FUJITA'S BAR
2010-04-30

アリス・イン・ワンダーランド(3D吹替)

テーマ:アニメ・特撮

見つめるキャッツアイは、緑色に光る。 …キミの瞳は10000ボルト!


アリスといっても、チンペイ・ベーやん・キンちゃんのトリオではありませんのでご注意。(誰も間違えねーよ) ジョニーが出てきますが、子守唄は歌いません(笑)。


タイトルの意味は、そのまんま「不思議の国のアリス」ですな。 ほほう、では「風の谷のナウシカ」は「ナウシカ・イン・バレー・オブ・ウィンド」てな感じでしょうか。 おっ、そうするとやっぱり「千と千尋の神隠し」は、「チヒロ・イン・ソープランド」になりますね!(ならねーよ)



10歳の娘が見たいと言ったので、一緒に見に行きました。ワーナーマイカル県央にもようやく3Dシステムが導入され、地元としてはうれしい限りです。興奮してキャッキャと反応する娘の様子がとても楽しかった。


原作は、ルイス・キャロル。「不思議の国のアリス」(1865年)「鏡の国のアリス」(1872年)を経て、19歳に成長したアリスを、オリジナル脚本で実写映画化。監督は、ティム・バートン。脚本は、リンダ・ウールヴァートン。撮影は、ダリウス・ウォルスキー、音楽は、ダニー・エルフマン。


出演は、ミア・ワシコウスカ、ジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム・カーター、アン・ハサウェイ、クリスピン・グローバー、マット・ルーカス。字幕版の声の出演には、アラン・リックマンとクリストファー・リーもいるそうな。


さて、映画ですが、何とも無邪気な映画に仕上がりました。女の子って、やっぱり面白いですね。何かと巻き込まれて災難に遭ってしまうお嬢様方は、この映画で発想力を鍛えましょう。


19歳のアリスは、ロンドンの貴族社会を窮屈に感じていた。退屈な男ヘイミッシュからプロポーズされるが、イヤでたまらない。ああいっそのこと、ここから逃げ出したい…と思った矢先、奇妙なうさぎを発見。追いかけたアリスは、大きな穴に落ちてしまう…ア~レ~!



主人公のアリスを演じるのは、オーストラリア出身のミア・ワシコウスカ。15歳で映画デビューして4年後に、オーディションでこの役を獲得。主人公のアリスと同年代になるのかな。青いドレスがよく似合う、困り顔が魅力的な女の子です。


このおねーちゃんは、なかなかよろしい。何がいいかというと、困り顔がいいのです。何であたしかこんな目に遭うの、っていう表情がたまらん。それでいてお人好しそうなので、人から頼られそうにも見える。あれですね、女の子3人でホラー映画見る時は真ん中にいて、両側からしがみ付かれるタイプかも(笑)。


帽子屋マッドハッターを演じるのは、ジョニー・デップ。「チャーリーとチョコレート工場」とおんなじ雰囲気の、おしろいキャラです。いいなあ、彼は。どんな役柄を演じても、絶対人気が落ちないもんね。クレジットでは主役扱いですが、物語的にはアリスが主役なので、正確には脇役だと思います。彼が登場する場面は、映画が始まってからしばらく経ってからなので、ジョニデファンはどうか焦らんように。


赤の女王イラスベスを演じるのは、怪女優ヘレナ・ボナム・カーター。楳図かずおの「赤んぼう少女」タマミちゃん級のキャラを、楽しそうに演じています。こんな役柄をこなせるのは、彼女だけかもしれないですね。マトモな女だった頃の「眺めのいい部屋」が、今となっては懐かしい。フランケンシュタインの花嫁とか、猿の惑星とか、輝かしいモンスターキャリアを無数に持つ、プロのキワモノ女優の名演をご堪能下さい。


白の女王ミラーナを演じるのは、アン・ハサウェイ。赤の女王が強烈なので、こっちはちょっと影が薄かった(苦笑)。いい役のはずなんだけど、悪そうに見えるのは何故だろう?登場してからずっと、こいつはきっと悪い奴だと思っていましたが…さて?


後は、CGアニメと声優のコンビレーションなので、吹替版と字幕版で全く印象が違うでしょう。俺はとにかく、娘に3D映像を体感させてやりたかったので、吹替版でも充分楽しめました。やっぱり楽しいね、3D。



「不思議の国のアリス」は、1951年製作のディズニー映画を見ただけで、原作は知りません。アニメを見た印象は、ロクでもない奴らに囲まれて困ってしまう少女が、勇気を振り絞ってダメ出しする物語。優しい子は、どうしてもつけこまれることが多いので、イヤなものはイヤ、ダメなものはダメとはっきりいいましょうという教訓のように思ってました。


子供の俺が見ても、楽しい映画ではありませんでした。どちらかというと、不条理ドラマ。フランツ・カフカの「審判」とか、つげ義春の「ねじ式」とか、海外ドラマの「プリズナー№6」みたいな。そういう意味では、コワい映画だった。能天気な「オズの魔法使い」とは、一味違う。


アメリカの女は、自己主張が強いという印象がある。これが日本の女の子だったらどうなるのか?彼女みたいに乗り越えられないんじゃないかと思っていましたが、それを見事に粉砕してくれたのが、宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」でした。日本の女の子もやるじゃん、って感じ。


これがアカデミー賞なんかとっちゃったもんだから、本家本元のディズニーが悔しがったことは想像に難くない。俺は、「ライオンキング」と「ジャングル大帝」のオトシマエだと思って楽しんでいましたが。他にも、「ファインディング・ニモ」と「崖の上のポニョ」とか、張り合ってますねえっていう感じの作品は多い。



だけど、日本のアニメもアメリカのアニメも、楽しくてワクワクするような作品を作りたいという動機は一緒だと思うんです。無邪気な発想が生み出す物語こそ、いい映画が生まれる根本だから。


もちろん、映画も商売だから、儲かる要素を盛り込みたいのが人情。だけど、商売根性むき出しの露骨な映画はもうウケないって、みんなわかってきてる。映画を見る側の観客がプロになればなるほど、良質の映画を作らざるを得なくなる。まあ、そんな単純じゃないんだろうけど、せっかく金を払って劇場で見る観客としては、それに見合った内容を求める権利があると思う。金を出すと、口も出したくなるってことで。


だから、いい作品を生み出すためにどんどん競争するのはいいことだと思うんです。パクリや模倣は当たり前。便乗商売なんのその。そこからまた新しい発想が生まれてくればいいのだ。 (勝手なこと言ってますが)



アリスは、現実で行き詰まり、ワンダーランドでも行き詰る。だけど、逃げてばかりでは前に進まない。自分の人生を生きるのは、あくまでも自分。自分の世界を居心地のいい場所に変えていくには、自分が主役にならなくては何も始まらないのだから。


そういう意味では、この世もけっこう不思議な世界。理解できないことがいっぱいあって、どうしたらいいのかわからないこともいっぱい。正しいことは無数にあり、みんなが被害者。年を取れば取るほど、面倒くさくなっていく。



それだからこそ、子供目線の純粋な発想が大切なのです。複雑に考え過ぎてワケがわからなくなった時は、分割して単純に考え直してみるとスッキリすることがある。視点をちょっと変えるだけで、絶妙なアイディアが浮かんだりする。誰もが、知らず知らずのうちにそういう体験をして、少しずつ大人になって行く。


大人になると、子供の頃の純粋な心を忘れてしまうのか?いやいや、そうではありません。失くしてなんかいません。ちゃんとあるんです。ファンタジーというジャンルが今なお世界中で支持されていることが、何よりの証拠。



悪夢というのは、自分の心の中から生まれるもの。こうなったらどうしよう、ああなったらイヤだなあと思う方向に考えると、その通り進行していったりする。こうなったら面白いな、ああなったら笑えるなっていう方向に考えると、いい感じで展開するもんです。同じ結果でも、とらえ方ひとつで、奇跡は生まれるのだ。


アリスは、迷ったあげくに決断します。最初は小さなことかもしれない。自分で自分の行動を決めることが大切なんです。本気の自己主張は、決してワガママなんかじゃない。優柔不断で後悔するくらいなら、実行して後悔すべし。「蟹工船」で学んだこととおんなじですね。



人からどう思われるかよりも、自分がどう思うかが大切。この物語は、そういう心を育てます。人の言うことを聞いてばかりいては、何のための人生かわからない。自分はこう思う。それを理解してもらうために努力をするのだ。そうやって自分の心と向き合ってこそ、他者との真のコミュニケーションが取れるんじゃないかって思うんです。


女の子の発想は、自由で奥が深い。こんなこと考えちゃったら恥ずかしい、なんて遠慮めさるな。感性豊かなヒロインになり切ってこそ、人生の物語は楽しくなっていく。さあ、貴女も今日からアリスになって、非日常の冒険を楽しみましょう。


毎日の生活の中で、不思議でワクワクする体験を見つけてみよう。何気ない瞬間に、それは訪れるかもしれない。目を凝らして、耳を澄まして探してみよう。


想像力こそは、創造力の源。 …変てこりんな発想こそが、自分の運命を切り開くのだ!




【鑑賞メモ】

鑑賞日:4月18日 劇場:ワーナーマイカル県央 13:05の回 観客:約200人

ほぼ満席でした。久しぶりだなあ、こんな県央。


【上映時間とワンポイント】

1時間49分。あるクリーチャーがタバコを吸う場面がありますが、あれはタバコではないらしいので、保護者の方々はどうかご心配なく。映画を最後まで見ればわかりますので。


【オススメ類似作品】


「不思議の国のアリス」 (1951年アメリカ)

監督:クライド・ジェロニミ、原作:ルイス・キャロル、声の出演:キャスリン・ボーモント。入門編としては、ディズニーのアニメが妥当かと。他には、1973年に製作されたイギリスの実写映画もあります。こちらは、ピーター・セラーズが出演。


「千と千尋の神隠し」 (2001年スタジオジブリ)

監督・原作・脚本:宮崎駿、声の出演:柊瑠美。10歳の女の子である千尋は、知らない土地へ引っ越す途中で、不思議な世界へ迷い込んでしまう。今まで当たり前に守ってくれていた両親は豚にされてしまい、ひとりぼっちで泣きじゃくる彼女は、夏木マリが経営するソープランド(湯屋)で、千という名前のソープ嬢として働くことに…あ、違いましたっけ?まあまあ、お客様は神様ですから。少々のワガママは、笑って洗い流しましょう。


「ターン」 (2000年)

監督:平山秀幸、原作:北村薫、出演:牧瀬里穂。これは、大人の女性が不思議な世界に迷い込んでしまう物語。ひとりぼっちが大嫌いな人には、そうとうコワい映画かも。シンプルなスタイルであるだけに、不思議感はよりいっそう深まります。誰もいない世界で、たったひとりでさまよい続ける彼女の運命は?




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2010-04-24

NINE

テーマ:洋画

ハリウッドフトモモ祭り。 …涙も怒りも悔しさも、肉厚でムッチリ解決!


今頃NINEかよ、なんて声も聞こえてきそうですが、まあいいじゃないですか。やっぱり見たかったんで。高尚なミュージカルは柄じゃないんですが…えっ、お前はおねーちゃんのフトモモが見たかったんだろうって? …あっはっは、当たり前じゃん!


“ナイン”といっても、あだち充のマンガではありませんのでご注意。(誰も間違えねーよ) 巨匠フェデリコ・フェリーニ監督作品「8 1/2」(はっかにぶんのいち)をベースにしたブロードウエイミュージカルを映画化。つまり、映画が舞台になって、それがまた映画になりました、ってこと。


監督は、ロブ・マーシャル。「シカゴ」で成功したおっちゃんですね。原案は、アーサー・コピット。原作戯曲は、マリオ・フラッティ。脚本は、アンソニー・ミンゲラ。撮影は、ディオン・ピープ。衣装は、コリーン・アトウッド。音楽は、モーリー・イェストン。


出演は、ダニエル・デイ・ルイス、マリオン・コティヤール、ペネロペ・クルス、ニコール・キッドマン、ケイト・ハドソン、ソフィア・ローレン、ジュディ・デンチ、ステイシー・ファーガソン。


さて、映画ですが、キャバクラで遊んできたような気分になりました。時々ショータイムもあり。健全(?)なお色気が画面から漂う、豪華絢爛なセクシー映画です。フトモモ星人の皆様は、どうかお見逃しなく。


天才映画監督と言われたグイドは、9本目にあたる最新作の構想がまとまらずに悩んでいた。本人の思惑とは裏腹に、製作準備がどんどん進んでいく。焦れば焦るほど、アイディアはさっぱり浮かばない。プロデューサーから逃げ、記者会見から逃げ、本妻と愛人の間を揺れ動くグイド。…果たして、映画はどうなるのか?



主演は、ダニエル・デイ・ルイス。強烈な存在感ある演技が印象的な彼ですが、今回はヘタレ。彼がこういう役柄を演じると、何だか笑えますねえ。優柔不断な彼も、それはそれでセクシー。まあ、これだけ美女に囲まれた生活をすれば、どんな硬派男もヘニョヘニョになっちゃうか?


本妻役は、マリオン・コティヤール。清楚で貞節な妻を、痛々しく演じています。ああ、いじらしいなあ。こういうかわいらしい女性は、絶対悲しませちゃいけません…と一応言っておこう。


愛人は、ペネロペ・クルス。情熱的で直情的な女を熱演しています。夫がいながら、主人公に恋をしてしまう立場なので、お互い不倫同士の関係。彼女は聡明なイメージがあるので、ふしだらな女には見えない。そこがかえって興味をそそる。何か心の問題を抱えてそうなっちゃったのか、彼女の魅力的な肢体を眺めてイメージを膨らませましょう。


そして大物女優役は、ニコール・キッドマン!おお、トム・クルーズつながりのサオ姉妹が、熱い火花を散らして競演かあ、こいつはすげえキャスティングだ。さすがはハリウッド。出番は少ないですが、こちらも印象的。果たして、どちらの女が魅力的か。存在感は?演技の中身は?…さあ、キミもトムになったつもりでジャッジしよう!


熟女パワーとしては、ソフィア・ローレンとジュディ・デンチでしょう。パワフルで落ち着いた演技が、女の底力を感じさせます。俺の年代ではまだよくわからない魅力ですが、年配の人にはウケるかも。


パフォーマンスが魅力的だったのは、ケイト・ハドソンの「シネマ・イタリアーノ」。なかなかかわいらしい衣装でした。それと、ステイシー・ファーガソンの「ビー・イタリアン」。これはなかなかワイルドな色気。タンバリンと砂を使った動きが、何とも幻想的でカッコよかったです。ここだけもう1回見たくなりました。


とにかく、華やかで楽しい映画です。誰と一緒に行っても構わんと思いますが、浮気がちな彼氏は少々ご注意。争いの火種を撒くことになる恐れもありますので…。(ザ・余計なお世話)



ロブ・マーシャル監督は、もともとはブロードウェイの舞台振付師が本業。「シカゴ」でも「SAYURI」でも、監督と振付を兼任して映画を作りました。だから、本作を監督することに、誰の異論もないことでしょう。舞台のミュージカルと、ミュージカル映画のちょうど中間点を狙ったのかのような、絶妙なスタイル。


ミュージカル映画というと、どうも不自然に歌が始まってしまう印象が強い。これは、’50~’60年代のMGMミュージカルにハマった世代にとっては自然なんでしょうが、俺の年齢だとちょっと気恥ずかしい感じがするんですね。今どきは、ジーン・ケリーとかフレッド・アステアとか言ってもわからない人が多いから。


ディズニーのアニメーション映画では、場面切り替えをわかりやすくするために歌のシーンを多様したという話を聞いたことがあります。華やかな名場面になるし、時間短縮にもなる。唐突に始まる違和感を、歌のパワーでカバーしていたのかな。ノリのいいお客はいいんだけど、最近は冷めた人もいるから逆にシラケてしまう危険性もあるもんね。


日常から非日常の世界へいざなうのが映画の役割だとすれば、あくまでも自然な流れにそって観客をのせていかねばならない。そういう意味でも、本作の演出は優れていると思いました。気がついたら、ノリノリになっていたって感じがベストですね。



女性と恋の話をする時なんかも、あまりに不自然な会話だと相手はドン引きしてしまうもの。あくまでも自然に、気持ちよく話に入っていけたらいいんだけど、そこが難しい。相手が身構えていると、言葉は空を切ってしまう。彼女の一番魅力的な笑顔を見たかったら、まずは曇り空を取り除いてあげないといけない。


そういう意味で、ロブ・マーシャル監督は、人の心をつかむのがうまい男なんでしょう。舞台のミュージカルと、ミュージカル映画の両方の世界を行き来できる存在として、これからの活躍に期待しましょう。



モテる男にもモテない男にも、それぞれ悩みがあり、金持ちにもビンボー人にも、それぞれ悩みがある。色んなものを持っている人は幸せだけど、持っている分だけ苦悩があるのだ。才能があればあるほど、悩みもグレート。本作の主人公の悩み方は、今まで当たり前に出来ていたことができなくなってしまったことの戸惑いなのかもしれない。う~ん、凡人なのでよくわかんないけど。


モテすぎる男と結婚した女の悩みもまた、それなりに複雑なものがあるんでしょう。それはまた、いい男をゲットしたことの副産物でもあるってもんじゃないかと。だから、カッコいい人、美しい人と結婚するかどうか悩んでいる人は、この映画を見て勉強しましょう。(余計に悩みが増えたりして)



どうせ生きるなら、楽しく生きたいと思うのが人情。人間の境遇はそれぞれ不公平だけど、人生を楽しむ権利は平等にあるはず。楽しみ方は、人それぞれ。物事をプラスに考えることを教えてくれて、楽しむことを思い出させてくれるのが、ミュージカルの長所。


物事を嫌な方向に考えると、どんどん暗い世界へ行ってしまう。ということは、楽しい方向に考えると、どんどん明るい世界へ行けるってことか?そいつはいいや。ぜひそうしたい。バカだと思われても、楽しい世界で生きたいもんね。よしよし、今日からそうしようっと。


とにかく、行き詰ったら視点を変えること。開き直ってもう一度よく見たら、違ったものが見えてくることはよくある。セルフコントロールでそれができるのがプロだ。どんな状況でも、自分が一番いい状態でいられるように自分を調整できるようにならなきゃ。だから、混乱を楽しむくらいの心の余裕が欲しいところ。


人間、楽しむ心を失っちゃいけません。歌いましょう、踊りましょう、あなたとわたし。歌うように、踊るように生きるのは楽しい。歌わせられるより、自らの意志で歌え。踊らされるより、自らの意志で踊りまくれ。



多かれ少なかれ、誰もが色んな悩みを抱えている。それを忘れさせてくれるのが、本作のフトモモパワー。何ていっても本作の最大の主役は、豪華絢爛なフトモモ軍団。嫌なことは全部、魅力的なフトモモたちを見ている間にどこかへ行っちゃいました(笑)。


フトモモこそは、神が女性に与え給うた最大の武器。かぐわしい香りを、引き締まった弾力を、揺れ動く肉厚を、ほとばしる肉汁を、心ゆくまで堪能すべし!


悩める男の魂たちは、神器フトモモに集結する。フトモモの導きに従え。ビバ・フトモモミュージカル。ハレルヤ・フトモモワールド。ラブラブ・ミンキーフトモモ。世界中のフトモモ星人に幸いあれ。 …いざ集え、フトモモの祭典へ!




【鑑賞メモ】

鑑賞日:4月15日(木) 劇場:ワーナーマイカル県央 19:00の回 観客:1人

俺1人しかいませんでした。うっひょー、美女のフトモモ独り占め!


【上映時間とワンポイント】

1時間58分。わかりやすい構成なので、オリジナルの予備知識がなくても大丈夫です。


【オススメ類似作品】


「8 1/2」 (1963年イタリア)

監督・原作・脚本:フェデリコ・フェリーニ、出演:マルチェロ・マストロヤンニ。本作のオリジナル。俺が生まれる前の作品なので、高校生くらいの時にレンタルビデオで借りて見ました。モノクロで、時間も2時間12分と長丁場なので、気合いを入れて臨みましょう。


「にがい米」 (1948年イタリア)

監督:ジュゼッペ・デ・サンティス、出演:ヴィットリオ・ガスマン。これぞ、俺のフトモモ映画の原点ともいえる作品です。内容は、農場に出稼ぎにやって来る女性たちの物語なんですが、むっちりしたフトモモが健全なお色気を放っていて、たまらない印象を受けました。シルヴァーナ・マンガーノこそは、フトモモ女優の頂点。モノクロの質感がまたいいんだよなあ。


「シカゴ」 (2002年アメリカ)

監督:ロブ・マーシャル、出演:レニー・ゼルウィガー。ロブ・マーシャル監督の出世作。スレンダーなレニーに対して、ムッチリなキャサリンというコンビが、ピンクレディみたいで笑えました。リチャード・ギアのおっさんパンツはサイテーだったなあ。


「妖怪大戦争」 (2005年角川)

監督・脚本:三池崇史、出演:神木隆之介。露出度スレスレの川姫のフトモモが絶品の1本。ドアップも2回あり。湿ったフトモモの大地を撫で回す手の動きが、エロくてタマらんかった。キリンの一番搾りを飲みながら鑑賞すると、余計にコーフンします。



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2010-04-17

シャッターアイランド

テーマ:洋画

ヒント出し過ぎ。 …こりゃあ、見ている側がディカプリオになっちゃう。


“シャッターアイランド”とは、精神を病んだ犯罪者だけを収容する病院がある、四方を海に囲まれた孤島のこと。原作は、デニス・ルヘインの同名小説。監督は、マーティン・スコセッシ。脚本は、レータ・カログリディス。撮影は、ロバート・リチャードソン。音楽は、ロビー・ロバートソン。


出演は、レオナルド・ディカプリオ、マーク・ラファロ、ベン・キングスレー、ミシェル・ウィリアムズ、パトリシア・クラークソン、マックス・フォン・シドー、イライアス・コティーズ。


さて、映画ですが、伏線が多すぎて、情報過多な作品になってしまいました。茂木健一郎センセイのコメントは、ない方がよかったと思う。不自然なシーンがいっぱいあるけど、ほとんど関係ないものもあるみたい。う~む、これじゃあ、まるでデビッド・リンチの「ツイン・ピークス」ですな。


アッシュクリフ病院において、1人の女性患者が失踪。連邦捜査官のテディは、相棒のチャックを伴い、シャッターアイランドへやって来る。わずかな手がかりを頼りに、捜査が開始された…。



主演のテディを演じるのは、レオナルド・ディカプリオ。35歳になったレオは、眉間のシワも貫禄充分。きっと、500円玉をはさむくらいは楽勝でしょう。その眉間をいっそうグイグイ締めまくって、謎に挑む彼の熱演を堪能すべし。


相棒のチャックを演じるのは、マーク・ラファロ。小島よしおに似ているのは、気のせいです。そんなの関係ねえそうです。「ゾディアック」で捜査官を演じた彼ですな。地味ですが、いい役者だと思います。


テディの妻を演じるのは、ミシェル・ウィリアムズ。存在感があるようでないような感じがいいですね。出番は少ないですが、唯一のキレイな女性なので、目の保養にちょうどいいかと。


囚人の中でひときわ異彩を放つのは、怪優イライアス・コティーズ。ずっと“イライアス・コーティアス”だと思っていましたが、これが正しい表記なのかな。相変わらず、薄い頭頂部がシブいおっさんです。


そして特筆すべきは、大物俳優2人。医師を演じるのは、ベン・キングスレーと、マックス・フォン・シドー。おお、ガンジーとエクソシクトだ!神様と悪魔祓い師がタッグを組めば、世界最強。…これは手強いぞ、気をつけろレオ!



この映画は、謎解きがメインですが、俺の視点としては、謎そのものを楽しむ感覚で見るのがよろしいかと。大体、人間の心なんて、数学みたいにキッチリ答えが出るもんじゃないんだから。見たいものを見るのが人間であり、聞きたいことを聞くのが人間。演じているレオが見ているものと、観客が見ているものは違うかもしれないから。


映画そのものは、そんなに難解じゃないと思う。なあんだと言えばそれまでですが、そこから自分なりに考えを深めていく作業は面白い。こう言ってたけど、実はこうに違いない、なんて感じで想像を膨らませましょう。


誰かと一緒に行くなら、相手を選んだ方がいいかも。くれぐれも、モノを考えないタイプの人は誘わない方がいいでしょう。劇場を出た途端に、あれは結局何だったの?あれはどういう意味?なんてグダグダ言われるとうざったいから。



見る人によって、視点も結末も全く違うものになるかもしれないので、できれば鑑賞前に情報をできるだけ入れないでおく方が賢明。映画をわかりやすくしようという親切心は、ありがた迷惑な部分もあるので、宣伝し過ぎはかえって逆効果だと思う。観客はそんなにバカじゃありませんから。


わかりやすい映画だけを見たいという人には、この映画はオススメしません。映画は、少しくらいわかりにくい方が見ごたえがあるし、脳が鍛えられるから。小説で言うところの、行間を読むという感覚に近い。(映画コラム参照)



刑事(デカ)プリオ参上。初対面の相棒は信頼できるのか。所長や医師は嘘をついているかもしれない。この手掛かりは、何を意味するのか。そもそも、失踪はホントなのか。…ああ、もうワケがわからない。何かがおかしい。誰かが何かを企んでる。黒幕は誰だ?マーティン・スコセッシ監督か?


映画を見れば見るほど、観客もたんだん険しい表情になっていく…眉間のシワが深く、より深く…おお、観客全員がディカプリオに!これはタイヘンだ。映画館を出る頃には、みんな500円玉がはさめるようになるぞ!


言葉に迷う、と書いて、謎と読みます。真相は闇の中か、眉間のシワの中か。役者の熱演の向こうに、自分だけの真実が映る。 …己の心の中の、閉ざされたシャッターアイランドを開錠せよ!




【鑑賞メモ】

鑑賞日:4月11日(日) 劇場:ユナイテッドシネマ新潟 15:30の回 観客:約150人

「第9地区」と2本続けて見ました。ああ、幸せな休日。


【上映時間とワンポイント】

2時間18分。パンフを購入した人は、20ページ目のマーク・ラファロの写真をご覧下さい。 …ね、小島よしおそっくりでしょ?


【オススメ類似作品】


「板尾創路の脱獄王」

監督・脚本・主演:板尾創路。 刑務所モノは、やっぱりコレです。まだどこかで上映してるかなあ?


「クリッター3」 (1991年アメリカ)

監督:クリスティーン・ピーターセン、出演:ドン・オッパー。ディカプリオの記念すべきデビュー作。怪物に立ち向かうレオ少年の眉間には、かわいらしいシワがちゃんとあります。どんなにショボい物語でも、全力で立ち向かう我らがディカプリオ、がんばれ!




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2010-04-17

第9地区

テーマ:アニメ・特撮

テーマは、適応力です。 …どんな境遇にあっても、しぶとく生き残るのだ。


“第9地区”とは、南アフリカ共和国ヨハネスブルグにある、架空の難民キャンプの名称。その難民とは、何とエイリアン。宇宙人というと、地球を侵略してくるか、友好的なムードを演出してくるかのどっちかが相場なんですが、いきなり死にかけているってのも珍しい…さあ、どうする人類?


監督・脚本は、南アフリカ出身のニール・ブロムガンプ。製作は、ピーター・ジャクソン。出演は、シャルト・コプリー、デヴィッド・ジェームズ、ジャイソン・コープ、ヴァネッサ・ハイウッド。(いずれも、南アフリカ出身)


さて、映画ですが、爆笑と興奮が入り混じった、エキサイティングな作品に仕上がりました。はっきり言って、これはスゴい。SF映画の常識を覆すような盛り上がり。オスカー候補になっただけのことはある。でも、品性に欠けるので、やっぱりオスカーは取れんでしょうな(笑)。


1982年、正体不明の巨大UFOが、南アフリカ共和国ヨハネスブルグ上空に出現。騒然となるが、実は彼らは、故障した宇宙船に乗ったエイリアン難民だった。仕方なく受け入れることにするが、スラム化したエイリアンたちと、地域住民たちの間に様々な問題が起こってしまう…。



主演は、シャルト・コプリー。エイリアン課を担当する地味な役人、ヴィカスを茶目っ気たっぷりに演じています。このおっちゃん、なかなか面白い俳優です。映画を見始めた時は、まさか彼が主人公だとは思いませんでしたが、中盤からの異様なテンションは、特筆に値します。いいねえ、イカすじゃん、ヴィカス。


科学者エイリアン、クリストファー・ジョンソンを演じるのは、ジェイソン・コープ。どこまで着ぐるみでどこまでCGなのかわからんので、演技も何もないような気がしますが、とりあえず熱演してました(笑)。


しかしまあ、このエイリアン、何だかニオイそう。見た目は昆虫系ですが、ザリガニくさい感じもする。人間社会では下級市民として蔑まれ、甲殻類に似た外見をしていることから、“エビ”という蔑称で呼ばれるようになりました。


口元には、もやしのようなヒゲが無数にあり、それをプルプル震わせながら、独特の言語を話す。聞き方によっては、何だかゲップのようにも聞こえる。もやしモシャモシャ、ニオイプンプン、ゲップしまくり…ううむ、これはタマらん。パンフ掲載の監督のコメントでは、『…観る人に不快感を与えるようにしている。』のだそうだ。なるほど、これでは友好ムードもへったくれもないですな。


エビというよりは、ゴキブリに近い。こんな奴らが宇宙船を操って地球に来るんだから、世の中は広いもんです。でも、やっぱりアタマいいんですね。優秀な頭脳をお持ちなんですね。…ああ、でもやっぱりキモチワルイ。


「アバター」は、デザインがキモチワルかったけど、本作のクリーチャーは、露骨にキモチワルイ。




映画を動かすのは、役人のおっちゃんと、科学者エイリアンと息子の3人。後は、その他大勢でよろしい。主人公の妻なんて、途中からどうでもいい存在になっちゃった。人間であろうが、エイリアンであろうが、変化に対応できない奴は、どんどん淘汰されていくのだ。全然知らん俳優ばっかりだから、誰がいつ死ぬかわからんぞ!



とにかくこの映画、視点が目まぐるしく変わります。ユルいスタートかと思えば、中盤からテンションが上がりっぱなし。どうする?どうなる?地球の運命は?彼が選択する道は?


これもやっぱり、デートには向かんかもなあ。むしろ、同性の友達同士で行く方が盛り上がるかもしれない。いっぱいツッコめるので、観終わった後に、宇宙人はどうあるべきかを語り合いましょう。



大体、地球の大気にそのまんま馴染めるというだけで、すごい適応能力じゃないですか。食べ物も問題なし。彼らの身体条件に合った惑星として地球が選ばれたのなら、すごい科学力を持っているってことだし。


イカンのは、人類の方だよなあ。宇宙人であろうがアメリカ人であろうが、よそ者はよそ者。自分たちの生活圏を脅かす輩は、迷惑な存在なのだ。汚い・不気味・キモチワルイ!差別だイジメだ虐待だ!


好きなものには近づきたいし、嫌いなものは遠ざけたいのが人情。理解できない存在は不安の対象になり、不安は恐怖となり、やがて脅威となっていく。それがウジャウジャいてごらんなさい。いつ危害を加えられるかもしれない…ああどうしよう、このままでは大変なことに…何とかしなきゃ。



地球人も地球人だけど、宇宙人も宇宙人だ。友好的に受け入れてもらうように、人類と対話をする代表者はおらんのか?映画自体はいきなり混乱している状態から始まるので、それまでどういう経緯でこうなっちゃったのか、イマイチわからんところがある。チンピラみたいな宇宙人ばっかりでは、エビ野郎どもと言いたくもなるってもの。


本作を見ていると、誰に肩入れしていいかわからなくなる(笑)。どいつもこいつもバカ野郎ばっかりだし、誰もかれもかわいそう。どうしてこんな目に遭わなきゃいけないんだろう?俺たちが一体どんな悪いことをしたんだ?そうした社会の不満と欺瞞とストレスが、殺意の塊となって画面上で爆発する。


さあ、この映画をどう見るか。ありきたりのSF映画とはワケが違うぞ。こいつは、ちょっとばかり手強いぞ。心して掛からんと、足をすくわれるぞ。



大抵の映画は、登場人物においしいポジションがあって、感情移入して一緒に行動することによってカタルシスを得ることができる。でも、本作はそういう単純なもんじゃないです。だってこの主人公、相当タイヘンですよ。俺だったら、あそこまで行動できんだろうな。


ヴィカスという男は、真面目なだけが取り柄で、特別魅力的な人物じゃない。だから最初は、彼が主人公だと思わなかった。しかし、中盤から何かが変わってくる。彼の眠っていたものが目覚めたのか、新しい力を得たのか、それとも…?



人は誰も、いっぱいいっぱいで生きている。楽してのほほんと暮らしていられる人なんて、ほんの一握りじゃないかって思う。常に限界ギリギリで、がんばってその日を生きている。次の瞬間まで生きていられる保証なんか、どこにもないのだ。

大変な目に遭ってこそ、自分という人間の本質がわかってくるのだ。自分には、こんな力があったのか。やればできるじゃん、オレ。そういう体験をいっぱいした人は、ヴィカスを応援したくなるんじゃないかって思うんです。



男は誰でも、一生に一度は輝く瞬間があるもの。誰から認められなくても、自分で自分を心から賞賛できる領域。そういう経験をしている人は、ここぞという時に強い。自分を信じて行動するから、迷いがない。うまくいこうがいくまいが、自分の責任。だから、人のせいにしない。


ヴィカスよ、あんたは最高にカッコいいぜ。俺も、あんたのように生きてみたい。人類として、男として。 …ようし、今週はエビをいっぱい食ってやるぞ!





【鑑賞メモ】

鑑賞日:4月11日(日) 劇場:ユナイテッドシネマ新潟 12:00の回 観客:約100人

来場者プレゼントのステッカーが笑えました。さあ、どこに貼ろうかな?


【上映時間とワンポイント】

1時間51分。ピーター・ジャクソンとブロムカンプ監督は、SF超大作「Halo」を一緒にやるはずだったのに、企画が頓挫してしまったそうな。そのオトシマエとして、本作が誕生したんですね。


【オススメ類似作品】


「バトルフィールド・アース」 (2000年アメリカ)

監督:ロジャー・クリスチャン、原作:L・ロン・ハバード、出演:ジョン・トラボルタ。 中盤からガラッと変わってしまうSF映画といえば、やっぱりコレでしょう。まさかの異様なハイテンション!ゴールデンラズベリー賞受賞作品。


「SFレーザーブラスト」 (1977年アメリカ)

監督:マイケル・レイ、出演:キム・ミルフォード。 本作を見て、真っ先に思い出したのはコレです。だって、腕がアレなんだもん。


「AKIRA」 (1988年)

監督・原作・脚本:大友克洋、声の出演:岩田光央。 これも思い出しました。だって、腕がアレなんだもん。見てくれは悪いが、結構使えるぜ、コレ。


「魔女の宅急便」 (1989年)

監督:宮崎駿、原作:角野栄子、声の出演:高山みなみ。 『…あたし、魔女のキキです!』 って自己紹介してるのに、ああそう、よろしくねって言ってみんなスルーしてしまう。う~む、この街では魔女が珍しくないんですね。宇宙人という存在が珍しくもなんともないっていう、本作とどこか通じていたりして。


「第5惑星」 (1986年アメリカ)

監督:ウォルフガング・ペーターゼン、原作:バリー・ロングマイヤー、出演:デニス・クエイド。 タイトルといい、全身着ぐるみ宇宙人といい、これもやっぱり外せないなあ。ちなみに宇宙人を演じてるのは、ルイス・ゴセットJr.。あっはっは、言われなきゃ誰かわかんないですね。




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2010-04-14

板尾創路の脱獄王

テーマ:邦画

捕まっても捕まっても、とことん逃げる。 …この男、タダモンじゃねえ!


さて、そろそろブログを再開します。特に体調を崩していたわけじゃありませんが、何となく疲れていたので、パソコンを前にしても、何にもできんかった日々…ううむ、年食ったんですかね。まあ、そういうこともあるでしょう。今日は、少しは書けるかな。


監督・企画・脚本・主演は、板尾創路(いたおいつじ)。共演は、國村隼、石坂浩二、木村祐一、阿藤快、津田寛治、笑福亭松之介、宮迫博之、ぼんちおさむ、オール巨人。


さて、映画ですが、エネルギッシュな快作に仕上がりました。これは、ストレスのたまった男性諸君にオススメしたい1本。がんばってもがんばっても報われない悩みを抱えている人は、この映画で視点を切り替えてみましょう。


軽犯罪で囚人となった男が、ある日脱獄をして逃亡。でも、あっさり御用。で、また脱獄。また御用。その回数が異常な数値になり、彼はいつしか“脱獄王”と呼ばれるようになっていく。刑はどんどん重くなる。脱獄回数は増えていく。 …果たして彼は、何のために逃げ続けるのか?



主演は、板尾創路。「真夜中の弥次さん喜多さん」のホット師匠、「仮面ライダー THE FIRST」の蜘蛛男、「大日本人」の怪獣、「空気人形」のダッチワイフ愛好家オヤジなど、俳優として独特のポジションを獲得している彼が、今度は自分の撮りたい映画を作りました。


登場した瞬間に、この男タダモンじゃないオーラを放っています。寡黙で、セリフらしきものもほとんどない役柄ですが、彼の佇まいと仕草と、わずかな表情の変化で、ゾクゾクするような緊張感を漂わせています。いやはや、スゴい映画を作ったもんです。才能のあるオヤジって、カッコいいですね。


彼の運命を見届ける看守を演じるのは、國村隼。謎めいた主人公に興味を持つ、物静かな役柄を丁寧に演じています。戦争当時の時代柄、荒くれのような男たちが多い中、ソフトキャラである彼が、作品に安心感を与えます。観客は、彼の視点で映画を見るとよいでしょう。


他にも色んな人が共演していますが、映画はほとんどこの2人を中心に動きますので、個々の説明は省きます。何を考えているかわからない男がいて、その男に興味を持った男がいる。実にシンプルな構成ですが、これがたまらなく面白い。


本作は、デートには向かんでしょうな。お世辞にもキレイな映画ではないので、オシャレな彼女なんか誘っちゃいけません。行くなら野郎同士で行くか、1人でじっくり見ましょう。これはやっぱり、男の映画だと思いますので。



犯罪を犯し、囚人となった人間は、早く娑婆に出たいと思うもの。しかし、脱獄という手段はなかなか選ばない。死刑囚とか終身刑ならいざ知らず、軽い刑期なのにわざわざ脱獄して、わかりやすい場所で御用。しかも、それを繰り返す男。何故?どうして?何のために?わからないまま、彼は脱獄を繰り返していく。


最初は、たぶんこんな映画だろうなんてタカをくくっていたんですが、見れば見るほどわからない。割りと短い上映時間のはずなのに、時間の感覚が途中でおかしくなってしまう。これはまさに、ムショにいる気分を味わえる映画だ!



一見、お笑い映画。しかし、なかなかどうしてサスペンス。いやこれは、きっとハードボイルド映画かもしれん。観客の頭脳を総動員して、彼が何をしようとしているのか、固唾を飲んで見届けましょう。


後半からは、一気にたたみかけるような展開。もう考えているヒマはないぞ。あらら、そっちいっちゃうの?じゃあ、こっちは…おお、そうきたか。ハズし方もなかなかシブいでんなあ。カッコいいんだか、カッコ悪いんだか。


細かいことを考えると、そりゃ無理だろって思えることもあるんですが、俺的には、奴ならできるんじゃないかって気がするんですね。そう、“何かやってくれる感”ってやつ。これは、ヒーローの条件なのかもしれない。



人間はもともと、不思議な生き物である。自分なんてこんなもんだ、あいつなんて所詮あんなもんだと思った瞬間に、思考は止まってしまう。どんな状況にあっても、行くべき方向は無数に存在する。閉じ込められた男が、あんなに自由に行動しているんだから、自分にだって色んなことができるはずなんだ。


人間の持つ力ってスゴい。目的を持って黙々と行動する男はエラい。誰も考えつかないことを、実行に移す男はカッコいい。恐ろしいまでにストイック。惚れ惚れするほどにハードボイルド。


この映画を見て、何だか元気が出ました。がんじがらめの世の中だからこそ、こういう映画が必要なんだと思う。自由って一体何だろう。その答えを、彼はきっと知っている。



思考力こそが、人間最大の武器。あきらめていると見せかけて、一瞬で逆転。逃げるが勝ちだ、負けるが勝ちだ。相手の力を利用して、カウンターパンチを食らわせろ。 …逃げて逃げて、逃げまくれ。生きて生きて、生き延びろ!




【鑑賞メモ】

鑑賞日:4月6日(火) 劇場:ワーナーマイカル県央 20:50の回 観客:約7人

パンフが売ってませんでした。残念。


【上映時間とワンポイント】

1時間34分。見る人によって、長くも短くも感じることでしょう。まさに人生みたいですね。


【オススメ類似作品】


「パピヨン」 (1973年フランス・アメリカ合作)

監督:フランクリン・J・シャフナー、原作:アンリ・シャリエール、出演:スティーブ・マックイーン。脱獄モノといえば、やっぱりコレでしょう。無実の罪で投獄された男が、不屈の闘志で脱獄を図る。何度も何度も挑戦するその姿は、神々しい限りでした。共演は、ダスティン・ホフマン。ちなみに本作にも、この映画のネタが登場します。アレですよ、アレ。


「アルカトラズからの脱出」 (1979年アメリカ)

監督:ドン・シーゲル、原作:J・キャンベル・ブルース、出演:クリント・イーストウッド。この映画のイーストウッドも、物静かな役柄だったっけなあ。黙々と準備をしていくプロセスが、何だかワクワクしました。


「ミッドナイト・エクスプレス」 (1978年アメリカ)

監督:アラン・パーカー、原作:ビリー・ヘイズ、出演:ブラッド・デイビス。麻薬不法所持の罪で死刑を宣告された青年が主人公。この映画の脚本を書いたのは、あのオリバー・ストーン。アカデミー脚色賞を受賞しました。実はこの映画、高校生の時に学校の授業の一環で見させられた1本。面会に来たおねーちゃんのオッパイが映った時は、大歓声が起きました。…ああ、何ていい母校。もう存在しないけど。


「大日本人」 (2007年吉本興業)

監督・脚本・主演:松本人志。この映画の挿入歌が、本作でも使われています。ただし、歌っている人は違いますが…。板尾創路は、怪獣として登場。めちゃめちゃホットでんなあ。




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2010-04-06

3月の残り香

テーマ:エッセイ

うー、やっと俺の3月が終わりました。最近はどうも、時間の使い方がヘタになったようで、やりたい事がさっぱりできなくなりました。ブログを書きたい時に限って妻がネットゲーで占領するし、いざ書ける状況になると、今度は筆が進まなかったりして、しまいには眠くなってギブアップなんて夜も。


仕事の方は、やっと出てきたかなって感じで、とりあえず一家で飢え死にとかはしないで済みそう。週イチくらいで映画を見て、たまに飲みに行くくらいはできるようになりました。ありがたい、ありがたい。



あ、そうそう、「今月行かなかった映画とその理由」のコーナーは廃止します。やっぱり、自分が見ていない映画を否定するのはフェアじゃないと思うし、これを読んで不快に思う人がいるのも困るから。


映画紹介のページでツッコまれるならともかく、おまけのような記事を攻撃されるのは、やっぱりいい気持ちがしないもの。自分の思い上がっていた心を反省する意味も込めて、やめることにしました。まあ、このコーナーを楽しみにしている人なんて誰もいないから、問題ないでしょう。その分、見た映画の記事を充実させられるようにがんばりたいと思います。



日本アカデミー賞は、鳩山首相が突然登場してスピーチをしてしまったばかりに、放映時間が削られ、作品賞を獲得した「沈まぬ太陽」のスタッフのコメントが聞けなかったことが残念でした。わざわざ会場に来なければいけなかった理由は何だろう?ビデオメッセージくらいにしておいた方が好印象だったかもしれない。


アメリカのアカデミー賞は、「アバター」が敗れて「ハートロッカー」が作品賞を獲得。これは話題騒然だったようです。「アバター」は、視覚的に楽しいけど、物語自体は普通レベル。「ハートロッカー」は、視覚的に地味だけど、物語はハイレベル。これは、好みが分かれるところ。


わかりやすい映画か、わかりにくい映画か。儲かった映画か、儲からなかった映画か。金持ちの人にウケる映画か、貧乏人にウケる映画か。



いい映画とは、心に残る映画だと思う。人生を変えてしまうような、衝撃的な作品にはそうそう出会えるものじゃない。自分の心の声に耳を傾けて、一番気に入った映画を探してみるといい。それが、自分にとってのベストワン。


誰かがいいと言うから、いい映画というわけじゃない。自分の好きな映画をけなされても、自分にとってのその映画の価値は、少しも揺るがない。人の評価はあくまでも参考にして、自分の心で結論を出すべし。誰が何と言おうと、自分が感動した事実は、かけがえのない宝物だから。


自分は、人と違って当たり前。違うからこそ、メッセージを発信できる。みんな同じ考えだったら、コミュニケーションを取る必要がない。理解しよう、理解してもらおうとする心があればこそ、人間らしく行動できるのだから。



仕事も忙しいけど、映画も忙しいぞ。忙しいのは、幸せなこと。今夜はこれから映画に行こうと思います。やっと俺の4月が始まる。人より遅くたっていい。能力が劣っていてもいい。自分なりに、自分が一番気持ちよくなる方向へ進んでいけばいいと思うから。


では、いろいろあるけど、とりあえず俺は元気です。元気ですみません。あっはっは。では、4月もがんばりますので、どうぞよろしく。






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2010-04-05

ハートロッカー

テーマ:洋画

神の領域、最強解体職人登場。 …一匹狼のカッコよさを学べ!


“hurt locker” とは、パンフ記事によると、“過大な精神的苦痛、負荷を強いる相手や物” を意味する俗語であり、兵隊用語で “行きたくない場所、棺桶” という意味として使われるらしい。“hurt” は“傷つく、痛む”という意味。心を意味する“heart”とはスペルも発音も違うのでご注意。


監督は、キャスリン・ビグロー。脚本は、マーク・ボール。撮影は、バリー・アクロイド。音楽は、マルコ・ベルトラミ、バック・サンダース。


出演は、ジェレミー・レナー、アンソニー・マッキー、ブライアン・ジェラティ、ガイ・ピアース、レイフ・ファインズ、デヴィッド・モース、エヴァンジェリン・リリー、クリスチャン・カマルゴ。


さて、映画ですが、静かな興奮を呼ぶ作品に仕上がりました。これは、職人と呼ばれる人に見て欲しい1本です。理解されようがされまいが、自分の仕事をひたすらやり続ける男は、やっぱりカッコいい。一般受けはしないかもしれないけど、わかる人にはわかる、深い世界を学びましょう。


庶民的で楽しくわかりやすい「アバター」を破って、アカデミー作品賞を獲得した本作には、妥協を許さない、男の厳しい生き様がある。個人的には、こっちの映画の方が心に残るものがありました。アカデミー会員の眼力に敬意を表したいと思います。アメリカもやるじゃん。


2004年夏、イラク駐留米軍のブラボー中隊の爆発物処理班(EOD)に、新しい班長としてジェームズ二等軍曹が配属されてきた。彼のやり方は独特で、チームワークを無視する行動ばかり。腕はいいが、彼をよく思わない班員との衝突が起きる中、処理すべき爆弾は、次から次へと現れるのであった…。



主演は、ジェレミー・レナー。有名でもイケメンでもない俳優を起用したところが、この映画を成功に導いた要因の1つであることは間違いないでしょう。スター俳優では、絶対死なないと思われがちですが、この男はいつ死んでもおかしくない。だって、ムチャクチャなんだもん。腕は最高だけど、性格は悪い。はっはっは、職人というのはそういうもんだ。並みの神経じゃあ、こんな仕事できませんって。


彼の演技は、背負っているものを感じさせる雰囲気がある。まさに、現場の男の顔ですね。絶対、ただもんじゃねえ。チャラチャラしたありきたりのアメリカ男とは違い、病的なまでに仕事をやり遂げるストイックさがある。その仕事ぶりの見事なこと。軍隊という環境を考えれば、充分マトモな人間であると思います。こういう人と一緒に仕事したいもんですね。


班長と対立するサンボーン軍曹を演じるのは、アンソニー・マッキー。「8Mile」の敵役でデビューした黒人俳優。処理班の中では、ナンバー2的存在。とにかくこの兄ちゃんは、やたらと怒りっぽい。班長のやることなすことが、全部気に食わんらしい。前任者によほどかわいがられていたんですな。若い男にはよくいるタイプですが、自分自身もまた、チームのバランスを乱していることには気がつかない。まさに、一触触発の爆弾男。


少々精神を病んでいるエルドリッジ技術兵を演じるのは、ブライアン・ジェラティ。ジェームズ班長とサンボーン兄ちゃんとのぶつかり合いの中で、ナイーブな演技を披露します。隊員の中で最も戦闘経験が浅い彼は、果たして生き残れるのか?


映画は、この3人を中心にして進みます。よくも悪くも、運命共同体。イヤな奴だが、命は預けなきゃならん。安っぽい友情とか、仲間意識は存在しない映画なので、除隊したらテメエ殺してやるっていうピリピリ感がタマらんですなあ。



ベテラン俳優としては、レイフ・ファインズ、ガイ・ピアース、デヴィッド・モースが出演。それぞれに出番は短いですが、映画を盛り上げるのに一役かっています。個人的には、レイフの演技がシビレました。


ジェームズの元奥さんとしてちょっぴり登場するエヴァンジェリン・リリーが、唯一の女優。むっさい男たちの物語において、彼女が登場した瞬間、違う世界に行ったようなトリップ感がありました。この違和感は、そのままジェームズが感じたイメージなのかもしれない。この映画には、ヒーローもヒロインも出てこないと言った方がいい。甘っちょろいラブロマンスなんかいらない。爆弾と戯れている時の方が、コーフンするんですから。



本作はPG12なので、小学生は保護者をゲットして行きましょう。エロはないけど、残酷な場面はあります。そりゃそうだ、戦争映画だもん。彼女と呑気にデートする映画でもないので、誰かを誘う時は、相手を選びましょうね。


映画の見どころとしてはやっぱり、誰がいつ死ぬかわからんという点にあるでしょう。ビグロー監督も、スターを起用しない理由のひとつとして、誰が死んで誰が生き残るのか予測不可能な映画にしたかったからと語っています。


もちろん、戦闘場面はちゃんとあります。爆弾が爆発する時とか、銃弾が飛び交う音は、スリリングでエキサイティング。派手さはないけど、シンプルで鋭い迫力がありますので、じっくりと味わいましょう。




世の中に仕事は数あれど、これほど危険な仕事もそうないでしょう。それだけに、これができる人間も限られているに違いない。普通の人間の神経なら、とても耐えられないと思う。それをやれるというだけで、すごいことじゃないですか。俺は、こういう仕事があって、それが現実に行われている事実に感動しました。


爆発物処理班(EOD)の死亡率は、他の兵士の5倍だそうです。処理する爆弾は、廃棄された大砲の弾や不発弾など雑多な爆発物に、起爆装置を取り付けただけの即席タイプ。映画では、そのシンプルさが余計に不気味さを増しているようにも思える。これらはIEDと呼ばれ、安価ながらもともとは軍用の高性能爆弾なので、破壊力はすさまじい。


IEDが見つかるとEODが呼ばれ、処理が行われる。その間、兵士たちは後方に退いて待機。バグダッドでは、1件の爆発に対して、10~15個の不発爆弾が存在しているという。それらを、目立たない一握りのEODたちが戦地で取り除いているのだ。何てスリリングで、カッコいい連中なんだろう!



キャサリン・ビグロー監督はかつて、「K-19」で、暴走する指揮官を描きました。あの映画はヒドかったけど、本作を見た後で考えると、違った印象になってくるように感じます。わかりやすくて華やかな「アバター」と、わかりにくて地味な「ハートロッカー」は、好みが大きく分かれることでしょう。


ジェームズ・キャメロン監督と、キャスリン・ビグロー監督の両者は、どちらも一流の映画監督である。元夫婦であったことは、お互いにプラスに作用していることと思いたい。本作の主人公の名前がジェームズであるのも、何だか意味深。元ダンナに敬意をしめしているのかも。「アバター」と「ハートロッカー」に共通するのは、登場人物が美しくないこと(苦笑)。これからも、お互い火花を散らしてがんばって下さい。



いい仕事をするためには、ダッシュやスパートが必要な時がある。しかし、日常的に突っ走っていると、神経が麻痺してくる。緊張と弛緩のバランスは、とても大切なのだ。俺も仕事をしていて、精神的なブレーキが効かなくなることがよくある。熱くなる反面、冷静な判断力がないと、いい仕事はできないのだ。


ビグロー監督は、本作を撮りながら、暴走しかけたこともあったんじゃないだろうか。どんなプロでも所詮は生身の人間だから、うまくいく時とうまくいかない時があるもの。撮影時の苦悩も、たくさんあったのかもしれない。画面から、そういう要素も伝わってくるように思えました。


失敗から学ぶのがプロ。どんな状況でも、最高の仕事をするためにはどうすればいいかを考えるのがプロ。経験の全てを肥やしにして、自分で自分を高めていくのがプロ。そして、仕事の楽しみ方を誰よりも知っているのがプロ。技を極めたプロの職人というのは、そういうものだと俺は思うんです。



人の命を預かる仕事は、命がけである。ジェームズにとって、この仕事はまさに天職。神は何か理由があって、彼にこの力を与え給うた。彼自身が突き進む方向に、答えはきっとある。


彼のような男がいてくれるからこそ、助かる命も多いのは事実。理解されようがされまいが、賞賛されようがされまいが、彼は自分のやるべき事を黙々とこなしていくことでしょう。映画を見ていると、すでに彼は神の領域にいるように感じられます。スバラシイ生き方じゃないですか。惚れ惚れしちゃいますね。


本物の男は、多くを語らない。彼の背中を見て、何かを学び取るべし。世の中に、日の当たらない仕事はたくさんある。だけど、どれもが大切な仕事なのだ。そいういう仕事をしている人たちに、この映画を見てもらいたい。そして、自分の仕事に誇りを持つことの意味を、もう一度噛みしめて欲しい。



人はみな、爆弾抱えて生きている。


人間同士の導火線、引火させちゃあおしまいだ。


爆弾見つけたIED。 誰が呼んだかOED。


怒りを鎮めよIED。 仲間を信じろOED。


解体するのに必要なのは、知恵と勇気と判断力。


手強い奴ほどゾクゾクするぜ。 触れてさすってエクスタC。


臆病者は黙って見ていろ。 火傷じゃすまんぞIED。


男一匹、解体職人。 軟弱者は、さっさと逃げろ。

俺はジェームズ二等軍曹。 …俺がやらなきゃ誰がやる!





【鑑賞メモ】

鑑賞日:3月29日(月) 劇場:ユナイテッドシネマ新潟 21:15の回 観客:約20人

メンズデーで1000円でした。観客はたぶん、全員男。デカいイビキかいているオヤジが約1名…テメエなんか、IEDで吹っ飛んじまえ!


【上映時間とワンポイント】

2時間11分。劇場を出た後、ケータイの電源を入れる時は要注意。


【オススメ類似作品】

「タイガーランド」 (2000年アメリカ)

監督:ジョエル・シュマッカー、出演:コリン・ファレル。戦闘シーンが出てこない戦争映画。専ら、訓練ばっかりが続きます。でも、これが実に面白いから不思議。たぶん、コリン・ファレルが一番カッコいいのはこの映画だと思います。本作の主人公と、何か共通点があるように思うのですが…。


「鉄道員」 (1999年東映)

監督:降旗康男、原作:浅田次郎、出演:高倉健。ストイックで真面目で融通のきかない男の映画といえば、やっぱりコレでしょう。感動的なまでの頑固さです。いい仕事する男って、やっぱり違うなあ。彼のプロ根性は、本作にも通じるかも…ってちょっと違うか。でも、日本でもこういうハードボイルド男はいっぱいいると思いますよ。




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2010-04-04

パンドラの匣

テーマ:邦画

やっとるか?やっとるぞ。がんばれよ。ようしきた! …結核療養所って、何だか楽しそうだなあ。


原作は、太宰治の同名小説。監督・脚本・編集は、冨永昌敬。撮影は、小林基己。音楽は、菊池成孔。


出演は、染谷奨太、川上未映子、仲里依紗、窪塚洋介、小田豊、杉山彦々、ふかわりょう、KIKI、洞口依子、笠木泉、ミッキー・カーチス。


さて、映画ですが、何とも不思議な魅力にあふれた作品に仕上がりました。太宰作品の世界を忠実に表現することに成功した、稀有な映画であると思います。奇抜な演出方法など、実験的で前衛的な部分も楽しい、充実した1本。「人間失格」と合わせて、太宰ファンはどうぞお見逃しなく。


太平洋戦争終結直後、胸を患った主人公の利助は、“健康道場”と呼ばれる人里離れた療養所で治療を受けることになった。そこでは、本名でなくあだ名で呼ばれることが習慣になっており、利助は“ひばり”と命名されるのであった…。



主演は、オーディションで選ばれた染谷奨太。10歳で「ピンポン」に出演し、子役としてのキャリアを積んできた実力派。「デビルマン」では、ススムちゃんを演じていました…ううむ、全然覚えてないなあ(笑)。現在17歳。本作では、かわいらしい青年といったところでしょうか。つかみどころのない、微妙な演技にご注目。


看護婦長の竹さんを演じるのは、小説家の川上未映子。本作が、映画初出演になります。彼女は、昭和の雰囲気が漂う、マニアックな美人。キレイな女を演じようとしていない感じが、何だかとてもよかった。妖気を帯びた、大人の女性オーラが画面から漂ってくるような、かぐわしい女優さんの誕生ですね。


冨永監督が、『…川上未映子みたいな女はいないか?』と言ったら、プロデューサーが、『…じゃあ、本人に聞いてみましょう。』ということになってオファーしたとか。そんなこと全然知らずに見たので、パンフ読んでびっくり。『…ほんまにあたしでいいんですか?』と言われた監督は、身震いしたそうな。


無邪気な看護婦マア坊を演じるのは、仲里依紗。「時をかける少女」の彼女ですね。大人の女である竹さんに対して、こちらは同年代の女の子といったところでしょうか。彼女は、明るくてわかりやすいタイプ。こんな2人にお世話してもらえるなんて、ひばり君はうらやましい限りですなあ。



患者仲間を演じるのは、窪塚洋介、小田豊、杉山彦々、ふかわりょう。それぞれに個性があって楽しい。小田豊のシブい演技はカッコよかったッス。髪を七三に分けたふかわりょうは、大学生の役。それなりに頭がよく見えました。役者が本業でない人たちをうまく使うのは、監督の腕なんですね。


ベテラン勢では、道場の場長を演じるミッキー・カーチス、ひばりの母親役の洞口依子が、出番が少ないながらも存在感タップリでした。若手の役者たちを見守る立場として、バランスがよかったと思います。


特筆すべきは、ある患者の娘として登場したKIKI。「ヴィタール」の時は、オカッパヘアで封印されていたおでこが、本作では堂々と解禁。ううむ、なかなか魅力的なデコだ。そして、物腰がいい。静かに微笑む表情は、ゾクッとしましたねえ。出番は短いけど、印象的なシーンでした。彼女を通して、父親の人柄がわかるような気がしますね。



この映画は、心の闇を抱えて苦悩している人にオススメしたいと思う。性別や年齢に関係なく楽しめるので、安心してご覧下さい。自分は生きている価値があるんだろうかといつも考え込んでいる人は、だまされたと思ってご覧下さい。少しだけ元気になれると思うから。



原作小説について少し説明。主人公のモデルになったのは、太宰治に心酔していた、実在の入院患者。彼の死後、遺言によって太宰氏に贈られた全12冊の日誌の8、9巻目にあたる部分を基にして、太宰が「雲雀の声」というタイトルで執筆。しかし、戦時中ゆえに時局にそぐわぬという事情で出版は見送られました。


その翌年に許可が下りたものの、印刷所が空襲に遭って原稿が焼失して断念。その後、改めて連載小説として以来を受け、戦後の状況も踏まえて書き起こされたのが「パンドラの匣」。単行本刊行の翌年である1947年には、「看護婦の日記」というタイトルで映画化もされています。



俺は、太宰小説にハマッた20代半ばの頃に、「パンドラの匣」も読みました。原作だと、作家と文通している若い患者の手紙形式で構成されています。150ページくらいの中編なので、結構読み応えはあります。原作と全く同じセリフが、映画で効果的に使われているので、いろいろ比べてみるのもいいかも。


余談ですが、「機動戦士ガンダム」の有名なセリフ 『…親父にもぶたれたことないのに!』 の原型ともいえるような文章が、この小説に登場しています。 『…おれは、おやじにだって殴られた事はねえのだ。それなのに…』 という感じ。富野監督が太宰ファンかどうかはわかりませんが…。



太宰治の小説は、一般的には暗いイメージがあるかもしれませんが、熟読してみると、結構明るい部分も多いんですよね。どんなにヘビーな状況にあっても、人を楽しませようとするサービス精神があるというか、自分を笑える男なんじゃないかって思うんです。


悩みや不安というものは、誰でも抱えているもの。元気な時は耐えられることも、身体や心を患ってしまうと、体力的にも精神的にも行き詰ってしまう。がんばりたくてもがんばれない人たちの苦しみは、なかなか理解してもらえないものなのだ。



日本中が戦争に向かって意気揚々としている時に、結核になってしまった男たちは、社会の余計者でしかなかった。人間としての存在意義を失い、暗くジメジメした心がたどり着いた場所が、健康道場だった。そこには、自分と同じ問題を抱えた仲間がいた。優しい看護婦もいた。誰も自分を責める人はいなかった…。


居場所があるということは、存在を認めてもらえるということ。そこにいてもいいということ。生きていてもいいということ。生きることが許されているということ。生きていて欲しいと望まれること。


疲れ切っている人には、癒しが必要である。心を落ち着かせる空間が必要である。まずは、そこから。元気が出たら、小さな行動から始めればいい。動きたくてたまらなくなってから、いっぱいがんばればいい。



みんなわけありの問題を抱えているから、あだ名で呼び合う。本名は、誰も知らない。そして、冒頭に書いたあいさつ。やっとるか?やっとるぞ。がんばれよ。ようしきた!仲間同士だから伝わる、シンプルな言葉。仲間から言われるからこそ、ありがたい言葉。言葉というのは、誰からどう言われるかで、全く意味が違ってしまうものだから。


病が回復していくって、どんなことなんだろう。人間が成長していくって、どんなことなんだろう。信頼とは、どういう風に生まれるんだろう。男心と女心は、どうしてこんなに違うものなんだろう。映画を見ながら、考えてみましょう。あせらずに、ゆっくりと…。


居場所は、自分で選んで決めるもの。居心地のいい空間は、自分の努力で築きあげるもの。そして、自分の心が豊かになった分だけ、仲間が増えていくもの。開眼して周囲を見渡せば、それほど悪い世の中ではないから。



太宰治は、人間の強さも弱さも、人一倍熟知していたんだと思う。強い者は放っておいてもがんばれる。しかし、弱い者には愛情が必要なのだ。だから、弱い者の味方になれる男が、本当は一番強いのだ。


太宰先生が、あの世からこの映画を見てくれて、ニンマリと微笑んでくれたらうれしいな。彼はきっと、観客たちにこうつぶやくことでしょう。



『…やっとるか?』



『…そうか、がんばれよ!』





【鑑賞メモ】

鑑賞日:3月28日(日) 劇場:シネウインド 15:10の回 観客:約40人

会員期限が切れたので、ついでに更新しました。お金がないので、B会員でお願いします。バイトの男の子はまだ不慣れでぎこちなかったけど、がんばれよ。


【上映時間とワンポイント】

1時間34分。パンフレットがとても小さくて、何ともかわいらしい。カバンに楽に入るサイズなので、映画が気に入った人はぜひ購入してはいかが。700円です。


【オススメ類似作品】


「刑務所の中」 (2002年ビーワイルド)

監督:崔洋一、原作:花輪和一、出演:山崎努。受刑者の生活スタイルを、おもしろおかしく描いた異色作品。マンガの原作者自身が、服役経験があるという事実が笑えます。前科も、考え方によっては貴重な経験。プラス思考こそが、人生を豊かにしていくのだ。…刑務所って、何だか楽しそうだなあ。


「赤ひげ」 (1965年東宝)

監督:黒澤明、原作:山本周五郎、出演:三船敏郎。江戸時代に幕府が設立した療養所を舞台とした人間ドラマ。コワモテだけど、貧乏人に優しいミフネ先生がカッコいいです。女たちが、ダイコンを武器に襲撃するシーンは爆笑でした。




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2010-04-02

アーマード 武装地帯

テーマ:洋画

マヌケ過ぎて、もう笑うしかない。 …こんなアホな連中では、警備も軽微になってしまうなあ。


“armored” とは、“装甲” という意味。“armored car” で “装甲車” になりますが、本作では、現金輸送を目的としたアーマード・トラック(装甲現金輸送車)が登場するので、そっちの意味でしょう。ただ、武装地帯という日本語サブタイトルはさっぱりわかりませんが。


監督は、ニムロッド・アーントル。脚本は、ジェイムズ・V・シンプソン。出演は、コロンバス・ショート、マット・ディロン、ローレンス・フィッシュバーン、ジャン・レノ、スキート・ウールリッチ、アマウリー・ノラスコ、マイロ・ヴィンティミリア。


さて、映画ですが、これはアカンです。ユルくてヌルくて、手際が悪い犯罪映画。後半のクライマックスからエンディングに移行するのが、ウルトラ不自然でした。もしかして、脚本を何回も書き換えちゃったか?


警備会社に勤務する、6人の社員が、輸送する現金をネコババしてしまおうと、完全犯罪計画を立案。しかし、入りたての新人り若造は拒否。何とか説得して、計画を実行しようとするが…。



主演は、コロンバス・ショート。両親を失い、弟を養っている若者を青くさく演じています。借金があり、このままだと家を立ち退かないといけなくなってしまうので、まとまった金の入る仕事を欲しがっている反面、悪いことはしたくないというジレンマを抱えている。ここが映画のポイントになるので、冒頭の彼の状況をよく見ておきましょう。


主人公の親代わり的な存在である警備員を演じるのは、YAスターの生き残り、マット・ディロン。彼はいくつになってもカッコいいですなあ。現在46歳。カッコ悪い役を演じても、やっぱりカッコいい。こんな先輩が職場にいたら楽しいだろうな。


ベテランの警備員を演じるのが、ローレンス・フィッシュバーンとジャン・レノ。すげえ、この2人とマット兄貴がトリオで犯罪チーム組んだら、それだけで充分プロフェッショナルじゃん!主人公、いらねえな。


こんな大物俳優たちを起用して、こんなショボい映画を作ってしまうなんて、ある意味贅沢かも。彼らもそれを承知で引き受けたんでしょうか。罰ゲームとか、女絡みとか、いろいろ想像したくなっちゃう。



これをつまんない映画と受け流すか、自分なりに面白さを追求するかは、観客次第。俺は、実力派のアニキたちが、スケールの小さいドタバタを楽しんで演じている映画、という位置づけでいきたいと思います。


そう思うと、ヌルいアクションも熱く感じる。マヌケな展開もスリリングになる。ショボいエンディングもクールなラストシーンになる。オレだったらこうするな、あたしだったらこうするわ。自分なりに、現場の判断をしてみよう。


さあ、心をアーマードして、武装地帯に突入せよ。ジャンが睨み、マットが吠え、ローレンスが銃をぶっ放す。カッコ悪さの中に、カッコよさがある。 …熱いオッサンたちの、命がけの戦いを見届けよ!




【鑑賞メモ】

鑑賞日:3月28日(日) 劇場:T-JOY新潟 12:45の回 観客:約10人

パンフレットが販売されてませんでした(笑)。ますます怪しい映画だこと。


【上映時間とワンポイント】

1時間27分。いやに短い上映時間も、何だか気になるんだよなあ。


【オススメ類似作品】


「レザボア・ドッグス」 (1991年アメリカ)

監督・脚本:クエンティン・タランティーノ、出演:ハーヴェイ・カイテル。6人の犯罪チームといえば、やっぱりコレでしょう。流血してもなかなか死なないティム・ロスが印象的でした。人生は、予期せぬ出来事が多い。どんな状況でも、自分らしく行動できる男はカッコいいと思います。


「RONIN」 (1998年アメリカ)

監督:ジョン・フランケンハイマー、出演:ロバート・デ・ニーロ、ジャン・レノ。これもまた、6人の犯罪チームの物語。 生意気過ぎて、デ・ニーロからこっぴどく叱られて涙目になるショーン・ビーンがタマらんかった。玄人好みのシブい1本。


「せんせい」 (1989年トムソーヤ企画)

監督:山城新伍、出演:松方弘樹。コワモテのヤクザ俳優たちが、ユルいキャラを演じた珍作。男はいくつになっても、やんちゃな生き物なんです。上田正樹が歌う主題歌「望郷」は名曲。


「レインディア・ゲーム」 (2000年アメリカ)

監督:ジョン・フランケンハイマー、出演:ベン・アフレック。フランケンハイマー監督の犯罪映画をもう1本。これは、軽いノリで見られます。スイーツを食うのにこだわるベン・アクレックが笑えました。サンタクロースの格好をして悪いコトするので、クリスマスの夜に見る映画としてもオススメ。





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2010-04-01

鉄拳

テーマ:洋画

世界を巻き込んでの親子ゲンカ。 …スケールが大きいんだか、ちっちゃいんだか。


「鉄拳」といっても、阪本監督のアレではありません。お笑い芸人の彼でもありません。格ゲーのアレです。1994年に登場した日本のゲームが、16年間の時を経て実写映画化。ちなみに最新作は、「鉄拳6」だそうな。


監督は、ドワイト・リトル。脚本は、アラン・B・マッケルロイ。アクション監督は、シリル・ラファリ。音楽は、ジョン・ハンター。


出演は、ジョン・フー、ケリー・オーバートン、ケイリー・ヒロユキ・タガワ、イアン・アンソニー・デイル、ルーク・ゴス、タムリン・トミタ、ミルセア・モンロー、ゲイリー・ダニエルズ。


さて、映画ですが、いらんことを考えなければ、そこそこ楽しめる作品に仕上がりました。ショボいと言えばそれまでですが、せっかくアメリカが作ってくれたんだから、プロレス映画感覚で笑い飛ばしましょう。


テロ戦争によって崩壊した世界において、権力を持ったのは財閥組織であった。最大権力を誇る三島財閥は、TEKKENシティにおいて、世界最強を決める「アイアンフィスト武術大会」を開催。主人公の風間仁は、一般参加枠を目指して戦いに挑む!



主演は、中国とアイルランドの血をひく、イギリス出身のジョン・フー。ジャッキー・チェン・スタントチームに所属していたことから、「トム・ヤム・クン!」でトニー・ジャーと共演。その後は、ジェット・リーが修行を積んだ北京武術チームに。どうやら、筋金入りのアクション俳優のようです。演技はイマイチでしたが、技はホンモノ。


ヒロインは2人。スラム街での彼女を演じるのは、ミルセア・モンロー。格闘家になってからの彼女を演じるのは、ケリー・オーバートン。どっちもどっちなので、お好きな方に感情移入すればよろしいかと。


主人公の母親を演じるのは、タムリン・トミタ。おお、「ベスト・キッド2」の、でんでん太鼓の彼女ですね。元気そうで何よりです。現在34歳ですが、演技の方はまあ…こんなもんでしょうか。とりあえず、仕事があってよかったね。「フォー・ルームス」や「デイ・アフター・トゥモロー」にも出ていますので、気になる人はチェックしてみましょう。


財閥のドン、三島平八を演じるのは、ベテラン俳優、ケイリー・ヒロユキ・タガワ。「攻殻機動隊」の荒巻課長を連想させる、白髪ミンキーモモヘアスタイルが爆笑。実際ゲームでも、こんなデザインだったんですね。髪が黒かった頃からテッペンに毛髪がないので、流派のスタイルなのか、単にハゲラッチョだったのかが気になるところ。


他にもいっぱい格闘家が出てきますが、誰が誰やらよくわからんし、演技も百円均一なのでいちいちコメントするのも面倒くさい。ここはまあ、彼らの肉体美と華麗な格闘技術を堪能することにしましょう。それでいい。というか、それ以上のものをこの映画に求めちゃいけないような気がします。



本作の笑いどころとして、中途半端なお色気と、中途半端な日本スタイルをポイントとしましょう。主人公が住んでいる家の中に貼ってある習字がどうも微妙…「精神」とか「束縛」とか、よくわからん小ネタが盛りだくさん。街の日本語の看板も面白いので、退屈しません。


“鉄拳衆”と呼ばれる戦闘員が、剣道の面のようなマスクを被っているのも笑えました。主人公が素手で殴るとぶっ飛んだりするので、結構軟らかい素材でできているんですね。


主人公が腕に装着するプロテクターは、「鉄人タイガーセブン」の手袋みたいでムチャクチャカッコ悪かったです。これを着けたところでそんなに変わらんような気もしますが、そこは気分の問題なんでしょう。手がムレることだけは間違いないと思いますが。


格闘家を住まわせている施設でありながら、メディカル設備があるのかないのかよくわからんところも。傷は縫わないわ、銃弾を受けても手で押さえているだけだったりするわで、何だかヒヤヒヤしました。まあ、みんなケガの治りが早いんでしょう。


この映画は、カップルでイチャつきながら見ても大丈夫です。気合いを入れずに、ユルユル気分で気軽に行きましょう。エロでもグロでもないので、誰が見てもOK。




男の子にとって、ケンカが強いかどうかということは死活問題。友達の中でも力関係というのは確実に存在するから、強いに越したことはない。ただ、その強さをどう発揮するかは、本人の資質に左右されるもの。


やたらに“俺は強いぞオーラ”を出しまくっている男ほど、いざという時にうろたえたりすることもある。普段は負けてばかりいる男が、ここぞという時にすごい力を出す時だってある。男である以上、誰もが秘めた力を持っているのだ。条件が整えば、誰もが最強になれる要素があるのだ。


男が強さに憧れるのは、本来男は強い生き物でありたいというDNA本能があるからなのかもしれない。ただ、強い弱いを判断するものさしは、人によって違う。自分の強さはこういうところにある、という自覚があれば充分じゃないかと俺は思います。出番は必ずあるから、気長に待ちましょう。



父親と息子の関係は、ライバルのようなものなのかもしれない。似ているからこそ、自分を見ているようでイライラしちゃうのかも。力関係は、いつまでも同じとは限らない。面倒くさいもんなんです、ホント。


親が金持ちで、武術の達人となれば、息子としてのプレッシャーはとてつもなくデカい。父親三島平八と、息子三島一八の血で血を洗う関係がスゴい。親が立派過ぎると、子供はバカになるんですなあ。だから俺は、もっとバカな親になろう。そうすれば、娘が利口になるかもしんない。


金持ちであろうが、ビンボーであろうが、親子っておんなじようなもんなんですね。“夫婦ゲンカは犬も食わない”と言いますが、親子ゲンカはどうなんでしょうね。ましてや、世界一を決める武術大会でモメる親子のバトルはどうしたもんでしょう?


親がオイシイ思いばっかりしてると、子供がグレる。じゃあ、親がヘタレだと、子供はしっかりするのか?いやいや、やっぱりそんな単純なもんではないでしょう。人間、なるようにしかならない。どうせ何をしても怒られるなら、自分の好きなことを思いっきりやった方がいいのかも。



とにかく、日本のゲームをアメリカ人が16年も愛してくれている事実を、まずは喜びましょう。そして、アメリカ人の男が持つ強さと、日本人の男が持つ強さの違いについて考えてみましょう。親としての強さ、夫としての強さ、彼氏としての強さ、兄としての強さ、弟としての強さ、上司としての強さ、部下としての強さ…。

男は、よくも悪くも戦い続ける生き物。戦わずして得たものには、真の価値はない。自分を信じて、自分の力で勝ち取ったものにこそ意味があるのだ。借り物の言葉でなく、自分の心と向き合って出てきた言葉で、自分を語るべし。



“鉄拳”とは、“正義のために悪人を懲らしめるげんこつ”である。(学研 漢字源の記述より)


武術大会にこの名称が付けられた本当の意味を、もう一度考えてみよう。真に強い者とは何か。正義とは何か。それを極めた者が、本当の意味でのチャンピオンである。


誇りとプライド守るため、愛する者を守るため、男は今日も戦うのだ。許せぬ悪に立ち向かう、鋼の体は無敵だぞ。飛ばせ鉄拳、ロケットパンチ!今だ出すんだ、10連コンボ!クマもパンダもカンガルーも、みんなまとめて波動拳!…ってそれはストⅡだろ! …はあ、しょうりゅうことですか。





【鑑賞メモ】

鑑賞日:3月27日(土) 劇場:ワーナーマイカル新潟 21:10の回 観客:6人

毎度おなじみ、会社のM先輩と一緒に行きました。 …意表を突いた雪に大慌て!

【上映時間とワンポイント】

1時間33分。エンドロールの後にオマケ映像あり。というか、次回作の予告編?


【オススメ類似作品】


「スチームボーイ」 (2004年)

監督・脚本:大友克洋、声の出演:鈴木杏。世界を巻き込んだ親子ゲンカといえば、やっぱりコレでしょう。蒸気ムンムンでヒートアップの爆笑映画。ところで、この続編はどうなった?


「ブラザー・フッド」 (2004年韓国)

監督・脚本:カン・ジェギュ、出演:チャン・ドンゴン。世界を巻き込んだ兄弟ゲンカといえば、やっぱりコレでしょう。38度線をはさんで、意地のぶつかり合いが展開されます。アナターガ、スッキダカラ~!


「AKIRA」 (1988年)

監督・原作・脚本:大友克洋、声の出演:岩田光央。世界を巻き込んだ友達同士のケンカといえば、やっぱりコレでしょう。…金田ァ、俺に命令すんじゃねえ!…金田ァ、助けてくれえ!鉄雄を演じた佐々木望がナイスブレイクでした。流れるテールランプがカッコよかったなあ。


「猫ラーメン大将」 (2008年)

監督・脚本:河崎実、声の出演:古谷徹、加藤精三。「巨人の星」コンビが、ラーメン屋をめぐってで親子対決。猫の世界も人間の世界も、やっぱり親子は戦うんですねえ。



相変わらず更新が遅れがちですが、ちゃんと映画は見ております。あと3本ストックがあるので、そのうちにアップします。俺の3月はまだまだ終わっていないので、どうか気長にお待ち下さい。(桑)



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