さてさて, そんなわけで、私は全財産150万と巨大スーツケース二つもち、ホノルル空港に降り立ったのだった。
滞在期間は87日。
観光ビザでいられるのは90日なので、少し余裕を持って、この日数にした。
無事入国審査も通過し、荷物を持って、税関通過。。。のはずが。。。
「ちょっと待ってください。」と税関職員から待ったがかかった。
理由は「荷物が多すぎて、怪しい」
スーツケースを開けて見せる羽目になった。
別に違法なものは何も持ってないし、調べられて困るものもないから、
どうぞご自由に。。と思ったのだが、
「観光の枠を超えてます」といわれる。
「どうみても住みつこうとしているようにしかみえない。」と税関職員。
徹底的に隅から隅まで調べられること約1時間。
調べ尽くしたら解放してくれるんだろうと思っていたら、
「こちらに来なさい」と別室に連れて行かれる羽目になった。
「ここで待っていなさい」と待合室の椅子に座るように言われる。
「知り合いが迎えに来ているはずなので、電話していいですか?」と聞くも、
あっさりと、「ダメです。携帯電話は預かります」と取り上げられる。
「英語はわかりますか? わからないなら、通訳をつけますが」といわれるが、
「何とかわかると思うので、通訳は要りません」と答えた。
散々待たされた後、やっと名前を呼ばれた。
「あなたは今年ハワイに来るのは六度目ですね」
「はい」
「どうしてこんなに頻繁にハワイに来るんですか?」
「今まではフラを習いに来るのが主な目的だったので。」
「では今回はどうしてこんなに長く滞在することにしたんですか?」
仕方がないので、つい最近離婚したこと、仕事もやめ、家もなくなり、
生きていく目的もよくわからなくなってきたので、
ハワイでのんびり今後のことを考えようかと思う。。
などど、思い切りテレビの人生相談のような話を税関職員に話す羽目に。
「お金はどうやって作ったんだ」というので、
別れた元旦那からもらった。とこれまた非常に個人的な状況を説明する私。
「ハワイに付き合っている彼はいますか?」
「ハワイで結婚したいと思ってますか?」
「今いくら現金を持っていますか}
など、まるで芸能人にレポートをする、レポーター並みの質問が続いた。
なんでこんなことまで。。
と思いながらも、馬鹿正直に一生懸命答える私。
後でわかったことだが、
移民局は、とにかく「観光」でやってきてくれる分にはいいが、
移住を企てられたら困るのだった。
不法就労、不法滞在をやらかしそうなのは、
「異常なほどハワイ好き」(ハワイに住むためなら手段を選ばなさそう。)
「独身」(何が何でも日本に帰る必要なし)
「びんぼう」(怪しい仕事でもして、ハワイに居座るつもり)
「ハワイに知り合いがいて、コネがある」(仕事を内緒で紹介してもらえるかも)
これすべてあれはまる私は怪しさ満載で、要注意人物の筆頭なわけだ。
これがハワイ常連客に対する態度だろうか。。「いつもありがとうございます」くらい言ってもらってもいいくらいなのに。。
結局三時間にもわたる取調べの結果、
「今回だけは多めに見ますが、次回はもうこういうことは認めませんよ。
次もし長期が来るなら、ビザを取ってからくること。」
ときつく言い渡され、なんとかハワイの地を踏むことを許されたのだった。
「やった~~~!! ついにハワイに着いたぞ」という感激も、取調べのせいで疲れ果てて、すっかり薄れてしまい、
よろよろと空港の外に出た。
ハワイ到着当日から、こんな落とし穴が待っていたとは。。。