FUJITA'S BAR
2009-12-31

12月の反省

テーマ:エッセイ

まもなく、2009年が終わろうとしています。読者の皆様、今年も読んで下さってありがとうございました。


今年見に行った劇場映画は、全部で83本でした。昨年の128本には遠く及ばないけど、中身の充実した映画鑑賞であったと思います。しっかりと味わいましたから。


今年は、辛抱の連続でした。今日までよくがんばったなあ、えらいぞ俺。


映画を見る姿勢も、少しばかり変わったかもしれない。文章を書く時に、何か感じるんですよね。ブログを始めた時とは、明らかに何かが違う…あ、そんなに変わってない?むしろ、悪くなった?


よく言われるのが、文章が長過ぎるってこと。あっはっは、それはあきらめて下さい。オヤジの話ってのは、長えもんなんですよ。いいじゃん、その分、読む力が強くなったでしょ。俺のわかりにくい文章を読みこなす人は、プロの読者なんですから。



今年の最高アクセス数は、7月25日の1010アクセスでした。ちなみにこの日は、パソコンが108で、モバイルが902。すげえ、ケータイで読む人がこんなにいるなんてびっくり。まあ、延べ数なんでしょうけど、筆者も真っ青です。


普段は大抵、150~200アクセスくらいで、新作記事を出そうが出すまいが、あんまり変わりません(笑)。あっはっは、変なブログですねえ。



たぶん、普通のブログとは違うんでしょうな、ここは。最近は、中傷コメントもめっきり来なくなりました。そりゃそうだ、ほとんど来ないから、目立っちゃうんですよね。しかも俺が真っ向から勝負するから、きっと書きにくいんでしょうか。目の肥えた読者たちの視線にさらされるしね。


物影に隠れて人を攻撃するしか脳のない連中には、居心地の悪い場所なのかも。もとより、ここは超不人気ブログですから。攻撃したところで、メリットゼロだもんね。あっはっは。



自分のスタイルというのは、自分で作るもの。結果的に、そこが自分の居場所になる。次の瞬間に奪われる運命であったとしても、それはそれでいいのだ。少なくとも、今この瞬間に、俺は俺として生きている。読者のみなさんと、同じ時間を生きている。それがうれしい。だから、ありがとう。


来年は、もっと明るい方向に行けるようにがんばりたいと思います。家族のためにも、友達や飲み仲間のためにも。だから、どんなに苦しくても、俺らしさだけは失いたくない。


忘年会に来てくれたみんな、どうもありがとう。また会いましょう。今度は、もっとおいしい酒を飲みましょうね。



ブログを書くことは、冒険です。今まで知らなかった自分に出会えます。これを読んでいる皆様の方が、俺よりもっと面白い文章が書けるかもしれませんよ。ぜひ書いてみて下さい。楽しいから。面白いから。


いい映画は、人を育てる。いい文章は、人の思考力を鍛える。考えることは、人を強くする。自分を表現することは、人とのつながりを広げる。いいもんですね。



読者の皆様にとって、よい年明けでありますように、心から祈っています。よろしければ来年も、俺のバカ話にお付き合い下さい。 …では、よいお年を。



                                    2009年12月31日  桑畑四十郎




     (これより、2009年のランキングの集計に入ります。気長にお待ち下さい。)





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2009-12-29

アバター (3D)

テーマ:洋画

アバターもエクボと言いますが、やっぱりキモチワルイ。 …でも、カラダはエロい!


今年最後の劇場映画記事となりました。最後は、SF映画でシメましょう。どうせ見るなら3Dで見てやろうと思い、ワーナーマイカル新潟南まで足を伸ばしました。レイトショーで字幕版やってるとこ少ないもんで。


“avatar” とは、“バーチャルリアリティの自分の化身” という意味(アドバンストフェイバリット英和辞典より)。言わば、自分の分身。ちなみに、ヒンドゥー教で言う神の化身という意味でもあります。


監督・製作・脚本は、ジェームズ・キャメロン。デビュー作「殺人魚フライングキラー」から16年後に「タイタニック」、そしてその12年後に本作。構想は14年だそうな。撮影は、マウロ・フィオーレ、音楽は、ジェームズ・ホーナー。


出演は、サム・ワーシントン、シガニー・ウィーバー、ゾーイ・サルタナ、ミシェル・ロドリゲス、スティーヴン・ラング、ジョバンニ・リビシ。


さて、映画ですが、キャラはキモチワルイけど、内容が面白かったのでマル。しかも、3D映像が楽しかったので、満足度は極めて高し。小ワザも効いてて、かなりオイシイ映画です。今年最後の楽しみにするもよし、年明け一発目に行くのもよし。冬休みの目玉はコレですね。


舞台は、22世紀。人類は、地球から遠く離れた衛星パンドラにおいて、アバタープロジェクトに着手していた。それは、先住民ナヴィと交渉して、特殊な鉱物資源を採掘するためであった。主人公ジェイクは、アバターと呼ばれる“仮の体”を操り、ナヴィの部族に接近していく…。




主演は、サム・ワーシントン。「ターミネーター4」でターミネーターを演じた彼ですね。キャメロン監督とは、深い縁がありそう。決してマッチョはない彼のナイーブさは、独特のものじゃないかと思います。素顔で登場する場面はあまり多くありませんが、一応主役なのでしっかり見ておきましょう。


博士を演じるのは、ジガニー・ウィーバー。エイリアンと戦った女も、ずいぶん大人になりました。今回は、タバコスパスパキャラ。シガレット・シガニーですな。強面ながらも、主人公にちゃんと食事を取らせるところなんか、面倒見のいい母ちゃんぶりを発揮しています。


ナヴィの娘を演じるのは、ゾーイ・サルダナ。本人の素顔は映画には登場しませんので、表情や仕草から彼女の演技を想像しましょう。アメリカ生まれですが、10歳の時に両親とともにドミニカ共和国に移住して7年間過ごしたそうな。歯をむき出してキーってやる場面は、なかなかセクシーで味がある。顔はキモチワルイけど、カラダはなかなかよいです。四つん這いになる動きがええでんなあ。キミはきっと、キャット・ウーマンになれるかも。


軍の女性パイロットを演じるのは、ミシェル・ロドリゲス。「ガールファイト」「バイオハザード」の姉ちゃんですな。彼女は、戦う顔をしているのがいいですね。まともな女がほとんど登場しないので、こんなんでも何だか魅力的だった。


特筆すべきは、血の気の多い大佐を演じたスティーヴン・ラングでしょう。このオヤジは、とても素晴らしかった。マッチョでタフで、怪物で命知らず。ナヨナヨした男が多い現代社会において、こういうおっさんは貴重な存在であると思います。公開中の「パブリック・エネミーズ」にも出演しているので、このオヤジが気になる人はこちらもどうぞ。本作で共演しているジョバンニ・リビシも出ています。




とにかく本作は、3Dで見ることをオススメします。せっかくキャメロン監督が、独自の技術で開発した技術なんだから、最高の状態で楽しみたい。画面の奥行きがあるから、最初は目が忙しいけど、慣れちゃえば平気。字幕を読むのも忙しいけど、慣れちゃえばOK。かえって、視力を楽しく鍛えられますよ。


映画自体が、バーチャルリアリティの物語だから、観客も立体メガネをかけて、3Dの異世界を旅してみましょう。あたかも自分自身が、アバターを通してこの世界を見ている気分になれるっていうもの。


子供の頃、映画館で怪獣映画を見て、画面からゴジラが飛び出して見えた時の興奮が蘇りました。やっぱり映画館は、ワクワクする場所でなくてはいけない。いい仕事しましたねえ、キャメロン。




本作を見ていて連想するのが、「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」「魔女の宅急便」「超時空要塞マクロス」「超時空j世紀オーガス」「伝説巨神イデオン」「太陽の牙ダグラム」「聖戦士ダンバイン」「攻殻機動隊」といった、アニメ的要素がたくさん入っています。やっぱりキャメロン、オタクだわ。歴代作品のいいとこ取りをして、新しいものを創造しようとしている。しかも、自分らしさをしっかり出している…ううむ、何だか日本人的要素をうまく取り入れて、アメリカバージョンにしてるのかな。やっぱり、彼の才能はスゴいと思いました。


アバターに出てくるナヴィの人たちは、青い体に黄色い目。う~ん、体温低そう。そして黄色い目。うわー、見つめると目が疲れそう。でもね、カラダがほっそりしてしなやかなんですよ。その身のこなしが美しいこと。そして極めつけは、あの尻尾。動きが何ともエロいですなあ。それから、髪の毛。あれはもしかして髪じゃないのかもしれないけど、何だかスゴい機能が備わっていますので、そこは劇場で確認してね。…ああ、あのシッポと髪をつかんでみてえ!どんな声出すんだろうなあ?




映画館にいる人たちのほぼ全員が、固唾を飲んで画面を食い入るように見つめているのがわかりました。飲み物なんて、飲んでいるヒマがない。うっかりトイレに行くヒマもない。これぞ、映画の醍醐味というもの。現実をしばし忘れ、目の前の物語に没頭する。というか、イヤでも夢中になってしまうんです。ああ、何てスバラシイこと!


考えてみれば、リュミエール兄弟の「列車の到着」が、世界初の映画として公開された時の観客の熱狂ぶりは、ものすごかったらしい。「エクソシスト」で観客が気絶したとか、映画にはもともとそういう力があるのだ。


「ターミネーター2」で世界をあっと言わせたキャメロン監督だからこそ、本作は見る価値があります。しかも、今劇場で見なきゃ味わえない。そしてぜひ3Dで!お金を払う価値がある体験だと思いますから。


子供の頃に東映まんがまつりで見た「とびだす人造人間キカイダー」なんか、青と赤のセロハンを貼っただけのやつだったもんなあ。「ツイン・ピークス」で精神科医のジャコビー先生がかけていたアレですね。当時は子供心にもなんじゃこりゃ映像だと思いましたが、時代は進化したもんですなあ。ディズニーランドで上映されたマイケル・ジャクソンの「キャプテンEO」の時も、日光江戸村で見た忍者映画も、ほんの10数分の短編だった。それが、オール3Dで2時間41分!なんて豪華、なんて贅沢。ビバ、3D!うっほほ~い。




本作のテーマは、表向きはたぶん環境問題なんでしょうが、俺としては、人間の適応能力の物語だと思うんです。居場所というのは、与えられるものではなく、自らが努力して築いていくもの。自分の力で手に入れたものは、そう簡単に崩れない。たとえ失ったとしても、何かが残るものだから。


自分の境遇を、自分の立場を嘆いている人は多い。だけど、人のせいにして、運命のせいにしてばかりでは、何の進歩もない。生きる理由は、人から教えられるものじゃなく、自分で考えて行動して理解していくものなんだから。


主人公のジェイクは、アバターとしての自分と、現実の自分とのギャップに悩みます。どっちの自分がホントの自分なのか、わからなくなります。でも、そこが大事なのだ。どちらも、自分であることに変わりはないのだから。


家にいる自分、職場や学校での自分、友達と一緒にいる自分、恋人と一緒にいる自分、飲み屋にいる自分、ブログ書いている自分、1人になった自分…。どの自分がホントかって、みんなホントなんですから。


居場所は、できるだけ多い方がいい。自分の状態に応じて、使い分ければいい。そして、そこに必要とされる自分を目指すことである。それは、自分らしく生きるという意味で、とても大切なこと。




映画館は、俺の大切な居場所です。そして、このブログもまた、大切な居場所の1つです。ここに来るのを楽しみにしてくれている人たちにとって、よき居場所となれれば、これ以上の喜びはありません。ここは、年齢や性別に関係なく開放しています。宇宙人も大歓迎。どうぞごひいきに。


桑畑四十郎は、俺のアバター。このキャラは、俺の人格の1つです。彼の存在によって、俺はこの世界で新たな居場所を得ることができました。今でもパソコンは苦手ですが、文章を書くのが好きなので、まだしばらくは続けられるでしょう。ここに居場所がある限り。


2009年は大変な年だったけど、いい映画にたくさん出会えてよかった。こういう時だからこそ、映画のいい要素を吸収できる。今年は、映画を味わう年であった。そういうことにしよう。


視点を変えれば、世界は違って見えるもの。居心地が悪ければ、そこにふさわしい自分のアバターを構築せよ。冬にスタッドレスタイヤを履くように、厚手の上着を着るように、自分を変化させよ。夏には冷えたビールを、冬には熱燗を飲むように、心地いい摂取の仕方を考えればいいのだ。




いつの世でも、困難には、知恵と勇気で立ち向かえ。暗く考えるか、明るく思考するか。未来は、発想力の向こうにある。楽しむ心を、味わう気持ちを忘れるなかれ。自分が動けば、世界も動く。自分が変われば、世界も変わるのだ。


その者、青き衣をまといて金色の3D画面に下り立つべし。失われた観客との絆を結び、ついに人々を青き清浄の地へ導かん。いざ、クチコミ。ラン、ランララランランラン、ラン、ランラララン。子供たちよ、盲いた老人たちの変わりによく見ていておいてくれ。 …キミたちの未来は、きっと楽しいものになるから。





【鑑賞メモ】

鑑賞日:12月27日 劇場:ワーナーマイカル新潟南 20:10の回 観客:約200人(ほぼ満席)

帰りにパンフ買おうと思ったら、販売時間が終了したからダメと言われた。おいおい、そりゃねえだろ。WM県央でもWM新潟でも、帰り際にちゃんと売ってくれるよ。新潟南はケチだなあ。感動したお客様の気持ちを考えた商売をしろってんだ、全く。(というわけで、今回はパンフ情報なしです)


【上映時間とワンポイント】

2時間41分。オープニングの20世紀フォックスのタイトル映像が、すでに画面からはみ出していて笑えました。配られた3Dメガネは、そのままお持ち帰りできます。


【オススメ類似作品】


「ダンス・ウィズ・ウルブス」 (1990年アメリカ)

原作:マイケル・ブレイク、監督・製作・主演:ケビン・コスナー。インディアンの部族の中に入って、適応していく男の生き様を描いた傑作。タイトルは、インディアンたちが主人公につけた名前です。


「風の谷のナウシカ」 (1984年徳間書店)

監督・原作・監督:宮崎駿、声の出演:島本須美。本作の原作はこれなんじゃないかと思うくらい、パクリまくっています。瘴気マスクっていうの、あったでしょ?


「超時空要塞マクロス 愛おぼえていますか」 (1984年ビックウエスト)

監督:石黒昇、声の出演:飯島真理。デカい女に恋するシチュエーションは、ミリアとマックスですな。速水奨兄さんの『…美しい。』という名セリフが懐かしい。高校生の夏に、新潟古町の名画座ライフで見ました。


「あらしのよるに」 (2004年東宝)

監督:杉井ギサブロー、原作:きむらゆういち、声の出演:中村獅童。巨匠・杉井監督が渾身の力で製作した、ホモアニメの金字塔。「銀河鉄道の夜」よりも、さらに過激なセリフが満載。オオカミとヤギという、禁断の関係で、しかもオス同士。こりゃあ、あらしが来るぜ、ウッヒッヒ…。




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2009-12-21

宇宙戦艦ヤマト 復活編

テーマ:アニメ・特撮

あの勇姿がスクリーンに蘇る! …波動エネルギーを充填して、劇場へ向かえ!


“ヤマト” という言葉を聞いただけで、胸が熱くなる世代がある。日本のアニメーション史上に敢然と光輝く金字塔。そのヤマトが、あのヤマトが帰ってきた。おおおお、これは見に行かねば!


5歳上の兄貴と一緒に、12月16日のレイトショーに向かいました。しかし、その夜は猛烈な大雪が。除雪もままならない国道116号線をひた走るが、雪はだんだんひどくなっていく…こりゃあ、やめた方がいいか?でも、いや待てよ、ヤマトは、どんな悪条件でも飛び続けたんだ。くそう、これしきの雪で、俺たちのヤマトをあきらめてたまるか!意地でもたどり着くんだ、いざイスカンダル・ワーナーマイカル新潟へ!


というわけで、見に行く途中から俄然テンションが上がりました。 …さて、映画はいかに?


製作総指揮・監督・企画・原作・脚本・編集は、西崎義展。どうやら、松本零士センセイとは決着が着いたらしいですね。クレジットには、松本零士のまの字も出ていませんでした。まあ、大人の事情があるんでしょう。ファンとしては、SPECIAL THANKS くらいの文字が欲しいところですが。というわけで、西崎のおっちゃんのオレ様ムービーです。いいよ、構わんよ、ヤマトを飛ばすためなら何だってOKだ!


総監修は、舛田利雄。総作画監督は、湖川友謙。おおお、かつてのスタッフが再結集ですな。で、原案は何と石原慎太郎!音楽は、宮川泰と羽田健太郎のオリジナルスコアを、日本フィルハーモニー交響楽団が演奏。主題歌を歌うのは、アルフィー。“あの歌”もちゃんと流れますのでお楽しみに。


声の出演は、山寺宏一、青野武、置鮎龍太郎、伊藤健太郎、野島健児、柚木涼香、伊武雅刀、古谷徹、藤村歩、浪川大輔、永井一郎、緒方賢一、茶風林、阪口大助(2役)、山口勝平、家中宏、飯塚昭三、田中敦子、井上和彦、子安武人、小林修、そして、ナレーターは羽佐間道夫。…スバラシイ!プロの声優を徹底して起用しているだけで、気合いが伝わってくるってもんです。アイドルやタレントがやすやす乗れるほど、ヤマトは甘くねえぜ!


さて、映画ですが、何ともスゴい映画に仕上がりました。さすがヤマト、細かい部分は全く気にしません。力技で強引に切り抜けます。う~む、やはりこの艦はただもんじゃねえ。コアなヤマトファンからは、相当な酷評攻撃もあり得ますが、持ちこたえるでしょう。何たってヤマトですから。(褒め言葉になってないって)


地球は、あと3ヶ月で滅びるそうです。そりゃ大変だ!「2012」ではまだ3年も猶予があったのに、たった3ヶ月なんて!…うわっはっは、ご心配なく。アメリカはなすすべもなくやられましたが、日本にはヤマトがあるのだ。サムライたちの戦いぶりをとくと見よ。…命は預けたぜ!(説明になってないって)




おっさんになった古代進を演じるのは、山寺宏一。おお、何てシブい古代だ。’70年代当時のマッチョなイメージとはガラリと変わり、イケメンオヤジになりました。山寺古代は、ゲームですでに演じているとか。オリジナル声優の富山敬を意識しつつも、真似はしないように演じたそうです。カッコよかったよ、山ちゃん。古代の兄の守を演じた広川太一郎も、すでにこの世になし。かつて戦った英雄たちを讃えて、これからもヤマトの指揮をとって下さい。


真田を演じるのは、もちろん青野武。古代役の富山さんとは、「ちびまる子」のじいちゃんつながりですな。今回の真田は、地球連邦宇宙科学局長官。偉くなりましたなあ。ヤマトには搭乗しませんが、ヤマト発進を見届けるポジションです。「さらば宇宙戦艦ヤマト」のおヒゲ長官を思い出しますなあ。…おお、ヤマトが行く。


佐渡先生は永井一郎。アナライザーは緒方賢一。このコンビは永遠です。地球で獣医さんをやってました。ヤマトには乗りませんが、あたたかい目で若者たちを見守ります。いい晩年ですね、アナライザーという介護ロボット付きで。うらやましいジジイです。


そして、ヤマトの機関長として搭乗するのが、徳川太助。声は、もちろん古谷徹。うう、何だかウルウルしちゃいました。彼も立派になったもんですねえ。何だか、オールドファンとしては、一緒に彼を育てたような気分になってしまいます。若手を叱り飛ばす、元気のいいオヤジになりました。


若手の乗組員と声優は、よくわからないので割愛しますが、エネルギッシュでよかったと思います。ベテランの胸を借りて張り切る若造は、見ていて気持ちがいいもの。個人的には、折原ちゃん役の柚木涼香がかわいかったなあ。女医センセイよりも、古代の娘よりも、彼女と仕事したい。今どき、頬を赤らめる女の子って貴重なんだもん。


特筆すべきは、ゴルイ提督を演じた伊武雅刀でしょう。そう、あのデスラー総統の声を演じた人です。「未来少年コナン」のナレーションも担当したあのシブい声は、まだ健在。今回は、ゲスト出演といったところですね。彼の声が劇場に響いただけで、画面が引き締まります。おっさん、カッコいいでんなあ。




この映画は、できれば予備知識なしで見に行くことをオススメします。で、余計なことは一切考えないことです。いちいち考えてたら、ヤマトを飛ばすことはできませんって。そんなバカな、っていう場面てんこ盛りですが、そこはヤマトですから。力技で強引にピンチを切り抜ける姿がいいのだ。何たってヤマトですから。


宇宙戦艦ヤマトなんて知らねえ、という世代にとってはただのトンデモ映画かもしれない。そもそも戦艦を改造して宇宙で飛ばすという発想がスバラシイじゃありませんか。一から宇宙船を作った方が早いとか、そういうこと言っちゃイカンのです。男の夢とロマンは、そういう細かいことを無視して飛び立つのです。男は小さいことでグダグダ言わんのだ。何たってヤマトですから。


俺は、このシリーズの主人公はヤマトだと思っています。極端なことを言えば、乗ってる人間は誰でもいい。ヤマトが飛んで、波動砲をブチかましてくれりゃいい。だから、この映画は面白い!




ブラックタイガー、コスモタイガーときて、今度はコスモパルサーだそうです。翼がたたんで収納されてるのって、ちょっとカッコいい。そうそう、コスモゼロもちゃんと出ますよ。主砲、パルスレーザー砲、煙突ミサイルも健在。面白かったのは、艦首ミサイル。使い方が2種類あるみたいです。詳しくは劇場で。


敵メカも、いかにもなデザインでゾクゾクしました。「伝説巨神イデオン」のバイラル・ジンみたいなデザインなんかもあったりして、湖川ファンはニンマリしそう。個人的には、アマール軍のパスカル艦が美しかった。あれ、アイスラッガーみたいに飛ばないのかな?


ただし、1つだけ残念なことがありました。波動砲です。俺的には波動砲は、熱さほとばしる最強ビームなんですが、本作の波動砲は何だか水っぽい。温度がヌルそうで、ちょっとカタルシスがなかったかなあと。まあ、最新科学を駆使した兵器なんだから、こういうのもアリなんでしょう。これだったら、6連射しても砲身は溶けないかもね。でもやっぱり寂しいなあ。できれば6連射モードと、濃ゆい一発モードの2種類欲しいよなあ。


俺は、波動砲を撃つ時の“ため”が好きなんですよね。なかなかすぐには発射できないところが、ドキドキするんだなあ。ドメル将軍と戦った時も、波動砲はまだかって、手に汗握ったものですから。


でもね、ヤマトが美しいから許す。けっこうキレイなもんですね、CGも。これは、DVDで見ちゃもったいない。劇場のデカいスクリーンで鑑賞しましょう。




音楽的にも、往年のテーマが続々と登場。アルフィーの歌う「宇宙戦艦ヤマト」も悪くないけど、ちょっと軽かったかな。できれば、佐々木功に歌ってもらいたいところなんですが、そこも大人の事情なのかな。せめて、もっと太くてシブい声のシンガーに歌ってもらえたらなあって思いました。谷村新司とか、世良公則とか、矢沢永吉とか、クレイジーケンバンドとか…。


もう1つ面白かったのは、漢字表記が結構あったこと。エヴァンゲリオンとは一味違う、いいビジュアルです。極めつけは、“信濃”でしょう。何ていいネーミングなんだろう、新潟県人よ、燃え上がれ!


で、肝心の森雪ですが、ええと、何て言ったらいいんでしょう。とにかく、冒頭でスゴいことになりました。あらら、うわあ、あられもない姿に…思わずハニーフラッシュ!と叫びたくなってしまいました。こんなオイシイ場面があるなんて意外でした。ポップコーン買いに行って見逃したお父さん、大丈夫です。そのうちにまた出ますから。


雪は、あんな姿で行方不明に?きゃあ、これはじっとしていられんぞ。気になる人は、劇場に救出に向かえ!




「男たちの大和」を見た時に、やっぱりヤマトも見たいなあと思ってました。ずっと前から企画はあったそうですが、なかなか実現しなかったらしい。この時期になって公開されるのも、きっと何か意味があることなのかも。俺なんか、メチャメチャ元気出ました。やっぱりヤマトっていいなあ。そうだよ、俺たちにはヤマトがあったんだ!


ヤマトこそは、男のシンボル。大人になると、子供の時には見えなかったヤマトのよさがわかってくる。ヤマトに熱くなれる男は、いい仕事ができる。ロマンのわかる男は、若者に夢を語れる。安全なところに隠れて文句ばかり言う輩よりも、堂々と前にでて集中砲火を浴びる姿の方がカッコいいのだ。「ロッキー・ザ・ファイナル」でも言ってましたね。 『…打たれることを恐れるな。』


男の真の強さは、打たれ強さである。攻撃されながらも、エネルギーを密かに充填するのだ。敵を引き付け、射程内に誘うのだ。戦いやすい位置に小ワープし、艦載機を飛ばし、レーダーで分析する。一発逆転のその瞬間まで、辛抱強く待つのだ。待てる男は、強い男である。不適な笑みを浮かべながら、その瞬間を待て!


勝つことを焦るな。負けなければ、最後に勝つ。簡単にあきらめるな。たとえ絶望が立ちはだかっても、どん底から這い上がり、明日の勝利を掴むのが男だ。それが、ヤマトだ。


劇場に行って、一緒にヤマトに乗ろう。乗ればわかる。この船の大らかさが、この船の偉大さが。小さいことにいつまでもこだわるな。もっと大きな、広い視野を持て。ヤマトが、そう言うのだ。




絶体絶命な状況に陥っても、必ず突破口はある。西崎のおっちゃんも、ダテにヤクで捕まってませんなあ。やはり、この男はただもんじゃねえ。松本零士と争ったのも、熱い男の血潮というものか。暗黒プロデューサー、西崎ズオーダー大帝。『…ヤマトは、血の一滴までオレのものだ!次はどうする、松本センセイよ!』 (註:本編にそんなセリフはありません)


松本零士先生にも、独自のヤマトの企画があるとか。いいんじゃないですか。こだわりを持つ男同士、いいものを作るためにぶつかって下さい。そうやって、熱い男のドラマが生まれるんですよね。


男が懸命に生きれば、そこにドラマがある。自分の人生は、ヤマトとともにある。苦しい時は、あのテーマを思い出せ。旅立つ男の胸には、ロマンのかけらが欲しいのさ。


男たちよ、波動砲エネルギー充填。ターゲットスコープ、オープン。デスラー砲でもない、拡散波動砲でもない、自分だけのオリジナル波動砲を起動せよ。相手が太陽であろうが、ブラックホールであろうが構いやしない。自分の力を信じ、敵を粉砕せよ。 …怒涛の男汁、解放!





【鑑賞メモ】

鑑賞日:12月16日 劇場:ワーナーマイカル新潟 21:40の回 観客:約12人

こんな大雪の日でも、見に来る人はいるんですね。何て気合いの入ったいい客だ。 …ようし、共に戦いましょう!


【上映時間とワンポイント】

2時間13分。エンドロール終了後に、スゴいメッセージが!西崎のおっちゃん、やる気ですな。


ヤマトグッズに期待したんですが、大したもんはなさそう。キーホルダーとか、もうちょっとカッコいいデザインにできないもんですかね。手ぬぐいってのも芸がない。


俺的には、パルスレーザー砲型芳香剤とか、アナライザー貯金箱とか、佐渡先生のお酒とか、コスモガン型水鉄砲とか、森雪抱き枕とか、波動砲型ターボライターとか、対ショック対閃光防御サングラスとか、第一艦橋型電気スタンドとか、第三艦橋型携帯灰皿とか、デスラーなりきりセットとか、ガミラス乾杯用グラスとか、デスラー砲型バイブレーターとか、救命艇型救急箱とか、都市帝国どんぶりとか、白色彗星型ワタアメとか、コスモクリーナー型空気清浄機とか、色々アイディアあるんだけどなあ。どうも最近のグッズは、遊び心というものがタラン。




【オススメ類似作品】


さあ、今回はスペシャルです。歴代シリーズのおさらいといきましょう。けなすのはいけませんが、愛のあるツッコミはどんどん入れましょう。よく考えるとオカシイからこそ、映画が盛り上がる。それがまた、ヤマトを楽しむコツでもあります。そういう意味で、ヤマトである以上、駄作はありません。 …さあ、あなたのツッコミどころは?



「宇宙戦艦ヤマト TV版」 (1974年読売テレビ 全26話)

全ては、ここから始まりました。スクラップになったあのボロボロの戦艦の中から、ヤマトが出現する。たぶん、色塗ってから、わざわざ土をかぶせたんですね。砲塔が曲がっていたのに、真っ直ぐな中身が出てきたのは、きっと気のせいですね。


TVシリーズでは、劇場版に出てこないエピソードがあったりするので、“ファーストヤマト”として楽しみましょう。シームレス戦闘機とか、アナライザーが酔っ払う場面とかあるので面白いですよ。


しかしまあ、25話かけてイスカンダルにたどり着いたのに、帰ってくる時は30分だもんね。しかも、途中でガミラスと戦っている(爆笑)。きっと、イスカンダルで改造したんですね。やっぱり、スゴい艦だわ、ヤマトは。



「宇宙戦艦ヤマト 劇場版」 (1977年)

TVシリーズの総集編。DVDだと2バージョンあります。無音のOPが妙に緊張感がありました。タイトルバックのグオーッという効果音がカッコよかったなあ。この映画を見て、交響組曲ヤマトを聞いて、小学生の俺の世界観は広がりました。川島和子姉さんのスキャットは最高ッス!


しかし、行方不明になって異星人の女王様とデキてしまう兄貴には笑いました。子種が足りないのなら、ヤマトにギラギラした男連中がたくさん乗ってますぜ!



「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」 (1978年)

並びましたなあ。泣きましたなあ。無滅の金字塔です。戦闘能力を失ったヤマト艦長古代と、沖田の亡霊が対話する場面は、男泣きの名場面。ラストの幽霊たちのシーンも素晴らしかった。日本人の魂の美しさが、この映画には込められています。日本でしか作れない、精神レベルの高い映画と言っていいでしょう。


テレサは、やっぱりオールヌードがいいですね。斉藤役の佐々木功と結婚しちゃったそうですが…くそう、たまらねえいい女だなあ!パイロットの山本君は、髪型のせいで視界が悪くて打ち落とされたんでしょう。「ガンダムW」のトロワ君とおんなじか?



「宇宙戦艦ヤマト2」 (1978年読売テレビ 全26話)

テレサが服を着ている!島と恋をする!勝手に輸血する!色んな意味で、トンデモな場面がいっぱい。波動砲を撃ってバックする話は爆笑でした。DVD最終巻には、ダイジェスト版が収録されているので、これを見ると全体像が早くわかります。まるで「リング2」みたいな作品。「らせん」の立場はどうなる?



「宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち」 (1979年フジテレビ)

TVスペシャル版として放映。もうすでに、「さらば」はなかったことになっているみたい。いわゆる1つのパラレルワールドですな。やはり、ヤマトは飛ばねばならんのです。「2」の後だから、もう何でもし放題。ここからは、肩の力を抜いて見ましょう。


パイロットの加藤三郎とおんなじ顔の弟、四郎君が登場。声もおんなじ(爆笑)。男たちの挽歌ですな。島倉千代子の変な歌も登場。イライラしたデスラーは、ハカイダー四人衆みたいで泣けました。



「ヤマトよ永遠に」 (1980年)

このタイトルを見て、これが最後だと思ったファンは、誰もいなかったでしょう(笑)。今回は、古代と雪が離れ離れに。古代の前には謎の美少女が現れ、雪の前にはフェミニスト将校が現れる。ロリコンが勝つか?金髪男が勝つか?愛の試練はまだまだ続きます。


雪のセリフが最高にエロいです。『…地獄に落ちてもいい!』 …さあ、男を見せろ、アルフォン少尉!



「宇宙戦艦ヤマトⅢ」 (1980年読売テレビ 全25話)

“2”の後が“Ⅲ”とはこれいかに。太陽系がおかしくなってしまうという点では、「2012」とおんなじですな。詳しくは忘れましたが、ヤマトが捕虜になった話は覚えています。ヤマトはどこまで行くのか。その直後に、ガンダムブームが到来します。(1979年に「機動戦士ガンダム」TVシリーズ放映開始、1981年に劇場公開)



「宇宙戦艦ヤマト 完結編」 (1983年)

アニメブームのバトンはガンダムに渡して、ヤマトはいよいよ完結。確か、高校受験に成功して見に行った記憶があります。当時は、「クラッシャージョウ」「幻魔大戦」も公開中。でもやっぱり、ヤマトが好きなんですねえ。一緒に見に行ったヤマトファンのS君は、海上保安庁に入りました。いつかは、ヤマトに乗れよ!


“今度こそ”島が死にますが、最後のセリフが超トンデモ。『…俺は、雪が好きだった!俺が最初に見つけたんだ!』 おいおい、それじゃテレサの立場は?仰天した古代と雪は、たまらず2人掛かりで首を絞めたとか… 『…島~っ!』


極めつけは、古代と雪のベッドシーン。おお、雪の濡れ場が…と思いきや、あれ、雪のあえぎ声はどうした?ううむ、これだったら、「さらば」「永遠に」の病床シーンの方がエロかったなあ。当時は、「くりいむレモン」なんていうアダルトアニメが全盛期だったから、ちょっと堅過ぎたかもね。八神純子の歌声はエロくていいけど。


ナレーションは、仲代達矢のシブ声。宣伝ポスターのアクエリアス女王は、何度見ても蛇女に見えますな。


ちなみに、「完結編・完璧版」というバージョンも存在します。島の弟が登場する以外は、あんまり変わんないけど。エロシーンもカットだったかな。どこまで続く、ヤマトよ。さらば宇宙戦艦ヤマトよ永遠に、新たなる愛の戦士たち、完結編・完璧版・復活編…次は何だ?激闘編か?官能編か?




「伝説巨神イデオン 発動編」 (1982年)

総監督・原作:富野由悠季、声の出演:塩屋翼。番外編として、ついでにこれもご紹介。キャラクターはもちろん、湖川友謙。彼の描く女性たちは、何ともエロいんですよねえ。悪役のハルル・アジバの声を演じるのは、ヤマトの森雪役だった麻上洋子。このワルっぷりのスゴさに、中学生の俺はシビレました。妹のカララの顔面を撃ち抜くシーンでのセリフは最強。 『…ゲスが!』 怒り狂った森雪を見てみたい人には、一見の価値あり。




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2009-12-20

仮面ライダー×仮面ライダー ダブル&ディケイド MOVIE大戦2010

テーマ:アニメ・特撮

東映ライダーまつり。 …子供は子供の、大人は大人の目線で楽しむべし!


夏に公開された「劇場版 仮面ライダーディケイド」で登場した左右色違いライダー、ダブルを見て何じゃこりゃと思ったのもつかの間、ディケイドは8月で中途半端なまま放映終了。9月からダブルが開始。そうしたら、年末にまた劇場版が公開。ひええ、慌ただしいことで。


娘と妻が見たいというので、仕方なく付き合うか、面倒くせえなあと思っていると、今回は何とタックルが登場するとか…えっ、蜂女も?うわあ、見る見る見る!というわけで、家族で見ることになりました。


構成は、3本立て。最初はディケイド、次はダブル、最後は双方が合流するというスタイル。だから、各パートが中途半端で終わりますが、最終的にはちゃんと決着がつくのでご心配なく。ただ、休憩はないので、お子様のトイレの心配だけしてあげましょう。まあ、変わり際に行くのがいいかな。


監督は、田崎竜太。原作は、石ノ森章太郎。脚本は、米村正二、三条陸。主題歌を歌うのは、GACKT。


出演は、井上正大、戸谷公人、村井良大、森カンナ、広瀬アリス、及川奈央、瀬戸康史、石橋蓮司、桐山漣、菅田将暉、山本ひかる、なたぎ武、渋谷あすか、手塚とおる、寺田農、吉川晃司、


さて、映画ですが、盛りだくさんの内容に仕上がりました。どこを切ってもライダーだらけ。スーパー戦隊と抱き合わせじゃなく、純粋仮面ライダー。こりゃあ、ライダーファンは見逃せない!


仮面ライダーディケイドは死にそうでした。仮面ライダーダブルは、自分の過去を思い出しました。じゃあ、一緒に戦おうか、そうだね、うん!(…ってこれで説明終わりかよ)




ディケイドを演じるのは、井上正大。彼も、ヒーローらしい、いい顔になりました。仮面ライダーは、孤独を背負ってこそ輝くヒーロー。誰も信じられない、誰からも愛されない、だけど戦う。それが自分の使命だから。通りすがりの仮面ライダー。1年に満たない短い期間でしたが、大変お疲れ様でした。


ダブルを演じるのは、桐山漣(きりやまれん)と菅田将暉(すだまさき)。今回は、2人が合体して変身するスタイル。まあ正確には、一方の魂がもう一方の体に入り込んで変身することになります。だから、ライダー変身後は、気を失った男が毎回横たわることになる(笑)。その倒れ方がまたいいんですな、フィリップ君、かわいー。


戦う男は左翔太郎。職業は私立探偵。引きこもりの相棒はフィリップ。行動担当と思考担当のコンビで、事件に挑むスタイルは、水谷豊の「相棒」とおんなじですな。翔太郎君は、ハードボイルドに憧れるダンディなタイプ。フィリップ君は、カワイイ男の子って感じ。なかなかいいコンビです。


ライダーガールの筆頭は、光夏海を演じる森カンナでしょう。夏に公開された「劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー」では、ムチムチのフトモモを披露してくれましたが、今回はタイツで封印。しかも今回は何と彼女も変身。でもコスチュームがアレじゃなあ…残念でした。夏みかんフトモモは、シーズンオフ。


その穴を埋めてくれたのが、岬ユリコを演じる広瀬アリスでした。役名からわかる通り、彼女は電波人間タックルに変身します。おお、麗しのフトモモコスチューム!キミはエラい!演技はドヘタで暑苦しいけど、フトモモがかわいいから許す。OK!よくがんばった!…ああ、俺も投げてもらいてえ。


ダブル側のライダーガールは、山本ひかる。ぎゃあぎゃあうるさい小娘って感じですが、ちょっとバカっぽ過ぎるかも。昔の山本リンダを意識してるのかどうかわかんないけど、影のある設定なんだから、もうちょっとがんばって欲しいかな。まあ、少年たちに人気が出れば問題ないけど。


アイドル歌手の役で登場するのは、新潟県出身の渋谷飛鳥。出番が少ないので印象は薄いけど、特撮モノに出てくれるだけうれしい。彼女も、コスプレとか似合う女性ですのでどうかよろしく。(お気に入りは「怪奇大家族」のゴスロリファッション、天中殺子とのコンビ)




今回も、悪役が充実しています。夏に引き続いて、死神博士が再登場。まだあのダジャレ言ってます。そして今回は、ゾル大佐も登場。2人が率いるのは、スーパーショッカー軍団。筆頭怪人は、蜂女。演じるのは、及川奈央姉さん!おお、何てエロい蜂女だ。露出度はもともとないんだけど、とんがった毒針乳首がタマらん!これはいいのか?子供映画でビーチクは大丈夫なのか?「あずみ2」の高島礼子の甲冑の乳首ピアスと同じくらいヤバかったぞ。蜂女に抱きしめられると、アレが刺さるんだろうなあ、ヒー。


そしてとんでもない俳優が1人。何と手塚とおるが出演しています。確か庵野秀明監督の「ラブ&ポップ」で北京原人Tシャツ着てた変態男でしょ?キモチワルサはダイナマイト級の彼が、素で登場しただけで、もうすでに怪人になっています(爆笑)。うわあ、笑うな近づくな、メチャメチャ恐え!さあ、女性のみなさんは彼の瞳を静止できるか?これはスバラシイ役者を投入したもんです。「劇場版仮面ライダーキバ」のホリケンの100万倍毒々しかったぜ、おっさん!…だから、怪人に変身したら何だかショボかった(苦笑)。




しかし、特筆すべきは、吉川晃司でしょう。現在44歳。カッコいいですなあ、おっさん。確か「劇場版 仮面ライダーカブト」の主題歌を歌ったように思いますが、まだまだ現役のヒーローです。彼の役柄は、翔太郎君の師匠。つまり、仮面ライダーダブルのおやっさん。彼も変身します。名前は、仮面ライダースカル。おお、これは、仮面ライダーが連載開始する前に石森章太郎センセイが描いた「スカルマン」では?あの銀色ガイコツは怪しいぞ。そして、変身してからさらに帽子を被るあのセンス!


オヤジライダーというのは、「仮面ライダーアギト」にも登場しましたねえ。変身後にふうっと息を吐く様子は、温泉に入っているみたいで爆笑でした。今回のオヤジライダーは、キザなセリフがビシバシ決まります。ナメんなよ若造、男ってのはなあっていう感じがクールでした。男の言葉というのは、背負ってきたモンで決まるんだぜ。


とにかく本作は、内容が濃ゆい。怪人たちも、ザンジオーとか、ジャガーマンとか、毒トカゲ男とか、ヒルカメレオンとかいっぱい出てきます。昭和ライダーは、タックルとスカルマンと、Jが出ます。後、後半に登場したドラスという怪人は、真仮面ライダに似ているような…。ショッカー戦闘員もちゃんと出てきますのでお楽しみに、イーッ!



今回面白かったのは、帽子をきめるファッションを取り入れている点。松田優作の「探偵物語」でも帽子はトレードマークでしたが、吉川おやっさんと翔太郎君の男のこだわりポイントになっています。そして、フィリップの名づけ親もおやっさん。レイモンド・チャンドラーの小説に登場するフィリップ・マーローからきているとか。2人とも、違う個性の持ち主。それぞれの“男の部分”を引き出したおやっさんは、やっぱりカッコいい。


「仮面ライダー響鬼」では、悩める少年明日夢君に、ヒビキのおっさんが男を語るのが印象的だった。そうなのだ、少年には、憧れるおっさんが、アニキが必要なのだ。自分の男の部分を育ててくれる存在が必要なのだ。ちくしょうと思いながら、やがてたくましい青年になっていく…ああ、男の子の世界は美しいなあ。




「仮面ライダー」は、子供番組である。しかし、単なるコドモ向きではなく、背伸びする子供を養成する、男スクールなのだ。孤独と戦い、自分の運命と戦い、愛する者を守るために戦う。それは、誰かから強制されるのではなく、自らその道を選ぶのだ。だから、カッコいい。自分にしかできない、自分だけの戦いを、男は一生続けていかねばならんのだから。


男の子は、ある程度の年齢になると、人に甘えられなくなる。何でも反発したくなる。そして、自分より強い者を意識するようになる。自分の内面を考えるようになる。俺は、このままでいいのか。本当はどうしたいのか。己の心の中に耳を傾けるようになる…。


考えてすぐにわかるようなことなら、誰も苦労はしない。男はみんな、一生かかっても答えの出ないような難問を抱えて生きているのだ。子供から見ても、考えている大人かどうかはすぐにわかるもの。テキトーなことを言っているか、真剣に考えてくれているか、子供はすぐに見抜いてしまうのだ。


だから、子供と話す時は、大人は真剣にならなければならない。本気で質問されたら、本気で答えねばならない。それが仁義ってもんだ。だから、大人が真剣に語る時は、子供はちゃんと聞くこと。男は、逃げちゃイカンのだ。



本作は、子供映画ではなく、大人映画でもない。男の映画である。俺は、そう思いたい。子供は子供の、大人は大人の目線で、自分の答えを探せばいい。俺には息子がいないので、父親と息子でこの映画を見に行ける人がうらやましい。劇場を出た後は、たっぷりと語り合いましょう。


戦い方は、人それぞれ。不器用でも、小さなことでも、戦っている男の瞳は輝いているもの。女性のみなさんは、そんな男の孤独な戦いを見守って欲しい。そして、その美しい横顔を応援して欲しい。仮面ライダーに変身する瞬間こそは、大人の男になる瞬間なのだ。誰もが変わる。変身できる。キミだけがなれるライダーが、きっとある。


…男は、いつも心に変身ベルト。どんな敵にも、ライダーキィィィック!





【鑑賞メモ】

鑑賞日:12月13日 劇場:ユナイテッドシネマ新潟 15:30の回 観客:約100人

1人だけぎゃあぎゃあ泣いてる女の子がいましたが、男の子は全員静かに見ていました。いいねえ、お前ら、ちゃんと男の勉強しろよ!


【上映時間とワンポイント】

約1時間30分。何でも、バンダイが発売している関連商品の中に、ファッショングッズがあるらしい。帽子とか、ネクタイとか、パーカーとか、斜めカットのボーダーシャツとか…さあ、これでキミも翔太郎に、フィリップになれる!(通販もあり)


【オススメ類似作品】


「劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー」 (2009年8月公開)

監督:金田治、出演:井上正大。未見の人は、要チェックでしょう。死神博士のおんなじダジャレが登場します。おっさんは、同じギャグを何回も言うものです。全く、耳にイカですな。




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2009-12-18

パブリック・エネミーズ

テーマ:洋画

美化・美化・美化!ジョニデビーム炸裂! …狙った獲物は逃がさねえ!


ジョニデといえば、女子高生の二の腕…じゃなかった、ジョニー・デップであります。彼が今回演じるのは、1930年代に実在した伝説の銀行強盗、ジョン・デリンジャー。デリンジャーというと、有名な拳銃のアレかなと思ったんですが、あっちは “derringer”、こっちは “dillinger” なのでお間違えなく。


“public enemies” とは、“社会の敵” という意味。原作は、ブライアン・バロウ。監督は、マイケル・マン。


出演は、ジョニー・デップ、マリオン・コティヤール、クリスチャン・ベイル、スティーヴン・ドーフ、ジェイソン・クラーク、スティーヴン・グレアム、ビリー・クラダップ、スティーヴン・ラング、ドン・フライ。


さて、映画ですが、ストレートな作品に仕上がりました。子供向きの映画がひしめく現在において、唯一の大人映画。カップルで行くなら、絶対オススメの1本です。見終わった後は、男と女についてとことん語り合いましょう。その内容で、彼氏・彼女の心の底がわかるかも。


時代は、世界恐慌の真っ只中。不況風が吹き荒れる世の中において、金持ちの金のみを奪い、一般庶民からは何も盗らないという強盗が現れた。日本でいうところのねずみ小僧か。自分のルールを守り通し、己の美学に忠実に行動するストイックな男。警察が待ち受けているとわかっていても、正面から堂々と挑む男…くうう、カッコ良過ぎじゃん!




主演は、ジョニー・デップ。「シザーハンズ」のハサミジャガーも、立派な男になりました。彼の役者としての実力は、言うまでもないでしょう。男性から見ても、女性から見ても、魅力的な存在感。今回は、真面目で実直な男を演じています。女性ファンは、胸キュン(死語)場面もいっぱいあるのでどうぞお楽しみに。


ヒロインを演じるのは、フランス出身のマリオン・コティヤール、34歳。ジョニデが46歳だから、なかなかオイシイお相手かと。「TAX i 」 シリーズのヒロインを演じ、「ロング・エンゲージメント」 での演技が高く評価された実力派。本作では、出番とセリフが少ない分、表情で自己主張してますのでご注目。俺的には、浴槽のシーンでのふくらはぎが自己主張してたなあ、ムッフッフ。(パンフに写真も掲載されています)


ジョニデを追い詰める捜査官を演じるのは、クリスチャン・ベイル。おお、オトコマエ俳優ですな。「3時10分決断の時」の演技は素晴らしかった。「マシニスト」の眠気男、「バットマン・ビギンズ」の蝙蝠男、「ターミネーター4」の反逆男。反骨精神タップリのクールな表現力は、男から見ても惚れ惚れします。本作の演技は、「アンタッチャブル」のケビン・コスナーや、「L.A.コンフィデンシャル」のガイ・ピアースに匹敵するかと。しっかし、彼はいい男でんなあ。いいキャスティングだと思います。ジョニデとどっちが悪役なのか、どっちが社会の敵なのかは、劇場で判断して下さい。


この映画はどんな映画ですかと聞かれたら、ロマンチックな映画ですと答えましょう。ジョニデファンは必見。自称ロマンチストの男性も必見。男は、ロマンを語らねばならない。ジョニデが、何故この映画に出演したかを考えてみましょう。彼の純粋な瞳の奥に輝く、言い知れぬオーラを感じ取れるかな?




マイケル・マン監督は、俺的には、野郎映画の巨匠だと思っています。女を描くのはドヘタですが、男の描き方は天下一品。でも、女は脇役。だから、女性ファンは少ないでしょうな。でも、男の心を理解したいなら、マイケル・マン映画を見ておいて損はないと思う。理由はうまく言えないけど。


男は、カッコいいものに憧れる。自分よりカッコいいかどうかが、男の品格を比較する基準になる。女の子が、美しさやかわいさを比較するのに似ているかも。男の力関係は、男としての度量がモノを言うのだ。だから、統制の取れた男集団の力は物凄い世界がある。そういう視点で見ると、「ゴッドファーザー」がいかに偉大な映画であるかがわかる。男のバイブルは、映画の中にたくさんあるのだ。


実際のジョン・デリンジャーは、ジョニデほどイケメンじゃない。しかし、当時の基準で見れば、相当イケてる男だったんじゃないでしょうか。パンフにも写真が掲載されていますが、ご本人の瞳の方が、俺的には魅力的でした。カッコいいじゃん、オヤジ!




ジョニー・デップは、カッコよくて優しくてセクシー。その彼が演じるというだけで、存在が美化される。どんなにヒドい男を演じても、彼の持つオーラによって美化されちゃうのだ。だから、当の本人からすればいい迷惑なのかもしれない。しかしながら、彼は若い頃から映画が好きだった。ジョン・バリモアや、ダグラス・フェアバンクスに感化されていたらしい。(パンフ記事を参考)


そう考えると、自身の生き様を、未来の人気俳優が演じてくれるということは、映画ファン冥利に尽きるのではないでしょうか。彼もきっと、あの世からこの映画を楽しんでくれているんじゃないかと、俺は思うんです。「エド・ウッド」しかり、「フェイク」しかり、「ネバーランド」しかり、「リバティーン」しかり。ジョニデは実在の人物を演じるプロになりました。嫌われ者を演じても、彼が演じると一味違うから面白い。ジョニデそのものが、憎めないキャラなのだ。


映画のジョン・デリンジャーは、女の口説き方も実にストレート。まるで、本宮ひろ志のマンガみたいで爆笑でした。実際のジョニーなら、こんなベタベタな言葉は使わないでしょうけど、役になり切っている彼が言うからいいのだ。そこが、観客のお姉様方をキュンとさせるんでしょうなあ。


実際は、もっとワルの雰囲気が漂う男だったんでしょう。でも、ジョニーの演技を通して考えてみたい。彼が人の心を掴んだ魅力を、仲間が付いて来た理由を。彼が危険にさらされたら、ジョニデファンのお姉様方は、思わず身を挺して守りたくなるのではないでしょうか。


本作は、派手なメイクはなく、素顔での演技。彼のナイーブな演技を、ぜひ劇場でお楽しみ下さい。




男は、カッコよくて面白くて、気持ちいいものに憧れるもの。自分のやりたいことをやるのは、並大抵のことじゃ続かない。自分で決めたルールを守り、己の美学を貫いてこそ、真の男である。有言実行、不言実行。


生き方は、顔つきに表れる。ジョン・デリンジャーは、そうしたくてなったというよりは、そうするより他になかったのかもしれない。恵まれた人生をぬくぬくと生きるより、不遇な人生の中から自分の進むべき道を見出した方がカッコいい。犯罪者であっても、信念を持って生きた男には、独特の美しさがあるのだ。


マシンガンと、サングラスと、ストレートな言葉を武器に戦う男、その名はジョン・デリンジャー。その彼を渾身の力で演じる男、その名はジョニー・デップ。ジョニデがジョンデリを演じる。時空を超えて、2つの男魂がシンクロする。不景気のどん底で登場する、真のヒーローとなるか?さあ、お立会い!


酒もタバコもほとんどやらない。唯一の悪行が銀行強盗。銀行窓口のカウンターを、さらりと飛び越えるのが彼のトレードマーク。迷ってグダグダしているくらいなら、さっさと飛び越えちまえ。そして、飛び越えたら、後ろを振り返らずに突っ走れ。いいか悪いか考えているうちに、人生は終わってしまうから。


筋の通った、正々堂々としたワルがいたっていいじゃねえか。警察が待ち構えていようが、正面から突破する。構えた銃口は敵を狙い、股間のデリンジャーは好きな女をロックオン。金も女もしっかり頂くから安心しろ。ジョニデビームが美化っと光り、マシンガンが火を放つ。 …撃て撃て撃て、撃ちまくれ!暗い時代に風穴を開けろ!



【鑑賞メモ】

鑑賞日:12月13日 劇場:ユナイテッドシネマ新潟 12:15の回 観客:約50人

女性多し、カップル多し。おっさんの一人客もいっぱい。俺も、その1人。


【上映時間とワンポイント】

2時間21分。「笑う警官」にも使用された、あの曲が効果的に使われていますのでご注目。


【オススメ類似作品】


「ヒート」 (1995年アメリカ)

監督・脚本:マイケル・マン、出演:アル・パチーノ、ロバート・デ・ニーロ。マイケル・マン作品で一番好きなのは、やっぱりコレです。「ゴッドファーザーPARTⅡ」以来の、2大スター夢の共演。熱くて、クールで、男汁がほとばしる1本。銃撃戦もシビレました。バル・キルマーのイカレっぷりもカッコいい。女が完全に窓際に追いやられているところも、本作とおんなじです。男・男・男・男!男前豆腐をつまみに、ヒヤで一杯やりましょう。


「フェイク」 (1997年アメリカ)

監督:マイク・ニューウェル、原作:ジョセフ・D・ピストーネ、出演:ジョニー・デップ、アル・パチーノ。ジョニデが、実在の潜入捜査官を演じた映画。大物俳優を前に、ジョニーの堂々とした熱演が光る1本。俺はこの映画で、ジョニーの魂に男を感じました。


「アメリカン・ギャングスター」 (2008年アメリカ)

監督:リドリー・スコット、出演:デンゼル・ワシントン、ラッセル・クロウ。いい人風のワシントンが、犯罪者を演じるということで、本作と通じるものがあるのでチョイスしてみました。追いかける刑事は、ラッセル・クロウ。見事に、オヤジ映画です。音楽もカッコよかったので、サントラを買いました。男の世界っていいなあ。2人が対面した時の、懐かしい友達に会ったような笑顔がグッときましたねえ。


「エルム街の悪夢」 (1984年アメリカ)

監督:ウェス・クレイヴン、出演:ヘザー・ランゲンカンプ。ジョニー・デップの記念すべきデビュー作。まさに、エルム・ガイ。確か、主演の女の子の彼氏役だったかと思いますが、怪人フレディの餌食に…なるのかどうかは自分の目で確かめましょう。ちなみに、レオナルド・ディカプリオは「クリッター3」でデビュー、ケビン・ベーコンは「アニマルハウス」でデビューしてから「13日の金曜日」に出演。ホラー映画こそは、未来のスターを育てるのだ!




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2009-12-11

2012

テーマ:アニメ・特撮

さっぱり盛り上がらんなあ。 …こんなバカヤロウどもは、さっさと滅びてしまえ!


監督・脚本は、ローランド・エメリッヒ。出演は、ジョン・キューザック、アマンダ・ピート、キウェテル・イジョフォー、タンディ・ニュートン、ダニー・グローバー、ウッディ・ハレルソン。


さて、映画ですが、見ている人間の脳が崩壊しそうな、脱力感たっぷりのウルトラバカ映画に仕上がりました。映画を見れば見るほど、観客のムカツキ度はヒートアップ。エメリッヒ監督の脳は、メルトダウンまっしぐら!さあ、キミはこの悲惨な状況を最後まで見届けることができるか?


2012年に世界が終わってしまう。あと3年あるからとのんびり研究していた科学者は、予想以上に事態が悪化していくのを見て大慌て。土壇場では全く役に立たない。ビンボー人はただのエキストラ、わけもわからず死んでいく。エラい人と金持ちたちが本性むき出しで繰り広げる、傲慢ジコチュードタバタ不人情コメディ。…さて、人類の運命は?




主演は、ジョン・キューザック(旧型ザクじゃないよ)。「1408号室」の熱演がまだ記憶に新しい彼は、数字モノに縁がありますね。20階の12号室ではありませんので間違えないようにご注意。せっかく彼を起用したのに、この内容では実にもったいなかったなあ。本作は、彼のキャリアに何の関係もないでしょう。小遣い稼ぎか、罰ゲームだったってことでいいかと。


ヒロインは、アマンダ・ピートなんでしょう、たぶん。役柄は、主人公の元妻。子供をダシにして元ダンナをののしる割りには、利用するだけ利用するこのしたたかさ。さすがはアメリカの女。新しいダンナと古いダンナを対立させるポジションは、そぞかし気持ちいいでしょうなあ。…でも、奪い合うような女か?


役に立たない科学者を演じるのは、黒人俳優キウェテル・イジョフォー。木植えてる・いい情報と覚えたらいいかな。登場はそれなりだったのに、途中からどうでもよくなりました。はっきり言ってこの人、いらなかったですね。演技もドヘタ。「日本沈没」の豊川悦司の方が100倍カッコよかったと思います。


アメリカ大統領を演じるのは、ダニー・グローバー。存在感があるんだかないんだかという点では、「ディープ・インパクト」のモーガン・フリーマンとおんなじ。アメリカのリーサル・ウエポン(最終兵器)なんだから、もうちょっと盛り上げろよ、おっさん!もったいないなあ、メル・ギブソンがいないとダメか?「ソウ」の時のテンションはどうした?


とにかく、出演者のほぼ全員が、生命力ゼロみたいな連中。何とかしようにも、世界が滅ぶスピードの方が早くて、演技しているヒマがない(笑)。実力派俳優であっても、これじゃ力が入らんでしょうな。


しかしながら、唯一楽しませてくれたのが、久々に顔を見せたウッディ・ハレルソンでした。謎の山男を演じているんですが、彼が一番自己主張してましたね。世の中には、こういう状況を楽しむ連中もいっぱいいるはずだから、俺的にはそっちの方向でも盛り上げて欲しかったよなあ。上流階級の人情話もいいけど、社会の底辺にうごめく人間たちのたくましい生命力が見たかった。本作の中でだったら、ウッディと行動を共にしたいですね。




ということは、本作の主役はやっぱり特撮なんでしょうか。最新CG技術とミニチュアを合成したもんなんでしょうけど、見せ方がウソっぽい。日本の東映アニメじゃないんだから、あんなに都合よく壊れないでしょう。まるで、主人公だけはなかなか死なないようにプログラミングされているみたい。宗教映画ならそれもアリだけど、一般人の視点で見る映画としては、だんだんシラケてしまった。飛んでくる溶岩とかも、何だかヌルそう。発砲スチロール製だったりして。


大体、SF的要素も薄い。冒頭のちょこっとした説明だけで、あとはズルズル崩壊。揺れて割れて落っこちて、爆風、津波、火砕流。映像はリアルなんだけど、見せ方がうさんくさい。う~む、今どき特撮ってこんななんですね。時代は変わったもんだ。俺みたいなオヤジは、わくわくドキドキできませんな。まあ、若い世代にウケればいいでしょう。年末だから、ベートーベンの第九みたいなノリで、崩壊映像を楽しめればよろしいかと。




本作は、彼女とデートで行っちゃっていいのかどうか、正直わかりません。彼女が感動してくれればいいけど、シラケてしまった場合は、長いエンドロールの最中に、フォローする言葉を考えましょう。どうせ世界が滅びるんだったら今楽しもうよ、ってな具合にクドくのかな?俺はそういうの好きじゃないなあ。あ、彼女の方からそんな風に迫ってきたりして。うわあ、こりゃ大変だ。魅力的な紳士淑女のみなさんは、くれぐれも相手を選びましょう。


ディザスタームービーっていうジャンルは、大抵が教訓めいた着地点があるものですが、この映画はどうなのかと。言いたいことはいっぱいあるんだけど、ネタバレになるのでそこは最小限に。まあ、年末のワーストランキング記事では絶対書くことになると思うので、見に行くつもりの人はお早めにどうぞ。




災害は、忘れた頃にやって来る。予言や占いは、信じている人にとっては死活問題。人は常に、何かに怯えながら生きているのだ。ああなったらどうしよう、こうなったらどうしよう。心配ばっかりの人生。がんばってどうにかなることと、いくらがんばってもどうにもならないことがある。


不安や心配は、人を動かす原動力である。仕方なく動くのと、いてもたってもいられずに動くのとでは違うでしょ。地震でも大慌てするんだから、未曾有の大災害なら超パニック。それが人類全員で一斉に起こったら、もうすでにその時点で世界崩壊でしょう。救助もへったくれもない。みんな自分のことで精一杯!


でも、こんなにすごい早さで崩壊するなんて、地球って結構小さいんですね。そして、感動的なモロさです。まあ、地盤のユルいところに家を建てたら崩落した、と思えばいいか。不動産の権利があるからここは自分の土地だと思っても、所詮は地球規模で見たら借り住まいですから。のっかっているだけですから。




映画では、マヤ文明の予言がもとになっているようですが、説明はほんの冒頭のみ。太陽の活動が活発になり、強力な放射線が降り注ぐことによって地球の磁場が弱まり、壊滅的なダメージを受ける…というような説明だったような。つまり、太陽がムラムラと絶倫になりすぎてコーフンし、地球が陵辱されるということか。


だから、太陽をあまり刺激しないようにしましょう。ねえ太陽さん、そんなにイライラしちゃイヤよ。あんたが怒りまくると、あたし干上がっちゃってお肌の水分がなくなっちゃうの。そしたら、青く美しいカラダはもう見せられなくなっちゃうのよ、そんなの絶対イヤだわ。だからお願い、そんなに荒れないで。いつもの優しい光であたしの感じるところを照らして欲しいのよ…ってなことを、地球上の美しいお姉様方たち全員で祈りましょう。ぜひ!


ねえ太陽のアニキ。太陽系には色んな美しい女惑星たちが、あんたの周りを今もこうして忠実に回っている。その中で、あんたの一番のお気に入りはどれだ?エキゾチックな木星アネゴか?小柄な水星か?それともオシャレな土星ギャルか?いやいや、そうじゃないだろ、俺にはわかるんだ。あんたのお目当ては、ブルーの瞳を持つ地球だ。あんなに美しい惑星は、そんなにあるもんじゃねえ。ほどよく湿っていて、一日かけてゆっくりカラダを見せていくしおらしさ。あんたのワイルドな光の力加減で、熱くなったり冷めたり、時には激しく燃える。それは、あんたにもっと愛して欲しいからさ。あんたにぞっこんなんだ。いじらしいじゃねえか。こりゃあ上玉だぜ。大事にしなよ、あんたの一番の宝もんを…ってなことを、地球上の美しいイケメン全員で祈りましょう。ぜひ!




よし、これくらい言っておけば、太陽のアニキもわかってくれるでしょう。太陽こそは、究極のセクシーダイナマイトなんです。だから、太陽のアニキは、チンケな男を許してはおかん。本作に登場する、ジコチューな金持ちどもは、アニキが生かしておかねえ!頼むぜアニキ、地球にとって未来を切り開く人間をチョイスしてくれ。それがあんたの本命である地球の幸せにもつながるんだから。


地球姉さんも、太陽アニキをうまくなだめて下さいな。監視役の月がグルグル回るのがうっとうしいのかな。いいじゃん、宇宙最強の彼氏がいるんだからさ。時たまやってくる流星なんかに心を奪われちゃイカンよ。姉さんも、美しいカラダを保つの大変だろうけどさ。俺たち、ここで生まれたから、あんたの一部なんだ。環境問題うんぬんで迷惑かけるけど、何とかみんなでがんばるからさ。機嫌直してよ。笑っている地球姉さんは、最高に綺麗だからさ。姉さんは、俺たち地球人の誇りなんだよ。


おお、いつの間にかずいぶんスケールのデカい話になってしまいました。どうせSFを語るなら、これくらいのテンションでいきましょう。どうも映画自体が暗いので、少しでも明るい記事にしようと思ったんですが、どうでしょう?




これほどの天変地異が起きるというのなら、もはや人間の力の及ぶところではないでしょう。だから、誰のせいでもない。誰かのせいにしてもしょうがない。避けられようがないなら、最後まで自分の好きなことやって死を待とうじゃないの。逃げ回るのも疲れそうだし、そんなに体力ないし。


主人公を含む主要人物だって、自己中心の塊。死を目前にすると、やっぱり本性がむき出しになるんでしょうね。しかしまあ、醜いよなあ、人間って。本作を災害シミュレーションにして、自分だったらどうするかを考えてみましょう。すぐに終わる人生であっても、最後まで自分らしく生きたいから。




俺は、間違ってもあの連中の仲間には入りたくないと思いました。どうせ死ぬなら、真っ先に死んでもいい。最初の爆風とか噴火でわけもわからずどわーって感じで即死。それでいいです。生き残ろうとがんばっても死ぬ人は死ぬし、がんばらなくても生き残る人は生き残る。そこはやっぱり、運なんでしょう。


世界が終わる、自分の命がなくなるということは、今やっていることのほとんどが無駄になってしまうということ。その事態に対峙した時に、自分の思考がどうなるか。俺は、これから3年間、そういうことをを考えていきたいと思います。それが、この映画を見たことを生きる力に変えることになるんじゃないかと。


たぶん、食って寝ることだけ考えるようになるのかな。でも、家屋が崩壊して食糧も奪い合いになるから、がれきの下敷きになる前に飢え死にでしょうな。なまじ食い物を持っていると、暴徒のえじきになっちゃうかも。家族を守れるかどうかもわからない。そこは、夫として父親としてやれるだけのことはやる。でも、それで守れなかったらしょうがない。その途中で死ぬのもよし。問題は、1人で生き残った場合にどうするか。


電気が止まれば、映画も見られないから、本を読むことになるかな。そうだね、図書館に行こうか。あれだけ本があれば、何かしら残っているでしょ。そこで、命が尽きるまで本を読み続けよう。そこには、本が好きな子供が隠れているかもしれない。漢字が読めない子がいたら、俺が朗読してあげようか。できれば、食べ物が出てこない本がいいかな。声のきれいなお姉さんが朗読してくれたら、俺が聞き役にまわろう。


本がなくなったら、俺の頭の中の物語を聞かせてあげよう。みんなで考えて、オリジナルのお話を作るのもいい。腹減って死ぬまで、想像力と創造力で楽しみたい。その時に、小さなうれしいことがあったら、奇跡だって言ってみんなで思いっきり泣こう。最後の瞬間まで、能天気な夢を語って死んでいくのも悪くない。


自分の命すら守れないんだから、人を助けるのは無理かもしれない。何をやってもダメなら、せめて自分らしく死にたい。最後の最後に強烈な恋愛をするかもしれないし、酔っ払ったまんま凍死するかもしれない。それもいいじゃん。看取ってくれる人がいれば幸せ。いなくても、自分で自分を褒めてあげようじゃないの。よくがんばったって。それでいいよね、地球姉さん。死んだら、あんたの一部に戻れるんだ。俺の素材で、未来を生き抜くカッコいい男をまた創造してくれ。 …今考えられるのは、それくらいかな。




本作の原作にあたるのは、きっと旧約聖書の創世記第6章でしょう。いわゆる、ノアの方舟の物語。でも、映画自体は、宗教映画にはなっていない。あくまでも、一般の視点で考えろということかでしょうか。人類の運命がどうなるかは、劇場で確認して下さい。エメリッヒがつき放したからには、観客は自分の力で食らいつけということか。


世界中が滅んでも、どこかに生き残った人がいるかもしれない。俺はいると思いますよ。金持ち連中が知らないところで、たくましくがんばっている人が…俺はそう信じたい。だって、その方が面白いじゃん!


ノアの物語では、オリーブの葉をくわえた鳩が飛んできますが、俺のイメージは違う。ここは、鴨がネギをくわえて飛んでくることにしよう。おお、これよこれ!ようし、今夜はスキヤキだ!地球壊滅記念パーティーをするぞ、じゃんじゃん飲め!地球が壊れる前に飲み干せ!どうせ限られた人生だ。最後まで楽しもうぜ。 …ビューティー地球姉さん、万歳!太陽アニキのDVなUVに屈するな!





【鑑賞メモ】

鑑賞日:12月7日 劇場:ワーナーマイカル県央 18:30の回 観客:約15人

年配のカップルと、女性の1人客が多かった。あ、そういえばレディースデイだっけ?


【上映時間とワンポイント】

2時間38分。「沈まぬ太陽」は面白かったから時間の長さは意識しなかったけど、これは長く感じる。どうでもいいシーンが長いのが拷問に近い。せっかちな人ほど、いいからさっさと滅んじまえって思うかも。


【オススメ類似作品】


「インデペンデンス・デイ」 (1996年アメリカ)

監督・脚本:ローランド・エメリッヒ、出演:ウィル・スミス。エメリッヒ作品では、これが一番のお気に入り。SF映画としての面白さのツボを心得た傑作。細かい点がショボいところも魅力。主人公が宇宙人を拳でノックアウトする場面はサイコーでした。こういうインチキくさい要素が大事なんだよなあ。バリヤーなんていうワクワクする仕掛けや、「宇宙戦争」のネタなんかもあって楽しめます。本作と共通してるのは、飛行機の操縦って結構簡単なんだなあっていうこと。


「ザ・コア」 (2003年アメリカ)

監督:ジョン・アミエル、出演:アーロン・エッカート。地球の地殻変動によるパニックという点では、本作と共通。しかしこちらは、アホな見せ場がタップリ。やっぱりSF映画はこうでなくっちゃなあ。どうせなら、抵抗しましょうよ。立ち向かいましょうよ。知恵と勇気とバカな発想力こそが、人類を救うのだ!


「妖星ゴラス」 (1964東宝)

監督:本多猪四郎、原案:丘見丈二郎、出演:池辺良。何度も紹介しますが、これこそが世界最強のトンデモSF映画。重力が地球の6000倍もある黒色妖星ゴラスが、地球に衝突するまであと2年。ゴラスの軌道変更は無理なので、南極に巨大エンジンを取り付けて、地球を動かしてよけてしまおうという作戦が開始された。どうですか、このウルトラバカな発想。子供の提案を聞いて、それはいい!とあっさり採用してしまう人類ってスバラシイ。こういう前向きなカッコいい大人たちが、未来を作っていくんですねえ。最後は、世界の人たち全員でバンザ~イ!ああ、日本という国に生まれてよかった。空想映画というのは、ダイナミックなパンチが大事なんだぜ!




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2009-12-06

沈まぬ太陽

テーマ:邦画

なせばNAL 。 …この男の前では、太陽も沈むヒマがない!


やっと見に行くことができました。何せ3時間半もある長編なので、ベストコンディションで臨まなきゃと思っていたら、いつの間にかレイトショーが終了。ああ、もう沈んでしまったかと思いきや、次週には復活。おお、また太陽が昇ったぞ、よし、行こう!


えっ、でも残業?はいはい、喜んでやります。ああ、でもこんな時に…ううむ、俺が沈んでどうする。で、またレイトがなくなり、太陽は再び沈む。よし、土曜は休みだ、今度こそ行くぜ!えっ、金曜に忘年会?はいはい、喜んで飲みますよ。泥酔してくたばって、翌日ヘロヘロになってフラフラと映画館に…ってベストコンディションじゃないじゃん!


そういうわけで、忙しい男ほど、この映画を見ましょう。じっとしていられない行動派のみなさんも、あっという間に過ぎてしまう3時間半です。新潟県人としても、見逃せない1本。


原作は、山崎豊子の同名小説。刊行から10年の時を経ての、待望の映画化。監督は、若松節朗。脚本は、西岡琢也。撮影は、長沼六男。音楽は、住友紀人。主題歌を歌うのは、福原美穂。


出演は、渡辺謙、三浦友和、デスレコード松雪泰子、ゼブラナース鈴木京香、石坂浩二、香川照之、木村多江、清水美沙、鶴田真由、柏原崇、戸田恵梨香、大杉漣、西村雅彦、草笛光子、宇津井健、小林稔侍、加藤剛。


さて、映画ですが、人間の精神的な力を描いた力作に仕上がりました。本作のすごさを、一言で言い表すのは難しいでしょう。いい映画です。ぜひ劇場のスクリーンでじっくりとご覧下さい。そして、自分の心の中に問いかけてみましょう。人間とは?命とは?家族とは?仕事とは?


昭和30年代、国民航空の労働組合委員長として、労働条件の改善に取り組んだ男が主人公。彼のモーレツ社員ぶりはすさまじく、強気の姿勢で交渉を成立させていく。彼は英雄であったが、会社の上層部の人間を敵にまわしたツケは、突然の海外勤務という形で跳ね返ってくるのであった…。




主演は、新潟県が生んだスーパースター・渡辺謙。間違いなく本作も、彼の代表作の1本になるでしょう。自ら原作者の山崎氏に直談判をした話は有名ですが、山崎氏御自身も、映画化を熱望していたらしいので、彼女の心を動かすだけの情熱が、彼の中にあったんでしょう。そのみなぎるパワーが、あふれ出る生命力が、画面から伝わってきます。まさに、渾身の1本。これを見ずして、ケン・ワタナベは語れない!


主人公の妻を演じるのは、鈴木京香。彼女にお帰りなさいって言われると、何だか男としてのDNAがムズムズするなあ。昭和のギラギラモーレツ社員も、彼女の前では一人の男になれるような、そんな雰囲気。妻としても、母親としても美しい演技でした。


もう一人、松雪泰子にも注目したい。最近の彼女は、いいオンナの匂いが漂っています。つい先日見たキャラ的には、「笑う警官」とかぶるかもしれませんが、戦う男たちを見守るような立場に身を置くと、彼女は映えるんですねえ。NALの制服がよく似合ってました。ヒロインではないけど、ある意味ヒロイン。ゼブラナース鈴木とスチュワーデスレコード松雪。次は女の戦いで共演していただきたい。


中盤から登場する石坂浩二は、お客の安全と信頼を大事に考える男。いい人だから、気がつかないこともあるんですね。大杉漣は、優しくて誠実で、気が弱いおじさんの役。香川照之は、じっと耐える男。三人とも、男として魅力的でした。こういう人たちがいっぱいいるといいんだけどね。


わかりやすいキャラとしては、西村雅彦がピカイチ。冒頭のシーンから、いかにもな登場で爆笑でした。ズル賢そうで、気が小さそう。「ゴッドファーザー」のフレディを思い出すなあ。こういう役はピッタリですね。それから、小林稔侍。いい人そうに見えますが、何せ副総理ですから。シルバー仮面柴俊夫も、神山繁もいい感じで悪そうでした。他にも、腹黒そうなおっさんたちがウジャウジャ登場しますのでお楽しみに。




特筆すべきは、三浦友和でしょう。主人公の戦友役として登場し、マツユキをゲットするオイシイポジション。主人公とは対照的に、出世街道まっしぐらの男をクールに演じていきます。地味な役柄ですが、アクティブでダイナミックな主人公とのバランスが非常によかった。


眼鏡の向こうから注がれる視線の中に、主人公と張り合いながらも、どこか分かり合っている微妙な心を感じます。静かに燃える、青白い炎。スーツの着こなし指導は、洋服の青山でしょうか。彼は、役者としてどんどん磨かれていきますね。「ヘブンズ・ドア」のマヌケ刑事ぶりもカッコよかったけど、本作のナイーブな演技も捨てがたい。彼の演技の支えがあってこそ、主演の渡辺が光ったんだと俺は思います。これからも、演技の幅をどんどん広げてがんばって下さい。




この映画はどんな映画ですかと聞かれたら、自分の生き方にこだわり続けた男の映画です、と答えましょう。どんな組み合わせで見に行ってもいい。友達同士もよし。カップルもよし。若い人も、年配の人も、外国人の人も、日本の男ってこういう生き物なんだってわかってもらえたらそれでいい。苦悩の人生を生きた人ほど、この映画の価値がわかるはずだから。ただし、巨大企業の幹部社員のセンセイ方は、それなりの御覚悟を。


だからといって、気合いを入れて見に行く必要はありません。何かのついででもいい。見る機会があったらぜひご覧下さい。できれば劇場のスクリーンで。渡辺謙という男が、俳優生命を賭けて挑んだ意味が、きっとわかると思うから。いい仕事したね、ケンさん。


本作に出て来る国民航空のモデルになった会社は、間違いなく日本航空でしょう。JALではなく、NAL 。でもこの映画は、JALバッシングではなっていないと思います。会社である以上は、どこにおいても色んな問題があるもんだし、JALの社員にだって色んな人がいる。むしろ、JALにはこういういい社員もいっぱいいるんだということをアピールする材料になる。これを悪い方に捉える人の心こそ問われるべきじゃないかと。


だから、堂々とクレジットに “協力 日本航空” と画面いっぱいに出して欲しい。ぜひ。そうやって、JALはお客様の安全を第一に考え、そのための努力を惜しみませんっていう風にプラスに宣伝すればいい。映画製作に対して妨害工作なんか考えてる場合じゃないぞ。そういう輩こそ、リストラの対象にすべし!…ANAがあったら入りたい、なんてつまらんダジャレ言ってる場合じゃないぞ!




いつの時代にも、モーレツ社員という存在は確実にいる。したたかさだけでは、大きな仕事はできない。多くの人の心をつかみ、惹きつける魅力がある人が必要なのだ。これは昭和の時代の話だから、などとヤボなこと言っちゃいけません。現代にだって充分通じる内容です。本気で生きている人であれば、それがわかるはず。


モーレツ社員という死語を使ったついでにもう1つ。縁の下の力持ち、という言葉があります。1人の人間が成功するには、その影で多くの人が協力してくれている事実を忘れてはいけない。すぐに結果が出ない仕事であっても、今やるべきだと思ったらやる。誰もやりたがらないけど、誰かがやらなきゃいけない仕事がある。そういう仕事をすすんでやれる人こそが、本物のヒーローなのだ。俺は色んな仕事したけど、そういう人たちが一番カッコよかった。




会社というのは、慈善団体ではなく営利団体だから、利益が出ないことには存在できない。会社存続のためには、どうしてもやらなきゃいけないこともたくさんある。そこで求められるのが、協調性というもの。いわゆる、空気が読めるかどうかというポイントですな。そういう人がたくさんいるからこそ、多くの人間が生きていける。ルールが守られる前提があるからこそ、青信号でためらいなく道路を横断できるのだ。


ところが、社会には暗黙のルールというものが存在する。その組織内においての常識がある。俺は5回転職して6つの職場で働きましたが、みんな違うルールだった。今までの経験なんて、全く意味がなくなってしまうくらい。


もしかしたら、働く上で一番大事なのは、適応能力なのかもしれない。おんなじ仕事を何十年も続けていられる人は特別な部類。覚えたとたんにその仕事がなくなってしまうこともあった。やっと一人前になったら、会社が倒産したこともあった。今の仕事だって、いつまでさせてもらえるか保証はない。現代は、そういう人がたくさんいる。


だからこそ、何をするかよりも、それをすることで自分がどうなるのかに重点を置きたい。俺は、そう思うんです。どんな仕事だって、必死になればちゃんとこなせるようになる。映画の渡辺謙が、どこに飛ばされようが、ちゃんと仕事して結果を出している姿に俺は感動しました。裏切られても、理不尽な扱いをされても、彼の生き方を見ていたら勇気が出る。だから、香川照之の存在がとても心にしみた。




仕事上の人間関係は、友情を超えたものがある。言わば、戦友のような関係でしょうか。家族や友達にも言えない苦悩も、わかり合える関係。立場や部署を超えて、ある瞬間に誕生する深い絆。相手の役には立てなくても、気持ちはわかってあげられる。そういう感情って、俺は大切だと思うんです。


仕事なんだから、クールにこなしていく。機械のように淡々と終わらせていく。俺、そういうのダメなんですね。どんな状況でも、俺がやるからには、ドラマチックな仕事にする。どうせやるなら、仕事そのものを楽しむ。混乱を楽しむ。もうダメだ、と思った時にこそ、タバコに火をつけて考える。このまま終わっちゃつまらんだろうが、って。


映画の主人公がどうしてそこまでこだわるのか、映画には明確な説明はありません。あるにはあるけど、それだけじゃねえだろ、と俺は思う。それは、彼と行動を共にすればわかることなのかもしれない。男っていうのは、そういうもんだから。理屈じゃねえんだ、説明してるヒマなんかあるか、いいから、黙ってついて来い!…うっひょ~、シビレますねえ、昭和のオヤジ!




大きな仕事ができる人は、やはり大物である。小さな仕事を丁寧にこなしていく人は、堅実である。適材適所という言葉があるように、その人にふさわしいポジションといものが絶対にあるのだ。もがいて苦しんでいるうちに、そういう居場所ができていって、いい感じで収まるようになる…というのが俺の理想かな。


誰だって、面倒は避けたい。簡単にできて、結果がすぐに出る方に心が動く。だけど、そればかりでは、味気ない人生になってしまう。いい仕事して、うまいビール飲むのがいいんだもんね。だからこそ、うまいビールを飲む資格のある男になるために、いい仕事しなくちゃね。




今している仕事も、いつかは終わりが来る。その時に、自分の心の中に何が残るか。若者たちに、胸を張って語れる言葉があるか。誰も認めてくれなくても、自分に恥じない生き方をしたと堂々と言えるか。男は、そこが大事だと思う。ダメだと嘆いていてばかりいたら、未来はどんどん暗くなってしまう。これも悪くないぞと思えば、その瞬間から未来が変わっていく。どうせなら、楽しい方向に考えたい。そう思える精神力があれば、ちゃんと前に進むから。


太陽は沈んでも、俺の太陽は沈まねえ。モーレツ社員に降り注がれるのは、光り輝くサンシャイン。いい仕事は、燃えるような情熱から生まれるのだ。なせばNAL 。何とかNAL 。自分の仕事を愛せ。自分の仕事に誇りを持て。 …イヤな奴の向こう側に確実に存在する、お客様の喜ぶ顔を目指して飛べ!





【鑑賞メモ】

鑑賞日:12月5日 劇場:ワーナーマイカル県央 12:40の回 観客:約15人

今日は、売店に人がいました。まあ、土曜日だもんネ。ちゃんとコーヒー買いましたよ。


【上映時間とワンポイント】

3時間22分。途中に10分間の休憩あり。残り時間がカウントダウンするサービスは、なかなかよろしい。ちなみに、この時に流れる曲は、事故の犠牲者の遺族の方によるものだそうです。映画の後は、ぜひ牛丼を食べにいきましょう。…映画を見ると、絶対食べたくなると思いますよ。


【オススメ類似作品】


「クライマーズ・ハイ」 (2008年)

監督:原田眞人、原作:横山秀夫、出演:堤真一。本作を見て、真っ先に思い出すのはこの映画でしょう。まだ記憶に新しい。報道の視点で描いた作品なので毛色は違いますが、現場の空気を表現した臨場感は圧倒的。この映画と本作は、見る順番によって印象がまるで変わるかも。


「不撓不屈」 (2006年ルートピクチャーズ)

監督:森川時久、原作:高杉良、出演:滝田栄。国税庁を敵に回して戦うおっさんの物語。心優しい真面目な男が、本気で戦う姿はカッコよかった。彼の戦い方にご注目。本作にも通じるテーマだと思います。


「226」 (1989年フィーチャーフィルムエンタープライズ)

監督:五社英雄、原作:笠原和夫、出演:萩原健一。本作での渡辺謙のキャラが、そっくり三浦友和に移ったような役柄なのでご紹介。この映画の演技で、彼の静かな魅力に気がついたと記憶しています。アクティブな役柄がいいという人には、「悲しきヒットマン」という東映ヤクザ映画もあります。

「ALWAYS 三丁目の夕日」 (2005年日本テレビ)

監督:山崎貢、原作:西岸良平、出演:吉岡秀隆。昭和30年代を、明るく優しい視点で描いた作品。この映画でも、三浦友和が町医者役で登場します。本作を見た後でこれを見ると、とっても切なくなる。特にヤキトリが…。




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