FUJITA'S BAR
2017-06-25

映画 「午後8時の訪問者」

テーマ:洋画

失った時間を取り戻すことはできないけど、心を再構築することは、きっとできる。

 

 

過酷な仕事の状況の中で、ようやく7日間を働き抜き、いざ、映画館へ。

 

最近は、疲労が激しいので、つまらないと、すぐ眠気がきちゃう。

 

でも、この映画は、大丈夫でした~ (それが基準かよ)

 

 

 

主人公は、そこそこ経験豊富な、若い女医さん。

 

街の開業医のじいさんが身体を壊して入院中なので、

 

彼に代わって、患者を一時的に診ている。

 

 

ある日の夜、診療時間を1時間過ぎた頃、ブザーが鳴った。

 

対応しようとする研修医の青年を、彼女は制止。

 

『…出なくていいわ。緊急なら、何度も押すはずよ。』

 

ブザーが鳴ったのは、一度きりだった。

 

 

翌日、警察が彼女のもとを訪れ、身元不明の少女が死んだことを知らせる。

 

診療所の防犯カメラの映像をもとに、警察は捜査を始める。

 

 

 

あの時、もし、ああしていたら…

 

 

こういうことって、日常生活の中では、よくあること。

 

気にしない人は、余計なストレスを感じずにすむけど、

 

気にする人は、とことん悩んでしまうのである。

 

 

彼女は、どうしても気になってしまい、独自に探偵を始める。

 

それは、良心の呵責とか、自責の念とか、

 

そういったわかりやすいきれいごとではないような気がする。

 

説明がない分だけ、彼女の表情や仕草から、ほのかに読み取れるのだ。

 

 

彼女は、「何か」を感じて、行動することによって、答えを見つけようとしている。

 

毎日の仕事をこなし、ひたむきに、「何か」を探す。

 

 

そしてそれは、彼女自身の、心の問題でもあった。

 

 

 

とても魅力的で、素敵な女性である。

 

彼女は、ほとんど笑わない。

 

黙々と、自分がやるべきことを、シンプルにこなす。

 

 

まるで、アキ・カウリスマキ作品の世界にいるようだ。

 

無表情だからこそ、にじみ出てくるものがある。

 

 

そして、音楽をやたらに使わないところも、面白い。

 

「家族ゲーム」は異色だったけど、本作は違う。

 

「音」は、確かにあるのだ。

 

ただそれは、日常生活の中の、ありふれた「音」。

 

 

 

映画は、日常の中に潜む「闇」を、さり気なくあぶり出していく。

 

派手な場面や、華麗なクライマックスも、存在しない。

 

ただ、淡々と、真実に少しずつ、近づいていくのみ。

 

 

う~ん、ハードボイルド。

 

彼女は、勇敢ですわ。

 

 

 

 

人の心は、なかなか奥が深くて、複雑なもの。

 

単純な行動をするからといって、単純な思考の持ち主とは、限らない。

 

誰もが、人に言えない事情を抱えて、毎日を必死で生き抜いているのである。

 

 

生命力というのは、元気があれば、あふれ出る。

 

しおれて、枯れて、萎えて、息絶え絶えでも、生きている限りは、なくならない。

 

 

助けを、求める者。

 

助けたいけど、助けられない者。

 

助けられる立場にいるけど、助けない者。

 

助けられないのに、助けようとする者。

 

助けて欲しくなんかないのに、助けられてしまう者。

 

 

色んな出会いがあって、人の心が形成されていく。

 

弾んだり、歪んだり、傷ついたり。

 

弾めば、何かにぶつかって、跳ね返る。

 

歪めば、物事が、歪んで見える。

 

傷つけば、痛みを恐れるようになる。

 

 

心が柔軟であれば、もとに戻ろうとする力が強くなる。

 

自己修復機能であり、自然治癒力と言われる性質のもの。

 

 

そのエネルギーの源が、生命力なんだと思う。

 

 

早く、回復する人。

 

ゆっくり、時間をかけて、回復する人。

 

誰かが力を貸してくれて、初めて回復に向かう人…

 

 

助けを求めるのも、

 

困っている人を助けたいと思うのも、

 

人間の本能。

 

 

本能を動機とした行動には、理由が存在しない。

 

ただ、そうしたかったから。

 

それだけのこと。

 

 

理由や説明なんて、後から考えればいい。

 

今はただ、目の前のできることを、精一杯やるのみ。

 

 

だから、彼女を見ていると、美しく生きていると、俺は感じてしまう。

 

 

 

誰も見ていなくても、

 

誰からも褒められなくても、

 

自分の、やるべきことを、ひたむきに、夢中になる。

 

 

 

 

俺の、疲れ切った心に、気持ちのいいスパイスを効かせてくれた1本でした。

 

やっぱり、映画って、いいもんです。

 

 

 

失ったものは、数多いけれど、

 

もう二度と取り戻せないものも、たくさんあるけれど、

 

壊れた心を、少しずつ、再構築していけば、

 

その先に、何か新しい道が開けるかもしれない。

 

 

 

彼女が笑う場面が、2つくらいあったと思うんですが、

 

すごく、いいですね。

 

 

そういう短いひとときでも、ほんの一瞬でも、安らぎをかみしめられるように、

 

自分の心を、常にオープンにしておきたいものです。

 

 

 

何もかもが、ダメというわけじゃない。

 

研修医の青年の心が、何かによって変化していく。

 

主人公も、出会う人たちも、何かによって、変わっていく。

 

 

それは、

 

変えてもらったのではなく、

 

自ら、変わろうとしているのである。

 

 

それが、生命力だと思う。

 

 

生き物は、破壊されたところを、自ら修復しようとするものなのです。

 

 

 

 

彼女は、きっと、新しい力を得たんだと思います。

 

冒頭の彼女と、ラストの彼女の対比が、素晴らしい。

 

 

人は、自ら望んで行動した方が、成長する。

 

またひとつ、勉強させてもらいました。

 

 

 

出会って、壊れて、また再構築。

 

しっかり向き合って、ひたむきに生きることは、とても美しい。

 

 

 

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