さようならでござりまする。
さようならでござりまする。
現実、現実。これは夢。
これは夢想、夢想でござる。
見た、聞いた、触ったではない記録は不確か。
誰かと誰かの共有がなければ実証がない。
夢想も現実も同じでござる。同じでござるよ。
貴方様の現実、それは誰のものですか。
誰も見ていない事実は実証ではないでござる。
貴方の「そこ」は現実でござるか。
貴方はそこで、見た、聞いた、触った、でござるか。
誰かとそれを分かち合ったでござるか。
貴方様が実証だと誰かが言い、その誰かのことを実証だと言えるですか。
貴方はここで消えるでござる。
貴方のこの時間は消滅しているでござる。
この世の、この世界の、この時の、どんな次元からも消えるでござる。
何にもならない次元、空間、時間、感覚、感触を、貴方様は消すのでござる。
どんな忍術よりも確かな形を持って、貴方様は誰の目からも記録からも消えているのでござる。
誰からも消されているのである。
何の細工もしていなくとも消えるのである。
消滅の証明としてここに時間を残す。
そうして次元ごと消えるでござる。
最初から在ったか無かったかは共有する貴方様にお任せする。



