FUJITA'S BAR
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2014-09-30

映画 「マザー」

テーマ:邦画
恐ろしいくらい、つまんない映画でした。


ホラー漫画の巨匠、楳図かずお先生が、ついに監督デビュー。
ご自身の生い立ちを題材にして、原案と脚本も担当したそうな。

これは、楳図ファンとしては見逃せないので、公開初日のレイトショーに、
ボーダーのロンTを着て、仕事が終わってから駆けつけました。


劇場の売店には、楳図グッズがたくさん。
手ぬぐいや付箋、ミニポスターなど、種類も豊富です。

こりゃあ、見る前から、雰囲気が盛り上がりますね~


さて、映画ですが、半分予想していた通り、ぐだぐだなまま終了しました。

う~ん、やっぱり先生は、漫画家としては一流だけど、映画はどうも…

鳴り物入りで公開される映画って、大体こんなもんなんですよね。


何がどうつまんないかを細かく説明すると、ネタバレしてしまうといけないので、
キャスティングと物語と演出方法に難あり、とだけ言っておきましょう。

要は、「ちっとも恐怖を感じない」んですね(笑)

ご本人はたぶん、相当ハイテンションで監督されたんだと思うんですが、
この映画で怖がれるのは、女子高生くらいまでじゃないかなあ…って。


俺みたいなおっさんには、刺激が少な過ぎました。

だからたぶん、思春期の世代がターゲットなんでしょう。



主演は、片岡愛之助。

彼があのボーダーを着ると、体格がいいので、とてもマッチョに見えます。
う~む… 漫画家に見えん(汗)

すごく熱演していたとは思うんですが、空回り感がハンパないです。
やっぱり、物語がアレな感じだから、こんなもんかな、と思います。


母親を演じるのは、真行寺君枝。

昔、化粧品か何かのCMで、ゆれるまなざし~だったおねえさんですね。
素材はすごくいいのに、メイクがヒドくて、あんまり美しくありませんでした(涙)

もっときれいに撮ってあげれば、もっともっと怖い映画になったろうに…残念。
白髪のズラが、コントにしか見えませんでしたねえ(苦笑)


出版社のおねえちゃんを演じるのは、舞羽美海。
普通にカワイイ人だったけど、演技が固くて、ヒロインになりきれない感じです。

楳図作品を敬愛する役柄なのに、熱が足りんぞ、コラ。


もったいないのは、チョイ役で登場した中川翔子。

しょこたんの方が、楳図先生ラブだから、彼女をヒロインにした方がよかったかも。
この娘なら、派手なメイクがずっと映えますよ☆

監督が河崎実だったら、しょこたんと壇蜜で、いい感じになったりして。
いやいや、それじゃあ、ホラー映画になんないか(笑)


とにかく、この映画、最初から最後まで、「どうにかならんか」状態でした。

そこは、映画監督としては初であることを考慮して、よしとしましょう。

少なくとも、「面白いものを作ろう」という意気込みは、充分感じられますから。


これが、無名の新人が監督したら、ボロクソに言われておしまいなんだろうけど、
天下の楳図先生だからこそ、評価されるんでしょうね。

俺は、しっかりお金を払って劇場で、しかも初日に見た男だから、
正当に批評する権利があると思っています。


だから、変にお世辞なんか言いません。

ダイレクトに、「つまんない映画」でした。先生。


きっと、世の批評家は、ベタほめとかするのかもしれないけど、
俺は、ブログで嘘はつけないので、正直に言いますね。

それが、巨匠に対する「礼儀」だと思っておりますので。



楳図作品には、不思議な魅力がある。

つのだじろう、古賀新一、日野日出志、お茶漬海苔、伊藤潤二、諸星大二郎…

ホラー漫画の巨匠は数あれど、楳図先生は、ジャパニーズトップの存在。

やっぱり、いいものを描き続けていただきたいんですよね。



人を怖がらせるのって、笑わせるよりもはるかに難しいんです。

それを職業にしている人の数を考えただけでも、ごく一握りの選ばれた民。


楳図先生は、はたして、この映画の出来にご満足でしょうか…?

これで満足だとおっしゃるなら、もう映画は撮らない方がいいと思います。


しかし、この出来では不満だ、とお考えなら、ぜひ次回作を作って下さい。

何でもそうですが、最初から、いいものは作れません。

試行錯誤を重ねていくうちに、だんだんと、いいものが生まれていくんですね。



次はぜひ、「蛇系」か「猫系」でいって欲しいなあ~と思います。

全国オーディションで、蛇顔と猫顔の女優さんを発掘しましょう、ぜひ。



人を怖がらせるのは、才能である。

怖がることができるのも、才能である。


怖がらせる能力と、怖がる能力。

その2つがシンクロした時に、最高の恐怖が生まれるのだ。



見たくないものって、誰にでもある。

それは、見るのが怖いから。

見ちゃいけないと言われると、ちょっとだけ見たくなるもの。

それは、「見る」ことの「お得感」が増すから。



この映画、見てはいけませんよ。

絶対、つまんないから。

この映画、オススメしませんよ。

絶対、怖くないから。


どうしても見たかったら、レンタルDVDくらいにしておきなさい。

お金を払って劇場で見よう、なんてことは微塵も考えないで下さいね。



…見たら、きっと後悔しますから。







【作品データ】

監督・原案:楳図かずお 脚本:楳図かずお 継田淳
撮影:長野泰隆 音楽:中川孝 主題歌:中川翔子
出演:片岡愛之助 舞羽美海 真行寺君枝 中川翔子

 (2014年松竹 上映時間:83分)


☆今回の記事は、ホームページとか、作品に対して何も調べずに書きました。
 うろ覚えで書いた個人名もあるので、間違っていたらごめんなさい。






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同じテーマ 「邦画」 の記事
2014-09-26

柘榴坂の仇討 追記 (少しネタバレあり)

テーマ:邦画
映画を見た時の興奮冷めやらぬ状態で記事を書いたので、

何が何やら、さっぱりわからない文章でしたね(笑)


内容に触れれば触れるほど、ネタバレ的な文章になってしまうので、

今回は、ある意味ネタバレかも、とおことわりしてから書こうと思います。


物語の舞台は、「桜田門外の変」から始まります。

彦根藩士である志村金吾(中井貴一)は、剣術の腕を買われ、

大老井伊直弼の警護を担当することになりました。

美しい妻をめとり、これからの人生が大きく開花しようとしてた矢先、

桜田門外にて、思わぬ襲撃を受けてしまいます。

60人の包囲網は、わずか18名の刺客にことごとく斬り殺され、

主君をも殺害されてしまうという、大失態を招いてしまうのでした…


映画は、警備の甘さと、手際の悪さ、的確な指示を出さずに持ち場を離れるなど、

主人公の失態を、リアルに容赦なく描きます。


それが、とても痛々しい。



剣術の腕がある者が、人を率いるのに秀でているとは限らない。

職人として能力のある者が、人に教える才能があるとは限らない。


ある方向に対して優秀な者ほど、別の方向に対しては無力だったりするのです。


誰もが、最初から物事をうまくこなせるわけじゃない。

初めは失敗がつきもの。

失敗から学んで、少しずつノウハウが身に付いていくもの。

自らが失敗するからこそ、下の者の気持ちがわかるのであり、

物事に対して、何が重要であるかを、体で理解していくのです。


そういう、悔しさの積み重ねによって、いい指導者になっていくんですね。


ところが、本作の主人公は、いきなりものすごい失敗をしてしまう。

そこが、この物語の残酷なところであり、だからこそ、大きな意味を持つんですね。


初めての失敗が、比較的軽いものであったなら、その時は反省するでしょうが、

時間が経つと、きれいさっぱり忘れてしまったりするものです。


しかし、いきなり、取り返しのつかない失敗をしたら、どうなるでしょうか。


会社なら、懲戒免職とか、左遷とか、リストラとか、何らかの処分を受けますよね。

学校なら、自主退学とか、停学とか、転校とか、何らかの処分を受けますよね。


叱責とか厳重注意とかで済むなら、まだいい方です。


しかしながら、本作の主人公の失敗は、取り返しがつかないものでした。

しかも、バラ色の人生が始まった矢先の転落…

普通の人間なら、心がつぶれてしまうところでしょう。


ですが、それこそが、この映画の「肝」なんですね。



華麗なサクセスストーリーを好む人には、この映画はオススメできません。

勧善懲悪とか、わかりやすいストーリーを好む人にも、オススメできません。

主人公に感情移入できないとダメな人にも、オススメしにくいんですよね。



本作は、単なるエンターテイメントではないのです。



本作の根底にあるテーマは、「贖罪」と「おとしまえ」だと思います。


傍から見たら、何て意味の無いことをやっているんだろう、と感じるかもしれない。

冷静に見たら、何て無駄なことに時間を費やしているんだろう、と思うかもしれない。


しかしながら、俺は思うんです。


自分のしたことに、とことんこだわり、真剣に向き合って考えることこそ、

男の生きる道ではないだろうか、と。


考えて考えて考え抜いて、後はひたすら行動する。

行動して、自分で感じたことをよく吟味して、また考える。


それは、とても大切なことなんです。


失ったものが大切であればあるほど、それは、大きな意味を持つのです。



主人公の志村は、13年間も、苦しみ続けます。

それは何故か。

それは、失ったものが、かけがえのない、大切なものだったからです。



人は言います。『…嫌なことは、早く忘れてしまえばいい。』

合理的思考としては、それが正解なのかもしれません。

しかし、人間の心は、そんなに単純なものじゃないんです。


衝撃的な出来事があると、精神的にショックを受けます。

その大きさに比例して、心はダメージを受けます。


そこで、どうするか。


早く忘れて、身軽になってリフレッシュして、新しい人生を歩むか。

納得できるまで、とことん考え抜いて、真の心の糧にして生きるか。


どちらも間違っていないし、どちらもありだと思います。



俺は、自称「面倒くさい男」です。

でも、そういう自分が、嫌いじゃないんです。


淡白でクールな人には、俺の言っていることはわからないと思う。

別に、万人に理解してもらおうとは思っていないし、

自分に嘘をついてまで、つまんない輩に媚を売る気はないから。


みんなに好かれる文章なんて、気持ち悪くて反吐が出る。



俺は、この映画で、泣きました。


この映画の主人公の「心の叫び」が、ビンビンに伝わってくるからです。


まるで、自分の人生を反復しているように感じられました。


とても、心が痛くて痛くて、たまりませんでした。


こういう風に感じる自分の心は、間違っていなかったと思います。


世の中で言うところの「正解」ではないけれど、

自分の中では「正しい方向」だったんだと感じます。



映画「春蠢」もそうでしたが、最近は、時代劇が面白くなってきました。

絵に描いたようなチャンバラとか、わかりやすい悪役とか、もうどうでもいい。


男のサムライ魂に火をつけるような、心が熱くなる映画が俺は好きです。


効率が悪くても、不器用でも、やるべきことを、やるべき方向でやる。

そうすることによって、心が真の意味で強くなるのである。


強さというのは、自分の弱さと真剣に向き合ってこそ、獲得できるもの。

簡単に手に入る強さは、簡単に脆く崩れてしまうもの。


人の心を、おろそかにするなかれ。

自分の心を、おそそかにするなかれ。


男としてのこだわりや、男の美学を追求せよ。

そのためにこそ、心を磨くべし。


こだわる男というのは、時として迷惑な存在である。

そういう男についていける辛抱強い女は、なかなかいないもの。

「そういう女」を、懸命に演じた広末涼子は、なかなか偉いと思う。


中井貴一が45歳という設定がものすごい。

何と、俺より年下である(笑)

そういうどうでもいい小さいことも、熱演が吹き飛ばしてしまう。

そういう力が、この作品にはあるのだ。


見苦しい。情けない。みっともない。

カッコ悪さを貫くことが、カッコいいことになっていくこともあるのだ。


女たちよ、男が真剣に悩んでいる時は、黙って寄り添って欲しい。

助言も説教もいらない。結論は、いつか自分で出すはずだから。


その時に、手を取って一緒に喜んであげて欲しい。

その時の、最高にカッコいい笑顔を、心に焼き付けて欲しい。

貴女が愛した男は、貴女の愛によって、たくましく成長できました。

その時こそ、思いっきり甘えてみたらいい。


きっとそれは、最高に気持ちのいい瞬間。



男たちよ、自分を信じ続けてくれた女を、おろそかに扱うなかれ。

体を張って、心を尽くしてくれた女を、忘れるなかれ。

心の奥で結び付いた関係は、いざという時に強いから。


人と人との心が溶け合う瞬間は、限りなく美しい。

人と人が和解する瞬間は、限りなく気持ちいい。

苦しさを乗り越えた結果だからこそ、それは、実にすがすがしい。



男も女も、大人も子供も、基本は面倒くさい生き物なのである。

それが理解できた瞬間から、心は大きく成長していくのである。



しゃがまないと、ジャンプはできない。

助走がないと、大きく飛べない。

闇があるからこそ、光のありがたさがわかるのである。



侍という職業は、絶滅してしまっている。

しかしながら、サムライ魂は、現代の日本人男性の心に、しっかり宿っている。

時々、俺はそう感じるのです。


黙々と、自分のやるべきことをやる男は、サムライである。

いざという時に、力を発揮できる男は、サムライである。


サムライは、普段は目立たなく、大人しい存在。

名刀は、普段は鞘におさまっているものだから。

武士の魂は、男たちの心に、しっかりと息づいているのである。



自分が戦うべき相手を、間違うな。

自分が守るべきものを、見誤るな。


頭で考えるよりも、心で感じて、己の魂に問いかけよ。

心を置き去りにせずに、立ち向かうことで、男は強くなっていく。


間違ってもいい。失敗してもいい。

一番大事なものを、見失わなければいいのだ。



…人生で、本当に大切なものは、そう多くはないものだから。



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2014-09-21

映画 「柘榴坂の仇討」

テーマ:邦画
ひたすら、ただひたすら、男泣きでした。


この映画を、万人にオススメはできません。

わかる人にはわかると思いますが、わからない人は、一生かかってもわからないから。


中井貴一は、一流の俳優だと思います。

彼の、役柄にかける情熱なくしては、ここまで良質の作品にならなかったでしょう。


広末涼子は、だんだんいい演技ができるようになってきたと思います。

藤竜也の、内に秘めた熱い心が、ジワジワと効いてきました。


久石譲の、さり気ない音楽が、情感あふれる演出に一役買っています。


こういう時代劇は、俺の中にある「サムライ魂」を刺激します。


華麗で派手なエンターテイメントではないので、映像的には地味です。

しかしながら、メンタル的には、ダイナミックな世界を見事に表現しています。



この映画のよさがわかる人は、人の心の深さを理解できる人だと思います。

日本人として、忘れてはならないもの。

日本人の心の中に、しっかりと息づいているもの。


誰かに教えられて理解できることがあれば、

自ら気づいて、苦悩して身につけていくこともある。



俺は、社会の枠から、少なくとも数回、弾かれた男です。

はみ出したからこそ、気づくものがあり、見えてくるものがあります。


この映画は、ひとりの男の背中を追いながら、心と向き合います。



人の心には、強い面もあれば、弱い面もある。

人の心には、美しい面もあれば、醜い面もある。


人が生きていく上で、大切なことは、そう多くない。

単純でシンプルなものほど、真に理解するのには、時間がかかるものなのである。



俺は、近藤喜文や黒井健の絵を見て、彼らの素晴らしい仕事ぶりを知って、

世の中には、すごい人がいるもんだなあと思っていました。

しかしながら、どんな人たちにも、すごい部分というものは確実にあって、

それらの総合した力が、誰かを生かしているのだということを、本作で感じました。



映画は、最高の教科書です。

こういう精神的な冒険と感動があるから、映画はやめられないですね。



いい映画でした。

また、苦しくなったら、この映画を思い出して、がんばりたいと思います。




今夜は、蕎麦と日本酒で、感慨に浸ります。



…日本という素晴らしい国を築いてきたサムライたちに、乾杯。






【作品データ】

監督:若松節朗 原作:浅田次郎
脚本:高松宏伸 飯田健三郎 長谷川康夫
撮影:喜々村徳幸 音楽:久石譲
出演:中井貴一 広末涼子 中村吉右衛門
   藤竜也 高嶋政宏 阿部寛

 (2014年 松竹 上映時間:119分)


☆浅田次郎原作の映画「壬生義士伝」では、中井貴一が主演。
 「鉄道員」には、広末涼子が出演していました。彼らの共演も、きっと縁なんですね。


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2014-09-21

第7回のあのあシアター開催のお知らせ

テーマ:酒&タバコ
10月12日(日)に、第7回のあのあシアターを開催します。


今回のテーマは、「女と子供と狂気の世界」

上映作品は、洋画サスペンスホラーの2本立てでいきます。

前回の「怪談スペシャル」が、結果的にユルいものになってしまったので、

今回は、インパクトを狙います。



「ザ・チャイルド」(1976年スペイン 107分)

これは、知る人ぞ知る、禁断の映画です。
日本でもアメリカでも絶対に作れない、非常に過激な内容です。
低予算だし、地味な素材なんですが、中盤から画面の温度がジワジワと上がっていきます。

子供大好きな人には、トラウマ映画になるかもしれませんね。



「屋敷女」(2007年フランス 82分)

「ベティ・ブルー」で有名になった、ベアトリス・ダルが、悪役で登場します。
彼女の持つ特異なキャラクター性を、実に効果的に生かしている映画だと思います。

第2回のあのあシアターで上映した「変態男」と、同じシリーズなので、
両作品に共通する、エンターテイメントなテイストが感じられることでしょう。



今回上映する2作品には、どちらにも妊婦が登場します。

ですので、今回は、妊娠中の女性は、入場をお断りしますので、ご了承下さい。

「屋敷女」は、R18なので、18歳未満の方はアウトです。

それから、子供大好きな方は、トラウマになるかもしれませんので、ご理解下さい。



上映の前後には、桑畑の短いトークが入りますのでよろしく。


いつも参加して下さっている常連の皆様、ありがとうございます。

今回も、気合を入れて解説しますので、どうかよろしくね☆




いつも通り、午後3時スタート。ワンドリンク付きで、1500円です。

くわしくは、ノアノア 0256(93)1571までお問い合わせ下さい。



ちなみに、第8回は、「探偵映画」をやる予定ですので、どうぞご期待下さい。

シアターを開催することによって、映画を好きになる人が増えますように☆


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2014-09-14

「黒井健 絵本原画の世界展」に行きました。

テーマ:美術
長岡にある新潟県立近代美術館に行って参りました。


新潟市出身の画家、黒井健は、「ごんぎつね」「ころわん」などで有名なあの人です。

最近見に行った近藤喜文展もよかったですが、こちらも素晴らしい。

あまりの繊細なタッチに、感動して涙が出てしまいました~



数年前に見た、いわさきちひろの絵を見た時の衝撃を思い出したんです。

「おかあさんの目」の中の1枚、女の子が母親を見つめる横顔を見たとたん、

俺は、はっとしました。

純粋な瞳に、ふっくらした頬のラインに、何か、こみ上げてくるものがありました。


それは、娘が生まれた時に感じたものだったのかもしれない。

幼い寝顔を見ていると、嫌な事を何もかも忘れてしまった記憶があります。

彼女は、3歳までに、すでに一生分の親孝行をしてくれました。

だから俺は、娘がどんな大人になろうとも、受け入れられるような気がします。

わからなくなったら、あの寝顔を思い出せばいい。


この横顔の絵は、不思議な力があるように思います。

いわさきちひろの絵にはない魅力が、彼の絵にはある。

根底にあるものは、同じものなのかもしれないけどね。



宮沢賢治の世界とも、縁が深い。

展示会のために描き下ろした「ケンタウロスの祭り」は、絶品でした。

震災で亡くなった御霊が昇華されるのを見届けるような、荘厳な作品でした。

(画集に掲載されていなかったので、タイトルがうろ覚えですいません)

この絵に加えて、タンポポの綿ぼうしの輝きを描いた絵が、俺の感性を揺さぶりました。


このおっちゃんは、いい仕事をするなあ~(涙)



新美南吉の「ごんぎつね」「てぶくろを買いに」は、超有名。

美しく切ない物語は、俺の心に残っています。

日本人としての、わびさびの世界なのかもしれませんね。

彼独特のやわらかい線で表現された「ふわっと感」が、たまらないです☆


「ころわん」シリーズは、人気があるので、親子にウケがよかったですね。

会場には、大きなぬいぐるみも置いてあって、人だかりができていました。

ころわんのお絵かきブースも、小学生の女の子で盛り上がっていましたよ。



世の中は3連休だけど、俺の休みは日曜日だけ。

映画には行かず、この展示会に行くだけで、今日が終わりました。

でも、行ってよかったです。

映画では得ることができない力を、得ることができました。



彼の素晴らしい画力が、鋭い感性が、俺の魂を刺激しました。



俺、たぶん、まだ生きられるかもしれない。


疲れ切っていた体に、何かがみなぎっていくのが実感できました。




見慣れた新潟の情景も、彼の魔法にかかると、実に美しい世界に変身します。

豚の親子や、豚のバレリーナを描いた絵は、爆笑でした~

全ての作品に、愛情が注がれているのがよくわかります。


アートって、素晴らしい。

才能のある人って、素晴らしい。


それは、誰かを幸せにする力だから。


近藤喜文さんは、惜しくも他界してしまったけど、黒井健さんは、健在です。

これからも、新潟県人のいいところをどんどん伝えていって欲しいです。


古くても新しくても、いいものはいい。

生き物たちのひたむきな姿は、人の心に何かを残すもの。


子供たちよ、大人のつまんない話よりも、自分が感じたことを忘れるな。

今日感じたことを、心の中で大事に育てて、いつか開花させなさい。

彼の絵には、そういう力があると思うから。



純粋なものこそが、最後まで残る。

一時的で流動的なものは、時間とともにすたれていく。

不変的なものは、いつだってシンプルな輪郭なのである。


シンプルなものこそが、本当は一番カッコいいのだと、俺は思います。



愛くるしさの中に、ほんわりとした雰囲気の中にある、力強さ。

言葉では言い表せない、いいものが、この世界にはたくさんあるんですね。



一日しかない、貴重な休日だったけど、いい時間を過ごせてよかったです。



彼の優れた絵が、これからも、幅広い世代の人たちに愛されますように。







「黒井健 絵本原画の世界展 物語との出会い」

2014年9月12日~11月3日まで
新潟県立近代美術館で開催中

開館時間:午前9時~午後5時まで
休館日:月曜日(9月15日と10月13日は開館、翌日休館)
入場料:当日券 一般1000円 大・高生800円 中学生以下無料


☆売店には、オリジナルグッズも多数揃っています。
 俺は、ころわんのミニタオルを買いました。
 お酒を飲む時に、下に敷くのにさっそく今夜から使っています。




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2014-09-10

豚コラム 「クッション」

テーマ:豚コラム
豚は、よくくっついて寝ています。

最近は、肌寒い朝とかもあるので、くっついて寝ると気持ちいいんでしょうね。




豚と豚の間に、無理矢理割り込んで寝ています。







くっついている豚と豚の上に、ちゃっかり乗っかっているツワモノもいます。






たまにですが、子猫が乗っている時もあります。

気持ちよさそうなクッションといったところですね(笑)





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2014-09-08

十五夜。

テーマ:飲食物
盗んだバイクで走り出す~♪ ではなく、お月様がきれいな夜です。

昨年はあいにく、曇り空で見えなかった中秋の名月が、今年はバッチリ。

嬉しくなったので、家族でマックの月見バーガーを食べました。


まんまるなお月様をながめながら、キリン秋味を飲んでいます。


ああ、美しや。


不思議なパワーが、湧いてくるようですね。


太陽の光は眩しくて見られないけど、お月様は直視できます。

優しい光が、心の闇を照らしてくれます。


秋のひんやりした空気が、肌に心地いい。


いい夜になりました。


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2014-09-07

映画 「リトル・フォレスト 夏/秋」

テーマ:邦画
自然をおいしくいただくことで、自分もまた、自然の一部になる。


月刊アフタヌーンに連載されていた料理マンガが、4部作で映画になりました。

今回公開されたのは、夏編と秋編の2本立て。

俺は、原作読んでいないし、料理にも興味ないんですが、

橋本愛ちゃんが農業映画で主演する、ということに惹かれて、劇場に行きました。


「渇き。」で、役所広司から頭を叩かれた直後に、拳で殴り返した場面で、俺的にブレイク。

橋本ちゃんは、押し黙ったような、ダークサイドの女がよく似合います。


主人公のいち子は、東北のとある村の小さな集落で、ひとり暮らしをしています。

以前は、母親とふたり暮らしでしたが、いまはひとり。

その理由は、映画の中で、少しずつ語られていきます。

映画は、彼女の生活を、ドキュメンタリータッチで追いかけていく。

まるで、彼女と一緒に暮らしているような気分になります。


田や畑を耕し、季節ごとの食材を収穫し、自分で料理して、食べる。

農作業をして、料理をして、食べる。

ひたすら働き、ひたすら食べる。

これをずっと繰り返すだけなのに、見ていて飽きません。

俺が、料理をしない人間だから、新鮮に感じられるのかもしれませんね。

俺にとって料理って、「魔法」みたいなイメージだから。


橋本ちゃんが、独り言を言いながら、黙々と生きている姿が素晴らしい。

時々、真っ直ぐなユーモアが入るのも、楽しい。

そして、自分の心としっかり向き合っているからこそ言える言葉が、美しい。


この映画は、人間の心を育てる力があるのかもしれませんね。


俺だったら、こんな生活はできないかもしれない。

だけど、映画の彼女は、とても充実しているように見える。

もちろん、心の中には、色んな問題を抱えているみたいではあるけど。


人は、やるべきことをやり、ごはんを食べて、眠る。

うまくいく日もあれば、うまくいかない日もある。

失敗したら、反省して、次に生かす。

ぐだぐだしていても、時間は過ぎていく。

あれこれ考える前に、まずやってみるということも大切。


頭で考えることと、体で感じて覚えることは、違う性質のものだから。


彼女は、自分で体を動かしてやってみて、感じたことを真実として受け止める。

俺もひとり暮らしを8年経験したけど、ひとりの時間って、いいものだと思う。

自分の心も、人の心も、じっくり時間をかけないと、見えてこないものだから。



映画は、毎日の生活を淡々と描きながら、少しずつ、心の領域に踏み込んでいく。

汗を流して黙々と働く彼女の姿は、美しい。

収穫したばかりのトマトをかじる彼女の姿は、実に生き生きとしている。

それは、「おいしい」とわざわざ口に出して言わなくても、充分に伝わってくるのだ。


自然の素晴らしさ。

自然の怖さ。

自然のありがたさ。

自然の厳しさ。


人間と素晴らしさ。

人間の怖さ。


食材というのは、人間の心が反映するのかもしれない。

自然から生まれ、人間を通して生まれ変わり、新しいものに変身していく。

料理には、作った人の人格が表れるのかもしれない。


夏から秋にかけて、この季節にちょうどいい、ほっとするような映画です。

後半の冬・春編は、2月公開の予定。

全部見たあとで、また改めて感想を書こうと思います。



おいしい映画を、ごちそうさまでした。






【作品データ】

監督・脚本:森淳一 原作:五十嵐大介
撮影:小野寺幸浩 音楽:宮内優里
主題歌:FLOWER FLOWER
出演:橋本愛 桐島かれん 三浦貴大
   温水洋一 松岡芙優

 (2014年松竹 上映時間:111分)


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2014-09-07

映画 「LUCY」

テーマ:アニメ・特撮
脳が覚醒していくと、色んなことが起きるんですね。


タイトルは、主人公の名前です。

女子大生(たぶん)のルーシーは、知り合いの男から、ある荷物を届けて欲しいと頼まれる。

嫌だと言うのに、無理矢理彼女に荷物を押し付けられ、しぶしぶ届けに行くと…

いきなり修羅場が展開してしまう。さあ大変!



主役は、スカーレット・ヨハンソン。

監督と脚本は、久しぶりのリュック・ベッソン。

これは、期待が高まりますね~


舞台は台湾なのですが、何故か韓国マフィアが登場します。

おやおや、見た顔だと思ったら、チェ・ミンシクじゃん!

彼は「オールドボーイ」「悪魔を見た」の怪優ですね。

すごくマヌケなんですが、なかなかしぶといところが彼の持ち味だと思います。


そして、科学者役で登場するのが、モーガン・フリーマン。

ルーシーとマフィアのドタバタと、彼の演説シーンが交互に出てくるところは、

丹波哲郎の「大霊界」を思い出しますね(笑)


とにかく、何かよくわからないけど、すごいことが起こっている感が満載です~



人間の脳は、10%しか使われていないそうです。

ちなみにイルカは、20%を使うことができるそうです。

なるほど、だから名曲「なごり雪」が生まれたんですね。

いやいや、あの曲作ったのは伊勢正三だし、そもそもイルカは人間だし。

とりあえず、イルカは人間の2倍頭がいいらしいので、

「猿の惑星」よりは、「イルカの惑星」を作った方が現実的ですね。

うっひゃ~ 地球上がみんなあのジーパンにギター持ったおばちゃんに占拠されちゃう…

これは、夜にも恐ろしい映画ができそうですなあ、あっはっは。




女が巻き込まれて大変な展開になってしまうのは、リュック・ベッソンお得意のスタイル。

「ニキータ」「レオン」「フィフス・エレメント」「ジャンヌ・ダルク」…

やっぱり、こういうところから、物語が始まるのが面白いんですね。

彼女を捕らえようとする勢力と、守ろうとする勢力がぶつかり合う。

口をぽかんと開けてうろたえる演技は、スカちゃんの魅力全開。

「スクリーム」のドリュー・バリモアもそうでしたが、冒頭から泣かれると俺は弱い。

こういう、ガクブルに怖がれる演技ができる女優さんは、基本的に好きです。


そんなわけで、ファーストシーンでスカちゃんに魅力を感じた人は、準備OKです。

あとはひたすら、脳が「活性化」していく彼女を、楽しく見守りましょう。



これは、れっきとした「SF映画」だと思います。

「優れたSF映画」というのは、「精神の冒険映画」でもあるんですね。

ムチャな設定なんて当たり前。このくらいやんなきゃ面白くない。

俺は、「マトリックス」が嫌いですが、この映画は好きです。

洪水のような膨大なセリフが、マシンガンのようで心地いい。

俺がいつも考えていたことの一部が、画面で面白く語られていました。

やっぱり、こういうこと考えている人って、いっぱいいるんですね~


脳が10%しか使われていない、ということは、

脳は10%使うだけで精一杯、ということなのかもしれませんね。

もし脳を20%使うのなら、必要な「電力」も2倍になるんじゃないかな。

そうなると、脳にどんどん酸素を送らないといけなくなっちゃうとか。

「デスノート」のLみたいに、ずっと甘いものばっかり食ってたりして。

「AKIRA」みたいに、年寄りみたいな子供になったりして。

脳内だけで色んなことができるから、あまり動かなくなったりして…


色んな想像が浮かびますが、考える間もなく、映画は展開していきます。

スカちゃんの、脳が暴走していく様子は、ある意味、とてもセクシー。

これはきっと、彼女だからこそ、いい感じの映画になったんでしょうね。


俺、かなり精神的に興奮しました~




人はみな、「わからない」ことを「わかる」ようになりたいもの。

人はみな、「できない」ことを「できる」ようになりたいもの。

人はみな、「持っていない」ものを「持てる」ようになりたいもの。


欲しいものを手に入れるために、手段を選ばない者がいれば、

別に欲しくないのに、無理矢理持たされる者もいる。


人のものを横取りして自分のものにすると、また別のものが欲しくなる。

奪ってばかりいても、永遠に「自分のもの」にはならないのに。


「知識」は「活用」してこそ、意味がある。

「愛情」は「伝わって」こそ、真価を発揮する。


「巻き込まれる」のと「進んで飛び込む」のとでは違う。

「攻撃」と「反撃」は、性質が異なるものなのだ。



脳が活性化していくにつれて変化していく、スカちゃんの表情に注目して欲しい。

新しい知識や能力を得ることは、スリリングで楽しいことだけれど、

その反面、「悲しみの側面」を持つことでもあるのだ。


俺が願う理想としては、「モード」を使い分けられるようになること。

いつでも「10%モード」と「100%モード」を切り替えられること。

必要に応じて、能力をセルフでオフできるようになれれば、と思う。


自分の意思に反して、色んなものが見えたり聞こえたりするのは、苦痛だろうから。


能力があって、幸せである部分と、能力があるばっかりに、不幸になることもある。

映画を見ていて感じたのは、「よき協力者」がいた方が、心強いということ。

理解されるためには、理解される努力や行動をしなければならない。

あれができる、これができると言う前に、一番大切なことを忘れてはならない。


スカちゃんの場合は、「子どもの心」を持ったまま、「進化」してしまったように思う。

これがもし、バアちゃんだったら、もっと違う展開になったと思うし、

生まれたての赤ん坊だったら、さらにもっとすごい展開になったと思う。


映画館を出た後、俺の想像はしばらく止まりませんでした。

これは、思考力と感性を刺激する、強烈な映画です。


「興奮」は、楽しい。

「悪い興奮」は、「暴走」と「破滅」に向かうけど、

「よき興奮」は、精神を素晴らしい世界にいざなってくれる。


それはきっと、その人が本来持っている「能力」なのだ。


「よき力」を、眠らせるな。

「正しい力」を、封印するな。


それを使う時が来るまで、しっかりと磨いておくべし。


…自分にしかできない、「何か」を実現する時が来るまで。







【作品データ】

監督・脚本:リュック・ベッソン
撮影:ディエリー・アルボガルド 音楽:エリック・セラ
出演:スカーレット・ヨハンソン モーガン・フリーマン チェ・ミンシク
   アムール・ワケド ジュリアン・リンド・タット ピルウ・アスベック

 (2014年フランス PG12 上映時間:89分)


☆エリック・セラの音楽は、やっぱりいいですね。




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2014-09-06

映画 「イントゥ・ザ・ストーム」

テーマ:アニメ・特撮
天下無敵のバカ映画。 …腐った世の中なんか、全部吹き飛ばしてしまえ!


「into the storm」とは、「あらしの中へ」という意味。

竜巻をテーマにした、コテコテのB級映画でございます。


主人公の高校生男子は、卒業式当日、ガールフレンドの卒業論文を手伝うために、
式をすっぽかして廃工場に2人で向かう。

屋外で卒業式が行われている時に、デカい竜巻が発生して、街を破壊して行くのであった…



こういう映画は、あまり真面目に見ない方がよろしいかと思います。

嫌なことを全部きれいさっぱり吹き飛ばすくらいの気持ちで、前のめりで楽しみましょう。


いやあ、出てくる人間がほとんどバカばっかりですなあ。

そのくらいのテンションじゃないと、こんな危険なことできませんって。


バカが挑む。バカが死ぬ。

バカが足りなくなれば、現地でバカを調達する。

映画を作るバカがいれば、わざわざ劇場に行くバカがいる。

記事を書くバカがいれば、わざわざ記事を読む……おっとっと(汗)



人間、死ぬ時は、あっという間に死んでしまうもの。

だからこそ、死ぬ直前まで、キラキラ輝いて、己の心を燃焼したいと思うんです。



竜巻を、恐れる人たち。

竜巻を、歓迎する人たち。


そこには、「善人」も「悪人」も関係ありません。

死ぬ人はあっさり死ぬし、生き残る人はやっぱり生き残るのだ。


…どうよ、この理不尽さ!


自然災害というものは、誰をも恨むことはできない。

予測できなかったとか、非難指示が遅れたとか、そんなのよりも大切なことがある。

己の五感で「異変」を感じ取り、自分の判断で行動する力。

そういう「野性の能力」が、災害時に発揮されるのだ。


俺は、竜巻に巻き込まれた経験はないけど、数々の危険をかいくぐって生きてきました。

一歩間違ったら、命を落としていたことも、何度もあります。

その時思ったことは、「助かってよかった」という安堵感と同時に、

「死に損なってしまった」というやるせない気持ちです。


世の中には、生き残った方がいい人と、死んだ方がいい人がいるような気がしています。

その判断は、個人によって、まるで違う。

だから、「天災」に判断してもらえばいい。

運がよければ生き残るし、運が悪ければ死ぬだけ。

生き残って何が変わるかもわからないし、死んでも何も変わらないかもしれない。


人口は、増え過ぎて困っているという。

年寄りが多くて、子供と若者が減っているという。

だから、誰も「長生きしてくれ」なんて言えない。

俺みたいな人間は、年金をもらう年になる前に、この世を去るべきなのだ。



そういうフラストレーションを、こういう映画が見事に吹き飛ばしてくれる。

道徳とか、理屈とか、正義も悪も関係なく、ただただ、運と生命力が左右する状況。


主人公だから、生き残るだろう。

恋人だから、死なないだろう。

現実の世界では、そういう甘っちょろいパターンは通用しないのだ。


誰が、いつ死ぬかわからない。

そういう気構えで見た方が、この手の映画は俄然面白くなる。

突き詰めて言えば、映画の途中で俺が死ぬかもしれない。

運よく映画館を無事に出られたとしても、帰り道で事故に遭うかもしれない。


安全に暮らしていると思っていた空間は、次の一瞬でガラリと変わるのだ。

子供の頃から、自分の安全が常に脅かされる恐怖と戦っていた人間にとって、

映画の中で起きていることは、リアルそのものなのである。



死ぬのは嫌だと言っても、死は確実にやって来る。

ただ、早いか遅いかの違いだけ。


今、こうして、ブログ記事を書けるのも、俺が生き抜いているからである。

今、こうして、俺の記事を読んでいるあなたも、無事だからこそ読めるのである。

お互い「生き残った」という「奇跡」があればこそ、関係が成立するというもの。


危険は、そこらじゅうに転がっている。

奇跡は、毎日毎日、起きている。

災害は、忘れた頃にやって来る。

忘れなければ、未然に回避することもできる。


でもやっぱり、死ぬ時はあっさり死ぬのだ。

だから、いいのかもしれない。



俺は、平和というものが続いて欲しいと切実に願う反面、

こんな世界は早く滅んでしまえと思う側面も持ち合わせている。


どうせ、滅びる時は滅びるのだ。

いっそのこと、派手にブチ壊してくれ!



竜巻よ、暴れろ。

雷よ、火を放て。

豪雨よ、悲しみを押し流せ。

雹よ、心にブチ当たって風穴を開けろ。


巻いて巻いて、巻き上げろ。

涙も怒りも悔しさも、空の向こうまで舞い上げろ。

恨みも嘆きも吹き飛ばし、地平線の彼方にぶちまけろ。


生と死が隣り合わせた瞬間に、何かが見える。

何かを悟った時こそが、寿命が尽きる大事な一瞬なのだ。


名前も、悔いも残さずに、きれいに逝きたい。

ただ、命を限りなく燃焼した「バカ」がいたと、記憶に残ればいい。


男たちよ、バカになれ。

バカこそは、いざという時、世界最強である。

バカこそは、男に残された、最終兵器である。


走れ! 跳べ! 運命に立ち向かえ!


…バカになりきれてこそ、一番楽しい「人生の瞬間」を味わうことができるのだ!







【作品データ】

監督:スティーヴン・クォーレ 脚本:ジョン・スェットナン
撮影:ブライアン・ピアーソン 音楽:ブライアン・タイラー
出演:リチャード・アーミティッジ サラ・ウェイン・キャリーズ
   マット・ウォルシュ アリシア・デブナム・カーレイ

 (2014年アメリカ 上映時間:89分)







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