『理論』の意義

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理論を“覚える”のではなく、“自分の経験を映す鏡”と見なす姿勢


最近、とても良い本を読んでいます。まだ読中なので、読了したらご紹介しようと思いますが、この本のなかでとてもよい一節があったので、ここだけご紹介します。


現場における「学習」は非常に大切なのですが、それを暗黙知で留めることなく、自分の中に「概念」として定着させることが大切です。自分の経験から得た知見が、既存の理論ではどのように理解されているのか、ということを知る。それにより経験を概念として受け入れられるとのこと。


これを裏付けるように出来事が、つい最近ありました。

会社の後輩が、長年出向して慣れた客先を離れ、別の顧客向けプロジェクトでマネージャーを務めた。しかし、顧客のカラーがあまりに違いすぎ、現在の仕事がうまくいっていないらしい。

しかし彼は以前の顧客では、顧客の信頼も厚く、成果もよかった。


そのことについていろいろ話していたら、以下のようなことが見えてきた。

彼は今までの成功体験を拠り所に、新しいところで仕事をしようとしていた。しかし、それが通用しないことが多々あったが、自分のやり方のどこが悪いかもよくわからなかった。

彼は成功体験から「やり方」を移転しようとしていたが、「なぜ成功したのか」まで、自分の中で定義できていなかった。成功のための基本的な考え方は同じかもしれないが、やり方は顧客に合わせて変えるということが、できていなかったと、会話のなかでふりかえることができた。


経験というのは、成功も失敗も、いろいろなことを教えてくれます。しかし、それが「武勇伝」になるのか、「概念」として自分のスキルセットとして蓄えられるかは、知見からの本質をきちんと押さえておくことで、決まると思います。

自分の経験からその本質を磨きだすことに『理論』をツールとして用いるという考え方は、「理論なんて経験を積めば必要ない」と思っている頭の固くなってしまったベテランにも、理論を学ぶことは意味がある、と理解してもらえるのではないだろうか。なんて考えた。

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