FUJITA'S BAR
2005-08-30

ランド・オブ・ザ・デッド

テーマ:洋画

なんだか心が和みました。変な話ですけど。


作品自体は、いたって普通の映画です。むしろユルい展開なので、そんなに興奮するものでもありません。

でもねえ、これがいいんですわ。こういう作風の監督だから。なんか懐かしいです。


最近は、「バイオハザード」 「28日後…」 「ドーン・オブ・ザ・デッド」のリメイクなど、ゾンビ映画がやたらと公開されているだけに、本家本元の登場は喜ばしい限りです。

ジョージ・A・ロメロ監督といえば、知る人ぞ知る、ホラー映画の巨匠。知らない人のために少しだけ説明すると、世界初のゾンビ映画「ナイト・オブ・ザ・リヴィング・デッド」(1968年)で一躍有名になり、2作目「ゾンビ」(1978年)で不動の地位を得て、3作目の「死霊のえじき」(1985年)ですっかり巨匠になってしまいました。


これらは「ゾンビ3部作」などと呼ばれ、ホラーファンの間ではバイブルのような存在。ちなみに2作目の原題は、「ドーン・オブ・ザ・デッド」、3作目は、「デイ・オブ・ザ・デッド」 つまり、1作目から順番に言うと、「ゾンビの夜」、「ゾンビの夜明け」、「ゾンビの日」となります。わかりやすいですね。


そしたらなんでしょう、今回は 「ゾンビの島」? いや、国かな。なんだかわからないけど、ロメロじじいが何か新しいことやろうとしているらしい。気になったので、急いで見に行って来ました。


話は、いきなり始まります。今さら説明などいらんだろうという、自信というか手抜き。もともとは、変な宇宙線の影響で死人が甦ったという、SFもどきだったんですが、今となってはもうどうでもいいみたい。ゾンビがうろついている状況もなれてしまえば日常です。


俺的に印象深いシーンは、ゾンビがわっと現れて、ゾンビが驚くところ。笑えました。それから、おねーちゃんがつかまって食われるときに、ヘソピアスを食いちぎられる場面。肉がピーン、ブチッて。うー痛そう。


『ランド』って、上流階級の人間が、水に囲まれた土地にビルを建ててシェルターのごとく住んでいるところを、ゾンビたちが侵略していくところからつけたのかも。まあ、でもどうでもいいや。説明もないし。


ロメロ演出の特徴は、ユルい展開とじわじわ迫る狂気だと思います。ゾンビ映画以外でも、「ザ・クレイジーズ」や「マーティン」などで、人間そのものの狂気を見事に表現しています。観客もこのユルさをしっかり楽しむ土台ができているので、作る方も見る方も安心して楽しめるような雰囲気があるのです。


例えば、日本には「ゴジラ」という不滅のシリーズがありますが、背筋を伸ばして見たくなるのは1作目くらいで、後の作品群は、演出がユルいことで定評があります。でも、ゴジラだから許せちゃう。そういうのって、あるでしょう。なれ合いはよくないけど、お約束みたいなものっていいと思うんです。

ゾンビの恐さって、アメリカ人のベトコンに対する感情に通じているものもあると、俺は分析します。倒しても倒しても起き上がってくる。無表情でじわじわと攻めて来る…。音もなく忍び寄って来る…。 


日本人だったら、延々と恐がって逃げるよりも、捕まって仲間になる方を選ぶかも知れませんね。


ロメロ以外にも、ゾンビ映画はたくさん作られました。イタリアのルチオ・フルチなどはその代表ですが、ロメロは気を悪くすることもなく、『こういうの好きだなあ。』 なんて実におおらか。永井豪並みの心の広さ。こういう姿勢がゾンビ映画を発展させたのかも知れないですね。


今回の映画も、ユルさ全開。ショボいギャグも健在。作り手と観客の和んだ関係が、ひしひしと伝わってくるではありませんか。ロメロは幸せだなあ。こういうじじいになりたいもんです。


ロメロじじいは今年で65歳。まだまだイケます。自分がゾンビになっても、撮り続けて欲しいものです。


人間の中にもいい奴と悪い奴がいるように、ゾンビの中にも仲間を守ろうとする奴がいたりする。どっちがいいか悪いかなんて関係ない。それぞれの行くべき方向に行くだけ。なんだか哲学的な香りもする映画。


ゾンビ映画は不滅ですね。やっぱりゆっくり歩くゾンビがいい。この間の「ドーン…」のリメイクは全力疾走していたけど、あれはいただけないなあ。ゆっくりいきましょうよ。のんびりと。





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2005-08-26

ヒトラー ~最期の12日間~

テーマ:洋画

この手の映画は、コメントが難しいのですが、あえて言わせていただければ、『勉強になる映画』です。


歴史上の悪役は大勢いますが、彼ほど有名な人物もいないでしょう。今までもいろんな形で映画化されてきましたが、ここまで踏み込んだ作品はなかったようです。


監督はオリヴァー・ヒルシュビーゲル。舌をかみそうな名前のこの人は、「es」がヒットして勢いに乗ってる有望株。主演は、「ベルリン天使の詩」の名優ブルーノ・ガンツ。この二人の勇気を讃えたいです。


ヒトラーが行った数々の悪行を思えば、今さら人間的にどうのこうの言ってもしょうがないかも知れません。でも、画面に映るのは、寂しそうな老人。時たま癇癪を起こして周囲に怒鳴り散らしますが、もうかつての面影はない様子。死に至るまでの12日間が、淡々と過ぎて行きます。


語り部は、秘書を務めた22歳の女性。彼女から見れば、ヒトラーはやさしい上司であり、憧れでもあります。どんなひどいことを行ったかを後で知っても、彼個人に対しての感情は、きっと変わらないでしょう。人間関係って、そんなものだと思います。


憎らしい相手をついに見つけ出し、いざ追い詰めてみたら実は子供がいて、『とうちゃんになにするんだ!』などと言われたりする場面、よくありますよね。通せんぼする坊やの肩越しに、泣きながら謝る初老の男。ああ、なんてこったい。 『もういいや、今までのことは許してやるから、その子のためにいい父親になるんだぞ。わかったか、バカ野郎!』 なんてことになります。


つまり、どんな悪い奴でも、どこかで人間的な一面を見せるもの。営業でいつもニコニコしている人は、家に帰ればブスッとしているかも知れない。お笑い芸人は、仕事以外ではおとなしいかもしれない。普段おとなしい人ほど、ワイルドな趣味を持っているかもしれない。堅物で通っている人ほど、変態的なプレイを楽しんでいるかもしれない。


人間は、どこかでバランスをとるものなのかもしれませんね。そうしなくては、心が破綻してしまうんです。いいことするにも、悪いことするにも、仲間が必要なんです。本当に強い人は一人でドンドン実行してしまうけど、大抵の人は、悩みながらやっているもの。他の人達の協力がなくては、大きなことは出来ない。


その周りの人達をないがしろにして、いいことは自分のおかげ。悪いことはお前のせい。これではたまりませんな。独裁者って、みんなこうなんだろうか。麻原○光とか、金正○とかもこんな感じかな。


大人と子供の違いって、責任能力だと思うんです。人のせいにばっかりしている奴は、人望がない。信用されないから、仲間がいなくなっていく。で、みんなの気を惹こうとして、へんなことをやる。余計に嫌われる。もう悪循環。合コンでも、こんな人いますよね。


はっきり言ってこの映画のヒトラーは、組織のボスとして、カッコ悪い。情けない。かつては凄かったんだろうけど、今は見る影もない。攻撃だけの生き方って、いざとなるとモロいし、どんどん孤独になっていってしまう。助けを求めようにも、プライドが邪魔して素直になれない。ああ、苦しいことこの上なし。


怒られてばかりの側近たちも、ないがしろにされる国民も、ひたすら気の毒です。なんでこんな奴に従ったんだろう。こんな奴を首相に選んでしまったんだろう。みんなが望んで選ばれた人が、国を滅ぼすことになろうとは、皮肉ですね。


選挙も近いし、投票に行く時はよく考えようと思います。


余談ですが、じつは俺、ヒトラーと誕生日が同じなんです。ちなみにチャップリンは、彼の4日前に生まれています。ヒトラーと同じ日に生まれて、チャップリンの映画を見て育った人間としては、何だか他人事に思えなくて…。 犯罪の妄想とかすると、結構ヤバイなって時あるもんね。 いや~、感慨深いものがあります。


やい!世界中の独裁者ども!この映画を見てちゃんと勉強しろ! 部下を大事にする男になれ! そして、『やさしい王様』 になってくれ。頼む。

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2005-08-23

ノロイ

テーマ:邦画

凄い映画を作ったもんです。感心してしまいました。


ドキュメンタリー風の作品というと、最近では「オープン・ウォーター 」がありましたが、これも大したもんです。口コミで結構広がる可能性大ですな。


ホラーはやっぱり日本のものがいい。しかも、新しいものを作り出そうとする努力が感じられる映画は、見ていてうれしくなってしまいます。


ただしこの映画、相当マニアックなので、一般の人には刺激が強すぎるかもしれませんので、ご注意を。

俺の前の席で見ていたカップルも、気分が悪くなったらしく、途中退席して行きました。


主人公は、ホラードキュメンタリー作家の小林雅文。行方不明になった彼が残していったビデオテープ。なんかよくある設定ですが、かなり本気モードで物語が展開して行きます。


役者さんは、いっさいクレジットなし。アンガールズ、飯島愛、荒俣宏などは一発でわかりますが、他の人は、見たことあるような気がするけど誰だっけという感じ。


そして、徹底したドキュメンタリー・タッチ。美人や美男は一切使いません。そこら辺にいるような人ばかり。近所の人なんか、モロにすっぴん。息苦しいような異世界が、画面上に展開して行きます。


韓国のホラー映画でこんなのがやたらありましたが、何と言うか、気合が違います。作品に注いでいる情熱が違います。真似っ子ばかりでは、本当に人の心を動かす作品は作れないと思うんです。魅力のない人物が、だんだんと魅力的になっていく。嫌いだなと思っていた奴に感情移入していく。それって、作品の力そのものだと俺は思うんです。


全編を通して、イヤ~な雰囲気作り。低音を効かした控えめな音楽。リアルな驚きのリアクション。一瞬だけ写る幽霊。異常な声。発狂する女。物凄い形相。呪いの儀式の凄まじさ。あちこちに張った伏線。いや~、盛り上がりますなあ。


特筆すべきは、霊能者の堀光男さんでしょう。この人、はっきり言って役に立ちません。頼りない上に、精神が不安定で、臆病で、行動力もなくて、社会性も生活能力もありません。そして、恐がり方も凄い。凄すぎて笑えます。ある場面なんか、笑いすぎて腹がよじれそうでした。


暗いドラマを唯一明るくしてくれる、愛すべきキャラクターですね。何やら『霊界ミミズ』なるものを恐がっているらしいんですが…。体中にアルミをまとうと、何かいいことあるらしいです。


手塚とおるみたいな感じだったけど、誰なんだろう、この人。とにかく、こんな世話のやける霊能者も困ったもんです。「4人の食卓」のチョン・ジヒョンの方がまだましかも。


しかし、主人公の小林は、この人に助けを求めてしまう。心霊ドキュメンタリーなんかやってれば、霊能者の知り合いくらいいそうなものなのに、付き合い狭いんですね。それじゃいい仕事できないでしょう。いわくつきの場所に行くのも、無防備過ぎて危なっかしい。でも、低予算のビデオ作品だとそんなもんなのかなあ。


そして、案の定ヒドい展開になって行く。堀&小林のドタバタコントも随所にちりばめながら、事態はさらにややこしくなって行く…。後は本編をご覧下さい。


しかし、一瀬隆重というプロデューサーは、若手を起用するのが本当にうまいですね。「帝都物語」の時に呪術のことをかなり調べたらしく、それが今回の作品にも生かされているみたい。Jホラーシアターとは違う番外編のような位置付けらしいです。それだけに、実験的な要素が大きかった。


白石晃士監督は、「ほんとにあった呪いのビデオ」シリーズで少し名前を見た程度で、よく知らなかったんですが、今後の作品に注目したいところです。


かつて「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」というふざけた作品がありましたが、間違っても『和製ブレア~』などと言って欲しくないですな。あっちは、鼻水たらした女が“ごめんなさい”と謝る姿と、ひたすらブレまくる画面の気持ち悪さで、途中退席者が続出したアホ映画でした。低予算でデカい利益を上げた功績は認めますが、作品の質は低レベルなのは否めないでしょう。 (2作目は笑えて面白かったけど。)


この映画は、一部本物の映像を使用しているそうですが、あまり明かさない方がいいでしょう。各雑誌でも、モデルの人物がいるとかいろいろ言ってますが、わからないところがいいと思うので、これから見に行こうという方は、出来る限り何も情報を入れずに臨むのがいいでしょう。


きれいな人を使わなくても、いい作品はちゃんと作れるんです。やはりJホラーはいい。そして今年は邦画が面白い。これからも、質のいい作品をどんどん生み出して欲しいです。


追記:後日、もう一回見に行きました。

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2005-08-21

妖怪大戦争

テーマ:邦画

うわー、適当な映画。でも、それなりに楽しいです。


三池監督の作風は、ユルい演出と素早い展開にあります。今回も、テーマはうすっぺらですが、お祭りみたいな楽しい作品に仕上がりました。


主演は、2歳でデビューしてすでに芸暦10年のベテラン子役、神木隆之介。彼の、女の子のようなカワユさが、暑苦しい妖怪コスプレ集団の中で、紅一点のような効果を上げています。


彼が演じるタダシ君が、妖怪にだまされておびき出され、怖がりまくる様子は、何だか少年を誘拐したみたいな錯覚を起こしそうで、ヤバいですねえ。怖がり方が本気モードでないのが残念。つかこうへい演出だったら、もっと凄いものになったでしょう。それはそれでみたいなあ。ウヒヒ。


彼を見たのは初めてだし、演技力があるかどうかは、この映画だけではわかりません。周りの空気を読む力はありそうだけど。機会があったら他の作品も見てみようかな。12歳だと、そろそろ声変わりも始まるだろうし、美少年役は今のうちだぞ。残り少ない時間を大切にしろよ。


悪役の加藤保憲は、「デビルマン」の主役になり損ねた、NIGHT HEAD豊川悦司。声はシブくていいけど、あまり大きな悪役は合わないなあ。やっぱり「帝都物語」の嶋田久作の方がイメージ強いもんね。まあ、いい人には見えないんだけど、なんか訳ありの感じがいいのかも。「北の零年 」でも、そういう役でした。


手下のアギは、われらが栗山千明嬢。彼女の使い方はOK。「ブレードランナー」のダリル・ハンナ並に際立ってました。ちなみに、今回の武器はムチです。 フウ~!!


彼らは、人間たちが捨てたゴミ(特に粗大ゴミ)の恨みの力を、つかまえた妖怪と合体させて、現代に甦らせます。地球にやさしくないリサイクル集団。このメカ達のデザインがアナログで面白い。こういうの、「スチームボーイ」でも見たかったなあ。巨大メカも、怪獣みたいでよかったです。


妖怪たちも個性的で笑えます。河童の川太郎は、名優阿部サダヲ。この人すっかり有名になってしまいました。今回も、はなっから役に立たないだろうキャラですが、期待を裏切らずに熱演しています。こういう友達って、なんだかずっと横にいて欲しいもんなんです。


小豆洗いは岡村隆史。彼の『しっかり洗わしてもらいます』の台詞は絶品でした。ぶるぶるも、見た目でわかりやすくてよろしい。塗壁のちっこい目もかわいい。あ~、妖怪っていいねえ。


俺的に一番ヒットだったのは、三輪明日美のろくろ首。首がのびる、のびる。絡みつく。その様子がなまめかしくて、ちょっと興奮しました。CGっていいですねえ。 あー、俺も巻かれたい。


あとそれから、川姫のフトモモもいいです。川で溺れたところを助けてくれるんですが、気がついてもうろうとしているのをいいことに、フトモモを少年の手が撫でまわすシーンはあやしいです。弾力のあるフトモモ。いいですねえ。俺はきっと、オッパイ星人じゃなくて、フトモモ星人 なんだと思います。そして彼女の衣装が、フトモモを強調したかのようなデザイン。フトモモファンにはこたえられません。映画の間中、ずっとフトモモばっかり見てました。


もちろん、アギの胸元と鎖骨も色っぽい。この人、悪役やるとなんでこんなにセクシーなんだろう。スタイルもいいし、立ち方も決まっている。この路線で、もう少しがんばっていただきたいです。


雪女も、もうちょっと出番欲しかったな。個人的に…。


それにしてもこの映画に出てくる妖怪たちは、戦う気が全くありません。本気で戦おうとしているのは、タダシと加藤とアギの3人だけ。他の連中はただ面白がって慌ててるだけ。お祭りだと思って来ている奴らもいっぱいいます。こりゃ、タイトルも「妖怪まつり」にした方がよさそうなくらい。まさにザ・適当。みんな集まると、なんとかなってしまうから不思議。


日本の妖怪って、日本人そのものって感じ。憎めないキャラクター。臆病だけど、人なつっこくていたずら好き。やっぱ鬼太郎みたいなのがいないと、まとまらないんだなあ。


2時間4分という時間は、子供にとっては長すぎるので、ガキが退屈で眠ってしまった後に、お父さんの楽しみがあるということで…。

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2005-08-10

人形霊

テーマ:洋画

コケまくりです。滅亡寸前の韓流ホラー映画、一気に加速か?


これもまた、題材としては悪くないのに、つくり方を間違えた、もったいない作品です。


人形に霊が宿るというネタは昔からありますが、生霊が宿るという着眼点は評価すべきです。小さい頃にかわいがった人形が、意志を持って持ち主の前に現れる。おお、いーじゃないですか。もともとは自分の分身だから、自分自身の違った形が多重人格のように出現する。それなら面白いのでは…。甘かったッス。


シチュエーションとしては、ある人気人形作家のお屋敷に、選ばれたモデル達が呼ばれます。それだけで、終わったら全員殺されそうなニオイがプンプン。たいていは、一番アホな奴から殺られるもんですが…。なんと、出演者全員がアホそうです。


まず、「コックリさん 」と同じく、きれいな人が一人も出てきません。主役のにわか彫刻家はイモねーちゃん。ナイスガイ役の男も、田舎の青年団長風。アホな女子高生は、渋谷に出没するなんちゃって女子高生もどき。エロ写真家のオヤジは、下品なだけ。開始早々、早いとこみんなブッ殺されちまえって感じです。


ただひとり、人形フェチの小説家の女だけは、なかなかの熱演でした。オク・ジョンという人なんですが、ペ・ドゥナ主演の「子猫をお願い」に嫌われ者役ででていました。彼女だけは○です。殺され方もナイスでした。ただ、しばらく牛タンを見たくないですが…。


後はまあ、人形作家のオバハンと、世話役の升毅風のオッサンも普通レベル。どうということはありません。


特筆すべきは、やっぱり人形霊役の少女でしょう。顔は岡村孝子と斎藤由貴をたして3でわった感じでしょうか。もとの人形が白かったのに、やや色が黒いのが気になります。太い眉毛が80年代の雰囲気。


そしてこの女、やたら怪力です。弱々しく泣くわりには、次の瞬間、ロープを男の首に引っ掛け、腕の力だけで大の男を首吊り状態にします。必殺仕事人の三味線屋ですな。


これだけの女だったら、絶対味方にした方がいい。正体がわかってからもそんなに毛嫌いしないで、仲良くすればいいのに。もともとは自分の生霊なんだから。もったいないなあ。


人形のことにも触れておきますが、そんなにすごい造型でもないような…。これじゃ、ただのマネキンです。いや、むしろダッチワイフです。こんな商品が通販ででまわってそう。新○アートセンターあたりで。それに日本の作家の方が、もっといいもの作ってるような気がするけど。もっといい作家いなかったの?はっきり言って適当過ぎ。中学校の文化祭のお化け屋敷レベル。


あと、人形の恐怖描写もベタベタすぎて、いただけません。だいたい、人形の目が動くのにしても、ダイレクトに眼球を動かすってどうよ! 笑えるじゃねえか! 恐怖シーンのほとんどが失笑を誘ってます。


美術が、「箪笥」と同じチョン・スアだったので、似たようなシーンがあったけど、根本的に演出がダメだから、全然効果が上がりません。作品をキチンと選びましょうね。


とにかく、人形を捨てる時は、目を突いて、首をへし折るのがいいそうです。でも、かわいそうでできないだろうなあ。かわいがったダッチワイフなんか特にねえ…。 あ、でもダッチワイフが生霊になって帰ってきたら、それはそれで楽しいかも…。そういうエロ映画にした方が盛り上がりますね、きっと。


とにかく、最近の韓流ホラーは元気がありません。「ボイス」のウン・ソウは不気味で最高だったし、「4人の食卓」のチョン・ジヒョンは、世話のやける霊能者を熱演していてなかなかのもの。「箪笥」に至っては、素晴らしすぎて感動すら覚えたのに、寂しいかぎりです。


Jホラーに負けない、いいものをたくさん作って欲しい。真似やパクリばかりだと、いいかげん観客に飽きられますよ。オリジナルで勝負しろ! …と私は言いたい。


 

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2005-08-07

金色のガッシュベル!! メカバルカンの来襲

テーマ:アニメ・特撮

友情は力です。後味さわやかな男の子映画でした。


娘を連れて、親子三人で見に行ったのですが、子供の見る作品に、こういう要素がしっかり織り込まれていると、なんだか安心するとともに、うれしくなってしまうものです。


設定などは、わりとどこかで見たようなごちゃ混ぜ感があるものの、本筋を語るためのおまけって感じで、クドくないのが、わりと好感触。


本作を見て思い出したのは、まず「アイアン・ジャイアント」、それから「火の鳥復活編」、「アイ・ロボット」あたりでしょうか。完璧にプログラムされたメカが、何らかの原因で誤作動。その結果、親しみを感じるキャラクターになってくれるという展開。


それから、「スター・ウォーズEP1」、「CASSHARN」、「スカイ・キャプテン」あたりに見られる、巨大ロボット大行進。おじいちゃん世代はちょっとワクワク。しかもハイチュウのCMよろしく合体する様は、お父さん世代がちょっとワクワク。


そして、軍団に 『やめてー!』 とひとりで立ちふさがる姿は、「風の谷のナウシカ」ですな。「天空の城ラピュタ」みたいな場面もあったような気がする。


でも、それはさておき、「ガッシュベル」の魅力は、やはり友情の物語だと思うのです。その意味では、とても学ばされるところが大きい。


友情って、恋愛感情と一部通じるところがあるんだけど、こっちがこう思っても、あっちがそうは思ってないことって結構多い。それを素直に言えるかどうかで、絆が深まっていくかどうかが左右される。あたりさわりのない関係なら、相手の気にさわることは言わない。でも、好きな人だったら?大切な、かけがえのない友達だったら?そのままでいいのか?


ガッシュは、素直にきちんと言います。自分の思ったことを、正直に相手に訴えます。清麿がくれた大切な “友達” バルカン300をとても大事にしていること。それをくれた清麿の気持ちがとてもうれしかったこと。大好きだからこそ、自分のことをわかって欲しいという一途な心。いーじゃないですか。今時なかなか言えませんよ。こんな風に。


でも、それをサラッと言えるガッシュは魅力的だし、それを受け止められる清麿も素敵だと思う。この二人、年齢も相当開きがあると思うんですが、対等につき合っているところが素晴らしい。愛に年齢が関係ないように、友情も関係ないんです。愛があるからこそ、対等になれるということかな。


友情や愛情って、力なんです。だから、理屈じゃない。いてもたってもいられなくて、行動してしまう。だめだってわかっていても、戦ってしまう。その結果自分がどうなっても、後悔なんかしない。回りから何と言われようと、あいつのために、俺たちの大切なもののために、突っ走ってしまう。そういう世界って、子供の頃に経験しておくべきものなのかも知れないですね。


そんなわけで、この作品を見て子供たちが何を感じるか。子供は愛がどうのこうのよりも、友達をテーマにしたものの方が身近でわかりやすいから、心に素直にしみこんでいくはずだと思う。


大人になるにつれて、現実は厳しいとわかっても、この作品で学んだことは、将来きっと役に立つはずです。人間には考える力がある。必ずいい方法があると信じて戦う心は、いつまでも少年たちの瞳に宿ることでしょう。


子供たちのみなさん、「やさしい王様」になれるようにがんばってください。


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2005-08-03

亡国のイージス

テーマ:邦画

某国の意地ッス。 お見事! よくがんばりました。


最近は、東宝がずっと一人勝ちだっただけに、松竹の健闘はうれしい限りです。


ローレライ 」、「戦国自衛隊 」とかなりトンデモ路線が続いていただけに、今年の邦画の本命と言われる本作には、始まるまで期待と不安で胸がいっぱいでした。 …コケたらシャレにならん!


ところが、フタを開けてみれば、なかなかどうして、いいじゃないですか。大作のわりにはシンプルなストーリーで、わかりやすい。細かいところはあまり説明せず、知りたい人は原作も読んでねといった感じ。


とにかく、役者が豪華。真田広之はやっぱり演技力がある。昔の彼は、それこそアクション専門といった感じでしたが、最近は、すっかり演技派になりました。


俺が最初に彼をすごいと思ったのは、TVドラマの「高校教師」でした。強い男が、気の弱い役をしっかり演じているのに驚いたものです。怒り狂う場面でも、弱い人が癇癪を起こしたみたいに、実に自然に演じていたのです。


本作では、仕事に忠実な真面目な男が、追い詰められて勇気を出してしまうといったシチュエーションですが、特別攻撃的でもなく、戦いのプロというわけでもない。ただ、俺の船を好き勝手にさせてたまるかっていう“気概”だけ。後は、現場の判断で、ひたすら突っ走ります。


クライマックスでも、持ち前の格闘センスは、一切出しません。あくまでも“普通の男”として戦うのです。それが余計に臨場感を出して、ハラハラしてしまうのです。まるで自分が戦っているような…。


なんだか、「ホワイトアウト」を思い出します。原作は素晴らしかったのに、映画で台無しにされた遺恨作。やっとまともに映画化されたような錯覚すら感じてしまいます。


悪役に中井貴一。存在感ありすぎな風貌と役柄が相乗効果で作品を盛り上げます。彼は、「連合艦隊」で印象的なデビューをしてから、年を取るごとにだんだんと風格が増してきました。彼が出るだけで、画面が引き締まり、緊張感が生まれます。特に最近、「ヘブン・アンド・アース」に出てからというもの、気迫十分。「梟の城」のことは忘れてあげましょう。


そして寺尾聰。なにやら、わけありな表情は相変わらずです。このおっさんは、何か悪いことしてつかまっても、何かと弁護してもらえそう。 “彼がそうしたのは、きっと訳がある”…なんてね。


佐藤浩市は大した役じゃないので、あまり気にしなくていいです。「GONIN」とおんなじキャラだったなあ。岸部一徳も「火々 」とおんなじキャラ。思いっきり普通でした。


特筆すべきは、内閣総理大臣を演じた、原田芳雄でしょう。なんともリアルなキャラクターです。実際の総理って、こんなもんかも。面倒くさそうに登場しますが、決断する時はリーダーシップを発揮します。やり手ということがよくわかる。俺のお気に入りです。


それから今回も、女が一人登場します。なんだかよくわからんが、福井さんは好きなんでしょうね。こういうの。「ローレライ 」に出ていた世話のやける超能力者。「戦国自衛隊 」のコスプレ鈴木京香もしかり。大して役に立たなくても、そばに置いておきたいんでしょうね。それだけで、男はがんばっちゃう。


福井三部作の中では、一番マトモな映画です。クライマックスの “おや?” は相変わらずだけど。爆弾で殴るのはどうかと…。 


この映画は、普段から当たり前だと思っていたことが崩れてしまった時、自分一人の判断でどこまでやれるかという、サバイバル映画でもあると思うのです。


政治的なことは、クドくなるのであえて書きません。これはあくまでも、一人の男の命がけの冒険の物語として楽しむべきだと思うんです。難しいことはわからなくても、これだけは譲れない。誰だって持っている“こだわり”とか、“プライド”ってやつです。


人は、何かを守るためなら戦える。大切な人、大切なもの、そして大切な自分の尊厳。いざとなれば、誰もが立ち向かえる。そんな“気概”を持つべきだと言っているように思えるのです。


俺は、日本が好きだし、日本に生まれてよかったと思っています。自分が日本人であることに誇りを持って、これからも生きたいと思います。


松竹の次回作は「SHINOBI」だそうで。 どうかコケませんように。 がんばれ松竹!




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