FUJITA'S BAR
2017-03-20

映画「ティエリー・トグルドーの憂鬱」

テーマ:洋画

仕事って何だろう、と、心に問いかける映画。

 

 

2015年カンヌ国際映画祭と、2016年フランス・セザール賞において、

 

主演男優賞をW受賞した、社会派のヒューマンドラマ。

 

 

51歳の男が、長年勤務した職場をリストラされ、就職活動中。

 

それだけで、切なくなっちゃいます。

 

俺も、働き過ぎでうつ病になり、復帰したけど、結局再発して事実上の解雇。

 

倒産も経験したし、今の職場で7つ目の男なので、

 

右往左往する彼の姿が、痛々しく感じられます。

 

 

イタリアの名作「自転車泥棒」は、

 

やっと得た仕事で使っている自転車を盗まれ、

 

幼い息子と二人で途方にくれる場面が切なかった。

 

 

切ない記憶って、いつまでも心に残っちゃうんですよね。

 

 

 

 

 

ヴァンサン・ランドンの演技が、素晴らしい。

 

 

すぐそこにいそうな、不器用な男。

 

現役でバリバリ働いていた時は、輝いていたのだろうけど、

 

失職した途端に、社会的地位はなくなってしまう。

 

それでも、ひたむきに、彼は、職安に通う。

 

愛する家族との、生活のために。

 

 

面接で、若い人たちにダメ出しされる場面がある。

 

あれがダメ、これがダメと言われる時の、彼の表情が絶妙。

 

オーバーアクションは一切なく、ただ、耐えている男の姿。

 

その場で体裁だけ繕っても、今更印象なんか変わらない。

 

そう見られたのなら、仕方がない。

 

自己主張すべき時と、沈黙すべき時。

 

言いたいことが言えない、立場の低さに、じっと我慢する男の背中…

 

 

 

ああ、切ない。

 

切な過ぎます、この映画。

 

シンプルな構成だけに、派手さもないだけに、

 

若い観客にとっては、退屈かもしれませんね。

 

 

でも、数々の苦渋をなめた人なら、彼の悔しさがわかると思う。

 

 

彼は、嫌な目に遭っても、人に八つ当たりしない。

 

家族には優しいし、仕事も誠実にこなしていく。

 

 

しかし、彼の「仕事」は…

 

 

 

 

 

 

人には、

 

できる仕事と、できない仕事があるように思う。

 

向き不向きとか、根性があるとかないとか、

 

それ以前の問題で。

 

 

俺は今、たまたま縁があって、農業に携わっていますが、

 

この仕事も、できる人とできない人がいるんだと、身にしみて思うのです。

 

 

 

苦労して、やっと得た、仕事と居場所。

 

もう、失いたくない。

 

たとえ、どんなことをさせられても。

 

 

 

本作は、物語を追っていく映画ではなく、

 

その場面場面において、人の気持ちを感じ取る映画だと思う。

 

過ちとか、失敗とか、魔がさしたとか、

 

生きていれば、いろんなことがある。

 

 

彼の仕事は、自分の感情を押し殺さないと、やっていけない。

 

ただ、黙々と、“やるべきこと”をやるのだ。

 

 

 

上映時間は、1時間32分。

 

短い時間が、長く感じられるようで、終わってしまえば、あっという間。

 

 

彼は今、どうしているのだろう。

 

俺の中でまだ、彼が黙々と仕事をしている姿が浮かぶ。

 

 

彼と、飲み屋のカウンターで出会ったなら、

 

いつまでも、話をしたいと思う。

 

 

生きるのは、簡単じゃない。

 

生き抜くことは、もっと簡単じゃない。

 

 

 

仕事は、生きるための糧を得るための手段であり、

 

会社というのは、能力をお金に変換するためのシステム。

 

 

割り切れるか。割り切れないか。

 

深く考えないようにするか、ひたすら考えるか。

 

 

行動は制限されても、思考と感情は自由である。

 

自分らしさを失わないように、

 

自分の心の中で、迷子にならないように、

 

ジタバタしながら、続けていくしかないのだ。

 

 

誰かの、役に立つ。

 

それが、仕事の根源だと思う。

 

 

褒められなくても、認められなくても、

 

ひどい扱いを受けようとも、心を踏みつけられても、

 

ただ、ひたすらに、働き続ける。

 

 

体が、動く限り。

 

命が、ある限り。

 

 

 

…仕事をがんばる全ての人たちに、乾杯。

 

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