映画 「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」 | 映画熱

映画 「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」

心は、言葉として放たれ、その言葉がまた、人の心を動かすのだ。

 

 

ゲイリー・オールドマン、極上の演技でした。

 

きっと、生涯忘れられない役柄となるでしょう。

 

メイクアップを担当した辻一弘氏も、いいお仕事されましたね、すごい!

 

 

アイルランド映画を見たその足で、今度は、イギリス映画を見ました。

 

ただの歴史映画として見ると、少々物足りないかもしれませんが、

 

ひとりの男としての、魂の葛藤と格闘する映画として見ると、すっげえ面白いです。

 

 

自分のおかれた境遇に悩み、苦しんでいる人たちに、ぜひ見ていただきたい。

 

 

 

1940年5月。

 

ヒトラー率いるナチスドイツは、フランスを占領しつつあった。

 

英国軍は、ダンケルクの海岸まで追い詰められた。その数、30万人。

 

彼らを救う方法は、ほぼない状態…

 

そんな状況で、首相に就任って、すごいタイミングだと思いませんか?

 

 

俺は、前の前の会社で、上司が急に辞めて、急遽課長に任命された経験がありますが、

 

その時はまだ20代後半くらいだったので、若さと勢いで何とかなりました。

 

 

しかし、チャーチルじいさんは、この時すでに60代半ば。

 

旧約聖書で神に選ばれたノアは500歳を越えていて、洪水が起こったのは600歳。

 

ノアに比べたら、メチャメチャ若いじゃん!

 

いやいや、平均寿命考えて下さい。

 

やっぱり、すごいプレッシャーだったと思うんですよね。

 

 

で、すごいのが、彼が、酒好きだったってこと。

 

 

①朝食に、スコッチ。

 

②昼食に、シャンパン1本。

 

③夕食にも、シャンパン1本。

 

④晩酌に、ワインとブランデー。

 

(ホームページの情報より)

 

 

うっはー

 

どうですか、この酒豪ぶり。

 

 

そして、葉巻もバンバン吸いまくりです。

 

(赤ん坊の前でも、葉巻吸ってましたから、こりゃあ、作品賞は無理でしょうな)

 

 

 

このくらいの大物だからこそ、この重圧に耐えられたのかもしれません。

 

だって、並大抵の人間だったら、ストレスで死んでしまうでしょう。

 

 

チャーチル、すげえ!カッコええ!

 

 

この映画を見た後に、「ダンケルク」を見ると、わかりやすいかと思います。

 

(「ダンケルク」は、残念ながら行けなかったので、DVDで見ましたから、記事はありません)

 

 

あれだけの民間人を動かすのは、普通の人間には、まずもって不可能。

 

 

チャーチルには、特別な“武器”がありました。

 

それは、弁が立つこと。

 

 

なるほど、ヒトラーは演説の天才なんだから、

 

奴と戦うには、演説のプロが首相になった方が絶対いい。

 

 

 

しかしながら、チャーチルにも、弱点がありました。

 

そこをしっるかり支えるのが、素敵な奥様。

 

演じるのは、大物女優、クリスティン・スコット・トーマス。

 

「イングリッシュ・ペイシェント」「モンタナの風に抱かれて」「ミッション・インポッシブル」など、

 

数々のバラエティ豊かな映画で、存在感抜群の風格。

 

 

いやあ、こんな最高の組み合わせって、素晴らしいじゃないですか。

 

 

 

ゲイリー・オールドマンの演技力については、皆様ご存じの通り。

 

「レオン」の悪徳刑事と、「ダークナイト」のおっちゃん刑事は、正反対。

 

「シド・アンド・ナンシー」と「ベートーヴェン」は、まさに天才。

 

「トゥルー・ロマンス」「フィフス・エレメント」のマヌケな悪役ぶりも、見事でした。

 

 

その彼が、イギリスの首相に!

 

これだけで、興奮しないでいられましょうか。

 

 

だからきっと、細部までこだわって、辻さんをご指名したんですね。

 

いい仕事ができる人は、人を見極める目をしっかり持っているということ。

 

 

ああ、この映画に出てくる人たちが、それぞれにカッコいい。

 

 

俺には、絶対にできない仕事。

 

プロの人間たちが、知恵と勇気をふりしぼって戦うからこそ、奇跡が起きるのだ。

 

奥様も、秘書のおねえちゃんも、地下鉄の少女も、素敵でした。

 

 

 

弱い立場にいる者は、なかなか声をあげられない。

 

しかし、機会さえあれば、ちゃんと言える。

 

ただし、聞く耳を持った者でなければ、真意は拾えない。

 

 

チャーチルは、少ない入力を増幅して、大きな力に変換する能力を持つ。

 

“嫌われ者”なのに、国民に人気があるのには、きっと理由がある。

 

 

 

今宵は、スコッチをじっくり飲みましょう。

 

インフルにかかる前に買ったスモークヘッドが、あと少し残っている。

 

その、最後のひとしずくにこそ、深い味わいがあるのだ。

 

 

 

…言葉の魔術師に、乾杯!

 

 

 

 

(メイクアップが素晴らしいので、テーマはアニメ・特撮にしちゃいました)