛されるって、気持ちがいい。



この瞬間を忘れたくなくて、俺は、いつまでも彼女の寝顔を見ていた。  (つづく)







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2012-05-09

「走った後で、吐く男。」

テーマ:俺物語

今日は、軽いお話をしましょう。


恋バナの続きは、ちゃんと書きますので、ちょっと待って下さいね。


だって、すっごい恥ずかしいんだもん(笑)



俺が、運動が苦手な少年だったことは、皆さんご存知ですよね。


とにかく、できるだけ動きたくない男。


マラソンなんて、拷問でした。


登山なんて、修行僧の気分でした。



だから、泳ぐのも、全くダメでした。


ところが、小6の時、何となく泳いでみたくなったのです。


本気でがんばったら、泳げるんじゃないか…?


よし、スイッチオン。


初めてがんばって、25メートルを泳ぎました。


いったん泳げると、自信がついて、中学では、


クロール50、平泳ぎ50、背泳ぎ25をクリアしました。


(背泳ぎなんて、テストで初めて泳いだんですよ~)




そんな俺だから、やればできるって、どこかで思っていました。


で、高校生の時の、100メートル走。


体育の先生が言いました。


『…高校男子は、13秒台を出さなきゃダメだ!』



無理無理無理無理…


そんな速さで、走れるワケがない。


でも、まてよ、と思った。


俺、本気で走ったら、どのくらいイケるんだろう?


何だか、やってみたくなりました。


スイッチオン。



生まれて初めて、本気で走りました。


タイムは、13秒9。


おお、やればできるじゃん~



しかし、走った直後に、酸欠状態。


急激に気持ち悪くなって、トイレに直行。


思いっきり、ゲロ吐きました~(笑)



その後、激しい筋肉痛が俺を襲う…


もうイヤだ、走るのなんて、面白くも何ともない~(涙)



しかし、その時に、走るプログラムが、脳にできたみたいで、


高校3年間、走る度に、吐き続けました(笑)



体育祭のプログラムで、午後イチで100メートル走だと、完璧に吐きます。


これは、いささか自信がある。


もし、今すぐにゲロ吐いたら1億円あげる、なんて言われたら、


俺は迷わず100メートルを力走します。



きっと、リミットのかけ方がわからないんですね。


きっと、呼吸をほとんどせずに、無酸素で走っているのかも。


きっと、バカなんですね…



というわけで、今も俺は、スポーツが苦手です。



でも、今夜もちゃんと、ジムで汗をかきました。



偉いじゃん、俺!




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2012-05-08

遠距離恋愛 その4 「初めての恋人」

テーマ:俺物語

(続き)



結ばれた次の日に、初デートをした(笑)


何とも、変てこな関係である。



普通は、知り合って、デートして、それから…なのに。


やっぱり俺は、変態なんだろうか、って思う。



でも、自然な心の流れだった。


文通は、奥が深いのである。



プラネタリウムに行って、ウィンドウショッピングをして、カラオケして…


外食は嫌だというので、一緒にスーパーへ。



彼女の手料理は、ちょっとしたもんだった。


たぶん、母親と仲がいいのかも。



ひとり暮らしの身にとっては、ありがたい時間だった。


俺は、生まれて初めての恋人に、心を躍らせた。



彼女の存在が、体温が、俺の渇ききった心を癒やしてくれた。


女の子って、いいな~



彼女とは、もう体も心も通じ合っているので、もう長年のカップルみたいだった。


彼女は、学校を卒業したら、新潟に来て就職する、と言った。


それはどうかな、と思ったけど、彼女の気持ちが嬉しかった。



彼女と一緒にいると、世の中の全てが輝いて見えた。


俺の目には、普通の景色でも、彼女の目を通して見ると、違うものになった。



俺たちは、幸せだった。


俺は、有頂天だった。   (つづく)



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2012-05-05

遠距離恋愛 その3 「2日目の夜・後編」(R18)

テーマ:俺物語

(続き)



彼女の入り口は、極端に狭かった。


限りなく固かった。


俺は医者じゃないからわからないけど、確かに異様な感じがした。



大丈夫、と言った手前、俺は深呼吸して、冷静になった。


ゆっくりゆっくりと、少しずつ、痛いところで我慢して、広げていく…


彼女は、息を吸ったり吐いたり、止めたりして、懸命にこらえる。



春の夕暮れ時に、涼しい風が吹く。


俺たちはお互い、汗ビッショリだった。


彼女の入り口は、異物の侵入を拒むかのように、固く閉ざされている。


指を締め付ける力が、もの凄かった。


2時間くらいかかって、2本の指が、根元まで入った。



『…おい、入ったぞ。大丈夫だよ。安心しろ。』


『…うん…がんばる。』



彼女を励ましながら、強張った身体の力を抜かせるように、俺は努めた。


『…今日は、これくらいにしようか。』


『…ううん、最後までやりたいんよ。ねえ、あなたの、入れてみて。』



指2本がやっとでは、まだ難しいと俺は思った。


でも、彼女が望むなら、やってみよう。


コンドームをつけて、入り口にあてがう。



亀頭が3分の1入ったところで、彼女は悲鳴を上げた。


やっぱり、痛いのである。


『…ウチはやっぱりダメなんじゃ~うわ~ん!』


彼女が泣く。泣きわめく。


『…そんなことない!俺がついてる!絶対に大丈夫!』


彼女を抱きしめて、俺は何度も励ました。



汗をいっぱいかいたので、炭酸ジュースとスナック菓子を取って、少し落ち着く。


涙で真っ赤になった彼女の瞳は、俺を奮い立たせる魅力にあふれていた。


『…ようし、もういっちょうやるか!』



目標は、3本指が根元まで入ること。


攻略、開始。


俺たちの長い闘いが、再開した。



第2ラウンドを開始して、2時間半。


ようやく、3本指の3分の2まで入れることができた。


ここまで入れば、たぶんいけるような気がした。


もうすでに、俺の指は痺れまくっていた。



この状態をキープしながら、長いキスをする。


『…もうすぐ、できるよ。』


『…本当?本当にできるの?』


『…ああ、まかせとけ。』



既に、時計は9時を過ぎていた。


2人共疲れていたけど、進むしかなかった。


ゆっくり指を抜いて、コンドームを装着。



彼女の身体は、少し固かった。


開脚が、完全にできないのである。


半開きが、精一杯。


そして、角度も限られているようだった。


一番スムーズに入る角度を考えて、変な姿勢で俺は身構えた。



『…いいかい?入れるよ。』


『…お願いします。』



亀頭を、ゆっくりと、彼女の入り口に沈めていく…


半分入ったところで、彼女の顔が歪む。


『…痛いか?いったん抜こうか?』


『…ううん、いいの、そのまま来て。』


『…よし、わかった。』



亀頭が半分を過ぎると、つるりと中に入った。


一瞬、彼女が、痛っ、という表情を浮かべたけど、中に入ったら、平然となった。


そのまま、ヌルヌルと入っていく…



『…おい、入ったぞ~!』


『…うん…うん…わかる…』


『…よかったな。』


『…嬉しい…』



俺たちは、泣きながらキスをした。


彼女は、俺の背中を引き寄せる。


俺は、彼女の中に沈んでいく…



心地よかった。


宇宙と宇宙が、ひとつになった気がした。


愛し合うって、何て素敵な世界なんだろう。



ゆっくりと、腰を動かしていく。


彼女は、深いため息をつきながら、俺を受け入れていく。


2人は今、ひとつになっていた。



『…ほら、俺たち、ちゃんとセックスできているぞ。』


『…うん。』


『…お前は、どこも悪くない。健康な女の子だよ。』


『…うん。』


『…心配しなくていい。お前は、正常だよ。』


『…ありがとう…うわ~ん!』


また、彼女が泣いた。


とても、美しい涙だった。



『…いいか、よく聞け。お前は今、本当の意味で処女じゃなくなったんだ。』


『…うん。』


『…お前の本当の処女は、俺がもらう。いいな。』


『…うん。あげる。あなたにあげる。』


『…愛しているよ。』


『…ウチも。』



俺たちは、この日、幸せに結ばれた。


生涯最高の夜だった。  (つづく)




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2012-05-05

遠距離恋愛 その2 「2日目の夜・前編」(R18)

テーマ:俺物語

(続き)



朝は、ほとんど一緒に目を覚ました。


1つの布団の中で、おはようのキスをした。


そしたら…舌が痛え(笑)



あれだけ激しくディープキスをしたもんだから、そりゃ痛くなるわな(汗)


彼女も、痛いと言った。


おかしくて、俺も一緒にまた笑った。



朝は、俺がトーストを焼いて、スクランブルエッグとホットミルクを用意した。


『…改めて、よく来てくれたね。』 俺は彼女を歓迎した。


『…うん、ウチ、来てよかった。』 彼女は微笑んでくれた。



ずっと、長い時間、布団の中で色んなことを話した。


手紙で既に聞いていたことも、具体的に聞いた。


彼女は何度も泣きながら、ひとつひとつ思い出していった。



話し疲れて、少し眠って、また起きて話した。


彼女は、俺の顔を見て、真剣に言った。


『…やっぱり、ちゃんと最後までしたいんよ。』



彼女は、自分の性器が異常なのではないかと疑っていたようだった。


彼と何度もやって、痛かったのは、身体に欠陥があるからだと言った。


俺は、そんなことはない、って言ったけど、彼女は聞かなかった。



『…よし、そんなに言うなら、やってみようか。』


『…うん、お願い。』


時刻は、夕方の4時だった。



ちなみに、俺は童貞だった。


童貞桑畑には、かなり荷が重かった。


しかし、ここで引き下がるのは、男ではない。



俺は意を決して、コンドームを取りに行った。


一応、用意はしておいたのである。


本当は、使う気はなかった。


彼女の傷ついた心を思うと、最後までしないつもりだった。



でも、逃げてばかりいられないんだよね。


彼女は、俺にして欲しいと言った。


だから俺は、堂々と彼女を抱くことに決めた。



昨夜よりも、よりいっそう丁寧に、優しく愛撫した。


さすりながら、1回イカせてあげた。


身体の力が抜けたところで、指をあてがってみた。



指1本は、簡単に入る。


しかし…2本入れようとすると、彼女が飛び上がった。


激痛が走ったらしい。



ほんの入り口に、指2本が入らない…


彼女は、元カレとの行為で、どれほどの痛みに耐えたんだろう。


俺は、考えた。 そして、聞いてみた。



彼女は、とても敏感で、感度がいい。


だから、自分が痛くても、彼のために我慢したという。


彼が気持ちよくならと、必死に苦痛に耐えたという。


それなのに、元カレの仕打ちは、あまりにも酷かった。



俺は、怒りと悲しさが込み上げてきて、涙が流れた。


どうしてこんないい子がこんな目に…


絶対、俺が救って見せる!


根拠はないけど、覚悟を決めた自分がいた。  (つづく)


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2012-05-05

遠距離恋愛 その1 「最初の夜」(R18)

テーマ:俺物語

さあ、いよいよ、俺の恋バナも、クライマックスを迎えました。


もともとは封印されていた話だったのですが、要望もあり、執筆することにしました。


心を表現するために、これからは性的な描写もダイレクトに入ります。


桑畑エピソード、18禁の世界へようこそ。





(続き)



彼女の両腕は、俺の背中を確かめるように添えられた。


俺は、彼女の首筋を、ゆっくりと這う。


彼女の深いため息が、小さく洩れた。



女の子の身体って、あたたかくて、やわらかい。


25年間異性に縁がなかった男の心は、熱くなった。


俺たちは、お互いの肌をすりよせて、ぬくもりを感じ合った。



彼女の身体は、とても敏感だった。


どこもかしこも、性感帯のかたまりのようだった。


何度もキスをして、優しく触れ合った。



考えてみれば、シャワーも浴びていない。


でも、そんなこと、どうでもよかった。


汚いという感覚はなかった。



彼女の何もかもが、美しく感じられた。


身体の隅々まで、舌を這わせた。


彼女は、俺の感触を確かめるように、小さく、時には大きく反応した。



焦らずに、ゆっくりと、丁寧に愛撫していく…


とても、大切なものを扱うように、細心の注意を払って、さすっていく。


彼女に話しかけ、耳元で囁きながら、愛を伝えていく。



愛撫すればするほど、彼女の身体は紅潮していった。


息づかいが、荒くなっていく。


俺は、一番感じるボタンを、優しく撫でていく…



彼女の息づかいが、さらに激しくなっていく。


片手で彼女の手を握り、もう片方の手で愛撫する。


彼女が、汗だくになって、大きく身体を反らせる…



彼女は、絶頂を越えた。


胸が、激しく浮き沈みしている。


俺たちは、深く深く抱き合った…



彼女の髪を撫でながら、ゆっくりキスをする。


彼女の身体は、とても熱くなっていた。


彼女は、黙って俺を見ている。



『…今日は、最後までしないでおこうか。』


『…えっ、いいの?…いいよ、しても。』


『…今日は、これでいいんだ。もう充分だから。』


『…でも、男の人が勃起したら、出さな死ぬいうて聞いたんよ。』



どこの馬鹿がそんなことを吹き込んだのか。


彼女の純粋な心が、俺には痛々しく感じられた。



彼女がどうしても、出してくれないと落ち着かないと言うので、


手でしごいてやってもらうことにした。



彼女は、男が射精するところを見たことがない、と言う。


だから、見たいと言う。



しょうがないので、彼女の上にまたがって、顔の前でしごいてもらった。


いつもは早く終わるはずなのに、この日に限ってなかなか出なかった。


今思えば、緊張していたんだと思う。



彼女は、陸上をやっていたらしいので、体力がある。


手を動かす早さも、凄かった。


俺は、もうすぐ出るから、と彼女の手を握った。



彼女は、俺のモノに注目する。


俺は、彼女の目の前で果てた。


勢いよく飛び出た最初の一撃が、彼女の頬に命中した。



『…きゃっ!』


ビシッという感じだったので、彼女は驚いた。


『…すごい勢いなんじゃね…!すごいわ!』


『…これが、生命力ってもんだよ。』


彼女と俺は、一緒に笑った。


いつまでも、笑い続けた。



その夜、一緒にお風呂に入った。


身体を洗い合って、一緒に湯船に浸かった。


静かで、あたたかくて、幸せなひとときだった…  (つづく)



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